気になるデザイン[28]動く防犯の目が気になる!/津田淳子

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一般的に、定期的に出ている出版物といったら、どのくらいの間隔で出ているものを思うのだろうか。日刊、週刊、隔週刊、月刊、隔月刊、季刊、こんな感じかしら。

私は個人的には隔月刊くらいのペースが好きなんですが(読む側として)、今私が定期刊行している『デザインのひきだし』は、何ともゆっくりな年3回刊行。2月、6月、10月に書店に並ぶんですが、こういう刊行サイクルはなんて呼ぶんでしょうかね。隔月刊のそのまた倍の間隔だから、隔々月刊?(なんか詐欺っぽい……)

そんな『デザインのひきだし』ですが、今年2月刊行予定が私事で1号休んでしまい、この度ようやく書店に並んだ。その刊行間隔はなんと8か月! ギャー!これって、定期的に刊行しているといえるペースなんでしょうか。我がことながら、うなってしまいます。うーむ。

もともとマニアックな弱小媒体。2月に出なかったので「休刊、廃刊しちゃったんだなぁ」なんて思われている方もいたことでしょう。いやぁ、私がイチ読者だったら、そう思うもの(苦笑)。

8か月もの沈黙を破って刊行した(ってほどでもないですが)『デザインのひきだし』には、私も「気になるなぁ」と思っていたことが載っている。そのひとつが連載「北川一成の 負けた!」だ。



この連載は、印刷会社「グラフ」の舵取り役でもあり、デザイナーでもある北川一成さんが、「このデザインには負けました」と白旗をあげてしまった優れたデザインについて毎号語っていただいているものなんですが、今回、北川さんが「負けた!」と感じたのが、宅配会社のトラックなどに貼られた「目」のシール。

歌舞伎の隈取りのようなこのシール、東京都内の方は一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。正式名称は「動く防犯の目」というそうだ。

動く防犯の目(大東京防犯ネットワーク)
< http://www.bouhan.metro.tokyo.jp/kodomo/k09_01.html >

このなんとも強烈なビジュアルのシール、確かに都内にいるときに、ふとトラックに貼られていたり、立て看板に描かれていたりと、自然と目にしていた。だが、この連載で取り上げることになるまで、これがどこがつくっていて、どういうことでトラックやその他看板などにつけられているかはわからなかった。でも、なんとなく「見られてる」気がしてはいましたが。

これは前述のWebサイトをご覧いただければわかるように、「(前略)地域の防犯力を強化し犯罪を防止するため、地域に密着して走るクルマに防犯ステッカーを貼付して地域の「動く防犯の眼」として活躍してもらっています。(後略)」とのことで、防犯活動目的であれば私たちも使用することができるそう。そういえば、うちの近所では、自転車のカゴの前にこのステッカーを貼っているおばさま方がいるなぁ……。

けっして「スタイリッシュ」とか「かっこいい」という言葉は当てはまらない(と私は思う)けど、この動く防犯の目は、確かに「見られてる」感じがあって、インパクトは大きい。連載記事中で北川さんも独自の考えで絶賛されているので、ぜひご覧いただきたい。

そんな「動く防犯の目」、誰がデザインしたんだろうと気になりますよね。実は日本中知っている(と思われる)かの人が最終的にデザインしたそう。だれだか知りたい方は、ぜひ書店で『デザインのひきだし』をご覧ください!(この答えしか興味がない方は、立ち読みで構いません)

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
3つの別冊(?)付録と、計12枚の綴じ込み付録がついた函入りの『デザインのひきだし7』。特集は「製本加工はここまでできる!」と「スケスケな紙、素材、加工、大集合!」の2本立て。小口まで真っ赤に染まった本が、段ボール箱に入って、全国書店に並んでます!

金銀とCMYKの掛け合わせ見本帳『標準 印刷見本帳2 銀×青金×赤金×CMYK×CMYK×マット/グロスニス編』発売中 他に最近作った本は『デザインのひきだし6』『ハニカムペーパー・クラフト』『標準 印刷見本帳1 蛍光色×CMYK×マット/グロスニス編』『デザイン事務所の封筒・名刺・ビジネス文具コレクション』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/ >