ローマでMANGA[20]スーパー8現る──宿題の結果/midori

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前回、イタリアのデ・アゴスティーニ社刊「MANGAの描き方」に付随するサイトで、登録者が投稿する絵の中から適当に選んで講評する仕事の話をした。そして、宿題を出したことも。

宿題は、原稿一枚、日本のMANGA出版社が普通に使うサイズ、270ミリ×180ミリの枠内に、横長のコマを三つ配置し、これをバックにして、左側に全身のキャラ、正面向きを入れる。要するに、キャラを前面に押し出したインパクトのあるページ構成。

私のページ内の「ブログ」に「宿題」というタイトルを設けたので、そこにアップしたことを知らせる一文を入力するように、という条件も出した。

そして、すべての条件をクリアしなければ、添削はしないよと言ったものの、初めてでもあり、皆の一生懸命が伝わってくるし、しかもほとんどが高校生。ええい! 持ってけ泥棒! 全員受け取ってしまうことにした。エラーはちゃんとそのように伝えて。

そして101名の参加者と相成った。2万人の登録者の中の101名というのは、それほど多くもないけれど、講評するには充分の数だ。投稿済みを表明する場所を間違えた人、原稿の大きさを間違えた人は別カテゴリーにした。



すべての条件をクリアした81名の中、その表現力の差で一緒に講評するのは惜しい作品もあったので、カテゴリー1と2に分けた。カテゴリー1の中でも特に絵の技術が高かった8名をスーパー8と呼んで、これまた別格にした。
      

スーパー8あたりになると、MANGAの影響をたっぷり受けながらも、自分の絵柄にしている。ものすごく将来が楽しみになってしまう。でもその「将来」が何10年も先になってしまうのは困る。


そんな矢先、日本のMANGA風の絵柄でヨーロッパ人が描いた作品ばかりを集めた雑誌が、イタリアで出ることになった。その名もMANGAKA。今月出るはずなので、次回そのニュースをお届けできると思う。
< http://fumettierobot.blogspot.com/2009/06/presto-in-edicola-mangaka.html >

MANGA風絵柄というのは、私にも覚えがあるけれど、描いていて気持ちがいい。どうしてそうなのか、理由を考えてみたいと思いつつ、まだやっていない。MANGAはシンボルの集まりだから、見かけよりも簡単に描ける、というのもあるかもしれない(もちろん別格の絵柄もあるけれど)。

小さい頃から日本のアニメを見て育ち、字が読めるようになったらMANGAを読んできた少年少女達が、MANGA風絵柄のマンガを描きたいと思うようになるのは当然と言えば当然。

高校生以上になってもMANGAを読んでいると、馬鹿にされる風潮は未だにあるにせよ、だんだんとじわじわとMANGA風絵柄のマンガを描く子がふえている。そんな子達が作っているサイトもある。
< http://www.graphictoons.it/ >
< http://www.mangaka.it/ >

それでも、今のところ絵の表現に留まっている。MANGA独特の、読者を主人公に感情移入させるコマ割りにまで至っていない。

うーむ、やはり私の出番ではないか!

101枚の宿題の講評は3週間かけて仕上げ、発表も3週間かけた。「私の絵が講評されてないんですけど、受け付けてもらえたのでしょうか」とか「カテゴリー1と2に出なかったということは、僕の絵はカテゴリー3か4ということですね。1と2の絵を見ても僕の絵が劣っているとは思えないのだけど説明してください」などのメッセージが届いて、その返事にも時間を割くことになってしまった。

自分の絵に自信を持ってしまうのは幼さでもあり、熱心さでもあり、放っておくのは忍びなかった。なによりも、彼ら彼女らはまだ生まれぬひよこさんなのだ。どんな大きな鳥に育つかわからない。そして、ほとんどが思春期で、オトナの言動にひどく傷ついたりする時期だから、そう言う意味でも、彼ら彼女らの熱心さに応じて、真面目に真剣に対応しようと努めている。

さてさて、好評に応えて、宿題・第二弾も出した。
日本のMANGAの原稿の大きさ(280mm×170mm)はそのまま、上下2段に分け、1段めをさらに3コマに分けて、1コマ目と2コマ目はふたりのキャラが言い合いをして、3コマ目は1コマ目のキャラが黙って正面を向く(時間が一瞬止まる)そして大ゴマの4コマ目で3コマ目のキャラの感情爆発。

今回は、条件をクリアしない作品は、鬼となって受け付けなかった。それで条件をクリアしたものは66作品。6月は学年末で試験の季節なので、それを考えると決して少ない数ではない。やー、嬉しいなぁ。

嬉々として、同時にうんざりしつつ、講評を半分終えた。とりあえず条件はクリアしたものの、技術的に全く未熟なものはどう講評していいかわからなくて、それがうんざりのモトになってしまう。その講評の結果は次回に。

本誌のテキスト書きよりも、この講評が楽しくて仕方がない。けれど、テキストも書かなくては……。

こんなにイタリア語で文を書いたことはない。ずいぶんスムーズに出てくるようになった……と思っていたら、義姉に書いたメールに、「どうしたの? ずいぶんイタリア語が下手になっちゃって。添削して送ってあげる」との返事にがっかりしてしまった。「僕の絵が劣っているとは思えないのだけど説明してください」の心境だ。いつからイタリア語の文法が変わったんですか?

イタリア製MANGAの誕生を目指して前進じゃ!!

【みどり】midorigo@mac.com

さてさて、学年末です。高校2年の息子は留年してしまいました。3月に担任と話した時は、ラテン語とイタリア語と生物と数学が落第点。でもイタリア語とラテン語はどうにかなりそう……とのことだったので、生物と数学が落第して夏に補習を受けて9月に追試か……と思っていたら、歴史、体育、宗教以外は及第点を取れず、落第になってしまった。。。イタリア語の先生は「心配なさらなくて大丈夫ですよ」と言っていたのに、どうしたことだ。

イタリアの高校はほとんどが国立で、教科書を自分たちで買う以外の学費はかからないのですけど、その分進級には厳しいとは聞いてました。5年制のうち、3年以降は専門課程に入るのでさらに厳しくなります。それについて行けそうにない子は、もう一度繰り返した方がその子ためだから、という理由で落としたりするわけです。それでも、似たような成績を取っていた友達が進級して自分が落第というのは、少なからずショックだろうと思います。

イタリアの高校は普通高校がなく、専門に分かれるので、中学を終えた14歳で将来の選択という難しいことをさせられるわけです。息子は理数系の大学進学を前提とした高校に、友達が多く行くからの理由で進学したので、本当にこれでいいのか、を考え直すいい機会と捉えることにしました。

そして、工業高校へ換えることにしました。それでもバンドに重きを置いて、なるべく勉強はしたくない……という気持ちが見え見え。工業高校にはラテン語がないのです。……さ、どうなりますか。

イタリア語の単語を覚えられます! というメルマガ出してます。
< http://midoroma.hp.infoseek.co.jp/mm/menu.htm >