グラフィック薄氷大魔王[186]超特大サイズのモレスキンノート!
── 吉井 宏 ──

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MOLESKINE モレスキン フォリオ スケッチブック A4こないだ文具店に行ったら、目を疑うものが売られていた。A4サイズの特大モールスキン、FOLIOコレクションという新シリーズだそうです。罫線つきのルールド、白紙のプレーン、厚い紙のスケッチブック、水彩紙の水彩画用アルバム、アコーディオン式で袋状のポートフォリオなど5種類ものラインナップ。っていうか、A4サイズで驚くのはまだ早い。なんと超特大のA3サイズも用意されている。在庫がなくて実物は見れなかったけど。
< http://www.moleskine.co.jp/
> モールスキン

(いや、モレスキンと書かなくちゃいけないな。モールスキンでは何のことかわからなくなってるかもしれないので、ちょっと不本意ではありますが、これからモレスキンと呼びます)

で、以前から何度か書いてますが、あこがれのノートだったモレスキンを使い始めたものの、いろいろ紆余曲折の末、2冊を使い切らないうちに使用を中止しました。要するに、僕のノートやスケッチブックに対する変な思い入れやこだわりが強すぎて自然体で使えず、あげく、「ええいっ! ノートやスケッチブックみたいに紙を束ねた製品は金輪際使うのはやめだっ! ペラの紙だけ使うぞ」ってことになったのです。



その「ペラ紙以外使わない」作戦はなかなかにうまくいってるのです。そのへんのコピー用紙とかノートを切り刻んだペラ紙に、ラクガキスケッチしてスキャンし、その場で丸めてゴミ箱へ。ペラ紙は重ねてトレースできるし、くるくる回して描けるし、切り刻めるし、裏から修正できるし、ホントに自由です。そんなふうに、ペラ紙でせっかく理想的なドローイング習慣がついたのに……。

FOLIOのA4サイズ、欲っしい〜〜。モレスキンに夢中だった頃、同じ造りでスケッチブックサイズのものがあったら最高なのにな〜と思ってた、そのものなんだから。A4サイズならスキャンもラクだ。いや、A3サイズなんか広げたらA2だぞ! 広大なサイズで念入りにゴチョゴチョ描き込んで、思考の痕跡の塊を作るのもいいなあ〜。

実は、モレスキンを使用中止した後、ソフトカバータイプのXL(スタンダードよりかなり大きいほぼB5サイズ)が発売になり、誘惑に抗いかねて購入したことがあるんです。これこそ理想のモレスキンだ〜って思っちゃったんです。でも、やはりダメだった。ソフトカバーってのは、当然柔らかくて表紙ごと曲がってしまうので持って書きにくい。厚い紙のスケッチブックタイプもあればよかったんだけど、それだとソフトカバーにする意味がないのか、ラインナップに用意されてなかった。結局、今までの使い切れなかったノートと同様に、切り刻んでペラ紙として使うことに。

高級なノートは特にそうだけど、ノートやスケッチブックで一番いけないのは、必要以上に大切に感じてしまうことだと思う。ペラの紙はあんなにも吹けば飛ぶよな気軽なものなのに、厚みがあって紙の枚数やページ順が変えられないノートは、それだけで「時間や思考を封じ込めた一種の宝物」になってしまう。

デジタル環境基本の僕にとって、紙って単に「パソコンも電気もなしで描けたり閲覧できる便利モノ」でしかないんだから。最近は本当にスキャン後は捨ててしまい、バインダーにも入れてない。バインダーもある程度たまってくると宝物的に見えてしまう危険があるので。捨てられない紙はビニール袋に放り込んであり、ときたまさらに選り分けて捨てている。

そのくらい「スキャン済みの紙は出し殻扱い」を徹底してるのですが……。特大モレスキン、たぶん一度は買ってしまい、やっぱダメだったと分解してペラ紙として使うことになるんでしょうね。

余談。最近のモレスキン、新製品多すぎないか? いや、企業なんだからブームで売れるとなればいろいろ出すのは当然だし、僕がこういうモレスキンあったらいいなってものがどんどん出てるみたいに、ユーザーの要望が確実に反映されててすごいことなんだけど。ただ、モレスキンの大きな魅力に「100年以上同じ定番製品が売られていて、大勢のファンがいて、たぶん将来もずっと入手可能」っていう歴史的保証みたいなのがあると思う。ここ数年の新製品で50年後も変わらず売られているものってあるのかな。

参考:過去の関連記事
[ 71]モールスキン
< https://bn.dgcr.com/archives/20061011140300.html
>
[ 74]モールスキン、レビュー記事風レポート
< https://bn.dgcr.com/archives/20061101140200.html
>
[113]ドローイング用の紙やモールスキン関連の続編
< https://bn.dgcr.com/archives/20071121140200.html
>
[116]ポストイット〜手帳廃止
< https://bn.dgcr.com/archives/20071212140200.html
>

【吉井 宏/イラストレーター】  hiroshi@yoshii.com
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

Apple MacBook Pro 2.26GHz 13.3インチ MB990J/A僕もMacBook Pro 13インチ、購入しましたよ。MacBook Airは非常に気に入っていたのですが、HDDが80GBしかないのでDropboxの容量50GBをフルに使うにはボトルネックになっていたのです。また、外出時にはiPod touchでほとんど用が足りてしまうので、ノートパソコンが超軽量である必要もなくなってきた。新しいMBP13は買って帰るなり500GBのHDDに換装。この500GBは春に書いた「ハードディスクが行ったり来たり」でMBP17用に用意したもの。普段使うアプリやBootCampのXPに3ds Maxも入れてある即戦力HDD。

換装してそのままイケるかと思ったらトラブル発生。サウンドドライバが機能してないようで、音が出ない。コントロールパネルは「入出力装置がありません」になってる。他にもいくつかあやしい箇所がある。機種によってインストールされるドライバに違いがあるのかも。しかたないので、MBP13のリカバリーディスクでOSXを上書きインストールしたら、どうやら正常に動くようになった。

ディスプレイ調整しても青系がちょっと派手な気がする他は、かなり満足。15インチにしてもよかったかな。そのうちまた17インチで「ノートだけで仕事」の復活かな。ところで、ガラス製のトラックパッド。サブディスプレイでもないのになぜガラスなのか不思議だったけど、使ってみて大いに納得。スルスル滑かな操作感が非常に具合イイのです。4本指でExposeの操作さえできるようになってるんだ〜。ドラッグ操作にも慣れた。僕は、絵を描く以外の通常の操作も「タブレット>マウス>トラックパッド」だったけど、このトラックパッドならマウスさえ必要ないかも。