電子浮世絵版画家の東西見聞録[84]腰痛リハビリ、甘辛鶏手羽
── HAL_ ──

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コンピュータを使ったデスクワークが中心の人に、腰痛持ちが多いことは業界的に知られています。例に漏れず私も腰痛持ちなのですが、今回は7月の終わりころからはじまり、現在まで辛い日々が続いています。私の腰痛が始まったのはもう20年以上前のことになります。当時は東京の国立市に住んでいました。国立市では毎年「文化の日」を中心にしたお祭り「国立市民祭」が開催され、駅から真っ直ぐ南に伸びる大学通りがそのステージになります。

大学通りは左右二車線の広い道路両側に自転車道があり、その外側に大きな桜並木として作られた緑地帯、さらに外側には幅の広い歩道があるというとてもゆったりした通りです。国立市民祭では歩道に屋台がたち並び、車道は歩行者天国やイベント広場になり、1.5キロ以上ある大学通りのすべてがお祭り空間になるのです。そこでは市民が中心となる様々なイベントが開催されています。

その一角に、知り合いのお米屋さんが米屋仲間と展示スペースを作っていました。そこには様々なお米が展示紹介され、脇のステージでは米俵を担ぎ上げる力自慢コンテストのような場所が作られていました。当時私はコンピュータの前に座っているだけではなく、金属造形の仕事をメインにしてハンマーを振り回す毎日でしたので、多少腕力には自信があり、さっそく飛び入り参加してみました。



米俵の重さは四斗=72リットル=60キログラムで、ほぼ人間ひとり分の重量です。人間ひとりならどうっていうことはないだろうと、高をくくっていました。しかし、俵の縄に手をかけて持ち上げてみて、その重量感にビックリしたのです。人間を持ち上げる時は、持ち上げられる方も上手く重心を合わせてくれるのですが、当然米俵にはそんな知恵が働くわけもありません。私が軽い気持ちで持ち上げてみたところで、完全に地面に落ちた重心は都合良く移動してくれる訳もなかったのです。

とり合えず何もしない訳にも行かないので、考え直して再挑戦。腕力だけで持ち上げてみたもの、その後がどうにもなりません。この米俵を持ち上げる完成形は、肩まで担ぎ上げなくてはならないのです。まず地面から俵を浮かせたものの、その体勢から下ろすわけにも行かず、何度も俵を引き上げようとするのですが、それから上方向にはぴくりとも動いてくれないのです。結果としては全然持ち上がらず、最後は断念してしまいました。でも、その健闘努力に対し景品はいただくことができました、ばんざい!

そして、ありがたく景品を手にして大学通りをぶらぶらと歩いて帰り道のことです。と、突然、腰に力が入らなくなってしまったのです。腰に力が入らなければ歩くことが出来ません。その場に坐り込んでしまった私の身の上、そして次に起こったのが、じわじわと重い痛みが「尾てい骨」を中心に沸き上がってきたのです。しかたなくその場で休むこと数10分。そのままそこにいるわけにも行かず、少し引いてきた痛みをこらえながら帰途についたのです。この痛みは翌日も続いたのですが、若さ故か、病院にも行かずに直してしまいました。

しかし、その時痛めた腰は時々かんしゃくを起こし暴れることがあり、数年に一度は鈍痛に悩まされ日常的にも重いしこりが残っています。私の8月中ばのスケジュールには仙台での法要がありました。なんとかその前に治してしまわなければと2年前、一度見てもらった病院に走り込みました。病院ではレントゲンを撮り、2年前の写真と見比べながら、骨自体は至って健康なので大丈夫でしょうと鎮痛剤と筋肉をほぐす薬そして膏薬を、大事を取り2週間分を処方してくれました。

夏休みは法事を中心に仙台で5日間過ごしたのですが、鎮痛剤を飲んでいるにも関わらず腰痛にはまったく変化がありません。特別痛みが大きくなることもなく、和らぐわけでもない。同じ姿勢を続けていた後に、体勢を変える時には痛みが強くなり、立ち直るのに数10秒を要するという症状です。まったく良くならないのではどうしようもないので、帰宅日にすぐ病院へ向いましたが、病院もお盆明けで3時間以上の待ち時間です。とにかく受付だけは済ませ、一度帰宅。時間を見て、再度病院に駆け込みました。

病院でその後の経過を話し、一通りの検査を済ませましたが際だって病的な個所は見つからないので、リハビリをしてみましょうということになり、はじめてのリハビリ体験となりました。

リハビリは物理的に腰を伸ばすことからはじまりました。まず、背もたれが頭部まであるアームレスト付きソファ状の椅子に坐らされ、腰を30センチ近くあるベルトで固定されます。スイッチが入ると、椅子は背中を下側に仰向け状態に倒れていきます。その時に、腕はアームレストを掴むようにしていると、脇の下に上体の固定具が入り込みます。この脇の下の固定具と、腰を止めたベルトの間を物理的に伸ばしていくのです。その重量は25キログラムで、それで弱ければ負荷をさらに与えられるようなのですが、初心者の私にはまったく判断がつきません。

その機械は腰部を温めながら行うもので10分間、腰部を引っ張られること数回でした。次は電極によるマッサージです。今度はベッドにうつぶせに寝かされて、痛む部分に5〜6センチの丸い電極を四つ貼り付けられ、弱電流を流したマッサージです。この時はいきなり強い電流を浴びせられビックリしました。少し弱めてもらい、もんだり叩いたり、もみほぐしたりを繰り返します。

これは通販などでも一時人気のあった電気マッサージ器と同じ、病院用の大型版という感じでした。以前そのようなものを使ったことがあるので、不安感はなかったのですが、勝手に動かされる筋肉はビリビリした感じであまり気持ちのいいものではありません。人の手でやって貰えたら、さぞかし気持ちがいいのだろうなと考えながら、前記の5〜6パターンを10分間行います。

次はウォーターベッドです。「不安定なので注意して下さい」と言われながら仰向けに寝ると、下から突き上げるように当たって来るジェット水流によるマッサージです。これは、庭先の水まき用ホースの先を潰して水道水を背中に浴びせるという感じです。水流は悪い箇所をぐるぐる回りながら当たり、強弱をつけながら首筋から足の先まで丁寧に動いて、これがとても気持ちがいいのです。「値段を調べて購入出来たらなぁ」などと考えるほどの気持ちよさがあります。これも10分間。

機械任せで非人間的な感じがする30分でしたが、行った直後はとても快適。このリハビリは国保扱いでなんと370円。嬉しい価格です。なぜか2回目は320円でした。これは元々人間が手を使ってもみほぐしたり叩いたり、それも相手を見ながらの行為であったはずが今は機械任せ。だから安くできるのでしょうが、なんとなく妙な感じがしてなりません。でもクセになりそうです(笑)。

そうそう、このリハビリ中、部屋の中にはリラクゼーション環境音楽が流れているのです。でも、残念なことに機械音が大きすぎて、ほとんど聞こえないのですけれどね。

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◇本日のお薦めYouTube Music──ザ・ゾンビーズ(英:The Zombies)

R&Bベースのブリティッシュロック。1961年結成、シーズ・ノット・ゼアのヒットを飛ばし、テル・ハー・ノーがアメリカでもヒット。その後は69年にタイム・オブ・ザ・シーズンが大ヒット。私はこの出だしが、今までに聞いたこともない明快な音の作り方であったこと、そしてオルガンをメインに使った音作り、コーラスの美しさにビックリした覚えがあります。しかし、この曲がシングルリリースされたのは解散の後(1968年)で、大ヒットしたにも関わらず、中心メンバーでキーボードのロッド・アージェントは再結成を拒み、再結成は成されませんでした。当時のオリジナルアルバムは「ODESSEY AND ORACLE」と「BEGIN HERE」の2枚だけです。

The Zombies
The Zombies - Time Of The Season(1968)
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The Zombies - She's Not There
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Zombies - Tell Her No
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◎名古屋名物(?)甘辛鶏手羽

今回は、名古屋名物手羽先の唐揚げを自分で作ってしまおう、という企画です。自家製鶏の唐揚げはよく食卓に上がるのに、なぜ唐揚げにタレを付けるだけの簡単なものを作らないのでしょう。作り方は至って簡単、タレもお好みで味に変化が付けられるので、とても手軽な家庭料理になりそうです。

鶏手羽は、紹興酒または日本酒大さじ1、醤油大さじ1を使い下味を付けておきます。15分ほど経ったら水気を拭き取り、油で素揚げします。次に秘伝のタレです。日本酒、出来れば紹興酒を大さじ3、砂糖大さじ1、蜂蜜、醤油、各大さじ2弱、コチュジャン大さじ1、水大さじ4、以上を小鍋で煮詰めて少しとろみのある甘辛タレをつくります。このコチュジャンが入るだけで、いきなり秘伝のタレに変化するのですよ。好みでニンニクを入れたり、ショウガを入れたり、味醂を加えても良いと思います。

秘伝のタレが出来たら素揚げした手羽に絡め、黒ごままたは白ごまをまぶし皿に盛りつけます。付け合わせとして、茹でカボチャと紫オニオンの塩とお酢を使った即席漬けを添えました。

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
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