[2691] 戦国オタク岡山城と岡山後楽園に赴く

投稿:  著者:  読了時間:28分(本文:約13,600文字)


《初心者向けにレベルを上げています》

■ネタを訪ねて三万歩[56]
 戦国オタク岡山城と岡山後楽園に赴く
 海津ヨシノリ

■グラフィック薄氷大魔王[189]
 MOディスクも消滅へ?
 吉井 宏

■メイキング・オブ・ブックス&プレゼント
 ActionScript3.0の楽園への招待状
 『Adobe Flash CS4 詳細!ActionScript 3.0入門ノート[完全改訂版]』
 大重美幸

■募集案内
 アンケート「DTP関係の勉強会やセミナーに参加したことがありますか?」


■ネタを訪ねて三万歩[56]
戦国オタク岡山城と岡山後楽園に赴く

海津ヨシノリ
< http://bn.dgcr.com/archives/20090826140400.html >
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●抽選会の悲劇

7月下旬、参加者200余名ほどの某パーティー会場で行われた抽選会での悲劇…なんて書くと、なんだか暗い話になってしまいますが、要するに私はクジ運が恐ろしく悪いということを激しく再認識させられたという話です。

このパーティーの参加者は、入り口で自分のネームプレートを受け取り、それに挟んであるネームカードを抽選箱に入れて会場に入ります。後は抽選を待つだけ。手順としては、パーティーの終わり近くに抽選担当者が景品を紹介。続けて抽選箱からネームカードを引き出し、当選者に景品を手渡すだけというシンプルでわかりやすいな流れでした。

用意された景品は、かなり豪華なものから面白いウケ狙いの物まで千差万別。しかもウケ狙いでも外れはなしのナイスな景品ばかり。とにかく、景品紹介のスライドを見ているだけでも楽しくなるほどでした。プレゼンテーションは大切ですからね。で、その数は100点ほど。つまり2人に1人は景品をゲットできるはずなのですが、私は見事に外れてしまいました。いつものことです。とにかく、私はビンゴゲームなどでも昔からクジ運は最悪でした。だから宝くじ類を買ったことがありません。

でも、クジ運が悪いので当たるはずなどあり得ないと思っていても、結局は最後まで抽選会に集中している私がいました。あり得ない「もしかしたら」を信じて。ただし、クジ運の悪さはクジ引きで役職を決めるといった場合にも外れるので、この運気は案外ラッキーなのかもしれません。物事は一方向から考えるのではなく、逆方向から考えてみることも大切ですから。でも景品欲しかった〜。もっとも、当たらなかった分だけ、月末の岡山セミナーが楽しい思い出になりました。

●念願の岡山城と岡山後楽園を見る

富士ゼロックス岡山さんから声が掛かり、7月30日に岡山でセミナーを行ってきました。ただし、翌日は早朝から東京での案件があるために日帰りというハードな行程でしたが、新幹線で片道3時間半なのでそれほどの強行軍ではありませんでした。問題なのは、貧乏性である私の性格の方です。岡山と言えば岡山城と岡山後楽園。戦国オタクの私としては、このチャンスを見逃すことなど出来ません。当然それらの見学を死守するために、東京を7時に出発しました。つまり5時に起床。

いい歳して、こんな時は小学校の遠足当日と同じように目覚まし一発で目が覚めるのが笑えます。あとは退屈な新幹線での3時間半。半年ぶりの新幹線だったので、のぞみの窓側にはコンセンスがあることをすっかり忘れていた私は、暇つぶし用のDVDを持参することはしませんでした。購入したのにまだ見ていないDVDが、かなり溜まっていたので、少しばかり時間を無駄にした感じです。旅慣れてしていないことの証しですね。

そして、岡山駅から町並みを楽しむために、徒歩で岡山城と岡山後楽園に向かいました。地図で見る距離の徒歩30分は、私にとっては普通の距離。路面電車に乗るという楽しみ方もあったのですが、やはり町並みを楽しむ方を優先しました。ちなみに、私にとって徒歩1時間までは何の躊躇もなく徒歩圏内です。

岡山城は、いまさら私がここで改めて語る必要などないほど有名ですが、別名を烏城といい、白鷺城(姫路城)と対で語られることが多いですね。とにかく、この岡山城は、宇喜多家〜小早川家〜池田家と、名だたる武将が本拠とした熱い戦国の城。特に関ヶ原の戦いで宇喜多秀家は改易となり八丈島へ流刑、入れ替わりに入城した小早川秀秋は関ヶ原の裏切り者と誹られましたが、裏切り行為の真相は今も謎が多く、うかつな判断は出来ないというのが私の歴史観。とにかく関ヶ原の2年後に急死した秀秋は、結果的に歴史を動かした重要人物であったことだけは確かです。

その後、池田輝政(姫路城主)の次男・忠継が岡山城を引き継ぎ、幕末まで続きました。ちなみに池田輝政は、小牧・長久手の戦いで豊臣秀吉側として討ち死にした池田恒興の次男。池田恒興は、言わずとしれた織田信長に小姓から仕えた重臣の一人。熱いです。そんな彼らの居城であった岡山城が目の前にあるのです。

もちろん、当時の痕跡は一部分にしか残っていませんが、408年前にこの同じ場所で彼らが歴史に翻弄されていたと思うと、本当に感無量です。しかも当日は恐ろしく天気が良くて、撮影した写真はどれも絵葉書のようにきれいな上がりでした。

また、国の特別名勝に指定されている岡山後楽園は、江戸時代初期に岡山藩主・池田綱政により14年の歳月をかけ1700年に完成した、元禄文化を代表する庭園です。とにかく大きいです。東京文京区にある小石川後楽園が箱庭に感じるほどです。ただし、実際にデータを照合してみると約2倍でした。視界を遮る物がないので、余計に広く感じたのかもしれません。とても癒される空間です。

しかし、夜景鑑賞のためにサーチライトなどがかなりの数設置されており、どこを撮影してもそれらが写り込んでしまうのが少々残念でした。まっ、レタッチすれば問題ないのですが、なんだか写真を素の作品として使うときのレタッチに対して、最近少しばかり違和感を感じ始めていたりするので複雑です。

そして、セミナー終了後の打ち上げには10分しか参加出来ずに、指定時間の新幹線で帰宅。倉敷なども近いので、今度は観光でゆっくりと岡山を堪能してみたくなりました。

ところで、特に気にしていなかったのですが、セミナーに関してある方から指摘されて気がついたことがあります。それは、西高東低という現実。実はこの15年あまりのセミナー経験を調べて見ると、クローズなものも含めて千葉より東でのセミナー経験が皆無なことに気がつきました。たまたま私だけのサンプルなので説得力はありませんが、少しばかり不思議な感じがしています。

※特別名勝とは、我が国にとって芸術上あるいは鑑賞上の価値が高い名勝地の中で、特に重要であると判断したものを文化庁指定により保護しているところ。岡山後楽園ばかりでなく小石川後楽園も指定されています。

●Photoshopキラー「Pixelmator」

不思議といえば、海外の友人とヨタ話メールのやりとりの中で、熱く語っていたPixelmatorという不思議なソフトを知りました。一言でいうと、Pixelmatorは完全にPhotoshopそのものなのです。
< http://www.act2.com/products/pixelmator.html >

価格的にはPhotoshop Elementsよりも安く、内容的にはPhotoshopと互角です。なによりPhotoshop CS4本体が259MBの巨漢なのに対して、Pixelmator本体はたったの76MB。インターフェースはCS2ぐらいまでのPhotoshopと同等なので、すごく使いやすいです。

重要な互換性についても、作成したデータをPhotoshop形式で書き出すことができます。逆にPhotoshopのネイティブファイルを直接開くこともできます。当然、レイヤー関係を保ったまま。ただし、レイヤースタイル設定だけはクリアされてしまいますが、これは大きな問題ではないでしょう。とにかく、このPixelmatorで画像処理を学べば、Photoshopを使うことができるようになる点が衝撃的です。それほど違和感なく使うことができます。おそらく、すでにPhotoshopを使っている人にとっては、マニュアルレスで使うことができるはずです。

また、一番うれしいのは各種フィルタ処理のほとんどが軽く、作業がライブで画面確認できること。例えば、ハーフトーン処理などはPixelmatorを使ってしまうと、Photoshopには戻れません。ショートカットもPhotoshopライクで、混乱はほとんどありません。更にカラーマネージメントにも対応しており、これで本当に8,000円台?(ダウンロード版なら6,000円台)と懐疑的になるほど。

もちろん、PhotoshopにできてPixelmatorにできないこともあります。例えば、CMYK処理。でもCMYKにコンバートする作業は激減しており、マイナスイメージには繋がりません。ある意味、いたれりつくせり過ぎて色々なモードを抱え込んでしまったPhotoshop Elementsと比べると、すっきり分りやすいインターフェースと直感的な処理は衝撃的です。

更にPhotoshopと比べれば、この価格でここまでできるのかという驚きだけが残ります。なにせ、レイヤーマスクの設定もできるのですから。このレイヤーマスクが使えるだけで、その機能がないPhotoshop Elementsは完敗ですね。

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今月のお気に入りミュージックと映画
"僕らの夏の夢" by 山下達郎 in 2009
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"School of Rock" by Richard Linklater in 2003(USA)
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■アップルストア銀座のセッション 9月7日(月)19時より
Made on a Macとして画像処理セッション
海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol. 38 Photoshopへ、
Illustratorの特徴とそこから生まれる利便性を活用したデータを
配置することで生まれるイメージを、縦横無尽に使い回すテクニ
ックと応用について検証してみます。
予約不要・参加無料・入退席自由ですので、気軽に参加して下さい。
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター

yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com/ >
< http://kaizu-blog.blogspot.com/ >
< http://web.me.com/kaizu/ >

○南ウイングで出迎え

今月上旬、友人がスウェーデンからロンドン経由で成田に到着するという一報を受け、南ウイングまで出迎えに行きました。ただし、我々が彼女と会うのは初めてのため、"Hej"(英語で言うところのHello)に続けて彼女の名前を書いたカードを持ち、緊張の数10分を体験しました。旅客機は到着から入管手続きまでに30分から1時間ぐらいかかり、出口は二股になっているので、おおよそ1時間ほど神経を集中させていましたした。しかし、結局はニアミスだったようで彼女の方が我々を呼び出してくれ、無事に会うことができました。ちなみに、呼び出しアナウンスで名前を呼ばれたのは生まれて初めての経験でした。

ただし、彼女は1時間半後には国内線で札幌に向かわなくてはならないため、本当に短い間だけの会話となりました。彼女の来日の目的が家族の住んでいる北海道への旅行だからです。私自身が北海道に行ったことがないのでちょっと羨ましかったりしました。とにかく、英語が苦手(日本語も苦手)の私でも、スウェーデン人の英語は聞き取りやすいので大助かり。彼女は私のブログも見てくれているようなので、本当は英語で書いた方がいいのかもしれませんが、そうすると更新は今の半分になってしまうので……。

ちなみに、彼女と会った2日前に、現在シンガポールに住んでいる12年来の友人から、仕事で新宿に来るとメールを受けていたので酒盛りをしました。彼は米国人です。最後に会ったときは別の会社に所属していたので少し変な感じでしたが、彼自身は何も変わっていないので直ぐに昔話に華を咲かせてしまいました。実は、今月は他にも成田空港や品川のリムジンバス乗り場に何度も出かけたりするなど、久しぶりにインターナショナルを体感してきました。

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■グラフィック薄氷大魔王[189]
MOディスクも消滅へ?

吉井 宏
< http://bn.dgcr.com/archives/20090826140300.html >
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フロッピーディスクの生産停止のニュースに続き、日立マクセルと三菱化学メディアがMOディスクの販売を終了するそうだ。かろうじてソニーが販売継続するそうなので、息の根が完全に止められた訳じゃないけどね。じっさい、僕自身は今世紀に入ってからMOはほとんど使ってなかったんだけど、保存期間50年とか100年とか言われる耐久性は、いざという時に頼りになるんじゃないかと考えていた。

実は昨年、ふと思いついて新しくMOドライブを購入したんですよ。何枚あるかわからないくらい大量の、クローゼットの棚の四分の一も占領している古いMOディスクを整理したかったのと、大切なデータファイルだけ選んで安全安心なMOディスクに保存しなおそうと思ってたのです。

昔は高価でした。1992年にMacを導入したときの見積書(記念に残してある)を確認したら、ヤノ電器のMOドライブが22万5千円、メディア128MBの5枚組が39,500円! 1枚8,000円だよ。高っけ〜〜!(よく使っていた頃には230MB 5枚組がたしか1,000円程度だった)。当時作っていた画像データの容量は大きくてもせいぜい数MBだったし、そもそもMacintosh IIciのHDDが160MBだった。なので、MOの5枚組計640MBといえば無限とも思える容量だったのだ。

久しぶりに使ってみてMOディスクの弱点を思い出した。ときたまマウントできなくなる。ノートンユーティリティ等で修復してやればたいてい大丈夫なんだけど、CD-Rでは同様のトラブルは経験したことない。また、読み書きが非常に遅い上に、ジーコジーコと耳障りな音がする。あと、当時使っていたドライブの固有の問題だったのかもしれないけど、640MBのMOディスクはエラーが多くて安心して使えなかった。なので1.3GBのGIGAMOには手を出さずじまい。

でも、MOディスクは嫌いじゃなかったんですよ。スリーブに入っているのも安心だったし。7〜8枚入るポリエチレンのキューブ型ケースに入れると、「大切なデータの入った頑丈な物体」って感じがした。なぜ使わなくなったかというと、2000年購入のPower Mac G4(Gigabit Ethernet)にDVD-RAMドライブが搭載されていて、「これからはDVD-RAMの時代だ!」って思っちゃったんです。もちろんCD-Rも使っていたけど、容量と10年程度と言われる耐久性が心許なかった。

スリーブ入り、書き換え10万回、高耐久性、4.7GBの容量を誇るDVD-RAMは、まさにMOディスクの親玉。何百枚のMOからDVD-RAMにデータを移し替え、時代を先取りした気分でいたんだけど、DVD-RAM搭載のMacはそれっきり。Mac対応の外付けDVD-RAMドライブもPIXELAの1機種しか出ておらず、ほぼ絶滅状態(現在は数機種あるみたいです)。で、その後、DVD-Rの時代になり、MOはそのまま使わなくなりました。

クローゼットのMOディスク。とりあえず50年保つってことで保険で保管してあるわけですが、将来必要になることはたぶんないでしょう。それで思いついたんだけど、スリーブからディスクだけ出して保管しちゃってもいいんじゃないのか? ディスク自体の厚みはスリーブ全体の5分の1くらいだから、段ボール5箱が1箱で済むぞ。

もうそろそろブルーレイでしょうね。データの密度が細かくなれば記録層の小さな劣化も致命的、と思ってたんだけど、ブルーレイは意外に長期間保つらしい。7〜178年という話もあるし、ソニーのBD-Rは30年とのこと。そのうちDVD-Rから移し替えよう。

余談◎CD-RやDVD-Rのレーベル側面は記録層がむき出しなので弱く、キズをつけないように、ということで慎重に扱ってきました。が、最近のディスクってムチャクチャ強化されてますね。書き込み失敗などして処分する場合、記録層にガシガシとキズをつけて読めないようにするわけですが、マイナスドライバー程度では引っ掻いてもビクともしない。普通のカッターナイフでもプリント層にまで切り込むのは大変。大型のカッターナイフで、同じ箇所を何度も切りつけて、ようやく記録層を破壊できる。初期の金色のCD-Rなんて、ちょっと引っ掻いただけで記録層がポロポロ剥げ落ちたものなのに。

【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

先々月、引っ越しました。前のところから歩いて数分の近所。道路のクルマはやかましいけど、眺めがいいのだけは超シアワセ。たまがわ花火大会も窓から堪能。

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■メイキング・オブ・ブックス&プレゼント
ActionScript3.0の楽園への招待状
『Adobe Flash CS4 詳細!ActionScript 3.0入門ノート[完全改訂版]』

大重美幸
< http://bn.dgcr.com/archives/20090826140200.html >
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みなさん、こんにちは。大重美幸です。2年前の2007年の8月31日にCS3のAS3入門ノートを出し、昨年の7月31日にはCS3のAS3入門ノート2を出しました。そして、今年も8月15日付けで『Adobe Flash CS4 詳細!ActionScript 3.0入門ノート[完全改訂版]』を発行することができました。はからずも毎年夏にAS3入門ノートを出しているわけで、夏に出るのは入道雲とAS3入門ノートという風物詩になりそうですかね?

さて、3冊目に当たるAS3入門ノート[完全改訂版]ですが、AS3入門ノート2が最初のAS3入門ノートの続編だったのに対し、今年の本は初心に戻って仕切り直しのAS3入門ノートという内容です。ただ単にAS3入門ノートのCS4対応版というのではなく、完全改訂版という呼び名にふさわしく、ほぼ全ページを書き下ろしました。

●「AS3入門ノートは難しい」からの反省

なぜ完全改訂版として作り直したのか? その理由は、最初のAS3入門ノートを多くの人に読んでいただき、「AS3をこの本で覚えました!」といううれしい言葉をたくさんいただくことができたのですが、一方で「難しすぎて入門書なんて偽りだ」という声も聞いていたからです。実際、ぼくが思うにもちょっと難しかったかな? という反省があります。

そうなった理由は、2年前のAS3が出たばかりでまだほかに本がない頃に、「ActionScript3ってどういうの?」と期待をもっている人に、AS3に早く慣れるにはフレームアクションを捨て、早い段階からクラス定義ファイルを使うスタイルに移行することがベストであると伝えたかったからです。自分自身、AS3の魅力と難しさにちょっと興奮して、ヘタなAS3は見せられないと息巻いていたかもしれません。しかし、この判断が「初心者には難しい」という結果を招いたのも事実です。

そこで今回の完全改訂版ではその反省を踏まえ、フレームアクションで試せるところは手軽にフレームアクションを使い、クラス定義したほうが効率がよい場合はその実例を見せるというスタンスで執筆しました。そして、前作ではクラス定義が第4章だったのに対し、完全改訂版では第8章になっています。また、「表示オブジェクトと表示オブジェクトコンテナ」について、前作ではAS3の目玉的な変更箇所として最初にとりあげましたが、完全改訂版では本当に必要になる段階までそのことに触れず、逆に第7章としてたっぷりとページを割きました。

●初心者向けにレベルを上げた?!

このように初心者にも読みやすくなるように説明方法だけでなく、ページ構成も見直したわけですが、初心者向けにレベルを下げたのかというとそれは話が違います。むしろ、初心者向けにレベルを上げています。いったいどういうこと? と思うかもしれませんが、そこが本書のウリでもあります。

AS3は十分に難しいプログラム言語になってきました。AS3で実現できることが多くなり、同時に高度にもなってきています。その分、初心者に求められるスキルも高くなっているのです。初心者レベルというレベル幅が広くなって、初心者卒業のハードルが上がっているのです。これは必ずしもAS3が難しくなったのが原因というわけでもありません。インターネット利用の成熟度が高まり、要求レベルが上へ引っ張られたということでしょう。

この状況で初心者向けの本のレベルを下げることは、読み終わってもまだまだそこから先が遠い本になってしまいます。状況からすると初心者向けの本の最終レベルは上がってこそしかりです。ただ、書籍にはページ数という物理的な制限があります。今回の完全改訂版は496ページ。前作は472ページで24ページ増やしましたが(細かい話をすれば、行間も狭くした)、このあたりが書籍としては限界です。これ以上にすると読む方も辛く(書くのも辛いですけど(^^;;)、書籍の価格も上がってしまいます。ちなみに前作は3,800円で今回は3,500円。ページが増えて安くなってる!

それでも完全改訂版ではAS3入門ノートから5割、AS入門ノート2から1割、CS4の新機能を3割、残りを前作で説明しきれなかったこと、というような内容を盛り込んでいます。最終レベルを引き上げ、同時に初心者にも読みやすくする。この相反するような命題を、限られたページ数でどう解決するか。ここはライターの腕の見せ所とも言えますが、実際には「読者は成長する」という明解な答えに従っています。言うなれば、書籍は読者と一緒に作るというコンセプトです。

●CS4の新機能

先にも書いたように、本書ではCS4の新機能も取り上げています。具体的な目次構成は次に示すとおりです。★CS4のマークが付いているものがCS4の新機能についての説明が含まれている章です。新テキストエンジンと3D機能はFlashの可能性を一段と広げる注目の新機能です。

   Chap01 プログラミングの基礎知識
   Chap02 数値とストリング
   Chap03 配列とベクターと結合配列★CS4
   Chap04 イベント処理の基礎
   Chap05 基本的なアニメーションテクニック
   Chap06 PointクラスとRectangleクラス
   Chap07 表示オブジェクトと表示オブジェクトコンテナ
   Chap08 クラス定義
   Chap09 図形の描画 ★CS4
   Chap10 テキストフィールドと新テキストエンジン★CS4
   Chap11 ビットマップとビットマップデータ
   Chap12 フィルタとカラー調整
   Chap13 日時とタイマー
   Chap14 外部ファイルの読み込み
   Chap15 XMLを使う
   Chap16 サウンドの再生
   Chap17 3Dを使った表現★CS4
   Chap18 ブラウザやサーバープログラムの利用

※sectionレベルまでの詳しい目次
→ < http://oshige.com/flash/as3note_cs4/cat236/ >

●書評

Amazonをはじめとして本書に対する書評を目にすることがあるかと思います。書評は褒めてあるとうれしいものですが、手厳しい内容でもいろいろ参考になります(読む度にヘコみますけど)。今回は意識的にあちこちに献本させていただいところ、ブログなどに書評をたくさん書いてもらえました。献本なのでちょっと甘めの紹介かもしれませんが、それを差し引いて読んでもらったとしても、本書の良さを感じ取っていただけるのではないかと思います。みなさん、よく知っている人ばかりだと思います。

書評をいただいたのは次の方々です(2009年8月25日現在)。
Saqoosha(さくーしゃ)さん、trick 7(寺井周平さん)、F-site(沖 良矢さん)、面白法人カヤック閃光部のみなさん、xingxx(加茂雄亮さん)、blocco deli architects(木曽隆さん)、宇都宮ウエブ製作所(宇都宮正宗さん)、アップルップル(山田拓生さん)、Pickles(タナカミノルさん)、blog.taiga.jp(廣畑大雅さん)。みんなありがとう!!

※書評まとめページ
→ < http://oshige.com/flash/as3note_cs4/cat242/ >

●楽園への招待状

帯には大きく「これを読め!!」と書いてあります。この言葉はぼくから読者へ向けての挑発というつもりではなく、上・中級者が新人に向けてこう言って手渡す状況を想定しています。帯には「Flash CS4の楽園への招待状」とも書いています。ぼくの気持ちはこちらです。本のカバーは楽園をイメージしてもらいました。よく見ると、サーフィンをしているぼくとその向こうに椰子の木が繁った楽園が見えるでしょ?

【大重美幸/おおしげよしゆき】
日立情報システムズ、コミュニケーションシステム研究所を経て独立。株式会社ロクナナ顧問。執筆、講師、ソフトウェア開発を行う。趣味はサーフィンとジョギング。茅ヶ崎在住。
< http://oshige.com/ >
< http://oshige.com/flash/as3note_cs4/ >
twitter @oshige, @as3note

◇主な著書
Adobe Flash CS4 詳細!ActionScript3.0入門ノート[完全改訂版]、同CS3入門ノート、同CS3入門ノート2、ActionScript2.0完全入門ガイド+実践サンプル集、Flashデザインラボープロに学ぶ、一生枯れない永久不滅テクニック(共著)、Director8.5 Shockwave 3Dオーサリングガイド、Directorスーパーマニュアル、Lingoスーパーマニュアル、ほか多数(約50数冊)。

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●本誌をソーテック社よりデジクリ読者1名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は9月3日(木)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に9月中旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html >

・アマゾンで見る
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4881666940/dgcrcom-22/ >

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■募集案内
アンケート「DTP関係の勉強会やセミナーに参加したことがありますか?」
< http://blog.ddc.co.jp/mt/dtp/archives/20090805/220700.html >
< http://bn.dgcr.com/archives/20090826140100.html >
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〈主催者情報〉
最近DTP関係の勉強会やセミナーが盛んに行われていますね。ちょっと例を挙げると、以下のような勉強会・セミナーなどがあります。

・DTP Booster < http://www.dtp-booster.com/ >
・DTPの勉強部屋 < http://study-room.info/dtp/ >
・大阪DTPの勉強部屋 < http://www.osakadtp.com/ >
・商社・ベンダーのセミナー
・業界団体のセミナー(JAGAT・JaGraなど)

商社・ベンダーのセミナー、業界団体のセミナーは以前より盛んに行われていますが、最近ではDTPの勉強部屋のようなユーザーサイドからの勉強会が大変多くの方が参加するものになったり、またベンダーや業界団体系ではないところが主催のDTP Boosterといったセミナーも非常に多くの方が参加するものになったりしています。

そこで今回のアンケートは「DTP関係の勉強会・セミナーに参加したことがありますか」というものにしました。
登録不要でアンケートに回答できますので、ぜひご投票ください。集計結果は後日公開いたします。締め切りは8月31日予定。
< http://blog.ddc.co.jp/mt/dtp/archives/20090805/220700.html >
主催:DTPサポート情報Blog

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■編集後記(8/26)

・夏の高校野球甲子園大会で、たまたま明豊の校歌を聞いてちょっと違和感を覚えた。「夢を あきらめないで 勇気 自分を信じ 愛を その手で 育てながら」といった歌詞で、地名も学校名も出て来ない。まるで校歌のイメージがなく、歌謡曲みたいに軽々と歌っているのだ。「なんだこれは、KANか、南こうせつか」と思わず口に出したら、高校野球ファン(マニア)で開催中はずっとテレビをつけっぱなしにしている妻が「当たり。知らなかったの。明豊の校歌は有名だよ」と言う。サイトで確かめたら、南こうせつとその嫁の作曲・作詞で、生徒や先生になかなか評判だとある。校歌といえば学校名か、地名か、ゆかりの何かのキーワードが出てきて、やや古めかしく、格調高いのが普通である。わが浦和西高校の校歌を思い出すと「埼玉(さきたま)のたまいとほしみ」「あゝ武蔵野に匂うむらさき」なんて歌詞が出て来る。「あゝ秩父嶺に彩う綾雲」「あゝ荒川に歌う瀬鳴りよ」なんて2番、3番までは正直覚えていなかったが。懐かしいなあ。思わずおセンチに(死語か)。一般的な言葉だけで綴られた、青春応援歌みたいな明豊の校歌もありだとは思うが、誇り高い自分の学校をあらわすキーワードがまったくないのは物足りないのではないか、なんて感じたがよけいなお世話だろう。誇りを持って朗々と歌ってください。ところで、誇りといえば、国旗・国歌に誇りと敬意を持たない民主党って、本当に日本の政党なのか。矜持(自分の能力を信じていだく誇り)を持たない驕児(思い上がって勝手にふるまう若者)としか思えないのである。(柴田)
< http://www.meiho-beppu.jp/kouka/kouka.html >  明豊の校歌

・大重さん登場! 本は電話帳並みに分厚いです。これをやったら怖いものなし!/「ルビコンの決断」を観た。「大阪のおばちゃん」二人が、市民オンブズマンとなって、行政の「これ、おかしいんとちゃうん?」を、行動力と経理歴30年の視点とでメスを入れるもの。縁故採用、赤字バス、清掃費……。彼女らは役所の反発を感じながらも、大阪の「おかしいんとちゃう?」を減らすべく突き進む。清掃日報のはんこの並びから、カラ清掃を突き止めたり、縁故採用の証拠となる資料がないと断られても、来年の資料は作れるよね、来年また来るからね、と立ち去ったり。で、清掃委託されていた外郭団体が解散したり、縁故採用の温床となっていると言われている部門の採用が5年間凍結されたり。再現ドラマがそこらのドラマより面白く、わくわくする。「大阪が好きだからつぶれてほしくない。趣味だからやれるのよね」と語る彼女らはとても頼もしい。そして、行政は何やってんの? である。たぶん今日の22時からBSジャパンで再放送。あ、値切りと場所(新世界)は、わざとらしくてどうかと思ったが。値切る大阪人ばかりじゃないし、市役所に行った後に、新世界まで行かないって! 距離ありすぎ。水都大阪よろしく!(hammer.mule)
< http://www.tv-tokyo.co.jp/rubicon/backnumber/090820.html >ルビコンの決断
< http://www.suito-osaka2009.jp/nakanoshima/lightup/ >たとえば