音喰らう脳髄[75]野党 自民党がんばれ
── モモヨ ──

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前回、デジクリの原稿を書いたのは選挙直後、あれから二週間たったわけだが、その間、テレビのワイドショーなどでは、鳩山氏の私生活、例えば氏と奥さんの食事のことなどを追っかけたりしている。なんだかなぁ、な話である。

当然、民主党の政策のことなども話題にあげているのだが、どの番組も似たり寄ったりだ。マニフェストにかかげた政策を逐一とりあげて、この政策は実現可能か、可能であれば何時になるのか、などという安易な話題に終始し、結果、財源は云々という話になる。

実を言えば、その財源についてが問題なわけで、実際に民主党中心に新内閣を組み、各大臣を任命し、そのうえで各省庁の内情、とりわけ経済的内情を正確に把握し、先ごろ、自民党が泥縄式につくりあげた補正予算を精査しなければ、何も答えは出てこない。

そんなことは多分誰もがわかりきったことなのだが、どうにも、このところのマスコミは先走りすぎた感がある。特にテレビ報道のお祭り騒ぎが癇に障るのは、私の気のせいだろうか。



いろいろ精査した結果、例えば、今回の千葉県のように、多額の不正経理問題が発覚したとしても、それは国民にとって損失を知らされるだけで、年金問題の時のように官庁に損失を損失として認めさせたあげくに諦めるしかない、そんな結果となってしまうこともありえる。

さらにネガティブな言い方をすれば、財源がみつからない場合、マニフェストに掲げた政策の実現がままならなくなることも考えられる。

が、それでも、役人の不正や、今、問題になっている天下りの問題など、自民党の一党独裁に近い過去の遺物、様々な旧弊や官僚の悪事などは白日のもとに晒した方がいいに決まっている。それだけでも政権交代した意義は大きい。

そして、今後四年間、民主党が権力についている間、官僚らとの腐敗した関係に足をとられて泥沼から抜け出せなくなったりすれば、今度は、野党、自民党が民主党の汚点をあぶりだせばいい。

これが二大政党制の利点だと思う。

が、そのためには、自民党に野党としての膂力(りょりょく)を身につけてもらう必要がある。

前回のテキストでは、自民党が野党として目覚めるかどうか、そんな懸念を表明して終わったが、いまだに、そのあたりは未知数だ。いまのところ、報道などによれば、そうとう危ういところを歩んでいるようだ。

権力を失くした今、《実行力》だの《責任力》などという、先の選挙で連呼したような馬鹿げたキャッチコピーは、当然、使えない。

たのむよ自民党、健全な野党に育ってくれよ。

長期にわたる一党独裁の危険性を教えてくれたお礼として、エールを送らずにいられない私なのだ。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
< http://www.babylonic.com/
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