グラフィック薄氷大魔王[193]アマゾンレビュー、スパムブログ、Twitter
── 吉井 宏 ──

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●アマゾンのレビューのウォッチング

特に、「星一つ」のレビューがおもしろいです。いや、ウォッチングだけじゃなくて、真剣にどれを購入しようか迷ってるときに参考にするわけですが。他の人が星4〜5つばかりの項目で星一つのレビューはたいてい、勘違い、私はこんなものじゃ満足しないぞ、へそ曲がり、初期不良だった、説明やスペックをよく読まずに購入した、目的とちがうものを購入した。高級機種を持ってるのに安いもの買ってやっぱだめだとか。すごいプロらしいのに初心者向け解説書を買ってしまい、そんなわかりきったこと書くな、役に立たないとか。

僕の場合、主にデジタルガジェット、パソコン周辺機器、それと映画DVDと書籍程度のレビューしか読んでないけど、ゲームなんかだともっと熱くてすごいんだろうな。あと、本や映画の内容やあらすじをくわしく書いちゃう人がいますね。買わないぞと断言しているものをこき下ろしたり、発売前に印象を書いちゃう人とかも多い。そんなレビューにくらべれば、自腹で買ったのに(理由はどうあれ)ガッカリした心の叫びを誰か聞いてくれ〜〜っ、のほうがぜんぜんマシです。



●スパム的ブログ

ニュースサイトなどで「この話題に関するブログ」として、いくつもリンクやトラックバックされているブログがありますね。全部がそうじゃないけど、なんかおかしいとずっと感じていた。やはり問題になってるんですね。今ごろ気づいた。

最初の書き出しに何かエッセイっぽい気の利いたような感じの短い文章があったりするんだけど、その短文は内容には関係なく置かれたもののようです。その短文でGoogle検索してみると、あるある、いっぱいある。同じ短文が入ってるブログ記事がぞろぞろ出てくる。表題の話題を別の件に差し替えて他の記事に使っても変じゃない文章だ。その短文やブログ記事全体は、どこかのサイトかソフトで自動生成されてるものらしい。

アフィリエイト目的なのかもしれないけど、興味ある話題について書かれたブログを読もうと思ってリンクをクリックした人にとって、スパムと同等のもので、悪質だと思う。検索してみたところ、ブログ自動生成ソフトというものがあるらしい。なんか情けなくなる。ひょっとして、昨年の調査かなんかで「インターネットの世界で最も多いのは日本語のページ」って、自動生成ブログも含まれてるのかな。

●まだわからないTwitterの魅力

最近、mixiにもTwitter的つぶやき機能がついた。どこかで「Twitterでやってはいけないこと」という記事を読んだのですが、僕がTwitterやmixiをウザいと思う理由のほとんどが書いてあった。誰かがどこに出かけたとか何を食べたとか、誰と会っているかなんて知る必要もないし興味もない。グチなんか読みたくない。誰かと常時つながっていたい欲求もあまりない。その記事が皮肉かジョークかマジか、Twitterにハマッたことのない僕にはよくわからない。

思ったのは、Twitterを素晴らしいと言っている人のほとんどが情報系のジャーナリストやライターの方たちですよね。彼らの興味や仕事にとってすごいメディアに相当する仕組みが出現したのは間違いないんでしょう。でも、一般の人にとって、リアルタイムの伝聞情報ってそんなに重要かな? マスコミが取り上げてからでは遅すぎる、って何がある?

フォローしてつぶやきを連続して読んでいると、ブログなどと同じく知らない人でも親しみを感じてしまうけど、それはきりがないこと。300人くらいフォローすると世界が違ってくるらしいですが。

しばらく前に登録したんだけど、実はまだ一行もつぶやきを書き込んでない。気軽に書けばいいのはわかってるけど、自分が読まされるのはイヤなことを書くのはヤダし、仕事を含めて今何してるかを書くのはブログでもずっと避けてきたことだ。興味を持っているモノの発売のうれしさや感想など書きたいこともあるけど、それはブログに書きたい。

つまり、Twitterに書くことがない。正確には、読むのはおもしろいことも多いけど、自分で発信する気にはならないんです(この項は、現時点でTwitterわからんと言ってる僕が、Twitterの魅力にとりつかれてハマッてしまう物語の序章になるかもしれないという期待に基づいて書いてますので、静観おねがいします〜)。

【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

○速報・ショートアニメーションシリーズ「Yans!Gans! MEAT OR DIE」

僕がキャラクターデザインを担当しているアニメーションが、東京コンテンツマーケット2009のアワード大賞とポリゴン・ピクチュアズ賞をいただきました。作者は秋元きつね氏、プロデューサーはウサビッチの村山太氏(ボーナス株式会社)です。
< http://www.value-press.com/pressrelease.php?article_id=45868
>
ベータ版ムービーがYoutubeで見れます。公式サイトもまもなく公開されます。
< http://www.youtube.com/user/yansgans
>

ところで、前回のまつかさチャット対談で出てきた、Dropboxのチェックマークが出なくなった件。これ不具合なんですか。直してくれたんだと思った。プレビューアイコンのチェックマークがジャマでしょうがなかった。
Snow Leopardでアイコンが大きくできるようになった今、巨大チェックマークが出るのはヤダなあ。