ネタを訪ねて三万歩[57]勇み足インストールSnowLeopard騒動
── 海津ヨシノリ ──

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●トラブルの原因はOSとしか考えられない

いつもは、必ず様子を見てからインストールする最新OSですが、セミナーなどの関係でSnow Leopardを速攻で上書きインストールしたところ、色々な事件が勃発してしまいました。まず、いくつかのシェアウェアが問題を起こしてくれましたが、直ぐにアップデータがリリースされたのでとりあえず安堵しました。

もちろん、ここまではお約束の範囲。しかし、問題はSnow Leopard以外に要因があるとしか考えられないトラブルが発生してしまったこと。相性も悪いのでしょうが、常識的に考えてSnow Leopardだけを責めるには、あまりにも不自然な事態というわけです。

最初のトラブルは、インストール直後にフォルダやダイアログなどを選択、あるいは確定できないという障害に悩まされたこと。つまり、何も処理ができなくなってしまったのです。選択と同時に瞬間対処すれば何とかなる、という悪夢のような状況でした。

文字入力画面の場合は、この瞬間対処を文字数だけ実行しなくてはなりません。ただし、それも欧文入力の時だけで、和文の場合は変換する行程があるので絶望。別のマシンで色々調べたものの、類似情報がなく、それだけはやりたくないフォーマット後に元のLeopardに戻す作業を本気で考えました。



原因は未だに分かりませんが、リスタートや幾つかのアプリケーションを起動したりしているうちに自然に直りました。この、自然に直ってしまったというのが凄く気持ち悪いわけです。しかも、直ったといっても未だに時々同じ症状になるので、かなりの恐怖と困惑が私の中に同居しています。実はあるドライバーが影響している可能性を絞り込んだのですが、確証が掴めず、うかつなことも言えませんので様子を見ているところです。

そしてトラブルの極めつけは、某セミナー会場でプロジェクターを認識しなかったこと。ケーブル類を変更したりしたのですが、他の方のMacBookProでは問題ないのに、私のMacBookProではスクリーン投影ができません。モニター調整側ではしっかりとプロジェクターを認識しているのに、プロジェクター側が私のMacBookProを認識してくれないのです。さすがに焦りまくりました。DVI-VGAアダプタは予備も持っており、ケーブル類はどう考えても白です。

こうなると、常識的に考えてトラブルの原因はOSの違いぐらいしか考えられません。つまり、私のMacBookProのみSnowLeopardだったからです。結局、プロジェクターを交換することで解決しましたが、どう考えてもSnowLeopardは無関係だと思うものの、原因が特定できませんでした。結局、新しい環境やソフトを導入した時は、常にソレが犯人扱いされる典型例で、未だに後味の悪さを引きずっています。

更に、仕事の関係でどうしてもAdobe CS2のインストールが必要となり、外付けFirewire接続のハードディスクにTigerをインストールしてからAdobe CS2をインストールしたのです。しかし、どうしてもIllustratorとInDesignがインストールできません。インストールの選択すらできないのです。もしかすると、OSのアップデートでファームウェアの書き換えが行われたのかもしれません。もうどうしようもなくなってしまったので、BootCampでWindows XPに切り替え、そのシステム上にインストールしてあるWindows版のCS2で作業をすることにしました。

●後期授業の開始と予想外のトラブル

さて、9月になり、駿河台大学メディア情報学部での後期講義が始まりました。多摩美術大学は通年出校ですが、駿河台大学は後期出校となっています。正確には、私がそのようにカリキュラム調整しました。そんな今年は、昨年と異なりアニメーション文化論も担当することになってしまいました。もっとも、今期だけの単発担当という特殊事情。昨年から担当している他の科目も臨時の代用教員なので、今期限りだと思います。それでも、夏休みは資料整理やアニメーション関連のDVDを見まくりました。

ちなみに、メディア情報学部としてはアニメーション文化論ですが、昨年までの文化情報学部の学生にとっては比較文化論という講義になります。つまり、アニメーションを題材とした比較文化論といったところです。前任の先生はディズニーアニメを題材としていたそうです。しかし、私はディズニー作品を授業で使う予定を立てていません。「それじゃ、やっぱりジブリですか?」と突っ込まれそうですが、その可能性も現時点ではゼロです。

レイ・ハリーハウゼン大全当然ながら、私自身も幾つかのディズニーやジブリの作品は気に入っており、定期的に鑑賞しているものもあります。しかし、問題なのは、商業ベースのセル画的アニメーションがアニメーションの全てを語っているわけではないということ。例えば、アニメーションといえばディズニーやジブリよりも、レイ・ハリーハウゼンを熱く語らなくてはなりませんからね。

とにかく、ある程度講義を進めていく中で、必然性があればフレキシブルに対応といったところですが、可能性は薄いように思います。正直に言うとかなり大変ですが、校庭で学生と昼食をとるために飯能に出かけているような雰囲気もあるので、案外それで癒されているのかもしれません。とにかく講義が始まれば、あっという間に15週が過ぎてしまいます。そのスピード感は、講義という緊張感と相まって本当にスリル満点です。そんなわけで新しい授業の準備などもあり、今年の夏休みも基本的に自宅作業の毎日でした。

しかし、今年の駿河台大学での授業は、誰も予想していなかったトンデモナイ状況からのスタートとなってしまいました。3つの授業の履修者が履修枠の2.5〜3倍に膨れ上がってしまい、当初予定していた授業進行がまったく行えなくなってしまったのです。この一番の被害者は学生であることは明白ですが、とにかく学生の不利益にならないような授業を行うために、講義内容の早急な見直しが必要になりました。つまり、頑張って夏休みに行った予習が全てパーになってしまったからです。

主な原因は、文化情報学部が学部編成でメディア情報学部となったことによる混乱のようで、過去に同様のトラブルがほとんどなかったことも事態に拍車をかけてしまったようです。実は、多摩美術大学造形表現学部でも数年前に2.5倍の履修者登録という同じような事件がありました。Apple Remortで3つの教室のプロジェクターを連動させ、走り回ったことが今となっては懐かしい。どこの大学でも似たようなことがあるものですね。

ところが、昨年私の授業を履修していた学生が3つの講義をバランス良く履修しており、混乱している私に対して恐ろしく手際の良いフォローが入り問題は一気に消滅。お昼は「ごくせん第3シリーズ」で赤銅学院高校の売店として使われていた講義棟1Fのラウンジで、学生達と海津ゼミの再開。もちろん専任ではないのでゼミなど担当していませんが、昨年関わった学生達10余名ほどとお昼を一緒に食べながら雑談をすることを、学生達がなんとなく海津ゼミと呼ぶようになったというわけです。

まっ雑談と括るには濃すぎる内容なので、意外と海津ゼミ(Zealotry MiasmaのZeMiだったりして)なのかもしれません。なお、初回ガイダンスの時に行ったアンケートの結果で、アニメーション文化論は法学部や経済学部、現代文化学部に心理学部という他の学部の学生も履修していることを知り、二重にビックリ。色々な刺激が得られそうです。これって贅沢で本当に素敵なことだと感じています。

※"Zealotry Miasma"は、Zealotry=熱狂、Miasma=瘴気で、「熱狂瘴気」つまり、「熱狂して瘴気となる」ということで......「興奮して集中し熱病を起こす毒気」的な集まりという意味です。完全な私がでっち上げた造語です。

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今月のお気に入りミュージックと映画
"I'd Like To Tearch The World To Sing" by The New Seekers in 1971
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THE 70'S-BEAUTIFUL DAYS-
先頃CokaColaのCM映像集DVDが発売されましたが、その時代を反映したナイスなキャスティングが多く、様々な方が哀愁に酔いしれているのではないでしょうか。私がCokeのCMで真っ先に思い出すのがニュー・シーカーズの「愛するハーモニー」。CMソングでは歌詞の一部が"I'd Like To Tearch The World To Sing"から、"I'd like to Buy the world a Coke"に変更になっていました。CM映像も秀逸ですぐに気に入ってしまった私は、速攻でEPレコードを買ったことを思い出しました。もちろん今でも大切に保存しています。
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"Zathura: A Space Adventure" by Jon Favreau in 2005(USA)

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■アップルストア銀座のセッション 10月19日(月)19時より
Apple Store GinzaにてMade on a Macとして画像処理セッション
「海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol. 39
Photoshopブラシ処理テクニック/前編」
Photoshopのブラシ機能の基本的考え方とランダム処理の可能性。シンプルブラシで作り出せる有機的イメージや、様々なブラシ形状に応用することで得られるイメージを検証してみます。予約無用・参加無料・退席自由ですので、気軽に参加してください。
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
yoshinori@kaizu.com
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仕事柄、運動不足になってしまうのはどうしようもありません。ですから、外出時はエスカレーターなどを極力使わないようにしています。ところで、エスカレーターは走ったり歩いたりする場所ではありません。いつからあんな危険な行為が当たり前になってしまったのでしょう。禁煙地帯で歩行タバコしている人達と何も変わらない暴挙ですね。このマナーの悪い人って圧倒的に中高年ですね。だらしないオトナを見て育つ子供は、同じようにだらしなくなります。

とにかく、できる限り規則正しい生活を心がけているので、夜12時ぐらいになると睡魔が襲ってきます。ところが、今年の夏休みは調べ物などでかなりの不摂生を重ねたので、昼間でも時々睡魔が襲ってくるようになってしまいました。そんな時のために私は、眠気覚ましにガムのボトルを常備しています。ところが、よほど疲れていたのか、時々ガムを口に入れたままで爆睡してしまうことがありました。かなり危険なことで、目が覚めたときに背筋が寒くなります。