[2742] 作り手の存在を忘れた議論の行方

投稿:  著者:  読了時間:31分(本文:約15,300文字)


《でも、Flashは特別なんです》

■電網悠語:日々の想い[138]
 作り手の存在を忘れた議論の行方
 三井英樹

■ショート・ストーリーのKUNI[69]
 にせもの
 ヤマシタクニコ

■?×?×CrossOver Talk[3]
 行動、思考する事に自分なりの「意味づけ」をして自分なりの答えを出す
 ──30年間のTVゲーム人生の歴史を振り返って
 杏珠

■セミナー案内
 「Twitter革命」出版記念! 2010年に向けて、ソーシャルメディアは、ど
 の様に変わっていくのか?
 11・12月開催イメディオセミナー(抜粋)


■電網悠語:日々の想い[138]
作り手の存在を忘れた議論の行方

三井英樹
< http://bn.dgcr.com/archives/20091112140500.html >
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HTML5の姿が見えてきたせいか、Silverlightの凄さが分かってきたせいか、最近Flashの価値論を目にする機会が増えた気がする。もはや、Flashを特別扱いする必要はないと言わんばかりの論調が多い。

確かに、Flashを特別視する必要は、もはやなくなりつつあるのかもしれない。事実右クリックをするまで、Ajaxだと気がつかない動きも多い。見抜けない自分を可笑しく思いながら、何で作られたかが問題ではなくなってきている流れも感じる。

昔、Flashでなければできなかったことが多かった。もたついたサイトの中で、たくさんの感動をもらえたのは幸運だったし、幸福だった。99%が有害であるというクジ運の悪さもなかった。自己満足だけのスキップしたくなるオープニングムービーには今でも沢山出会っているけれど、得られた感動の方が大きいせいか、腹立たしさはそれ程残っていない。

  ▼Alertbox: Flash: 99%有害(2000年10月29日)
  < http://www.usability.gr.jp/alertbox/20001029.html >

もしかしたら、当時ですら山ほどの技術を盛り込み、ブラウザを限定すれば同じような体験は可能だったのかもと思ったりする。特に最近のRIA技術の水準の平均化を見ていると、そう思ってしまう。機能別○×表を作成したら、殆ど優劣はつかなくなってきている気さえする。

でも、Flashは特別なんです。心の奥でそう叫び声がする。それは自分の故郷を想う気持ちなのかもしれないし、自分の恩師への感謝の念なのかもしれない。自分の中の何とも呼べないスイッチを入れてくれたもの。そして、それを拡張して行ってくれた先人達。そう、Flashは技術だけではなく、それを支える人たちも含めてFlashなのだ。少なくとも私にとって。

だから、最近のFlash不要論や技術なんでもOK論を聞きながら、つぶやいてしまう。「いやいや、誰が作るのか分かっているのかね、ワトソン君」。機能が同じなら、誰が作っても同じだと言わんばかりの主張には、もはや溜息しか出ない。なら、あんたが作ったら? と悪態が口をつく。

メディアは、未だにFlashをコアにしているサイトに問題があると、Flashのせいにする論調を捨てていない。先の大学での問題もCMSの問題も。でも、特に大学サイトの場合、メディアの見出し上はFlashが悪者だったけれど、すぐさま原因究明+改善策を暗示していたコメントの多くは、設計の甘さを指摘するものだった。Flashが悪いのではない、Flashを使う者が心してかかるべきなのだ。結論は既に出ている。全ては人にかかっているのだよ、ワトソン君。

にもかかわらず、未だに技術だけを論点にする風潮が消えない。システムインテグレータ(SIer)にいた頃、社内にActionScript(AS)を理解する人たちを育てようとしたこともあった。誰かが作ったものをメンテする要員はかろうじて育った。けれど、「最初」を作れる人には遂に出会えなかった。どんなにロジックが書けても、データのやり取りができても、ぎこちない動きに不自然さを感じないセンスの上には、何も積みあがらないのを肌で感じた。技術をスケープゴートにするのは、ズルすぎだ。ASのスパゲッティの塊がFlashと思われては困る。綺麗なFlashだけがFlashとして評価されるべきで、その辺りの勘違いこそが99%有害だと言わしめた根源なのだろう。

言語を憶えても、立派なプログラマにはなれない。SQLがどんなに理解できても、素敵なDBアプリケーションは作れない。立派なプログラマが言語を熟知していることは多いけれど、逆は真ならざり、だ。国語辞典編集者だからといって感動的な小説を常に書けるとは限らないのと同じ道理であり、それは優れたエンジニアの中では常識だ。言語や文法には収まり切れない何か。センスとしか言いようのない何か。それがない限り、その道のプロとは言い難い何か。皆、それを得ようと精進している。

そしてそれこそが、Flashを支える人達の魅力だった。オタッキーで、コダワリが強く、意地っ張りで、疲れを見せない。呑んで騒ぐわ、語りだすわ。いつ寝ているかも不明で、どのサイトの話をしても乗り遅れない。それでいて、子煩悩だったり、別の趣味を持っていたり。それもどれが本業か分からないほどの深さの知識。更に言えば、それがお金になる可能性の余りの低さ。知っていることが何の得になるのかと問われれば、「好きだから」とだけ言い切れる潔さ。多彩な関心アンテナこそが、人の気持ちに触れる動きを作れる原動力だと言わんばかりのバイタリティ。

インタラクションという言葉を使ってしまうと、単なる技術のように感じてしまうが、実はもっともっと生活の身近にある生活臭に近い「気付き」を大切にする感覚も強い。コップを動かしたときに揺れる水面を見て、この揺れをモニターで使えないか凝視する。北風で落ち葉が舞う情景を、作品集や人の検索に使えないか震えながらたたずんでいる。生活しながら、何か楽しいことを常に探していて、その動きを展開しようとする。自分の得た印象を応用しようとする。そうしたチャレンジに感動したのかもしれない。


ネットが黎明期を過ぎ、普及率も一定線を越えた。ネットがない状況を想像できない世代も出ている。明らかに以前とは異なる状況になってきた。その中で、Flashはどう必要なのだろう。

答えのひとつは、US MAX 2009で語られた、Flash Playerの広がりだろう。メモリとCPUの使用量を抑え、どこでも液晶時代のデファクト・メディアプレイヤーを目指す姿だ。描いていいキャンバスの広がり。PCモニターという制限を嫌う者を誘っている。ケータイだけではない、モニターと名のつくところ全てがキャンバスになる。そこにワクワクする人は少なくはないだろう。

  ▼Adobe - Adobe MAX 2009 イベントレポート
  < http://www.adobe.com/jp/joc/events/max2009/video/day1/ >
  (ちょっと長いけれどFlashの未来を考える上では今こそ見ごろ)

でも、それだけでは足りない。キャンバスが広くても、先へ先へと進むには、一人ぼっちでは淋しすぎる。だから、もうひとつの答えは、やはり人、あるいはコミュニティなのだと思う。何ができるかではなく、誰が作るのか。その誰かを更に誰が支援しているのか。今後のRIA技術というか、新しいWeb技術は、そうしたコミュニティの成長にかかってくる。Flashを超えるものは、Flashコミュニティを超えるコミュニティを有する何かだろうと強く想う。

どんなベンダーもW3Cも、技術という小石をデベロッパーという市場に、投げ込めばそれが広がるとは考えてはいまい。技術的にできることが多いとか、価格が安いとか、それがキーにはならなくなってきている。いや、今に始まったことではなく、面白いか面白くないかが一番の壁なのだと思う。面白いと思ってしまう人をどれだけ束ねられるかだと言い換えても良いかもしれない。

面白いことが好きな人の周りには、引力ができる。様々なスキルを持った凄い人間を惹きつける力。Webはそうして深化している。何もW3Cやブラウザベンダーやツールベンダーのおかげで強くなったのではない。面白くする力のある人が寄ってたかって全力を注いで、今がある。

「RIA」や「おもてなし」や「エモーショナル」や「体験」が平然と言葉として表される時代。ベンダーは、より心した対応を迫られている。クリエイティブな人たちを大切にしているのか、機会を与えているのか、チャレンジを与えているのか、厳しい評価基準を与えているのか、鍛えているのか。同様に、作り出す側はもっとシビアな道を歩んでいくことになるのだろう。誰だって、ツールを使えばそこそこできるように水準が上がっているのだから。

Flashが不要になるのは、実はこうしたコミュニティが崩壊したときなんだろう。技術的に追い抜かれた時ではないのだろう。その意味で、ベンダーも岐路に立たされている。どう支援していくつもりなのか。どう買っていただくのか。ツールベンダーとクリエイターとの新しい関係模索は、まだまだ黎明期なのかもしれない。

【みつい・ひでき】感想などはmit_dgcr(a)yahoo.co.jpまで

体も鍛えようとちょっとしたエクササイズを始める。ちょっとしたことから始めないと定着しないのは、50年弱自分と付き合ってきて唯一確かなことかも。ちょとずつ、ちょっとずつ。で、ちょっとずつデジクリ原稿提出が遅れている、申し訳ありません、編集長&デスク様。
・mitmix< http://www.mitmix.net/ >

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■ショート・ストーリーのKUNI[69]
にせもの

ヤマシタクニコ
< http://bn.dgcr.com/archives/20091112140400.html >
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「ただいま」
啓一が玄関で靴を脱いでいるとキッチンから妻の芙美子が顔を出した。
「おかえりなさい、今日は早かったのね」
「うん。予定していた会議がなくなったのでね。帰りにおまえがほしがっていた雑誌を買ってきたよ。ほら」

啓一が雑誌を差し出すと芙美子の顔が明るくなった。
「ありがとう! このへんでは売ってないのよ、これ。『趣味の園芸ライフ』」
「確かそう言ってたと思ってね。ああ、おなかがぺこぺこだ」
「すぐご飯にするわ」
芙美子はキッチンに戻り、まもなくテーブルにおいしそうな料理の数々が並んだ。息子の晴夫も席に着いた。

「やあ、うまそうだ」
啓一は箸を持った手を大皿に伸ばした。そして、芙美子がじっと自分を見てい
ることに気づいた。
「どうかしたかい?」
芙美子は硬い表情を崩さなかった。

「あなた、にせものでしょ」
「はあ?」
「ごまかそうとしたってだめよ。あなたは私の夫のにせものよ」
「何を言ってるんだ」

「だって。本物の夫なら、トカゲ肉とクモヒトデのサラダを見て『うまそうだ』なんて言わないわ」
「な、何を言うんだ」
啓一は箸を持ったまま顔をこわばらせたが、すぐに笑い出した。

「確かに前はトカゲ肉はあまり好きじゃなかった。だけど、この間会社の宴会でメイン料理がトカゲ鍋だったもんで、仕方なく食べているうち、好きになったんだよ。何せトカゲの小鉢にトカゲの鍋、デザートもトカゲシャーベットと、トカゲづくしだったからな。君にはまだ言ってなかったかな。ははは」
「クモヒトデも前は好きじゃなかったわ」
「クモヒトデもこうやってトカゲ肉と合わせるといけるな、と思ったんだよ。おかしいかい」

「それでごまかしたつもりなのね」
「ごまかすも何も...じゃあ、なんでぼくがトカゲもクモヒトデも好きじゃないとわかってて、こんな料理を出すんだ」
「試したのよ」
「試した?」
「三日前の夜、あなた寝言言ってたわ。とてもはっきりと、でもどこの言語か分からないような不思議な言葉をしゃべってたわ。あなた、どこかの天体からやってきたエイリアンでしょ。うまくばけたわね」

「くだらないにもほどがあるというもんだ。そういえば宇宙人と交流するという妙な夢をみたような記憶がある。しかし、君こそSF小説の読み過ぎだよ」
「まだあるわ。昨日、靴下の中に特大のカメムシを10匹ほど入れておいたけど、気がつかなかったでしょ。私の夫は虫が大嫌いなのに」
「君だったのか。もちろんすぐ気づいて捨てたよ。吐き気がするほど気持ち悪かったさ。そう、いま思い出しても気分が悪い。さあ、それだけかい、ぼくがエイリアンだという証拠は」

「今朝出かけるとき、私がハンカチを渡したら『ありがとう』って言ったでしょ」
「それでいいじゃないか」
「本物の私の夫なら『ありがとうならミミズははたち、へびは二十五で嫁に行く』って言うわ。あなたは言わなかった。私、そのとき確信したの。これはにせものだって。いつすり替わったの、私の夫をどこへやったの」
「あのギャグはそろそろやめようと思ってね。新ネタを考えているんだが、まだ練れてないから言わないのだ」

「芸人じゃあるまいし。ごまかされないわ。それに、それに」
「なんだ」
「あなたが買ってきた雑誌」
「ああ、『趣味の園芸ライフ』か」
「喜んで受け取るふりしたけど...私の趣味は園芸じゃなくて演芸よ。『趣味の演芸ライフ』がほしかったの」
「なな、なんだって。漫才や落語の演芸か」
「そうよ。もとは園芸だったけど、気が変わっていまは演芸なの」
「なんて勝手な。いくら同音異義語だからって」

「本物の夫なら知ってるはずよ。このエイリアン野郎。ばけものっ。警察を呼ぶわよ」
芙美子は無意識のうちにフォークを握りしめていた。まだ新しいそれは鋭利な光を放っていた。
「待て、待て。すまなかった。おまえの趣味が演芸だなんて知らなかった。不覚だった。夫として失格だった。でも、だからといってエイリアンとは限らないだろう」
「証拠として十分だわ」
「知ってるとか知らなかったとかは大したことではない。それより、実はぼくも、つくづく人間とは変わるものだと思っていたところさ。結婚して何年もたてば当然かもしれないがね」
「どういうこと」

「たとえば、さっき帰ってきたとき、ぼくが『予定していた会議がなくなった』と言ったとき、君は何も言わなかった。夕食の支度もちゃんとできていた。おかしい。本物のぼくの妻なら、ぼくが早く帰ったらたちまちむくれてたし、料理なんか手もつけてなかった。『なんで今ごろ帰ってくるのよ。もう一回会社に行ってきたら』と逆ギレするところだった。だが、ぼくは思った。妻は大人になった、変わったんだと。ひとは成長するものなんだ。それとも、君こそエイリアンなのか」
「何を言ってるのかわからないわ」

「今朝早くゴミ出しに行くとき、君は途中であたりを見回し、だれもいないと見るや四つんばいになってものすごい速さで歩行していたね。それも新しい健康法を始めたのだと、ぼくは解釈しているよ」
「そんなことするもんですか。ほかの人と見間違ったんでしょ」
「ジャムの瓶のふたを開けるのも苦労していた君が、さっき片手で電子レンジを持ち上げかけてあわててやめたね。ぼくは見なかったふりをしていたが」
「で、できるわけないわ、そんなこと!」

「妻の大好物『かっぱえびせんマヨネーズ味』を僕がさりげなく目につくところに置いても、君はまったく食べていない。君はぼくの妻ではない」
「好みが変わったのよ!」
「へたな言い訳はやめろ。私の妻をどこへやった」
啓一の手にはいつの間にか小型光線銃が握られていた。芙美子は椅子から立ち上がった。そのとき、晴夫が突然泣き出した。

「あーん、あーん」
「どうしたのよ、晴夫ちゃん」
「どうしたんだ、晴夫っ」
「パパもママも変だよ...なんで標準語でしゃべってるの。ぼくのパパとママは...いつも大阪弁だったのに」

芙美子と啓一ははっとした。お互いの顔を見合わせ
「そそ、そうやった!」
「し、しやからゆうてるやろ。やっぱりおまえがにせもんじゃ!」
「なんやて。このばけもんが。しばくぞ!」
「いつのまに地球に来たんじゃ。ようまあいけしゃあしゃあと。何が会議じゃ、何が帰りに本買うてきたや。笑かすわ。きもいわ」
「おまえこそそれで地球の女になったつもりか。正体わかってるちゅうねん。何が演芸や。オスエイリアンとコンビ組んどけ」

「あーん、あーん、ママのお尻からぬるぬるのしっぽが見えてるよー」
「ほれみてみ、ばればれやんけ、きもいのはおまえや! さっさとくにに帰ってまえ。あほぼけかす! おまえのかあちゃん、でべそ! 先生にゆうたんねん!」

「あーん、あーん、パパの頭の両横から角が出てきたよ...」
「ぶさいくなやっちゃな。なんじゃそら。せんとくんか、おまえは...いったいどこの星のもんじゃ!」
「おまえこそ、どこの星のもんじゃ!」

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
みっどないと MIDNIGHT短編小説倶楽部
< http://midtan.net/ >

私も2作品を収録してもらっている「超短編の世界 vol.2」が出ました。
ネットで購入できます。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434134841/ >
< http://www.bk1.jp/isbn/9784434134845/ >

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■?×?× CrossOver Talk[3]
行動、思考する事に自分なりの「意味づけ」をして、自分なりの答えを出す
──30年間のTVゲーム人生の歴史を振り返って

杏珠
< http://bn.dgcr.com/archives/20091112140300.html >
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デジクリ読者の皆さん、こんにちは。studio H.M代表のディレクター/デザイナーの杏珠(あんじゅ)です。じつは先月、私の誕生日だったんですが、近々、高校からの友人に誕生日会をしてもらえることになり、すでに誕生日プレゼントが決まっていまして(笑)、NINTENDO DSの「ドラゴンクエストIX」です。ドラクエと聞いて懐かしいなぁ...と思ったと同時に、TVゲームに関して思う事もありました。今回のテーマは「普段から行動、思考する事に自分なりの意味づけをして、自分なりの答えを出す」です。

皆さんに質問です。「TVゲーム」に対して、どのようなイメージを持っていますか? 私と同世代の30代後半の方だとファミコン世代の方になるかと思いますが、懐かしいと思われる方も多いのではないでしょうか? 親から「ファミコン(ゲーム)ばかりやってないで、さっさと勉強しなさい」とか怒られませんでしたか?(笑) 親御さんにはあまり良いイメージを持たれていないという方もいるかと思いますが、そんな中、私なりのTVゲームについての事をお話させていただきます。

私のゲーム歴は小学校からなので、かれこれ30年近くゲームをやっている事になります。いわゆるゲームセンターのゲームから家庭用ゲーム機、パソコンゲームと、大抵のゲーム機は手にとって遊んだことがあります(ゲームを題材に、いわゆる同人誌のイラストを描いていた事もありました)。ゲームのジャンルは多岐にわたり、色々なゲームをしてきました。ゲーム好きが高じて、部屋には1本3万円もするゲームソフトから、よく昔の喫茶店にあったゲームの筐体(テーブル型のゲーム機)までありました。対戦格闘ゲームで徹夜したこともあったり...(あの頃は若かった...)。昔ほどではありませんが、時間を見つけては、今でもちょこちょこゲームを楽しんでいます。最近はPSPのモンスターハンター2ndGをプレイしています。

今では昔と違ってゲーム機の技術革新もすごく、ゲームプレイ中のグラフィックもかなりリアルな表現が出来る事から、プレーヤーの年齢制限があるゲームなども出てきました。そのようなゲームが出始めた頃から「TVゲームが子供の教育やしつけに悪い」といった流れが出てきたように思います。そういった一方で「脳トレ」に代表されるゲームが、いわゆるライトユーザー(普段ゲームをしない人たち)に受け入れられ、浸透してきていて、昔に比べてゲームに対する考え方、遊び方も多種多様になり、私としては広い意味でゲームに対する「意味づけ」が変わって来たのだと感じます。

今までの私のゲームとの関わり合いと、現在までのゲーム業界の流れを踏まえて、一点すごく感じることがあります。それは「良い点」「悪い点」のどちらか一方の意見に偏りすぎているということです。特定のゲームに対して「ゲーム内容がすばらしい」というレビューのコメントしか取り上げない、ゲーム批評の記事を読んだことがありました。それとは逆に、特定のゲームの、さらにはそのゲーム内容の一部だけを取り上げて、TVゲーム全体がまるで「悪者」扱いをするような発言に思える意見が出ていたこともあります。

そこで皆さんに考えてもらいたいのが「自分が気になる事に対して、何がいいのか? 何が悪いのか? を周りの目や意見だけで判断せず、自分はどう思うのか?」という視点です。TVゲームの中でも、実に様々なジャンルや内容のゲームが存在しています。たとえば動物育成ゲームとホラーアクションゲーム、恋愛育成シミュレーションゲームとロールプレイングゲーム。同じTVゲームでもジャンルや内容、どういった視点でゲームをするかで受け取り方が全く変わって来る事も少なくありません。

ちなみに私が考えるTVゲームの良い面は...
1)普段の生活ではなかなか味わえないリアルな疑似体感できたり、現実世界ではあり得ないストーリーの中で自由に遊ぶことができる。
2)何度かゲームをプレイすることで、始めはクリアできなかった事も出来るようになるといった、成長体験ができる。
3)反射神経を鍛えたり、まったく考えた事のないフレームワークを自分で考え、実行してみる事がゲームの中で手軽にできる。
4)インターネットなどのネットワークを使って、離れた相手とも気軽にコミュニケーションを取りながらゲームができる。
などがあると思います。

逆に悪い面は...
1)ゲーム自体が熱中度が高いものもあり、時間を忘れて没頭して、他にやることに対して影響を及ぼす。(時間の管理不足)
2)長時間モニタやスクリーンを見る事による、視力低下の恐れ。
3)ゲーム中の表現の中で、倫理・道徳的にしてはならないこと、やって欲しくないことが表現されていて、教育やしつけに影響を及ぼす。
といったところでしょうか?

これを読んで「うんうん、分かる!」という方もいれば「何言ってるんだか...」と思う方もいると思うんです。TVゲームが好きなのになぜわざわざ悪い面も出すの? と思われるかもしれませんが、良い面と悪い面の両方を見てもらってからでも「やっぱりTVゲームっておもしろそうだな、やってみようかな?」と思ってもらえる可能性は高いかと思います。それほど自分の中ではTVゲームってステキな事だと思えるので、こうやって両面の考えを出すことができるんですね。

自分がとてもいいものと思ったものであっても、相手にとってはイヤなものということはもちろんあると思います。ですが、自分で経験したことのないことを、自分以外の第三者の意見だけで判断するという事はとてももったいないことですし、自分がいいと思っているものを大事にしている人に対して失礼だと思うんですね。大事なのは、普段何気なく聞いている事、見ているものに必ず自分なりの「意味づけ」をして、それをどう生かし、考え、行動するかという事です。

たかが「TVゲーム」で、これだけ深く考えるの? と思われる方もいるかと思いますが、これだけ「意味づけ」をして考え抜くからこそ、普段何気なく見ているもの、感じているものが「ただの出来事」から「すばらしい経験」となって、自分をより成長させてくれます。それはまるでドラクエのようなRPGみたいに経験値を貯めて、レベルアップするように...です(笑)

今回のテーマを、私なりに考え経験した事例に「単純作業のルーティンワークを、いつも使うアプリケーション上でアクションやスクリプト、ユーティリティを使って効率化してみる」ということがあります。

以前はいつも締切の時間ギリギリまで非効率的な仕事の方法をしていまして、時間がないから焦って凡ミスをしたり、デザインのクオリティを上げるための時間の確保(デザインのブラッシュアップ作業や紙面構成の思考する時間)ができないと感じていました。さらにアプリケーションやユーティリティの便利な機能、自動化できるところに対して「ラクして仕事をするのって、なんかズルしているみたいで...」とか「(やる前から)それをやるのって、難しいんでしょ?」「お金がかかるんでしょ?」といった、やったことのない事に「チャレンジしない」意味づけをして行動しない自分がいました。

「スクリプトが分からなければ、アクションでもできる事はないか?」「スクリプトとかアクションとか分からん! であれば、たとえばこのユーティリティソフトを使ってみたらいい結果が出そうじゃない?」と、自分が望んでいる結果に対して、機能を使いこなすスキルが足りないのであれば、他の方法や第三者の力を借りても自分が望む結果や方法に一歩でも近づくことが大事だと思うんですね。そういった「必ず他にできる方法がある」という意味づけができれば、ワクワク、ドキドキしながら楽しんで仕事ができると思うんです。

DTPで使うアプリケーションの中でお手軽でオススメなのが、自分が実際にやってみた行動を自動化・データ化できる「アクション」の機能です。IllustratorやPhotoshopでも標準で搭載されています。「もらった写真データを、Photoshopのアクションを使ってCMYK形式、psd形式、解像度350dpiにして特定のフォルダに別保存する」とか「Illustratorで作成したデータを、アクションをつかってガイドを削除、使っていないアピアランスやシンボル、ブラシを削除、さらに文字をアウトライン化して特定のフォルダに別保存」なんて事もできちゃいます。今できる範囲内で、できる事を(意味づけしながら)やれば、また違った世界が見えてきますよ。

今、目の前にあるモノや行動にぜひ「意味づけ」をしてみてください。そしてその意味づけした事を考えながら、行動してみてください。おもしろいほどワクワクしてきますから。どんなことにも自分なりの「意味づけ」すること...お試しあれ!

【あんじゅ】ask@happy-montblanc.com

東京都出身。デザイン事務所「studio H.M」代表。愛車のSKYWAVE250にPSPのマップラスナビをつけて、いろんな所に出没しております。大手コンビニエンスストアと某家電量販店でAV機器(カーナビ、衛星放送機器、テレコ)の販売経験を持つ、妙な経歴の持ち主のディレクター/デザイナー。
『みんなが幸せになることはないか?』をモットーに、日々自分が気になることを追求し、仕事にとどまらず多方面で物事を追求し、答えを求めている天国思考な人物です。
機械モノ(PCとかガジェットとか)やゲーム、料理(食べ物)が大好きなので、そういった関係であれば、仕事でなくともいつでもコンタクトいただければ嬉しい限りです。
Design × Lifehack × CrossOver Lab
< http://happy-montblanc.com/wordpress/ >

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■セミナー案内
「Twitter革命」出版記念! 2010年に向けて、ソーシャルメディアは、どの
様に変わっていくのか?
< http://www.dhw.co.jp/ef/gs/event/#send41 >
< http://bn.dgcr.com/archives/20091112140200.html >
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個人が持つメディアの力が増大した2009年。日本でもTwitter上で、15万人にフォローされる個人が出てくるなど、個人のブログやTwitterが注目されている年になった。Twitterのブームは、このまま来年も続くのか? はたまた違うメディアが出てくるのか? 個人の情報発信は今後どの様になっていくのか?今日、見えにくい状況になっているソーシャルメディアの明日を、KNNの神田氏をお招きして考えていきます。

日時:2009年11月25日(水)19:00〜21:00
会場:デジタルハリウッド大阪校(大阪市北区西天満6-5-17 デジタルエイトビル)< http://dhw.weblogs.jp/_osaka/guide/guide.html >
参加費:一般3,000円、デジハリ学生2,000円
講師:神田敏晶 < http://knn.typepad.com/ >

内容:
第一部「Twitter革命のポイント」
・個人、政治家、企業は、Twitterをどう活用すべきか?
・Twitterの活用事例は、こんなにある。
・2010年延びそうな活用方法とは?
・Twitter以外にもある、色々なサービスとは?
第二部「<フリートーク>ソーシャルメディアは、どうなるのか?」
・今後の個人メディアは、どうなるのか?
・企業のソーシャルメディア活用は、どうなるのか?
・他社のサービスは、どうか?
ほか

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■セミナー案内
11・12月開催イメディオセミナー(抜粋)
< http://www.imedio.or.jp/seminar/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20091112140100.html >
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会場:ソフト産業プラザイメディオ
(大阪市住之江区南港北2-1-10 ATC内ITM棟6階 TEL.06-7711-7007)
申込・詳細:上記公式サイト参照

●Fireworksで作る! 本格的サイト素材制作テクニック
< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=10062 >
日時:11月26日(木)10:00〜17:00 ハンズオン
講師:森和恵(r360studio) 定員:10名 料金:20,000円

●現場で使える! Photoshop活用術〜Webデザイン編〜
< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=10063 >
日時:11月27日(金)10:00〜17:00 ハンズオン
講師:秋葉秀樹 定員:10名 料金:20,000円

●CMSで企業サイトを構築 MTテンプレートカスタマイズ基礎(全2日)
< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=10163 >
日時:12月3日(木)10:00〜17:00 ハンズオン
講師:森和恵(r360studio) 定員:10名 料金:40,000円

●『脱・やらず嫌い!』デザイナー
のためのFlash AS3.0入門 前編
< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=10159 >
日時:12月16日(水)13:00〜18:00 ハンズオン
講師:秋葉秀樹 定員:8名 料金:17,000円

●ビギナーのためのDreamweaverで学ぶCSS〜基礎編〜
< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=10160 >
日時:12月22日(火)10:00〜17:00 ハンズオン
講師:森和恵(r360studio) 定員:10名 料金:20,000円

●CSSを使いこなす DreamweaverCSSレイアウト〜実践編〜
< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=10161 >
日時:12月25日(金)10:00〜17:00 ハンズオン
講師:森和恵(r360studio) 定員:10名 料金:20,000円

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■編集後記(11/12)

父親が教えるツルカメ算 (新潮新書)●三田誠広「父親が教えるツルカメ算」(2006、新潮新書)を読む。小学校の算数は得意だった。中学の数学はあまり楽しくなかったが、それでもいい成績だった。高校に入ってからが最低だった。数学はさっぱり分からなくなった。赤点ばかりで、追試を2年続けた。高校の数学はだめだったが、中学校までならわかっていた、つもりであったが、いま中学入試問題が難しくて解けない。愕然とする。孫娘の算数はまだかけ算だがいずれ難しくなり、たぶんわたしの出番となるだろう。というか、買って出る。それまでに小学校算数はマスターしておきたい。そこで、ツルカメ算、和差算、差集め算、ニュートン算、流水算、図形などの24の問題と解説があるこの本を読む。これらは中学受験用だから、理解すれば公立小学校の算数なんてちょろいものだ。理解すればね。しかし、理解できない。筆記用具のない場所で読んでいたから、頭の中で考えなければならない。ほとんどわからない。机に向い、本気でやればたぶん1/6くらいは解ける(かもしれない)。筆者の「算数というのは単なる計算の能力を試すものではなく、発想の転換によって不可能と思われた局面を切り開くという、人間にとって最も大切な能力を育てる学科だ」という定義はたぶん正しい。彼がこの本で伝えたかったことは、「小学校の高学年という時期に、論理的に考えることのおもしろさを子供に体験させ、脳を鍛えることの大切さ」と「父と子の絆を作ることの大切さ」である。いわば算数を手段にした体験的子育て論である。小学生の子どもを持つ父親に薦めたい好著。/「事業仕分け」は「お白州」か。一部の仕分け人の傲慢な態度に腹が立つ。勝ち誇ったような蓮舫。5億円記載もれなど資産管理が極めて杜撰な金持ち坊ちゃん首相が「1円でも切り詰めて」とは笑止千万。/リステリン、一回やって捨てた。↓(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106101750/dgcrcom-22/ >
→「父親が教えるツルカメ算」をアマゾンで見る(レビュー5件)

・三井さんのおっしゃる通り、Flashの猛者は、頭の回転が良くて、取り入れるの早いし、Flash以外の情報にも強く、バイタリティあるし、アクティブでプライベートも充実している人が多いように思う。ActionScriptの話でも、こっちが曖昧なまま話し出しても、カンが良くて、把握した上でいくつも提案してくださる。頭に絵が描ける感じ。/リステリン ターターコントロール 250mL洗口液、リステリンのターターコントロール。湿布を口に入れたようなニオイ。舌がぴりぴりし、刺激強くて涙が出てくる。うがいをしたら喉の殺菌ができそうな気はするけれど、私の場合、残念ながらそこまでするには慣れが必要。すすがなくて良いと書かれてあるけれど、せずにはいられない。それでも、口の粘膜にもうひとつ、薄いゴムというかガムみたいな膜が作られた感じになる。が、歯の表面はつるつる。なるほど歯石(ターター)コントロールというだけある。虫歯予防に再石灰化を促す(フッ素入り)歯磨きを使っているのだが、歯石を作らないということは、再石灰化予防というわけで......。歯石を取りに歯医者に毎月通っている身にとっては、良いことなんだろう。すすめてきた知人はすぐにできていた口内炎ができなくなったと話していた。/あら、もったいない↑(hammer.mule)
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ターターコントロール
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