電子浮世絵版画家の東西見聞録[95]大盛況「softCREAM」、白菜のオイスターソース煮込み
── HAL_ ──

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さて前回お話した「ヨコハマ国際映像祭2009」関連イベント「soft CREAM」が終了しました。
< http://www.jointworks.net/softcream/index.html
>

目玉のラ・マシンでは話題を呼んだ横浜開港150周年記念テーマイベント「開国博Y150」も、ベイサイド、ヒルサイドのイベントは終ってみると予想外に少ない来場者数でしたが、年末まで続くマザーポートエリアのイベントで花を飾ろうと「CREAMヨコハマ国際映像祭2009」の開催があったわけです。当然こちらも財政状況は逼迫していたのですが......。一般的には訳の分かりづらいメディアアートを取り上げ、市内に分散した形でイベントを行いました。

さて、メディアアートとは何かとWikipediaを紐解けば、単なる技術発明を応用したアート表現とか。なんなのでしょうか、このメディアアートというのは。技術発明を応用したというのは、どんなものでもあたり前。ガラス工芸にしても、金属造型にしても、ソフトクリームを作る機会にしても、その時代の最先端の技術を使いつくり出しているわけで、それを意識としてアートに近づけていけばメディアアートになるのでしょうかね。
< http://ja.wikipedia.org/wiki/メディアアート
>



ということは、今流行のコンピュータを利用したアート表現をしていけばメディアアートになるわけで、我が子を最新のデジタルカメラで撮影して、最新のマッキントッシュに、最新の画像編集ツールPhotoshop CS4を入れて、最新のペンタブレットを使って加工し、独自の表現をした葉書をつくりあげ、最新の配送方式を使った宅配により、最新の建築方式に基づく家に住みはじめた友人に、最新の年を祝い合う年賀状を出せば、これはこれでしっかりとしたコンセプトに基づいて作り上げられた芸術作品だといえるわけです(!?)

アートは人から遠ざかっていくことが目的ではなく、人に近づいていくことが目的なのではないでしょうか。過去、アートは王侯貴族の楽しみの一つであり、一般庶民には訳の分からなかった存在であったといえるでしょう。そのうち捨てるほどのお金を持つ貴族階級はなくなり、いつの間にかアートは一般庶民が楽しむことのできるものになっていったのです。そうなるとアーティスト達はクライアントから自由になり、アート表現の本質を見極めなければならなくなったのです。

アートの本質というと、商業主義に走らない独自の表現技術を伴う人間性の発掘が中心になるのです。「softCREAM」はCreativity for soft Art and soft Media.と標題にあるように、メディアアートをソフトで身近な存在として見せて行くことが目的です。訳の分からない理屈をこね回すことのない、新しい発想から作り上げた新しい技術表現。それはまさに五感に訴える優しさの表現。現在ある特定の表現技術に頼らない、新しい考え方が必要となってきます。

では実際「softCREAM」を開催し、その期間中どのような作品が来場者に楽しまれたのか、タイトルのいくつかをご紹介しましょう。「メロぱっちん」「雅傘」「地吸─ちきゅう─(仮)」「mo co co」「ときめき♥キューピッド」「あなたはここにいる」「Zooming〈耳の穴の中の光〉」「干渉リズム」「雫」「デジタルピンポン」それぞれ何ともユーモラスではありませんか。

それがどんなものかというと、例えば「メロぱっちん」。これは、指ぱっちんをすると音階を奏でメロディーが作り出せるという作品。作品を掌に包み込み指ぱっちんをする、握った圧力で音階が変わるのです。「mo co co」という作品はピンクのぬいぐるみ。好きに触って抱き上げて、その感触を楽しみ、顔を見ると泣いたり笑ったりと楽しい七変化。「滴」はガラスの器の中にたまぁに落ちてくる滴の音を静かに待ち続ける作品。それぞれがきらりと光る個性を放ち、そしてその内容の分かりやすさから来場者は皆笑顔で帰って行きます。

「softCREAM」は単に展示だけではなく、シアターホールで行われた「クリエイティブナイトヨコハマ」「ギャングスタナイト」「世界のCMフェスティバル」といったイベントも三日間行われ、それぞれが満席に近い状態で、来場者が帰る時には感謝の意まで述べられるという大盛況ぶりでした。触る、握る、撃つ、覗く、動く、観る、といった参加型アートはこれからも大きく波紋を広げ、ヨコハマの核となるやも知れません。

実行委員長という場にいられた私は、すべてのイベントを仕切らなければならない立場にあるのに、はじめてのことですから、手も耳も頭も廻らない状態で周りの人達に支えられ、助けられ、本当の意味で勉強になったこの四ヶ月間。私の今後のいい糧となったイベントとして、心の中に残り続けるでしょう。新聞、テレビ、ラジオなどいくつものマスメディアに取り上げられたこともあり、来場者は絶え間なく、その人達の笑顔を見られたことも大きな力となりました。

まだまだ書きたいことは山ほどあるのですが、今このテキストを書いているのは最終日の片付けが終わった直後。搬入から搬出まで気の抜けない時間のなかで、ちょっと睡眠不足も溜まり、モニタを見ながら睡魔と戦い続ける状態。私の情報整理がついたら、またじっくりと書いてみたいと思っています。

取り上げて頂いたメディア
21日・ヨコハマ経済新聞
< http://www.hamakei.com/headline/4545/
>
26日・テレビ朝日
『お願い!ランキング』森永卓郎氏による無料イベントランキング3位
28日・FMサルース
< http://www.fm-salus.jp/
>
『E-Style HEADLINE』

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◎冬野菜の料理 白菜のオイスターソース煮込み

材料:白菜4つ割り位、干し椎茸5個、干し貝柱2個、ショウガひと掛けのせん切り、中華顆粒だしスープ1カップ。オイスターソース大さじ2、醤油大さじ3、砂糖小さじ1、塩少々、片栗粉大さじ2、サラダオイル大さじ1。

1)白菜は八等分くらいに立て割りにしておきます。熱したフライパンにサラダオイルを入れ、ショウガを入れて、白菜を加えて焼き、甘みと旨味を引き出します。野菜は油で焼くことによって旨味とコクがでるのです。
2)スープに戻した干し椎茸、貝柱を加え煮込み、調味料を全部加えてさらに煮込みます。最後に片栗粉の水溶きでとろみをつけ、緑豆春雨があれば料理バサミで切って加えます。
< https://bn.dgcr.com/archives/2009/11/30/01 >

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/
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Web < http://lohasfood.exblog.jp/
>
Web < http://Web.mac.com/hal_i/
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