気になるデザイン[35]缶詰のふたに新風が!/津田淳子

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ちょっと身の回りに目を配ってみると、本当にたくさんのものが溢れていることに、改めて気づかされます。そしてそれらのものは、どんなものでも誰かしらの手によってデザインされているものです。それを「デザインした」という意識がないままつくられているものも含めて。

そんな中で、知らず知らずに便利に使ってきたものの、その製品のデザインがどのように考えられてつくられたのかを知る機会を得ると、「なるほどー」と、改めて機能性のよさや、フォルムの美しさなどに感心することがある。

例えば、子どもの頃から何気なく使ってきた、キッコーマンの卓上醤油びん。細めの三角フラスコのようなびんに赤いふたのあれです。誰しも使ったり、目にしたことがあると思いますが、これには各所にさまざまな工夫と知恵が詰められているそうです。



詳しくはキッコーマンのWebに載っているので、そちらをご覧いただければと思うのですが、この卓上びんの大きな特徴として「もれない注ぎ口」というものがある。それまでの醤油さしというのは、急須のような、やかんのような形をしていたので、注いだあとにどうしても、そこから醤油滴がたれてしまったそう。いやぁ、うちにも陶器製のやかん型醤油さしがありますが、確かに液だれします。見た目はかわいくて好きなんですが。

それをこのキッコーマンの卓上びんは、解消しているんですね。Webによると「100以上の試作と思考錯誤を繰り返した末に、とうとう誕生したのが現在の液だれしない形です。」とのこと。うーむ、注ぎ口なんて注目したことがなかったけれど、すごい工夫が詰まっていたんですね。

他にも、詰め替え頻度から勘案した最適容量という観点から150mlの容量になっていたり、さまざまな工夫が凝らされているそうです。

キッコーマン しょうゆのおいしい話
< http://www.kikkoman.co.jp/magazine/talk/no01/talk/index.html >

他にも、最近新発売されたもので「すばらしい!」と思ったのが、いなば食品のツナ缶に採用されている「ソフトタブ」。ツナ缶は思い当たるでしょうが、この「ソフトタブ」は、「あぁ、あれね」という方は、まだ少ないかもしれません。

缶詰は、もとは「缶切り」を使って、ギコギコとふたを切ってあけているものでしたよね。鋭い犬歯みたいな形の金属の缶切りを使って。そういえば小さい頃、その缶切りとは違って、はさみ型のような缶切りを缶にかませ、その缶切りについたつまみをぐりぐり廻すと、比較的力を使わずに缶が切れる缶切りというものがあったなぁ。あれも当時は「簡単にきれいにあけられる!」と喜んだものでしたが、あまりにスパッと切れるので、その切った缶のふたで手を切りやすいのが最大の難点だった気がします。

その後、プルタブのついた缶詰に、「おお、なんてすばらしい!」と感動したものでした。だって缶切りがなくてもあけられるなんて、キャンプに行ったときとか、災害時とかにホント便利ですよね。それにあける時間もかからず、これを思いついた人はえらい! と思っていました(いや、今も思っていますが)。

そんな缶詰のふた界(?)に新風を巻き起こすのでは!? と勝手に一人思っているのが、このソフトタブ。缶詰のふた部分が、厚みのあるアルミホイルのようなものでできていて、大きなつまみを持ってピッと手軽に剥がせるんです。

いなば食品 ソフトタブ(ツナ缶)
< http://www.inaba-foods.co.jp/softtab.html >

プルタブのついた缶ふたは、あのタブに指をいれるのがちょっと難点で、固いタブだと、爪が痛くなることもある。それから、私は力があるので問題ないですが、力の弱い人だと、特に最後の部分をとるのにちょっと難儀しますよね。無理に力を入れると、中の液体がはねちゃうし。

このソフトタブの方が、力が少なくても空くので、使いやすいと思う人は多いはず。皆さんもスーパーやコンビニに行かれたら、ちょっと缶詰の棚を覗いてみてくださいな。けっこう驚きますよ。

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp

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