昨年の5月ごろだろうか、いま巷でガンブラーと呼ばれている誘導型ウィルスが流行し、それに対する対策が見つからずにいて、しばらくホームページを放置していた私だったが、夏過ぎてそれも終息したと思われたため重い腰をあげ、全面的にサイトを再構築しようとした矢先のことだった。そのガンブラーが新聞の一面を大きく飾る騒ぎとなった。
報道によると、複数の大手企業のホームページで相次いでガンブラー亜種を利用した改ざんが発覚したのだという。
報道によると、複数の大手企業のホームページで相次いでガンブラー亜種を利用した改ざんが発覚したのだという。
亜種とはいえ、その元になったウィルスは、すでに半年前に猛威をふるっていたのだ。去年の初夏の流行は、ゲームやアニメ関連のサイトを中心にしたものであったためなのか、報道機関においては、たいした扱いがされなかった。しかし、それでもウィルスはウィルスだ。仕組みも、改ざんされたサイトを見ると別のサイトへ誘導され、不正なプログラムを埋め込まれることがある、というまったく同じもの。
その猛威が自分達のサイトを襲うかもしれないという危機意識を、大手企業の担当者は持っていなかったのだろうか、そこが気になる。
サイトをひらくということは記事をアップロードすることに他ならなく、当然ながら、パスワードとユーザー名が判明してしまえばウィルスによらずとも記事の改ざんは可能だ。この点から見れば、年末年始に世間を騒がせた、某ブログにおける芸能人ユーザーのパスワードリスト流出騒動などもまた、似たような脅威をうちに秘めた事件といえる。かたやソフトウェアによるもの、かたや人為的な操作によるものという違いはあるにしろ、結果は似ている。
いずれのケースも警視庁は本格的な捜査を始めているようだが、はたしてどこまで追及できるかが問題だ。であればこそ、サイト運営者も利用者も何とかして自衛を考えなければならないわけだが、どうにも有効な手段、絶対に安心できる方法というものが見当たらない。そこが大問題。
なんていうことを考えながらも、新しいサイトのプランを練っているのだが、
私の場合は気まぐれな個人サイトだ。利用者に迷惑がかからなければ、それでオーケー。ゆえに、記事をいったん全面的に削除、安心できるディレクトリー(ファイル)から順次アップロードしていけばいい、それだけのことなのだが、これが日夜更新し運営し続ける企業サイトともなるとそうもいかないのだろう。
いずれにしても、今回のウィルス騒動を機に、社会全体でネットの安全性について今一度根本から考え直してみてはどうか、心の底からそう思う。
Momoyo The LIZARD 管原保雄
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