電子浮世絵版画家の東西見聞録[98]台東デザイナーズビレッジ、鶏団子の煮込み鍋
── HAL_ ──

投稿:  著者:


年末、ディジタル・イメージの友人に誘われて「台東デザイナーズビレッジ」のウインター・マーケットに行ってきました。とても楽しい場所でしたので、ご紹介しておきたいと思います。こちらは、台東区が2003年度から行っている文化産業の一環です。子供人口が減り、台東区で廃校になった旧小島小学校の一部を改装して、地場産業を活性化するため、ファッション関連のデザイナーやクリエイター等の若手起業家を目指す人達に、3年間の期限付きで安く貸し与えているという場所です。

・外観がとても面白い建物です
01.jpg

・いかにも学校の玄関に作家達の作品棚を設置
02.jpg

ご存じの方も多いと思いますが、台東区には革製品の靴やバッグなどファッションに関わる産業が盛んで、一部地域では靴屋が軒先を重ね合わせるように建ち並び、競い合って商いをしていました。そんな栄えた場所も、近年国内では中国をはじめとするアジア諸国の安価な商品が大量に流れ込み、地場産業はきびしい状況に落ち込んでいます。そこで新たな展開を求めて、若い人の発想とエネルギーを開拓すべく、廃校になった校舎をほとんどそのまま使う形で生かし、新たな産業の発掘を目指して行こうとしています。



私の住む横浜でも、旧劣悪体質を払拭すべく、古い倉庫などを改装して市内の若手のアーティストを育成するという目的を持つ活動が成されています。台東区の場合は、単にスペースを貸し付けるだけではなく、デザイナーやクリエイターの一番苦手な営業部分を、インキュベーションマネージャーを配置することによって、入居者のニーズに合わせ最適な企業などを紹介するというシステムまで作りあげています。

実際、先日お話をお伺いした方々も、大手企業とタイアップして新ブランドを形成しはじめている犬グッズ作家、海外での展開が中心になっているジュエリー作家、アート活動とプロダクト活動を完全両立させ多くの商品を作り出しているテキスタイル作家など、具体的な動きをされている方がほとんどです。

何よりも入居者の方々が皆、元気なのです。それに、皆さん身だしなみに気を遣っておられる。ウインター・マーケット中ということもあるのかも知れませんが、高価なブランドファッションを身にまとっている訳でもなく、それぞれがさりげなく個性的で、こざっぱりしたファッションをしています。ファッション関連の仕事を目指しているという理由もあるのかも知れませんが、横浜とはここが大きく違うところだと感じます。

横浜はアーティストという括りのためか、俺は作業しているんだからという感じの、判で押したようなファッション。そして入居者は何か閉鎖的な感じがした部分が多く、外に向けたエネルギーが少ししか感じられないのです。アーティストも、霞を食べては生きてはいけないのです。それを支援する場所としての設定は、しっかりしたサポート体制まで作りあげていかなければ何も育たないのだと感じています。

「台東デザイナーズビレッジ」の3年という期限付きは、地場の関連企業との連携を持つための期間という捉え方です。その間、地元の金融機関などとの連携し「創業してもらうことが目的」と姿勢が明快なのです。すでに創業されている人でも、創業5年以内ならば入居することが出来るようです。もちろん、入居期間中は地元の企業の方からの技術的サポートを受けたり、研究機関との連携等というサポートまでしてもらえます。一度、営業的な環境が出来れば、その後は自分でやっていくことが出来るのではないかと思います。とてもいいスタイルですね。

小島町の「台東デザイナーズビレッジ」だけではなく、台東区には地場の産業を活性化しようと、隅田川沿いに「浅草ものつくり工房」が作られ、靴や鞄を作る若い人達が入居しています。今回の「ウインター・マーケット」にも入居者が出店していました。また、都内各所にある38もの同様施設とも関連を計り、同時期にワークショップやイベントを開催することで、活性化を循環させようと努力していました。うらやましい限りです。もちろん、どちらも入居には数々の関門を通り抜けていかなくてはなりません。

ビレッジの村長さんはとても気さくな方です。起業を考えている方は、問い合わせをして様子を見に行くのも良いかもしれません。入居者への取材も多くあるようで、掲載された誌面が沢山掲示されていました。
info@designers-village.com
< http://www.designers-village.com/
>

───────────────────────────────────
◇本日のお薦めYouTube Music
キング・クリムゾン(King Crimson)

ギタリスト、ロバート・フリップがリーダーというか、強大な力を持ち、動かしているイギリスのロックバンド。ロバート・フリップは、ロックミュージシャンには珍しく椅子に座りながら演奏するスタイルと、正確なプレイでも有名です。

プログレッシブというジャンルを築いたデビューアルバム「キングクリムゾンの宮殿」は、今までのロックバンドとは大きく違い、キーボードや管楽器を導入して深みのある音作りをし、曲も緊張・狂気・清涼感・絶望感・幻想・華麗と変化しながら、壮大で印象的なアルバム作りをしています。タイトルからも分かるように、歌詞の内容もラブロマンス的なものではない、難解とも思える哲学的な詩になっていますが、これは当時のベトナム戦争の影響を受けていると言われています。

衝撃的なデビューアルバム「キングクリムゾンの宮殿」丸々一枚分をどうぞ。このアルバムは「アビイ・ロード」をチャート1位から引きずり下ろしたということでも有名です。

「21stセンチュリースキゾイドマン(21世紀の精神分裂者)」
21st century schizoid man
<
>
「アイトークトゥザウインド(風に語りて)」I Talk To the Wind.
<
>
「エピタフ(墓碑銘)」Epitaph
<
>
King Crimson 和訳集
< http://homepage3.nifty.com/%7Ecrmkt/01courtj.htm
>

───────────────────────────────────
◎鶏団子の煮込み鍋

03.jpgこれを書いている12月半ば、街行く人はコートを羽織り本格的に寒くなってきた感じですね。でも私は未だコートを着て歩いていません。室内もようやく暖房を入れ始めたばかりです。冬本番は1月、2月でしょう! やせ我慢、やせ我慢、そして省エネです。

さて、そんな冬の寒さをしのぐ料理は鍋に限ります、毎年年末になると様々な鍋料理が町中に登場してきますが、今年の冬はトマト鍋が主流ですね。でも、それは次回にでも書くことにして、今回はさっぱりした塩味の鳥挽肉を使った鶏団子鍋をご紹介します。

鶏肉は店によってだいぶ差があります。私の徒歩圏内センター北駅には大きなマーケットが四つあり、お肉屋さんもよりどりみどりという感じなのですが、この店の中には鶏肉はダメというところがあります。

こういうダメ肉は入荷経路が違うのでしょうか、臭みが出てしまって私には耐えられません。それでも買う人がいるのは食育が不足しているのでしょう。ブロイラーは肉臭さが出てしまったら、その瞬間売り物とはいえません。地鶏があったら、それを選ぶのが一番! 牛肉とは違って鶏肉は鮮度が命なのです。

さて、今回の鶏団子は比較的外れのない店で、牛や豚肉も良く購入しています。手に入れたのは岩手の若鶏を使った挽肉です。その他の材料も分かりやすくリストアップしておきます。

◎材料──鳥ひき肉300グラム、片栗粉大さじ2、卵1個、長ネギ10センチ、ショウガひとかけ、塩胡椒適宜、白ごまおおさじ3、白菜、緑豆春雨、チキンブイヨン、醤油少々

◎作り方──鳥ひき肉に、長ネギとショウガのみじん切り、塩胡椒、片栗粉、卵を加え、よくまぜておきます。鍋に水を入れ、チキンブイヨン、醤油少々を加え、白菜のざく切りを入れ、すこし煮込んでから鳥ひき肉をスプーンですくうように入れていきます。肉が入りふわっと浮き上がるような感じになれば、程よく火が通ったことになります。そうなってきたら、春雨をキッチンはさみでカットしながら加え、春菊やキノコ類などの野菜を加えて出来上がりです。

小鉢に取り分けながら一味唐辛子やユズ胡椒など、好みの味付けで美味しく頂けます。鶏団子に入った白ごまが口の中で弾けるプチプチした感触が何ともいえない美味しさなのです。是非、お試し下さいね。

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/
>
Web < http://lohasfood.exblog.jp/
>
Web < http://Web.mac.com/hal_i/
>