おかだの光画部トーク[33]露出ってなんだ?/おかだよういち

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Googleで「露出」を検索するとエッチなサイトが出てきちゃいますが、もちろんその露出ではなく、写真用語の「露出(exposure)」です。露出とは、銀塩カメラだとフィルム、デジカメだとセンサーを光にさらすことですから、写真を撮ることそのものですね。露出しなければ写真は撮れません。

前回までお話した、絞りとシャッターとISO感度、この3つをコントロールして露出値を設定します。露出値(Exposure Value)は、絞り値(Aperture Value)とシャッタースピード(Time Value)を足した、Ev=Av+Tvで表し、同じ露出でも、様々な絞りとシャッターの組み合わせで撮影することができます。

人間が目で見ている絵と、同じような明るさの写真になるように設定したものを「適正露出」と言います。適正露出は、必ずこれでなければダメと決まっているわけではないので、撮影者がこれが適正だと思えば適正なのですが、一般的に、黒い部分がまったくなく極端に真っ白に写ってしまっている写真(光を必要以上にたくさん取り込んだ写真)は露出オーバー(単に「オーバー」とも)、逆に光が足りなくて全体に黒く写ってしまっている写真は、露出アンダー(単に「アンダー」とも)で露出失敗の写真になります。

白い部分のディテールがなくなってしまっている状態を「白とび」、黒い部分のディテールがなくなっている状態を「黒つぶれ」と言います。



ちなみに、撮影者が意図的にオーバー目に撮ったり、アンダー目に撮ってみたりすることもあります。露出オーバー目に、全体が白っぽい感じで撮影したものを「ハイキー」、逆にアンダー目に、全体を黒っぽく撮影したものを「ローキー」と言います。

Flickrで「High Key」と「Low Key」で検索すると、様々なグループや写真がヒットしますので、どんな感じの写真か見てみると参考になると思います。あくまで露出を失敗した結果そうなっちゃったのではなく、ハイキー、またはローキーに撮影するために、その露出に設定して撮った写真だと思って下さい(ほんとは失敗したのに、後から「これはハイキーで表現したかったらかオーバーで撮ったんだよ」とごまかしても誰も怒りませんから......)。
< http://www.flickr.com/search/groups/?w=all&q=High+key >
< http://www.flickr.com/search/groups/?w=all&q=Low+key >

話を、露出オーバー・アンダーに戻します。カンで適当に露出を設定したのではなく、ちゃんとカメラが自動で設定してくれている絞りとシャッターの値で撮っているのに、なぜオーバーやアンダーのような露出失敗写真が撮れてしまうのでしょうか?

こんな経験はないですか? 携帯のカメラや、iPhoneのカメラなどは特にそうだと思いますが、日中の屋外などで明るい被写体にカメラを向けた時、本当はもっと明るい写真になって欲しいのに、極端に暗く写ってしまったこと。

また、黒い服や夜景など、黒い部分が多いものを撮った時、黒い部分まで目で見た時よりかなり明るく白っぽく写ってしまったこと。更に、同じ場所で同じ時間に同じ被写体を何枚も撮っている時、ちょっとカメラの角度や位置が変わるだけで、全然明るさが違う写真が撮れてしまったこと。

コンデジやデジタル一眼でもそんなことがあるはずです。思ったような明るさで撮れずに困りますよね。何故でしょうか? カメラ内蔵の露出計が壊れている? カメラを制御しているコンピュータの性能が悪い?

大丈夫。カメラは壊れてないです。人間は、被写体が白いものなのか、黒いものなのか見れば分りますが、カメラはそれが何なのか分りません。ただある基準のもとにその光を測っているだけです。その基準というのは、一番明るい白から一番暗い黒のちょうど真ん中の、反射率が18%のグレーです。

なぜ一番明るい反射率100%の白と、一番暗い反射率0%の黒の中間が、50%じゃなくて18%なの? って思いますよね?

反射率100%が一番明るい白。半分の明るさが50%、その半分の光が25%、そのまた半分が12%、その半分が6%、その半分の3%でほぼ真っ黒になります。この6段階のちょうど中間ということは、反射率25%と12%の中間で反射率が18%となります。

100%(真っ白)
50%(白っぽいグレー)
25%(明るめのグレー)
12%(暗めのグレー)
6%(黒っぽいグレー)
3%(ほぼ黒)
の真ん中のグレーということです。

この反射率18%という基準になるグレーは、グレーカードとしてカメラ用品店で購入できます。また、レフ版などの片面が18%グレーになっているものもあります。
< http://www.yodobashi.com/ec/category/index.html?word=グレーカード >

カメラの露出計はTTL(Through the Lens)測光という方式で、レンズを通ってきた光を測っています。つまり光源(太陽であったり電灯であったり)から放たれた光が、被写体に反射してレンズに届いた光の量を測っています。

その被写体が白なのか黒なのかカメラには分りませんから、被写体がすべて反射率18%のグレーとした時にどれぐらいの光なのかを測って、値を出しているのです。白いものも、黒いものも(明るいものも、暗いものも)すべてグレーとしています。

そのため、白いものを撮ったのに暗く写るし、黒いものを撮ったのに明るく写ってしまいます。また、同じものを撮っていても、カメラの位置や角度によって、背景の明るい電気や暗い部分が変わることによって露出が変化して、撮る度に明るさが違う写真になってしまうことがあります。

コンデジなど、初心者が失敗しないようにカメラのコンピュータが色々と判断してモードを決めて適切な状態にセッティングして撮ってくれるので、その辺すべてカメラ任せでいいような時代になってきましたが、撮影者がコントロールするカメラでは、18%グレーを基準に露出計が出してきた値に対して、それがその基準より白いものなのか、黒い物なのか(明るいものなのか、暗いものなのか)を撮影者が補正してやる必要があります。

これが露出補正。次回はこの露出補正について説明します。

【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
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姫路城が平成の大修理に入り、今後5年間は全体を覆う修理用の建物で囲われてしまいます。今回でしばらく見納めの「姫路城と桜」の風景を見ようと連日もの凄い数の観光客で賑わっていましたよ。
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