クリエイター手抜きプロジェクト[242]電子書籍編 電子書籍データをiBooks/i文庫HDに対応させる/古籏一浩

投稿:  著者:  読了時間:7分(本文:約3,400文字)


やっとiPadが届きました。iPadは日本で発売される前にいじっているので、勝手は分かっていました。が、日本のiBooksはちょっと違うような感じです。英語版(?)では、電子書籍ファイル(EPUB)をiPad接続すると、iTunesに表示されるiPadのアイコン/カテゴリ内にドラッグドロップするだけで転送できたのですが──。

日本のiBooksは本体側(iTunes)にEPUBファイルをコピーして、その後同期といった状態でないとうまくいきませんでした。ここらへん、もっとよい方法があるのかもしれません。

iPadの電子書籍リーダーで評判がよいのがi文庫HDなので、早速入れてみました。PDFもちゃんとめくることができます(これは結構いい感じです)。これは、PDFやテキストファイルなどはiTunes経由でドラッグドロップするだけで転送できるという、非常に便利なものになっています。

ということで、iPadのために用意してあった読み物(昔のゲームの制作話/EPUB/PDF/TEXT)をiPadに転送してチェック。まずiBooksから。最初の転送方法で簡単にドラッグドロップできるかと思ったら違っていて、ちょっと手間取りましたが、無事に転送され読むことができました。

が、思わぬ表示が......。EPUB形式のデータで、STANZAなどは文書内にエラーがあっても画面には表示しません。しかし、iBooksではページ内にしっかりとエラーメッセージまで表示されてしまいます。EPUBデータの中身はXHTMLファイルなので、Safari上で表示しエラーがなければOKです。エラーは表示しない方がよいと思いますが、まあ内部のエンジンがWebKitでしょうから仕方ない部分もあるかもしれません。もし、エラー表示しないような裏技があれば知りたいところです。iBooks+EPUBにルビを表示する裏技(?)はあります。



これでiBooksは問題なし......と思ったら、今度はiBooksの本棚で表紙が表示されないという状態に。EPUBの仕様ではOPFファイルの<guide>内の<reference>に表紙を指定すればよい、となっています。EPUBデータを編集するアプリケーションでも、そのようにコード(タグ)を生成します。調べると、以下のサイトに表紙を表示する方法がありました。
< http://d.hatena.ne.jp/tatsu-zine/20100531/1275325773 >

まず、表紙画像を用意した後に、OPFファイル内の<manifest>で使用する画像を定義します。これは<item>タグを使用しIDを割り当てます。ID名はファイル名でも構いません。例えば<item id="title2.png" 〜〜〜>のように定義したとしたら、OPFファイルの先頭で

<meta name="cover" content="title2.png"/>

と定義します。これでiBooksの本棚に本の表紙が表示されるようになります。ようやく何とかiBooksに対応できました。

次にi文庫HDです。i文庫HDはPDFを表示することができ、最初のページが自動的に表紙として本棚に表示されます。iBooksのように特別なタグを書かなくてもよいので簡単です。i文庫HDはPDFだけでなくテキストファイルも表示することができます。テキストファイルの場合、自動的に縦書きで表示されます。ということで、i文庫HD用に別途テキストファイルを用意しルビ(ふりがな)にも対応させました。i文庫HDでのルビは青空文庫と同じフォーマットなので、ルビを表示したいところで

文庫《ぶんこ》

のようにすれば文庫の漢字にルビがふられます。

ということでiPad用に対応させたものを、さりげなく販売。昔話なので文字だらけです......。1980年代前半の時代を知っている人で、なおかつmz-700というパソコン(当時はマイコンという呼び名だった)を知っている人でないと楽しめませんが。

電子書籍ならAmazonやApple Storeで販売したら、と思う人がいるかもしれません。でも、バイナリデータが付録で入っていたり、いろいろなフォーマットのデータが入っているので多分無理でしょう。バイナリデータをおまけで付けた場合とか、特殊事情がある書籍の場合はApple、Amazonともどうなっているんでしょうか。同人誌販売サイトなら簡単に対応できるのですけど、今回も「Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集」と同じデジコンカートにしました。ZIP圧縮してまとめて販売できるという手軽さからです。


●tiny XEVIOUS for 700の制作昔話
< http://digiconcart.com/dccartstore/cart/info/2561/40462 >

ZIPファイルには以下を入れてあります。
・プレーンテキスト
・i文庫HDに対応したテキスト
・PDF(パスワードロックなど制限なし)
・EPUB(DRMなし)
・AZW(Kindle用)
・InDesignファイル(PDF生成の元データ)
過去の資料スキャンしたものはPDF、EPUB、AZW(Kindle)用のみ

InDesignファイルは、作りが失敗した例なので参考にはならないかもしれません。でも、電子書籍で幅広いフォーマットに対応させたりするのであれば、InDesignが中心となってそれぞれのフォーマットに書き出せるようになった方が楽だと感じました。

電子書籍なら印刷代もいらないし安くなるだろう、どうせ電子データから紙に印刷しているんだから、という人は一度上記のフォーマットに全部対応させて作ってみるとよいでしょう。現状では絵空事に近いと思います。いかんせん、サポートしてくれるプラグインやアプリケーションが少なすぎる上に、書き出せば相当な手直しが必要です。PDFじゃ駄目だ、と文句書いている人もいますが(まあ気持ちは分からなくはありませんが)、実際にはPDFかスキャンデータでないとコスト的にも無理。制作のサポートソフトが少なすぎる現在では結構無理があります。

AdobeがInDesign用で出してくれるみたいなので期待はしておきましょう。
・アドビ システムズ社、雑誌向けのデジタル閲覧技術を発表
< http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/pdfs/20100602_wired_reader.pdf >

【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
< http://www.openspc2.org/ >

届いたiPadは冷蔵庫に入ってました。iPadはしっかり冷えてました。iPadは生もののようです。ということで、結露していたので数時間待ってから設定しました。設定というか同期も時間かかりました。しばらくは、iPadでいろいろ試行錯誤する感じです。

・Adobe Illustrator CS5使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/IllustratorCS5/ >

・Adobe Photoshop CS5使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/PhotoshopCS5/ >

・Adobe InDesign CS5使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/InDesignCS5/ >

ハイビジョン映像素材についてアンケート(6月末まで)
< http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=28846 >

Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集 発売中
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/ >

・電子書籍作成用ページ
< http://www.openspc2.org/eBook/index.html >