[2862] iPadで写真を楽しむ

投稿:  著者:  読了時間:20分(本文:約9,900文字)


《あの、文字を大きくして読める板》

■気になるデザイン[43]
 活版印刷の魅力
 津田淳子

■装飾山イバラ道[57]
 「温泉天国」でお湯めぐり
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[36]
 iPadで写真を楽しむ
 おかだよういち



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■気になるデザイン[43]
活版印刷の魅力

津田淳子
< http://bn.dgcr.com/archives/20100608140300.html >
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うちの77歳になる姑まで、ワイドショーなどをみて「あの、文字を大きくして読める板」とかいっているので、iPad、盛り上がってるんでしょうねぇ。なんて他人事のように言っている私も、発売初日に買ってしまったんですが。

私は「デザインのひきだし」という、デザイン・印刷・紙・加工の情報誌をつくって、日々、紙やら印刷やらの現場に入り浸っているので、「電子書籍なんて、ケッ」と思っていると思われているようで、周りの人から「えーッ、iPad買ったの!?」と驚かれたりしています。

いや、もちろん紙や印刷加工が大好きなんですが、根本的におもしろいことならなんでも興味があるので、とりあえずどんなものか気になるじゃないですか。電子書籍のことを話すにしたって、自分で読んでみたり、作ってみないとよくわからないし。

というわけで、とりあえず周りに見せびらかしつつiPadで本を読んだりしているわけですが、現状では(当然ですが)紙の本の方が、物語を豊かに楽しめるなぁ。でもそれは当然のことで、何百年も前から脈々と積み重ねられて形作られた、すっごいシステムが「本」なのだから、一朝一夕には匹敵するおもしろさをだせるものではないように思う。

でも、紙の本とひとことで言っても、それは千差万別。正直言って、本文組みも装丁も、紙や印刷、製本、加工についても、残念な感じの本も見受けられる。そういう本を見るといつも、もったいないなぁと思う。せっかく紙に印刷して製本する本ならば、できるかぎり、その内容がよりゆたかになるように、より堪能できるように作ったほうが、いい本になるのに、と。

もちろん、予算や適性の問題などさまざまあるのはわかっているけど、だれかがほんのちょっと手間をかけたり、がんばったり、勉強したりするだけでも違ってくるんじゃないかなぁと、自戒も含めてそう考えている。

最近、本を読んでいて残念に思うのが、活版や凸版で刷った本にほとんど出会わない、ということだ。古本屋さんで昔の本をみてみればたっくさんあるのだけど、新刊では数えるほど。

実は先週から書店に並びだした「デザインのひきだし」では、活版印刷の大特集をしています。この特集をするにあたって、全国1000軒以上の印刷会社にあたったのですが、活版印刷をしているとことは百数十軒。もちろんあたっていないところも多いとは思いますが、それでも全国に数百軒あるかどうか、というとことだろう。

その中から、誌面で連絡先や印刷できるサイズ、目安価格などの掲載許可をいただいた会社のリストを60軒ほど掲載させていただいた。しかしこうした印刷会社の中には、お歳を召した方もいらっしゃるし、後継者がいないところも多い。そして正直言って、仕事が山のようで大忙しとはいかない活版印刷所も数多くある。

今、若い人を中心に、活版印刷に新たな魅力を感じて、実際に活版印刷所に仕事をお願いする人も増えている。これに対して、あまり歓迎していない人も中にはいるようだ。そのわけは、新たに興味を持った人の中には、活版で刷る際にギュッと圧をかけて刷るのがいいとか、わざと掠れさせて刷るのが活版の味だ、と言って、そういう印刷をしてほしいと頼む人がいるからだ。

確かに、すばらしい活版印刷というのは、印刷したところが凸凹したりせず、色も掠れず刷るものだ。それをわざと下手に刷ってくれなんて言われたら、気分も悪いことだろう。

でも、そうした、以前は悪いと言われていた印刷からであっても、活版に興味を持ち、仕事をお願いする人が増えることはいいことではなかろうか。そこから少しずつ活版のことを知り、経験を重ねていけばいいのではないかと思う。

活版印刷に限らず、オフセット印刷にもスクリーン印刷にもグラビア印刷にも、それぞれすばらしい特徴がある。それを適材適所、似合う印刷をそのときどきに選択することができれば、より魅力にあふれた印刷物が作れることだろう。

でも、一旦、ひとつの技術が消えてしまったら、いつかそれを復活させようとしても、それはなかなか難しい。活版印刷もこれから数十年して産業として廃れてしまったら、そのときになって「紙の本としての魅力をだすために、この時代小説にぴったりな活版印刷で刷ろう!」ということになっても、それは不可能だ。

今、まだ活版印刷所が残っているうちに、そこがひとつでも多く後世まで残るよう、たくさんの仕事が活版印刷所に入ってくればいいのに、と、そう思って、僭越ながら今回の特集を企画した。だって、あの力強い活版印刷の本文が似合う本はいっぱいあるし、本以外にもたくさんあるのだから。

というわけで、ちょっと熱く書いてしまいましたが、活版にご興味持っていただける方がいらしたら、「デザインのひきだし10」をご覧ください。6月27日には、青山ブックセンター本店で活版トークイベントも開催しますので(こちらは青山ブックセンターのWebサイトをご覧ください)、よろしければ直接、活版職人の方々に、お話聞いてみてください。活版の刷りモノをを見たら、そのよさをきっと実感していただけるとおもいます!
< http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201006/10_627.html >

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp

日本全国の見た目も機能もすぐれた紙袋をズラッとご紹介した『見た目よし!機能よし!のショッピングバッグ・コレクション」は好評発売中! 他にも「紙の魅力をもっと知る」特集を掲載した『デザインのひきだし9』、『グッズづくりのイエローページ』、表紙が全部シール(!)になった『デザインのひきだし8』全国書店で好評発売中です!
デザインのひきだし・制作日記 < http://dhikidashi.exblog.jp/ >

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■装飾山イバラ道[57]
「温泉天国」でお湯めぐり

武田瑛夢
< http://bn.dgcr.com/archives/20100608140200.html >
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水族館の魚が泡で口の掃除をするというニュースを読んだ。自然の中では共生する魚が口の掃除をしてくれるのに、水槽ではそういう仲間がいないので泡の力を利用しているらしい。きっと、たまたま泡の出るところを通った時に気持ちよくて、クセになってるだけだと思うけれど。

・クエ、泡でお口掃除?(京都新聞)
< http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100603000047 >

この水槽の中にはクエは一匹しかいないので、今は独占しているけれど、複数のクエがいたらきっと場所の取り合いになるに違いない。この記事から、よく行っているスパにある泡風呂「バイブラバス」を思い出した。

●WEBや雑誌の口コミを必ずチェック

スパのバイブラバスもマッサージ効果があって、おばさんたちに大人気。「ジャグジー」と何が違うのかよくわからないけれど、クセになると何度でも泡にあたりたくなる。どこどこのジェットの泡は強いだの弱いだの、そんな話題は有益な情報として重宝がられるし、私も知りたいことのひとつ。

バイブラバスに入ってふと見上げると、水流ジェットの噴射ボタンのそばに、押す回数を制限する貼り紙がある。おばさんたちも独占は許されず、順番に回数を守って泡を浴びるのだ。でも、他に誰も来なかったらその回数制限も関係ないらしいので、ずーっと居座っている「主」みたいな人もいる。いつもいるので、どうも初心者は近寄りがたい。日帰り温浴施設は、どうしてもそういった常連さんの動きを基準に決まる独自のルールがあるようだ。

良い日帰り温浴施設を探すには、場所や施設の規模、料金の他に利用者層の雰囲気を知る情報もとても大事だ。WEBや雑誌の口コミを読まずに、いきなり遠出するという気にはなれない。口コミには、上記のような一回利用する程度では見えてこないルールがさらっと書いてあったり、悪いマナーを見た報告があるのでとても参考になる。最近重宝しているのが、Biglobeの「温泉天国」というiPhoneアプリだ。

・「温泉天国」
< http://travel.biglobe.ne.jp/onsen/app_iphone/ >

自分の活動エリアのサウナや温泉、岩盤浴などの温浴施設を検索することができる。GPSモードと地図モードが用意されていて、GPSモードだと感覚的に自分の近くのアイコンをクリックしていくゲーム画面のような雰囲気。ただちょっと動作が重たいので、地図で検索する方が私にはストレスなく探せた。

東京の周りでも、こんなに温泉があるのはとても嬉しい。値段も銭湯の約倍の1,000円前後で、充実した施設がたくさんある。ここ数年で施設が増えたということもあるけれど、きっと前からあっても知る方法がなかったので、地元民だけが使っていたのだと思う。普通の銭湯が減って、趣向を凝らした温浴施設が生き残っていく時代だ。

「温泉天国」アプリにぜひ加えて欲しい機能は「次の休館日」。基本的な定休日の記載はあるけれど、具体的な日にちが知りたいのだ。毎週休みがあるところは少ないので、不定休なところがほとんどだけれど、だからこそ次の休館日が記載されていると有り難い。本家のWEBへ飛んで確認しないで行けば、うっかり休みだったなんてことになる(実際失敗した経験あり)。常に情報をリフレッシュしなければならず大変だろうけれど、その機能がついたら温泉に行く前に必ず開くアプリになるはず。これはお互いにとって素晴らしいことだ。

●手探りのサービス

都会の露天風呂は作り物の竹林だったりするけれど、涼しい風と空があれば十分だ。最近はおしゃれな外観や内装にこだわる所も多いし、お客の希望をすぐに反映させているように見える。最近行ったある露天風呂では、藁で編んだらしい笠のような帽子が複数置いてあり、日差しよけに使えるようになっていた。湯船に浸かりながら笠かぁ。私が行ったのは夜だったので、使っている人はいなかったけれど。

確かにこの季節に、日中の露天風呂に入ると日に焼けてしまうのだろう。日焼け止めクリームを塗って入るわけにもいかない。笠を置かないと自分の帽子をかぶる人が出現したりしそうなので、そういう措置になったのかもしれない。これが一般的なのかどうかわからないけれど、クレームが出たら即対応をし続けると、一瞬迷走しているかのように見えることはよくある。

●男女を分けすぎないエリア設計

温浴施設の価値を決めるのは、「休憩室の充実」や「清潔感」はもちろんのこと、「男湯と女湯のエリア設計」も大きいと思う。銭湯のように最初に男湯と女湯をまっぷたつに分けてしまえば単純でいいけれど、岩盤浴や休憩室では、館内着を来ていれば男女が同じ場所を使えるようになっているところも多い。だからこそ流行の岩盤浴デートも成り立つ。

二人でお風呂と言えばかぐや姫の「神田川」の世界だけれど、昔は来た時と帰る時のみ一緒で外で女を待たせた時代。今はお揃いの館内着でソフトクリームの時代(笑)。温浴施設の中で女友達もカップルもファミリーも居心地良く存在できるのだ。

ソフトクリームと言えば食事処も大きなチェックポイント。東京近郊といっても、温泉が出るということは大きな土地をがっつり掘っているので、駅から離れているところも多い。

やっぱり近くの駅のレストランも、さほど期待できないのが実際の感想。だから、館内着のまま館内で気楽にご飯が食べられるとラクチンこの上ないのだ。食事のレベルも学食相当、ファミレス相当からかなりおいしいところまで様々だ。私はビールとおそばとソフトクリームがそこそこおいしければOK。湯上がりは水でさえおいしいのだから、まぁほとんど許せる。

私は水着を着て温泉に入るところや、遊園地風の演出のあるところは行ったことがないけれど、少し勇気を出して何でも行ってみるのもいい。家から一時間以内の場所で、運命の温泉に巡り会えたら、定期的に通ってささやかに営業を支えたいと思う。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

iPadはしばらくは買う予定はないけれど、今iPhoneでやっているゲームが細かい絵のものなので、iPadでやった方がおもしろいらしい。今年は紙のスケジュール帳をとうとう買わずに、iPhoneの「さいすけ」なので、iPadのスケジューラーだったら大きくて見やすいだろうなぁ。

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■おかだの光画部トーク[36]
iPadで写真を楽しむ

おかだよういち
< http://bn.dgcr.com/archives/20100608140100.html >
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2月から8回、数か月に渡って技術的な小難しい話を続けてきましたので、この辺で旬な話題を。と言うことで、今回は先月28日に発売になったばかりで話題のiPadと、写真を絡めた話をしてみましょう。

と、その前に更に新鮮な、日本時間今朝早くにWWDCで発表になったばかりのiPhone4に関して、カメラまわりのことを書いておきます。

この連載でも、いままで何度もiPhoneのカメラ&カメラアプリのことに触れています。その中では「iPhoneのカメラはしょぼいのでそれを逆手に取って、他の高性能なカメラでは撮れない感じのトイカメラ風に撮るのを楽しみましょう」と書いていましたが、今回発表されたばかりのiPhone4のカメラはかなり進化していますよ。

・5 megapixel sensor
・backside illuminated sensor
・1.75μm size pixels
・5x digital zome
・tap to focus
・LED flash
・720p at 30fps HD video recording

と、ジョブズ氏のプレゼンにあります。まず、5メガピクセルで、しかも裏面照射のセンサーになりました。裏面照射CMOSセンサーは、ソニーやリコーの最新デジカメ等に採用され始めたもので、通常のものと比べると暗い場所に強く、高感度でもノイズの少ない写真が撮れるのが特徴です。
< http://bit.ly/5hnimq >

コンパクトデジカメや、日本の携帯電話のカメラは、センサーが小さいにもかかわらず解像度を上げることに力を入れているので、800万画素とか1,000万画素とかが主流です。iPhone4のカメラは、同じサイズのセンサーで実用に必要充分な500万画素に抑えることで、光を取り込むひとつひとつの画素を1.75μmと大きくできるので、より暗い場所に強いということになります。早く実機で試し撮りしてみたくなりますよね!

その他にも、LEDのフラッシュも付いたり、指で触った所でピントが合ったり、720pのHD動画が撮れて、しかもその場で編集してすぐにネットにアップして共有できるなど、嬉しい機能がてんこ盛りです。もともとGPSは搭載されていますので、写真や動画にジオタグを付けるのはお手のものですし、これ以上のコンパクトデジカメは他にないんじゃないかなと思える新型iPhoneです。
< http://www.apple.com/jp/iphone/ >

そんなiPhone4が今月24日発売ですよ! iPad発売から1か月経ってないのに。

そのiPad、先月28日に発売され、一般のニュースやワイドショーなどでも紹介されるなど、一部のギークだけでなく、普段あまりデジタルガジェットに興味を持たない人達までiPadの話題をするほどです。わたしも予約できなかったにもかかわらず、ちょうど出張で東京にいたので28日当日ソフトバンク表参道店でうまく手にいれることが出来ました。

iPadにはカメラが付いていませんので、単体では写真で遊ぶことはできませんが、別売りのiPad Camera Connection Kitを使って、デジカメで撮った写真を取り込めば一気に用途が広がります。
< http://store.apple.com/jp/product/MC531ZM/A >

SDカード用とUSB用と2種類ありますので、SDであればそのまま挿し、一眼レフなどCFカードのカメラはメモリリーダーを使うか、カメラを直接USBでつなぎます。
< http://flic.kr/p/88pdtE >

すると、メモリカードに入っている写真のサムネイル画像が表示されます。
< http://flic.kr/p/88z2M7 >

凄いのはJpeg画像だけでなく、RAWで撮ったものもちゃんと読み込んで、サムネイル画像が見られるとこです。
< http://flic.kr/p/88vMYH > ←一番下の最後の画像

ただし、注意が必要なのは、JpegもRAWもiPadで閲覧する写真はiPad用に最適化された画像で、実画像ではありません。ですから、等倍に拡大してピントのチェックとかの用途では使えません。あくまで構図やライティングのチェックなどに限られますが、今までクライアントさんやモデルさんと、カメラ背面の小さな液晶を見るために頭を寄せ合ってチェックしていたことを思うと、iPadで画像のチェックが出来るのは画期的です。

画像チェック以外にも、JpegやRAWデータがそのまま読み込まれるので、メモリの予備がない場合のデータの避難場所として、簡易的なフォトストーレッジにも使えそうです。

一回の撮影で32GBのカードを何枚も使うような強者には、本格的な専用のストーレッジをお勧めしますが、普通の撮影なら32GBまたは64GBのiPadでも充分事足りるのではないでしょうか。

iPadで写真を見るのはとても楽しくて、クライアントやモデルさんに見せる場合、とてもインパクトありますから喜ばれます。

写真はアルバムやイベントごとに束になっていて、指二本で写真をつかんで広げると、実際に重なった写真が広がるギミックで直感的に操作できます。
< http://flic.kr/p/88pGGj >

そして、ボタンをタップするだけで、エフェクトと音楽が付いたステキなスライドショーが始まります。作品ポートフォリオを人にプレゼンするのに強力な武器になりますよ!
< http://flic.kr/p/88zeuU >

まだまだ発売直後ということもあり、写真編集アプリなど定番という感じのものは出揃っていませんが、RAWデータを読み込めるということもありますし、今後RAWデータを現像するようなアプリも出てくるかもしれません。新しいiPhone4とうまく連携するようなアプリも期待できますし、今後も目が離せないですね。またアプリに関しては面白いものを発見したら、追って紹介しようと思っています。

【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/ > < mailto:okada@s-style-arts.com >
< twitter:http://twitter.com/okada41 >

またiPhone4の行列が出来るのでしょうか? とにかく3Gを丸2年使ったので、速攻新しいのに買い替えたいです。

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■編集後記(6/8)

・「幸田文 どうぶつ帖」を読む(2010、平凡社)。幸田露伴の次女・幸田文が書いたものを、一人娘の青木玉が編み、その娘の青木奈緒があとがきで締める。犬好き、猫好き、どうぶつ好き、の3章立て。「私にあるのは多く身勝手と呼ばれる愛情ではないかと恐れるのであるが、とにもかくにも私は動物と親しくしたい」という幸田文の、動物への深い愛情と鋭い観察で書かれた優れた文章には感動せずにはおられない。珠玉の短編集の中でも、「私は動物が好きでかわいがっているつもりだが、動物は私に愛情と酷さを教えるのである。動物園に行こう。」という、動物園の飼育係への取材ものが好きだ。飼育係はみな謙遜ではにかみで学問を志す人と同じ態度だったそうだ。ゴリラのビルがどうした弾みかで檻から出て、お客がいる外へ歩き出した事件の話が泣かせる。ビルの後ろ姿がかわいそうだったと飼育係は言う。「私はここまで聴いたとき、檻に長く飼われた動物の、外へ出てみたもののその行きどころなさを思いやって、そのあまりの淋しさに涙が出そうになった。」そして、飼育係に後ろから呼びかけられたビルは、懐かしい人を見つけたうれしさに、「特有な声で、呼吸を刻んで喜び、その人へ手をつないで、何かいいかけるかのように顔をふりむけふりむけ、O字型の二本足で歩いて住いへ無事に帰ったのである。」ほんとうにしみじみいい話だ。とにかく、犬好き、猫好き、どうぶつ好きの人には無条件でおすすめ出来る。それにしても美しい本である。装幀はクラフト・エヴィング商會、さすがだ。こういう本を手にとると《あの、文字を大きくして読める板》なんてなんぼのもんじゃいと思う。その板も欲しいが。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582834728/dgcrcom-22/ >
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・活版印刷のくぼみや擦れ、味があってめっちゃ好き〜。名作で、刷を重ねている文庫本だと、文字がつぶれて読みにくいものがあったりして、それは好きではないが。/「温泉天国」早速ダウンロードした!/新しいiPhone 4が素敵。事前リーク通りで大きなサプライズはなかった(ジョブズも「既にご覧になっていると思いますが...」みたいなこと言っていた)。日本の携帯を使っていたら、ビデオチャットに新鮮さはないし(手話で会話できるね)。あ、HDビデオ撮影&編集には驚き。ノイズキャンセラとかも。形は現行機種の方がいいと思うのだが、褪せてみえるようになるんだろうなぁ。発売は地球上で日本が一番早いだろう6月24日。この24日発売は数カ国のみ。88カ国は9月末。基調講演ではiPad発売時の日本のニュースや、iAdの例として日産、カメラ画像を見せるのに日本庭園が使われていたりしたよ。iOS 4は21日から無償アップデート。フォルダ分けとマルチタスク、アプリ上限アップが欲しかったので。やっとだ〜。スレッド表示が欲しくて、友人らとはSMS/MMSでやりとりしてるのだが、i.softbank.jpでもスレッド表示するようになるね。MacBook Pro用だが、Bluetoothキーボードは注文済み! Felicaつけてよ〜。(hammer.mule)
< http://www.apple.com/jp/iphone/features.html#design-video >
広島弁で見られるようになるのか? 5分半のガラスのところは見て〜
< http://live.gdgt.com/2010/06/07/live-wwdc-2010-keynote-coverage/ >
基調講演実況
< http://www.macrumors.com/ >
ここの実況テキストが良かったのに、見つからない