アナログステージ[36]現代の兵糧攻め/べちおサマンサ

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技術提携しているベンダーさんの会社へ出向中で、早半年が経とうとしております。と謂いつつも、先月後半から殆ど行っていなかったり。本家(勤めている会社)の忙しさが、とんでもないことになっていて、出向している場合じゃないというのが実情なんですけど...。

当初は8月20日までを出向期間としていたのですが、早めに引き上げて本職に戻ろうかと予定していたりします。というのも、想像以上にベンダーさんの業績と技術力が上がっているので、このまま継続してもらえれば、ワタクシは晴れてお役目御免としてもいいかと。

ほかにマズいベンダーさんが浮上してきているというのもあるんですけどね...。なんだか、そんなところばかりだなぁ、逆に、そんな会社さんばかりと取引していて大丈夫なのか、うちの会社。いま問題になり始めているベンダーさんは、取引実績は3年くらいの会社なんですけど、そこの営業さんが、かなりだらしないのは社内でも有名だったので、そんな感じかと思いきや。

技術的な問題ではないので、ワタクシの出る幕ではないのですが、納期遅れ凄まじく、昨年発注分の品物が未だに納品されてこない状況らしい。「らしい」というのは、直接関わっているわけではないので、詳細は知らないんですけど、製造部の連中が口を揃えて「あそこの会社から兵糧攻めにあってて、なにも進めない」と文句をたらたら。

「おいおいおいおい、昨年の発注分って、2010年も半分終わるってのに納品されてこないって、それはマズいとかのレベルじゃないでしょ。仮に10日間くらいの遅れなら分かる気もするけど、半年遅れって尋常じゃないぞ」

と製造の課長に話しすると、やはり「裏事情」があるらしい。まぁ、そりゃそうだ、裏事情がなければ、ベンダーさんに優しいウチの会社も、半年遅れは許さないだろう。で、製造部の課長と資材部の課長と昼食をご一緒しながら話を聞くと......。



そこのベンダーさんも、メーカから兵糧攻めに遭っていて、品物を作りたくても部品が入荷してこないので、作れない状況が続いているそうだ。そういえば、出向している会社でも、4月頃に似たようなことが暫しあった。

制御部品の大手メーカ(社名だしてもいいかと思ったけどやめておく)は特に酷く、中国の工場で生産している製品が、まるっきり納期が見えない状況にある。国内工場で生産しているモノに関しては、平常に流通しているのに...。この状況は、ここのメーカだけではなく、ほかのメーカも同じ状況にあったり。

メーカに状況説明を迫ると、「製品に組み込む部品の一部が、自動車業界に流れてしまい、こちらも作りたくても作れない状況にある」らしい。なんだ、なんだ? 半年以上納期遅れしているベンダーさんも、製品を作るための部品がメーカから入らないので作れない状況にあり、メーカも製品を作りたいけど、製品に使用している一部の部品が入ってこないので作れない......。

では、その欠品しているのか生産が追いついていないのか分からないが、その部品を作っている会社はどうなのかというと......「生産量は変わっておりませんし、特別需要が上がっていて供給が間に合っていないという状況はないと思いますけど...。しかし、一次代理店の割振りはこちらでは分からないので、なんともお答えできません、すみません」と、なんとも日本チックな回答を見せていただいた。

普通一般的な思考で考えると、同じ製品の型番違いなだけで、中国生産と国内生産に分けていて、中国生産が追いついてない(作ってない?)のなら、製造ラインは同じはずなんだから国内生産で賄えないのだろうか。その場凌ぎで何億もかけて生産ラインを作るというわけでもないんだから、そのくらいの融通は有りだと思うんだけどなぁ。

欠品している部品は、ごく一般的な汎用品なので、商社さんや代理店だけではなく、WEBショップなどで流通していたりもするので、チラチラと探してみると......確かにどこも在庫ゼロだ。アメリカにも、シンガポールもにイギリスにもない。世界中で欠品しているのが分かった。試しに、世界各国に流通経路を持っているオンラインショップで、該当の部品を10個発注をしてみると、納期回答が2011年3月という案内がメールで送られてきた。

ぐは、マジですかこれ、来年ですか? 分かってはいるが、本当に来年の3月まで待たないといけないのか、販売店のほうへ問い合わせてみた。

「すみません、先ほど発注した品物なんですけど、納入予定日が来年の3月という案内が送られてきたのですが、なにかの間違いでしょうか?」

「お調べいたします............。お待たせいたしました、こちらの部品は納期回答ができない状態となっておりまして、正確に申し上げますと、来年の3月に納品できるかも分からない状況となっております。しかし、引き当て(メーカの生産量次第で、代理店にまわってくる数量が変わったりする)がうまくいくと、来週に入るかもしれませんし、来月に入ってくるかもしれませんが、正確に何月何日というお約束はできないんです...」
「ハァ... そうなんですか」
「申し訳ございません」

というお答えが返ってきて、本当に入らないことが分かった。いや、ベンダーさんやメーカさんを疑っていたわけではないのですが、なんか、豆腐屋さんで大豆が入ってこないから豆腐が作れない......そういう状況に置かれていることがよく分かった。

同等品(互換品)を探すか、そこの部分だけ、流通が安定している別の部品に置き換えて設計を見直すかの手段をとらないと、こちらも出荷が控えているので、「仕方ないから来年の3月まで待ってまーす」というわけにはいかない。って、書いていながら「製造のことやら資材のことやら装置出荷のことやら、オイラにまったく関係ないじゃん!」と、ちょいと不満に思ったり。

という流れがあり、「べちおさん、悪いんだけど、この部分設計見直ししてくれない?」とお願いされてしまったので、頼まれるとイヤっていえないワタクシは「ホイ、分かった、関わりたくないしやりたくないけど、○○さんの頼みなので、やりましょう!」とお人好し全開で引き受けてしまい、早めに出向先から引き上げることにしたのでした。

設計・開発部隊じゃない人間からすれば、「ここだけ変更すれば大丈夫なんでしょ?」と軽く簡単に思われているのですが、そうじゃない。かなり繊細な構成になっているので、そのほかの機器やケーブルなども見直しをしないといけなくなるし、日数にすれば2〜3週間の時間はとられる。しかし、そこを知らない人間は2〜3時間でできると思っている。これは癪だ。

仮に、テスト機を1週間で設計して組み上げたとしても、評価(計測やノイズ検査など)を出すだけでも1週間以上はかかる。そのことを細かく説明しても、「またまた、大丈夫でしょ? ホントはそんなにかからないんでしょ?」と、予め出来上がって冷凍されているものをレンジで温めるだけだと、真剣に思われていることも怖い。

これ、ウチの業界だけではなく、制御機器関連のメーカさんとか大変な状況なんだろうなぁ。自社ブランド(パナソニックや三菱電機など)で賄えるメーカさんはいいとして、OEMで動いているところは、本当に大変でしょう。この状況が年内続くようだと、一般家庭製品などにも影響が出てくるはずですし、産業系はメタメタ確定。早く市場が安定することを願っております。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋
< http://www.ne.jp/asahi/calamel/jaco/ >
< http://twitter.com/bachiosamansa > ←フォローしても役に立ちません

○NADiff < http://www.nadiff.com/ > の4階にカフェがあることを初めて知りました。というのも、12日に、武さん&山根さんの創作活動を生で見てみようと、「沼美術館=アーティストブック」へ。/武さんがセカセカと手と体を動かす一方で、山根さんはズーっと呑んでおりました/それも創作活動の一部らしい/『モノ』を創るって本当にステキ。

・コツコツと手を動かす武さん
< http://www.flickr.com/photos/50497956@N04/4699383363/ >

・ひたすら酒を呑む山根さん
< http://www.flickr.com/photos/50497956@N04/4699385683/ >

○記憶に残っている2週間の出来事→6月6日に代々木公園で開催されていたエ
コイベントに参加→仕事に忙殺→原宿行った→SWAMP→恵比寿→昼から飲める
お店探索→D90がいうことをきいてくれるようになった→近所の友人の居酒屋
→ナマハゲ撃