アンビエントメディアの夜明け[02]iPadアンビエント系アプリ「検索トレンド」と「Tweet Flow」
── 川井拓也 ──

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操作していないのに動作している。しかもインテリジェントに。

アンビエントメディアをこう定義して、iPadアプリを見渡してみます。すると、条件を満たすものはまだ少ないということも分かってきました。「操作していないのに動作している」という条件は、スクリーンセーバー的なアプリがたくさんあるので満たしているのですが、「インテリジェントに」という条件が難しいのです。これはいいかえると「あなたのためにカスタマイズされて」と同義なのですが、スクリーンセーバーの域を出ないものが多い。

そんな中、アンビエントメディア的な文脈で注目に値するのが「検索トレンド」と「Tweet Flow」です。

「検索トレンド」は、ネット上で話題になっているキーワードリストを、美しいグレースケールのデザインでリアルタイム表示し続けるアプリです。このキーワードは、タップすると3ペインの画面にスライドします。WEB、Twitter、Blogからそのキーワードに関する記事が引用され、マトリックス状に並びます。

それぞれの列は自由にスクロールすることができ、キーワードの意味を理解するのに十分な情報が提供されています。引用されているマスをタップすれば、そのままブラウザにスライドして詳細を見ることができ、←ボタンを押すことで前の画面に戻ります。

クリックが新規タブを作ることに慣れた目には、横にスライドしていきながらいつでも戻ることができる、ホリゾンタルな導線が新鮮です。このアプリは最初の画面以外はタップが必要になりますが、情報への接し方、追っていく方法などにアンビエントな設計思想を感じさせてくれます。



「Tweet Flow」は、iPadならではの新しいデザインのツイッタークライアントです。多くのツイッタークライアントは、iPhone版を高解像度にしていく方向で設計されています。読んではつぶやき読んではつぶやきを前提にしています。

しかし、この「Tweet Flow」はその名前からも分かる通り、ぼんやり眺めるためにデザインされた新種のツイッタークライアントです。柔らかいトーンの背景画にふわふわ浮かぶツイート。タップすると、モコモコとツイートをスクロールできます。数分ごとに自動でリフレッシュされ、小鳥のさえずりの品のいいサウンドエフェクトがそれを教えてくれます。

リプライやDM、フェイバリットもひととおり見ることができますが、前のめりでつぶやくというより、ぼんやりツイートを横目で見るのが似合います。カスタマイズできる項目が少ないのですが、アンビエントなツイッターアプリとして新時代を感じさせてくれるのです。

時代は情報過多。アンビエントなゆるいアプリは今後どんどん出てきそうで楽しみです。次回は7/5にお会いしましょう!

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【川井拓也 / Takuya Kawai】
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