[2873] 期待と落胆のiPad騒ぎ

投稿:  著者:  読了時間:26分(本文:約12,600文字)


《チキチキ式よりネジ止め式》

■ネタを訪ねて三万歩[66]
 期待と落胆のiPad騒ぎ
 海津ヨシノリ

■グラフィック薄氷大魔王[225]
 ScanSnap、カッター裁断のコツ
 吉井 宏

■ローマでMANGA[30]
 MANGAに対する認識の違い
 midori



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■ネタを訪ねて三万歩[66]
期待と落胆のiPad騒ぎ

海津ヨシノリ
< http://bn.dgcr.com/archives/20100623140300.html >
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●iPadで道具のない不幸を感じる

私がApple製品で初めて予約購入したiPadの話は、皆さんもう食傷気味でしょうから手短に済ませます。賛否両論のiPadは、私にとって想定外の「当たり」を出してくれました。前回少しだけ触れたように、購入目的はどうしても欲しいというものではなかったから、余計にそう感じてしまいました。とにかく使える機器です。

そこで最初に購入したソフトは、必需品の"Numbers"と"Keynote"。正確にはExcelが欲しかったのですが、Mac側で作成したものを表示・微修正するという流れであればNumbersでもまったく問題なし。デザイナーだって表計算ソフトがないと仕事できないですからね。学生の成績もこれで整理しています。

なお、iPad版Keynoteは配置した画像形式によっては表示されない問題があるので、頑張って修正しました。様々なファイル形式を適当に配置しても、問題なく表示されていたのが徒になった感じです。今後は仕様を厳守したいと思います。

続けて"GoodReader"と"i文庫HD"。PDFの取り扱いはAA戦争(Apple vs. Adobe)のために期待しておらず、常識的な流れでGoodReaderに落ち着きました。探し方が悪いのか、純正のAcrobat関連ツール類は「帯に短し襷に長し」であえなく撃沈。ちなみにAA戦争の当事者ではない私は【Adobeの主張<Appleの主張】であると率直に感じました。話を戻し、i文庫HDでiPad読書をいち早く味わっています。というか、i文庫HDでもPDFを扱うことが出来るので、読み物的な資料はこちらを利用するようにしています。

最後に"SketchBook Pro"という流れはありきたりかもしれませんね。問題はスタイラスペンです。なまじSketchBook Proの出来が良いので、どうしても指ではなくペンで描きたくなりました。しかし、一本だけどうしても品切れで入手困難であったペンを除き、色々と試した結果から市販品はiPadを考慮していないと悟り断念しました。iPhoneやiPodTouchで使えるからiPadで使える、というわけではないのです。iPhoneやiPodTouchでは「タップ」「ドラッグ」「フリック」を目的として設計されているからです。「描く」は本格考慮されていません。

最後の手段として、手作りも考えましたが指での描画に落ち着きました。妥協したくないと直感したからです。ワコムさんあたりが本気で発売してくれることを期待しています。そうすれば直感的に悪戯書きが出来るようになります。直感で使えると感じた天国から、道具のない地獄に転落してしまったので、落胆はかなり大きいです。

●直感と不条理とこだわり

とにかく、直感は常に大切にしたいと思っています。無意識に鞄からカメラを取り出し、気になった被写体を撮影してしまう軽薄さもそのせいかもしれません。反面、不思議と撮影する気分になれない場所があります。絵にならない空間や人混みというわけではありません。むしろ気になる被写体の塊だったりすることが多いので、何か不思議な壁のようなものではないかと感じ始めています。場の秩序を荒らしてはいけない雰囲気、とでも言うべきかもしれません。

もちろん神社仏閣の類とは無縁であり、なんだか自分でも良く解らない行動、あるいは癖なのかもしれません。ピクルスやケチャップは自発的に口にすることはありませんが、タルタルソースやトマトは大好きという自分でも理解出来ない私のわがままと同じなのかもしれません。

物は言いようで、こだわりと記せばアーティストになってしまいますが、自称するほど私の精神はまだ崩壊していません。まっ、不条理みたいなものかもしれませんね。しかし、それを突き詰めるほど暇ではないので、定期的に訪れるこの瞬間を案外楽しんでいたりします。

ところが、定期的ではなくて固定的なわがままが私にはあります。その最たるものが音楽鑑賞。iPodは常に2台持ち歩いている私は、とうとう音楽を聴かなくなりました。いや、正確に言うと移動中は聴かなくなりました。電車の中や歩行中です。

そもそも数人で実験して得た安全音量......つまり、満員電車の中であっても他人に迷惑を掛けない音量にすると、音楽を楽しむこと自体が無意味となることも影響しています。だからといって、ノイズリダクションは聴覚にたよる防衛が効かなくなるのが怖いので手付かず。ちょっと神経質過ぎるのかもしれませんが、どうしようもありません。

どうやら、iPodで音楽を聴かなくなった最大の理由は読書かもしれません。とにかく、今まで以上に読書熱が高まっています。授業の肥やしにしたいネタ収集が根底にあることは否定しませんが、だからと言って芸術・美術・デザイン・コンピュータ関連の本ではありません。もう節操なく色々な分野の本に手を出しています。当面はブックオフの100円やアマゾンの1円が標的ですね。もっとも、それすらiPadの出現でいつまで続くかわかりませんね。

要するに、私は「ながら族」にはなりきれないということ。音楽聞いていると別の行動が鈍くなってしまうのです。ですから、仕事中に音楽を聴くことはまったくありません。というよりできないので、音楽を聞きながら本を読むことも苦手です。ただし、室内照明を全て消し手元の小さな明かりだけで推理小説を読むのは昔から大好きです。でもそこに音楽が入ってくると神経を集中できません。雰囲気にあった曲でも。

とにかく、それでなくても乗車中の読書は問題山積です。走行音は雑音なので気になりませんが、大きな声や妙な臭いに過敏に反応してしまうために、どうしても集中できません。ですから、よほど空いていないかぎり座席に座ることはありません。うるさすぎに苛ついたら迅速に移動できないからです。

高校生の頃はラジオの深夜番組を聴いて勉強していましたが、効率は最低でした。そのため、デザイン学科の課題制作は毎晩無音の部屋に籠もって格闘していました。ところが、勤めだした会社はラジオを付けっぱなしでしたので、かなり気疲れの溜まる毎日でした。私自身のこの反応が神経質であることは否定しません。

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■今月のお気に入りミュージックと映画

"Brain Salad Surgery" by Emerson, Lake & Palmer in 1973
エマーソン・レイク・アンド・パーマの「恐怖の頭脳改革」(1973年11月発表)。最後の「悪の教典#9 第三印象/Karn Evil 9: 3rd Impression」の中間部分がどう聞いても宇宙戦艦ヤマト(1974年10月放映)で使われた曲に「最低でもそっくり」。当時その問題がかなり話題になりましたが、インターネットのない時代でしたからウヤムヤとなりました。ちなみに作曲者は後年コンサートにて展覧会の絵(Pictures at an Exhibition by Emerson, Lake & Palmer in 1971)を奏でていました。

"Sabrina, The Teenage Witch" in 1996〜2003(USA)
NHKで放映されていた「サブリナ」。ちなみに監督名は複数存在するので記名しませんでした。日本での吹き替えはほとんど完璧の域でしたが、主人公のメリッサ・ジョーン・ハート(サブリナ・スペルマン役)の声に違和感があり、もっぱら字幕で見続けています。多分オリジナルを字幕で見てしまったから余計かもしれません。とにかく、サブリナ、ゼルダ(サブリナの叔母)、ヒルダ(ゼルダの妹)、セーラム(元人間の猫)の掛け合いは絶品です。

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■アップルストア銀座のセッション 7月19日(月/海の日)19時より

Made on a Macとして画像処理セッション
海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol. 48
『Adobe CS5による画像処理テクニック/前編』Adobe Photoshop CS5の可能性として、リリースされたばかりのAdobe Photoshop CS5に搭載された新機能の検証と、それらの可能性を独自の視点で整理いたしました。Photoshop CS5はどこが変わったのかを検証してみます。予約不要・参加無料・退席自由ですので、気軽に参加してください。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com >(renewed)
< http://kaizu-blog.blogspot.com >
< http://web.me.com/kaizu >

iPadは手書き系メモソフトなども充実しており、もうノートを持ち歩くのは今年限りと感じていたのですが、まともなペンがないのでiPadでの手書きメモは断念。愛用している無印良品のノートは当分待ち歩くことになりそうです。そして、これを機会に万年筆を購入することにしました。既に細字は愛用しているので、太字を狙っています。これで手書きノートも持ち歩く大義名分が出来ました。

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■グラフィック薄氷大魔王[225]
ScanSnap、カッター裁断のコツ

吉井 宏
< http://bn.dgcr.com/archives/20100623140200.html >
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この数週間で、厚さにして約2メートルの本・雑誌・ムック本をScanSnapしました。文庫など字だけの本はほとんどスキャン終了。本棚は目に見えてスカスカになってきました。過去数年間のどこかの時点で、これをやる決心がついてれば、数千冊分のPDFができてたかと思うと、処分した本がホントにもったいない。

「読書家」の人たちは一か月に何十冊も読むわけで、彼らの半年分にも満たない本をいっしょうけんめいスキャンして残してるのは、バカバカしく見えるかもしれない。でも一応、引越の時にどうしても処分できなかった選りすぐりの本ばかりなんです〜。

で、集中してScanSnapしてると、「これはコツかも」って気づくことが多い。ちょっとメモしてみたら、記事になりそうだったのでまとめてみました。こういった作業に慣れてる人にはわかりきったことでしょうけど。

●カッターによる裁断編

ScanSnapスキャン時に一番多い失敗は、糊でくっついた2枚が同時に引き込まれてグチャグチャになること。なので、背・のどの部分は深めに切り、糊でくっついてるところを皆無にしておく。ペラペラめくって確認する。

無理なく切れる厚さに分ける。切る力が少なくて済むし、垂直に均等サイズに切れる利点もある。

幅の広い定規を使う。立って肩から垂直に体重をかけ、掌で押さえると疲れない。手先で定規を押さえると疲れるし、親指を切る危険がある。掌で押さえると通り道近くに指がないので安全。

手前ほど力を入れて切ると平均的に切れる。たいてい、奥の切りはじめが力が入るので先に切れ、手前が切れないまま残ってケバケバになるので。

主に大きいカッターを使う。刃が厚いのでしならず、垂直に切れる。刃はできるだけギリギリの長さだけ短く出して使う。大きく出すとしなるし、折れる危険がある。普通サイズのカッターはコート紙など密度があって硬い紙の切り終わりあたりで使う。

カッターは、チキチキ式よりネジ止め式のほうが大量切り作業に向いてる。カッターの刃の先端に衝撃を与えない。机の端にカッティングマットと本の端を合わせ、切り終わったカッターが本の端からはずれてカッティングマットに激突するのを防ぐ。つまり、切り終わったカッターに宙を切らせる。こうするとカッターの刃がだんぜん長持ちする。

カッターの刃は、折り線の入ったところから折る必要はなく、ペンチで数mmずつ折って使えばいいんです。切れ味に関係するのは先端だけなので。

力を入れて5回で切るより、あまり強くせず10回で切るほうがラクだしきれいに切れるっぽい。

カッティングマットの下に滑り止め(ハンズで売ってるアミアミのヤツ)を敷いて切ると、強く切ってもズレなくて非常に具合がイイ。ぜんぜん効率がちがう。定規の下にも滑り止めするとさらに切りやすくてびっくりする。

何十冊でも、一気に裁断しておく。裁断はちょっと気合いがいるので、スキャンするものがなくなると、そこで作業が止まってしまうので。

何にしても、カッターを使うときは一瞬たりとも気を抜かない。刃の通り道や力余った行き先に気をつける。

●ScanSnap編

しおりとか新刊案内のチラシ等が入ってることがあるので注意する。しおりのヒモや付箋も取り除いておく。

ScanSnapの設定で、文字主体の本は「文字をくっきりする」をオン、絵や写真主体の本はオフにする。

紙の束を取り込み口に置くとき、奥ほど下になるようにあらかじめ斜めにずらしてから置く。

スキャンする前の紙の束の置き方を決めておくと、ページの上下や順番を間違えなくて済む。

読み込み失敗しやすいのは雑誌「Pen」などの薄いツヤツヤの紙。枚数少なめでスキャンするのが安全。

一度に分厚い束を入れると、重みで滑りが悪くなって失敗。かといって、少なすぎると軽すぎて引き込まなくて失敗することがある。紙の種類によって束の厚さを変える。

ScanSnapの排出口の下に、スキャン済みの紙が散らばらないように木片などを置いて囲いを作っておく。紙の束がまとまるので処理しやすい。

置いた枚数がなくなる前に追加しなきゃと焦りがちだけど、終わってからでもスキャンボタンを押して継続読み込みすればいいので、気にしないこと。連続スキャンを気にしてると、他のことが何もできなくなる。

読み込み失敗しても、ダイアログに出ている読み込んだ最後のページの次のページから平然とスキャンを継続。たいてい問題なし。

カバーはフラットベッドスキャナで全体をスキャンし、表紙だけ使う。折り返しに大切な情報があったりする。

●PDF編

Acrobatの設定など、正しいやり方なのかよくわからないんで、また別の機会にします。

先週、「i文庫HDは表紙のみ表示ができない」と書きましたが、「先頭頁は見開き」をオンにすると、表紙のみで表示できますね。これで表2をわざわざ削除しなくても大丈夫。で、Macのプレビュー.appでも自動で表紙だけ表示になるし、Adobe Readerでも大丈夫。ところが、Acrobat Proでは書類の初期表示を表紙表示にしておいても、なぜか自動ではそう表示されない〜。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

そういえばMac miniの新しいのがようやく出たんですね。薄い! それこそCintiq12インチの裏に両面テープで貼って使ってみたい。ところで、Evernote、有料版はiPhoneやiPadでもオフラインで見れると聞いてたのに、オンラインでないと読めないノートがある。と思ったら、「オフラインのノートブック」をオンにしなくちゃいけないことにようやく気づいた。設定すると、全ノートがダウンロードされてiPhone・iPad等に保存され、それでオフラインで見れるのでした。

◎「毎月1日は映画サービスデー」CMに「ヤンス!ガンス!」登場映画館に行くと、本編上映前に必ず流れる「マナー広告、兼、映画サービスデーの広告」CMってありますでしょ。あのCMにヤンス!ガンス!が登場です。現在、都内の映画館のほぼ全館で見れるはずです。エリアは拡大予定。TVK(テレビ神奈川)で日曜18:25〜18:30放映中。music.jp、Wiiシアターの間でも配信中。アヌシー国際アニメーション映画祭2010 TVシリーズ部門にノミネートされてましたが、受賞は逃したようです。

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■ローマでMANGA[30]
MANGAに対する認識の違い

midori
< http://bn.dgcr.com/archives/20100623140100.html >
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●MANGAを外から見る人

何度か書いている分冊百科のデ・アゴスティー二刊「漫画の描き方」の仕事は無事全60巻が終わった後、40巻追加となった。週刊締め切りがまだ終わらないことになって、痛し痒しというところだ。

レッスン記事のテーマに添って、切り口を考え、挿入する絵の構成を考え、絵かきさんに依頼を出し、出されたラフの直しを依頼し、その間にテキストを書く。切り口を考えた時点で、簡単な構成をアートディレクターに提出してOKを待つのだけど、彼も忙しくて直ぐに返事をくれない。

絵描きさんとのやり取りや、絵が上がってくるのに時間がかかって、締め切りになってしまう。なかにはなかなかラフをあげてくれない絵描きさんもいる。かと思うと、ある人は次から次へと描いてくるけど、細かいところの描きなおしが必要で、それを依頼するのに時間がかかってしまって、その間はテキストが書けず、締め切りになってしまう。

書き上げてサーバーに上げる。しばらくするとディレクターから電話があって、構成が良くないとか、こういう切り口は違う。〇〇号はなんでまだサーバーに上がってないのか、とか文句を言われる......という効率の悪い仕事の仕方をしていた。

ずっと大人しく聞いていたけど、ある時、一時間以上もぐちぐち責められてキレてしまった。「私が認識しているMANGAとあなた方が認識しているMANGAは別物だ」と言ってしまった。彼の上司であるグラフィック・スタジオのオーナーに、下手に出ながら「互いのMANGAに対する認識が違うために、手間取ってしまって申し訳ない。でも、私に漫画の描き方を書くように言われたら、私が認識してるように書くものと考えます。違った認識で書かなければならないようですと、私には難しい仕事です」と、メールを書き送った。

そのせいか、追加40号が始まって一か月、最近は(そうした通告はなかったけれど)アートディレクターと電話で参考にするMANGA作品を選び、彼が切り口を考え、絵描きさんとのコンタクトを取る。私は上がってきたラフを見ながらテキストを書く、という具合でかなり仕事が楽になった。報酬がさがったけれど、土日もなく、主婦仕事にも時間をとられて、夕食の後、10時半から眠い目をこすりながら仕事をして、その上文句たらたら言われるよりはずっといい。

けれど、認識の違いはまだ残っていて、違和感がそのまま。切り口を決めるために電話で話すときに感じる。私は、自然にテーマに沿った内容から入ろうとする。あるテーマで漫画を作るときにどうしたらいいかと考えようとする。毎号、日本のマンガ家さんに「私はこう描く」という2ページを作ってもらう。そのページは私が訳すので送ってもらうわけだけど、見方が同じなので、「そうだよね!」と安心していた(でも、この切り口に関しても、あれこれ言われるので、このマンガ家さんは降りてしまった)。

ディレクターは絵から入る。テーマに沿ったキャラを「でっち上げ」、その背景を「でっち上げ」る。

テーマは「海」とか「スーパーヒーロー(ドラゴンボールのような)」とか「遺伝子改造もの」とか、とりとめがない。要するに、おおかたのイタリア(あるいはヨーロッパ)のMANGAの見方を「MANGAの描き方」では求めているわけだ。

MANGAとは、目の大きなキャラが派手な姿をして派手な動きをするもの、とまぁ、乱暴に言えばそういう認識をしていて、その外見「だけ」を追う、という、多くのMANGAファンが求めているものを提供する(「だけ」は私がそう感じるので付けた。本社始め、多くのMANGAファン、MANGA家になりたい子たちの認識はこれ)。

たとえば、「海」では、「ワンピース」と「沈黙の艦隊」をモデルにして「冒険ファンタジー」と「シリアス」に分けた。昔の海賊の服装をした元気な6.5等身の男の子と、海軍軍服に身を包んだ7等身のキャプテンを主人公キャラ、舵をとるミニパンツの女の子と制服の上に白衣を着た女医、マッチョに刺青をした戦士とチョッキを着た砲兵、などのキャラをでっち上げ、海賊船と潜水艦の全貌などの絵を別ページを添えた。

冒険ファンタジーで語ることが出来ること、リアルな軍事もので語ることができること、などを書く......と頭をかすめたけど、それは本社が求めているものではないのだ。

●これがイタリア式?

ただ、私はそういう見方をしようとするのに骨が折れる。だから、電話ではディレクターの質問、例えば「このテーマのモデルになる作品に何がある?」「人物はどんなのがいいと思う?」に淡々と答えるにとどまっている。

これで、適当に答え(最後にはディレクターの言う事が本人の裁決により採用になる)、適当に絵に合わせた文を書いていれば、報酬をもらえるのだからいいじゃないか......になってしまっている。

ああ、これって、イタリアの多くのサラリーマンの働き方ではないか!!

仕事するなら、報酬をもらうことだけが目的ではなく、自分の頭で考え、読者に真に役立つようなことを書きたい、と思っていた気分がみるみるしぼむ。

責任を与えられず(雇用者が信用しない。責任ある地位には家族の者かコネで入った人に与える)、イニシャチブをとることが許されず、ボーナスが増えることなく決まっていれば、なるべく楽してやっつけ仕事でいいや、と思ってしまうのは人間的とも言える。いや、だから今の仕事をやっつけ仕事でいいや、と思ってるわけではないけれど、最初の気概が削られてしまったのは事実。

日本の会社はこれの逆をやる? そういえば、ローマの日本百貨店で働いたとき、イタリア人従業員も交えて全員に管轄を与え、予算を組ませ、買い付けをさせ、売上予想に達したら月末の朝礼で発表して、店内で使えるクーポンを賞として与えるということをやって、かなりみんな真剣に働いてた。

焼け跡から日本経済が世界2位なったのも、こうした日本のメンタリティのせいか、と妙なとこで妙なつながりを発見した。

【みどり】midorigo@mac.com
イタリア語の単語を覚えられます!と言うメルマガだしてます。
< http://archive.mag2.com/0000075559/index.html >

前回の投稿で口蹄疫の事を書きましたところ、
「このエントリーは有意義だと思うが
>県と国の初動の遅れ、
この表現では、宮崎県も政府と同じような失敗をしてしまったと受け取られる
とのではないでしょうか。実際、県は政府に無視されながらも、(権限や財力
が限られているため、県だけでできる範囲は限られていますが)精一杯やって
きたと思います。県の初動の遅れとは何でしょうか。。」
というご意見を頂きました。

それについては
「私が書いたときは、まだ新聞でそうしたことを報道されてなかったので、ま
るでその報道を擁護しているようですが、そうではありません。間が悪かった
ですね。宮崎県の獣医師は、口蹄疫じゃないかと報告があったときに大丈夫だ
と判断して、検体の検査まで時間がかかった。これはミスと判断せざるを得な
い。ということを読んだか聞いたかした(発生時からあれこれ見聞きしている
ので、ソースは忘れました。そのへんが素人です)ので、公平であろうとした
んです。県の『ミス』(『まさか』と思った?)は政府の犯罪とも言える放置
ぶりに比べたら、取るに足らないものだと思っていますが、妙な正義感のよう
なものがはたらきました。

こうしたことを1万以上の「公」なメディアで発信することの難しさをちょっ
と感じたところです。私個人のブログでしたら、何を書いてもいいわけですが、
柴田編集長以下、掲載する人に迷惑がかからないように、と妙に公平さを......
と考えた結果です。私のMixi日記には県を責めることは書いてありません。誠
に間が悪かったとしか言いようがありません。」
と、返事をしました。

そういうことです。国の放置に比べますと、県の「ミス」はとるに足らないものと思ってます。ついでながら、口蹄疫はまだ新たな感染が広がってます。
ここで問題がいくつか。

・政府は被害農家への補償を言ってますが、具体的な動きはまだ何もなく、宮崎県は県の予算補正をして、やりくりしています。
・被害農家は口蹄疫が出てから無収入ながら、殺処分を待つ動物の餌、雇用者への給料など支出はそのままです(一頭でも感染した動物が出たら、その農家の動物はすべて殺処分することが法律で決められています)。
・すべての動物を処分した畜産・酪農農家がやり直し、収入が出るようになるまで最低5年かかるそうです。

・消毒薬に「汚染」された各種機械はもう使えないものもだいぶあるとか。また、消毒薬で健康を害する人も出てきています。
・また、国が約束した補償は実際に動物を殺処分した動物の数に応じてであり、口蹄疫のため収入がなくなった直接動物を飼っていない業種に対しての補償は何も取り決めがありません。

・参議院選挙は予定通りだそうですが、口蹄疫の感染がまだ広がりをみせている宮崎の地域では、実際選挙どころではなく(感染を広げるのを防ぐためにあらゆる種類の集会は取りやめ、外出を極力控えている)、逆に宣伝カーの往来で感染が広がるのでは、と心配してます。
・今のところ例は出ていないようですが、野生動物への感染も心配されてます。偶蹄類である猪や鹿には感染します。

・宮崎牛、神戸牛、と和牛はいくつも種類があるようですが、育った期間の長い地域の名前をつけるのが習慣なので、そう呼ぶ。実際は神戸牛も元は宮崎の牛。つまり、宮崎の畜産の被害は他県へもじわじわと別の形で被害が及ぶことになります。

・2007年6月末にイギリスで口蹄疫が出たときに、時の首相は休暇から急ぎ戻って国家緊急治安特別会議を招集した上、口蹄疫が終息するまで国政選挙を延期しました。日本の今の参議院、任期は8月末までです。7月末、いや8月始めまで参議院選を延期しても、国政には影響がないのに、なぜ今選挙を急ぐのか、不思議でなりません。旧・現農林大臣の言動、旧・現首相の言動を見ると口蹄疫を無視してるように見えます。不思議です(本当は怒り、またこの国の統治に不安を覚えてます)。

※なお、ここに書かれたことは、筆者midoriにすべての責任があり、デジクリ発行者には責任はありません。

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■編集後記(6/23)

・わたしのFIFAワールドカップは23勝9敗である。キックオフ前に決まった。世界白地図を与えられて、出場32か国はどこに位置するのかを答えよと迫られたとき、きちんと地図上に示せたのは23か国に過ぎなかったのである。もちろん、自分で勝手に一人でやってみたゲームだけど。いちおう地域は知っているが、正確にどこかを示すことができないのが9か国もある。ウルグアイ、パラグアイは南米。ホンジュラスは中米。スロベニア、セルビアはヨーロッパ。ナイジェリア、ガーナ、カメルーン、コートジボワールはアフリカ。地域がわかるだけでもマシかもしれない。Wikipediaでひとつずつ確認していったが、これはずいぶん楽しい時間になった。子どもの頃地図上で見た「象牙海岸」はコートジボワールなのか。パラグアイは国旗のデザインが表と裏とで異なるんだって。国旗・国歌といえば、日本チームが肩を組んで歌っていたのはちょっと違和感があるが、チーム一丸のいい光景だ(現総理大臣は国旗・国歌がお嫌いとはシュールな光景だ)。前回ドイツ大会準優勝国フランスがまさに自滅した。内紛でチームワークがメチャクチャでは勝てるはずがない。そういえば、前回の日本はオレ様がおひとり様いたおかげで、グループリーグで1勝もできずに帰って来たんだっけな。(柴田)

・カッターの刃ってペンチで折れるんだ! ノウハウ、めっちゃ勉強になりました。ScanSnapノウハウには終始頷く。つい多めに入れてしまって二枚同時とかやっちゃう。最初の頃は空白ページを削除してスキャンしていたが、抜けがないか確認するためにやめた。ページ数とスキャン枚数とで照合。/「スーパーストリートファイター4」のネット対戦では国旗が出る。ほとんど日本。香港とアフリカの国(シエラレオネ)は国旗を見てもわからず、後者は国名すら知らず(汗)。調べるのに便利だったページは「世界の国旗一覧」。国旗を調べるのに便利なiPhoneアプリは「Draw-A-Flag」。指でそれっぽい絵を描くと候補が出てくる。赤丸だけだと「日本」「ネパール」「イリノイ州」「キプロス」「マサチューセッツ州」など。/そのスパ4。キャラ選択時には相手が何のキャラを使ってくるかはわからない。アメリカ側本田、日本側も本田。ずーっと「どすこーい」「どすこーい」の応酬になり、低い位置での大砲発射のような頭突きは、見てると間抜けで笑える。向こうもきっとそれが面白くて「どすこーい」ばかり出していたはずだ!/口蹄疫。私もいろいろ思うところはあるものの......。/iPadネタ、もっと読みたかった......。(hammer.mule)
< http://tospa-flags.com/html/sekai9999.html >
世界の国旗一覧
< http://itunes.apple.com/jp/app/id322325565 >
Draw-A-Flag
< >
エドモンド本田