デジアナ逆十字固め...[108]オンラインギャラリー「bitgallery」オープン!/上原ゼンジ

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WEB上でのギャラリー「bitgallery」(ビットギャラリー)というのを始めた。自分が今見て欲しいという写真を公開する場であり、また私の好きな写真家にも声をかけて、コンテンツを充実させていきたいと思っている。

今までも自分のホームページやブログ、あるいは写真共有サイトなどで写真を公開してきたが、写真を見せるということに特化して、もう少し自分のイメージに近いギャラリーのシステムが作りたくなったのだ。

では、既存のシステムの何がいけなかったのか? まず、写真共有サイトの場合でいうとシリーズものをしっかり見せたいという場合には、ちょっと向いていないかなという気がする。たとえば、Flickrを例にとると、まず自分の写真をアップしたら、その中から写真をセレクトして「set」を作ることができる。

さらに、その「set」をいくつか組み合わせた「Collection」というまとまりを作ることもできる。だとしたら、シリーズとしての分類もできるわけだし、何の問題もなさそうだけど、作品を見せるということでいうと、ちょっとお手軽過ぎるかなという感じがするのだ。



私のFlickrの使い方としては、少し写真が溜まったら写真をアップして、既存のセットに組み入れたり、新しいセットを組んだり、という感じで、まあ自分の撮っている写真を気軽に公開する場として利用している。英語でのコミュニケーションは面倒くさいから、あまりコメントを付けたりということはしていない。あまり肩に力を入れず、日常的に写真を公開するための場として考えている。

ただ、ある程度の枚数がアップされていて、分類もされているので、仕事の依頼があった場合にメールでセットのアドレスを知らせれば、話が通りやすいというメリットはある。ちゃんと見たければ、スライドショーでフルスクリーンにしてみることも可能だ。機能自体は充実しているし、まるで問題なさそうだけど、やっぱり何かが違う。たとえば、そのフルスクリーンのスライドショー機能を使って見ている人って、あまりいないように思えるのだ。

そしてネットの利点というのは、次々にリンクをたどって移動していくことだから、サムネール画像をクリックしているうちに、どんどん違う場所に移動していっちゃうんじゃないかというおそれもある。Flickrであれば、当然別の人の写真に飛んでいくこともあるだろうし......。

つまり、ちょっとアップしてみたから、よかったら見てよ、というんじゃなくて、もう少しリキを入れた写真を、構成なんかも考えて公開したから、ぜひご覧ください、という場が作りたくなったということだ。

●写真集を作るシステムもイマイチ

WEB上には写真集を作るシステムなんていうのもあるから、そういうのも利用してみたけど、それもまたイメージとちょっと違った。デザインの雛形なんかもあって、気軽にカッコいいデザインの電子写真集ができちゃうんだけど、いざ自分の好みに合わせてカスタマイズしようとすると難しかったり、やたらと目立つ広告が入ってしまったりで、これもちょっと不満が残る。

で、しょうがないから自分でやってみようと思ったのだ。これは写真家が自分でギャラリースペースを借りて運営をする自主ギャラリーの発想に似ているかもしれない。自分の見せたい写真を、見せたい時に自由に公開するという意味で。ただブログにちょこっとアップするのとは違って、もう少し見せ方を考えてみようというのが、このギャラリーの主旨だ。

写真集を作るとなると金もかかるけど、WEBであればコストは相当抑えられる。しかも、世界中の人が簡単に見ることが可能だ。写真家の中にはWEBで写真を公開することを嫌っていて、「見たければ写真展を見に来い」という人もいるし、小さいサイズの写真しかアップしていない人もいる。しかし私はケチケチせずに、どんどん公開すればいいじゃん、と思うわけだ。

もちろん、著作権を放棄してどんどん使ってくださいということではない。でも、オリジナルとして価値があるのは、きちんとプリントされ、エディションの管理もされたようなものなわけだから、誰かがダウンロードしてプリントしたとしても、特に実害はないんじゃないかと思う。もちろんWEBで見るのに合ったサイズのものをアップするわけで、オリジナル画像をアップするわけではないのだし。

●ギミックなしでシンプルに見せたい

私が考えたのは、表紙や奥付も入れた写真集仕立てのスタイル。ただ紙の本じゃないんだから、見開きの必要はないし、ページめくりのギミックもいらない。シンプルで写真が見やすいということが重要だ。

いちおうそんなイメージは出来上がったが、残念ながらサイトを作り上げる技術自体は持っていない。そこで、テクニカル・ディレクションはトゴル・カンパニーの伊藤紀之さんにお願いした。一緒にやりましょうと持ちかけて、巻き込んでしまったのだ。

今後、少しずつだけど、コンテンツも増えていく予定。すでに自分の好きな写真家に声をかけ、オーケーも貰っている。私がこの連載で、紹介してきた写真家達だ。だから、あと何か月かすれば、私が好きで、みんなに紹介したいと思っている写真家の写真がじっくりと見られるようなギャラリーに育っているはず。今はまだ私と伊藤さんの写真があるだけなんだけど、ちょっと注目していて欲しいと思う。

◇bitgallery
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