[2896] 無意味なSNSコンプライアンス

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《「ちょっと疲れてきたな...」と感じたら即座に放置》

■音喰らう脳髄[92]
 精神的な死と闘う?
 モモヨ

■アナログステージ[39]
 無意味なSNSコンプライアンス
 べちおサマンサ

■Webディレクター養成ギブス[03]
 【教育編】企業側のマネジメントスキル不足解消なくして
 優秀なWEBディレクターは生まれない
 蓮井慎也

■イベント案内
 CSS Nite in OSAKA, Vol.23
 「iPhone/iPadアプリ制作特集〜 シリーズファイナル」



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■音喰らう脳髄[92]
精神的な死と闘う?

モモヨ
< https://bn.dgcr.com/archives/20100727140400.html
>
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やはり地球は調子をくずしてしまったのだろう。

日本列島、特に西日本に大きな爪あとを残した記録的な大雨は、梅雨前線の北上とともに去ってほっとしたのもつかの間、今度は日本各地で毎日が猛暑日、毎晩が熱帯という異常事態だ。各地で熱中症による死者が相次いでいるという。

いや我が国のみの話ではない。中国では大雨被害が甚大だし、米国、ロシアでは酷暑だという。そのうえ南半球に位置する南米は、当然、いま冬なのだが、これまでにない寒波に襲われ、死者すら出ているというのだから事態は深刻だ。

専門家達は、北半球の異変について「北極振動が原因だ」とのたまい、南半球のそれについては「偏西風の影響で南極の冷たい空気が流れ込んだせいだ」と解説しているのだが、そんな解説を繰り返したところで、日常的に毎日のように救急車で運ばれる人々がいるのだ。どう考えても納得いかないし、安心できるはずもない。かくなるうえは、私たち一人一人がサバイバーとしての自覚をもたねばならない。

もちろん、ただ生きながらえるだけでは意味がない。先日、年若いロック仲間(それも女性だ)から「向き合うべきは肉体の死だけでなく、精神的な死とも闘うべきですよね」そう言われドキッとしたが、まさにその通りだ。

私はロッカーだ。私が私として生き残るには、彼女が言うように精神的にもまた生き残らなければならない。酷暑の中、どんな無様な格好を衆目にさらそうと生き残るつもりだが、そのためには、生きるための核がなければどうにもならない。私の場合は、それがロックだということだろう。

実をいうと今現在、私は右脚が動かせない。自由にならないのだ。そんな私であるが、無謀にもこの7月30日金曜日に亀戸ハードコアというライブハウスでライブを予定している。それこそ無様なステージになるかもしれないが、私としては、精神の死と闘うために、いま現在できる全てをそこに叩き込もうと思う。興味をもたれた方は、ぜひその様を確かめに来て欲しい。

亀戸ハードコアの電話番号は03-5836-7515。
< http://www.kameido-hardcore.com/
>

Momoyo The LIZARD 管原保雄
< http://www.babylonic.com/
>

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■アナログステージ[39]
無意味なSNSコンプライアンス

べちおサマンサ
< https://bn.dgcr.com/archives/20100727140300.html
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数年前に、「mixi疲れ」という言葉があちらこちらで賑わい、ヘビーユーザーであればあるほど疲労濃度が高く、一種の精神病に近い症状がでているのを見てきた。いまの時代、インターネット(パソコンとは限定しない)を利用して、仕事の情報収集や、プライベートなコミュニケーションを楽しむユーザーのほとんどは、個人的なBLOGなどとは別に、mixiやtwitterのようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用していることでしょう。

「マイミクの日記はすべて読み、わけのわからない日記でもコメントを必ず残し、面識のない人(マイミクのマイミクとか)のところを覗いて、足あと帳があればコメントを残していく」というような義務的、機械的な人間関係構築作業を続けることによって、本来の楽しむべき姿(コミュニケーション)のバランスを徐々に失っていく。

『読み逃げ厳禁! 絶対にコメは残していってください! 読み逃げしても足あとで分かります!!! 守れない人は読まないでください!』など、プロフィール欄に脅迫文を掲載している輩もゾロゾロいたりして(まだいるけど...)、「自己顕示の掃き溜め場じゃないんだから......」と、どうしたいのかサッパリ理解できないと思いつつも、本人がそこに楽しさを感じて「読み逃げダメ、アウト、最低」と云っているのだから、それでいいいのだろう。

最近、mixi疲れという言葉を聞かなくなった代わりに、「twitter疲れ」という言葉が巷でチラホラ聞こえ始めてきた。ワタクシの周りには、まだワタクシ以上にtwitterを楽しんでいる人がいないので実感は湧きませんが、リアル部下から「なんでフォローしてもらったのか全然分からないんですけど、そういう場合でも、こちらからお返しにフォローしてあげないとダメなんですかね?なんか、ぜんぜん趣味というか内容が合わないんですよね...」という、俗にいう『Follow返し』を気にして、twitter疲れの初期状態がみえはじめている。

たいして気にしないワタクシは、「したきゃすればいいし、したくなければしなきゃいいし、してみて途中で合わないと感じたらフォロー外せばいいわけだし、そんなことを気にしていたらつまらなくなるよ」と声をかけたのだが、途中でフォローを外すのは勇気がいるらしい。逆にフォロワーが減ると悲しいらしい。

そんなことばかり気にしながらやっていたら、そりゃ疲れる。つまらないところで神経を使ってないで、いま表示されているTL(タイムライン)がtwitterの面白さなはずなので、そこを楽しむべきなのだが...。律儀なのか、最後に読んだツイートまで遡って読み返してしまうようで。

ぐぐる先生で「twitter疲れ」で検索してみると、約6,620,000件もひっかかる。100万を超えれば大漁祭りだ。「mixi疲れ」ですら1,070,000件のヒットだから、旬モノとはいえ、こんなに疲れているのかとびっくりだ。

ワタクシが拾っているRSSでも、twitter疲れの記事がゾロゾロと出始めており、「ほうほう、ほー!」と頷く記事から「ぶ、ちょ、ないないw」とニヤニヤするような記事まで、しばらくは『twitter疲れ』のコラムで、疲れを癒せそうです。そんな中、お決まりというかお約束というか、これまた日本人が大好物の「○○の質問」がtwitter疲れ絡みであったので、引用してみます。

──以下、blogs.comより引用
< http://jp.blogs.com/2010/03/twitter-10-questions.html
>

『Twitter疲れをチェックする10の質問』

1. リプライ返すタイミングを逃してしまう
2. なのにリプライ来ないと凹む
3. なかなかフォロー返しできない
4.「フォロー/アンフォローお気軽に」は無意味な掲示だと思う
5.「相互フォロー」はもっと意味不明
6. RTで会話する人達に正直イラっとする
7. ハッシュタグだけで50文字くらい使ってるのは本末転倒だと思う
8. 公式RTとか非公式とかQTとか正直どうでもいい
9. 変なローカルルール(日本限定?)ができすぎでもうわからない
10.Twitterってもっと気軽に独り言を言える場所じゃなかったっけとか思ってしまう


だそうです。ちなみにワタクシは1個も当てはまらないどころか、「そうなのか? みんなこんなこと気にしながら楽しんでいるのか?」って勉強になりました、ハイ。もっとテキトウに、肩の力を抜きながらサラっと流して楽しむのが大吉。脳に湿布薬貼り付けながらやっても、楽しくないでしょ?

フォローしすぎてTLに追いつけなかったり、なかなかアンフォローができなくて、心にフィルターをかけるくらいなら、言いかた悪いですが、ノイズ元は消す。それは義理欠けることではなく普通のことなので、サッパリとしちゃいましょう。リアルTLを無駄に使うのは損ですし、悩む必要はないのです。ネットはネット、リアルはリアルです。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋
< http://www.ne.jp/asahi/calamel/jaco/
>
< http://bachio.posterous.com/
> ←マメに更新中
< http://twitter.com/bachiosamansa
> ←フォローしても役に立ちません
< http://www.retaggr.com/page/bachiosamansa
> ←べちおまとめ

○読者の皆様、夏期休暇存分に楽しんでくださいね。また元気にデジクリでお会いしましょう☆/6月1日の配信で、「iPhoneいらないネ」と散々いったくせに、欲しくて欲しくて仕方ありません/会社で購入依頼出していたiPadが知らないうちに納入されていた。が、頼んだことすら忘れていて、資材に数日放置されっぱなしだった/早速使ってみたが、20分くらいで飽きる/これは営業が持つべきアイテムだ! と言い訳しながら、営業課のほうへ進呈。とりあえず、うち部署には1台だけ残しておいた/でも、だれも使わない、触らない......もったいない/まくぶくPro買う。我慢の限界/プライベート:なんか誤解されているようで...。特別なにもないですよ、うふふ。気が向いたら、また遊びましょう。

○記憶に残っている2週間の出来事→ムスメがバイト始めた→キッチンの改装計画開始→古くからの友人から立て続けに連絡ある→でも会う時間がない→オイラ、いじける

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■Webディレクター養成ギブス[03]
【教育編】企業側のマネジメントスキル不足解消なくして
優秀なWEBディレクターは生まれない

蓮井慎也
< https://bn.dgcr.com/archives/20100727140200.html
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今回は、第1回【危機感編】でも書いた、WEBディレクターのスキル不足解消では片付かない問題までもが、スキル不足として片づけられてしまっている深刻な部分に触れてまいりたいと思います。

日本のWEB制作プロダクションは、およそ20〜30名を目安に、それを超えるくらいの規模になると「大きい」と言われると思います。少数精鋭の小規模組織は風通しもよく、WEBディレクターが何をやっていて、何について困っているかは誰が見ても明らかです。

ところが、従業員数が増えるにつれ、だんだんと見えなくなる部分が当然出てまいります。しかも、少人数組織だったころには起きなかった問題が、20名や30名を超えると出ててくるため、どこのWEB制作プロダクションの経営者からも「5〜10名くらいでやっていたときはよかった...」と口にしているのをよく聞きます。

10名のやり方が20名のやり方に、20名のやり方が30名のやり方にマッチしないのは当然です。それでも、どうして10名の頃と同じやり方でやろうとするのか?それは、過去の成功体験がそうさせてしまっているのではないかと思います。

創業時は少数精鋭の組織で、いつ、誰が、どこで、何を、なぜ、どのように...の5W1Hは常に明確で、トラブル時の対応や問題解決のシーンでも臨機応変かつ柔軟に迅速・的確な処理できたと思います。ところが、人数が増えるにしたがって明確だったものが不明確になってきて、結果その不明確さが現場の混乱を招いていると推測します。

組織の拡大は、売上の増加、そして企業としての安定につながり、実績とノウハウの蓄積によって業界をリードできます。しかしながら、次に進むべきWEB業界の企業内の運用の中身が伴っていないとしたら? 未だ5名〜10名程度の一番儲かっていた時代のやり方をそのままに、拡大した組織に適用しようとしていたら?

それは経営・マネジメント側もそこで制作業務をやめ、営業活動に専念していくにつれ、運用部分が過去のやり方に縛られてしまっていることに気づきにくいのだと思いますが、裏を返せば20〜30名以上に組織を大きくできない理由に置き換えることもできます。

これは、ある程度の規模以上の企業のサラリーマンで、かつマネジメントを経験してきた、経営・マネジメント層には当てはまらない問題だと思います。そうした組織でマネジメントに関わった方たちであるならば、私の指摘する問題には組織の拡大に伴い手を打ってきたと思われ、だからこそ50名、100名を超える組織運営ができていたり、優秀な人材を輩出している企業も数多く存在するからです。

ただ、ある程度の規模以上の企業でに在籍していたとしてもマネジメントのやり方を知らない、学んでいない、ある程度の規模以上の企業でに在籍した経験もない方がWEB制作プロダクションで経営・マネジメントをされている場合があり、少なくとも以下に挙げる問題点が現状にある以上、一部の経営・マネジメント層が組織の拡大に伴い、次の手を打てていないことは明らかです。

もはや、WEBディレクター自身のスキル不足で片づけられる問題ではありません。

■ケース1:バラバラな社内発注ルート

《問題点》
WEBディレクターは、WEBデザイナーにA社案件のデザインを依頼し、そのデザインをしていると思っていたら、社長の差込指示でB社案件をデザインさせられていることが分かった。

《解決方法》
社内(外)への発注元が不明確な場合の改善方法です。発注ルートを明確にしてください。

経営・マネジメント側が、この問題への言い訳をするとすれば、それは社員間のコミュニケーション不足を真っ先に挙げるでしょう。しかし、自分の知らないところでなされた決定事項に右往左往させられることを、誰もが好むはずありません。社員間のコミュニケーション不足というよりも、経営・マネジメント側の言ったつもりの情報伝達不足です。

またWEBディレクターも、自分以外の誰がどのWEBデザイナーに依頼しているのかが分からない場合、WEB制作スタッフひとりひとりに聞いて回るのはタイムロスに繋がります。WEBディレクターを含めたWEB制作スタッフ全員でミーティングを実施してもいいのですが、外部発注先のミーティング参加は難しく、場所と時間の共有を考えれば、WEBディレクター同士でのミーティングに留めておいた方が、スピーディかつフレキシブルに思われます。

経営・マネジメント側や営業側にとって、必ずWEBディレクターを通すと決めるなど、社内(外)への発注ルートを明確にすることは、WEBディレクターにとっても、WEB制作スタッフにとっても分かりやすく、5W1Hを明確にすることに繋がります。WEBディレクターの下、WEB制作スタッフは、トラブル時の対応や問題解決のシーンでも臨機応変かつ柔軟に迅速、的確に処理していくことができるでしょう。

緊急トラブル時に、WEBディレクターが席外しなど不在だったらどうしたらいいんだ? という声が聞こえてきそうですが、誰から発注を受けるか? が明確になっているため、臨機応変にトラブル対応は可能であり、WEB制作者はWEBディレクターに事後に報告を上げるスキームも作っておけば安心です。

■ケース2:WEBディレクター自身がボトルネック

《問題点》
WEBディレクターには「君も制作・プログラミングができるから」という理由で、役員からWEBデザインを依頼されている。しかし、別のWEBディレクション案件もあり、早くWEB制作者に依頼してしまわないといけないのに、自分の制作業務のために、完全に自分自身がボトルネック化している。

《解決方法》
WEBディレクターにWEB制作業務をさせないでください。

創業時は1人2役、3役をこなすことは当たり前でしたが、経営側・マネジメント側は、創業時にやっていた業務内容を、現在の規模に合わせた適正なやり方に改善するときがきていると思います。

WEBディレクターの業務は、ドキュメント類をまとめたり、素材を手配したり、案件が途中でストップしないように安定稼働させることです。WEBディレクション業務に加え、WEB制作業務を兼務しさせてしまうと、自身のWEB制作にかかりっきりになるときがあり、問題点同様ボトルネックを起こしてしまいます。

WEB制作業務を禁止していたとしても、WEBディレクターの段取りの悪さから陰でこっそりWEB制作業務をするなど、ひとり相撲をとっているケースも考えられます。なぜかそのまま被害妄想に陥る危険性も予測できますので、ボトルネック化解消を目指し、思い切ってWEBディレクターのパソコンからWEB制作アプリケーションをすべて、アンインストールしてしまうのが手っ取り早いと思います。

素材確認等でWEB制作アプリケーションは必要になるでしょうが、それは共有パソコンなどを用意しておけば充分事足りるでしょう。数名に1台分のWEB制作アプリケーション購入で済みますので、経費も圧縮することができます。

そうするうちにWEBディレクターは、自分のディレクション(段取り)の悪さを、自らのWEB制作スキルで隠すことができなくなります。一見、WEBディレクターの個人的問題とも思えますが、問題は制作フロー全体のボトルネック化と捉え、制作プリケーションのアンインストールを率先垂範してください。

最終的にWEBディレクターが最終防衛ラインに立たせないことは、結果として経営者自身が、クレーム処理やトラブル対応の矢面に立つ必要のない状態へと健全化していくことと思います。


以上のような経営・マネジメント側の問題は他にも山積しており、要改善箇所はこれ以外にたくさんあります。今回、私がこのテーマを書いたのには、経営・マネジメント側になんとか手を打っていただきたいとは思うと同時に、WEBディレクターにも、現在の惨状を問題視し、解決に果敢に立ち向かって欲しい、という2つの側面があります。

WEBディレクターは、WEB制作スタッフはもとより、クライアント、クライアントの先のユーザと、様々な利害関係者に気を配れなければ務まりません。どちらに偏ってもいけませんし、本当の意味でのバランス感覚が求められる職種であると思っています。そうしたバランス感覚が求められるこそ、社内外の問題に敏感に気づくことができ、あるべき方向に導いていける存在なのです。つまり、自社の課題くらい、その気になればいくらでも見つかると思います。

もしも創業当時と変わらないような、全員サッカー状態になるような制作フローを採っているWEB制作プロダクションがあるなら、今一度、WEBディレクターを再定義し、現状の組織規模に照らし合わせて、WEBディレクターと一緒に社内体制を見直しや業務内容の因数分解をしてみてもいいのかもしれません。

WEBディレクターのスキル不足解消では片付かない問題までを、スキル不足として片づけるのではなく、経営・マネジメントスキル不足の可能性を少しは疑ってみるくらいが、ちょうどいいのです。もしくは「一番よかった...」時代の5名〜10名の規模に戻したほうが、不幸なWEBディレクターを生まずに済むと思います。

WEBディレクターのスキル不足解消なくして、企業・業界なし。同様に、企業側のマネジメントスキル不足解消なくして、優秀なWEBディレクターは生まれません。

【蓮井慎也 / Shinya Hasui】WEBディレクター
地元WEB制作プロダクションに所属。大手通販企業に常駐し、WEB制作をしています。
オンライン名刺 < http://card.ly/hasui/
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■イベント案内
CSS Nite in OSAKA, Vol.23
「iPhone/iPadアプリ制作特集〜 シリーズファイナル」
< http://osaka.cssnite.jp/vol23/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20100727140100.html
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次世代デバイスとして登場以来脚光を浴び続けているiPhone、そしてiPad。それらで動作する数々のアプリはどのように企画され、どのように制作されているのか。Web制作者としてはどう関わっていくべきなのか。それらの疑問をこの夏に解消してしまおうと緊急企画!

iPhoneアプリなんてWebデザイナーにはとても制作できない、と思っている方。Flashでなら作れる気がしたのに、なんてこったい! って心が折れてしまった方。どんな風に作られているのか気になるけど、回りに開発者がいなくて質問できない方。開発を請け負ってくれるパートナー企業を探したいけど、そんな会社があるのかも分からないという方。開発するためにはお金を払って登録しなきゃいけないからと二の足を踏んでいる方。iPhoneもいいけど、Androidも気になって、どちらにも踏み出せないでいる方。CSS Nite in OSAKAが大好きな方。懇親会で楽しく飲みたい方へ。

今回は様々な立場でアプリを開発されている方々に登壇いただくと共に、iOSの対抗馬であるAndroidのユーザーコミュニティ「日本Androidの会」からもゲストをお招きしました。多様な切り口からスマートフォンアプリの世界を覗いてみましょう!

日時:2010年8月28日(土)15:00〜20:00(終演後懇親会あり)
会場:大阪産業創造館4Fイベントホール(大阪市中央区本町1-4-5)
< http://www.sansokan.jp/map/
>
定員:150名
参加費:一般4,500円、学生3,500円。懇親会別途4,000円。
申し込み:サイト参照
Twitterハッシュタグ:#cnio23

●iPadアプリを作って、Objective-Cの超基礎を学んで「カウンター」を完成させよう
講師:Tehu(中学生iPhoneアプリ開発者)
テレビやTwitterで話題の中学生開発者が個人制作者の立場から、iPhone/iPadアプリの企画、制作手法を話す。iPhone/iPadアプリは、Xcodeという開発環境を使用することで、Webクリエイターにとってはなじみ深いAdobe Flashのような感覚で部品を組み立ててインターフェースを作成でき、それらには複雑なプログラミング知識を要しない。このセッションではスピーカーが実際にiPhoneアプリを制作する過程を実演。開発の第一歩となる話。

●iPhoneアプリ開発の進め方とアップルへの提出
講師:今江健一(ブロスソフト代表。相性診断アプリ「ラブタッチ」開発)
App Storeで大人気の相性診断アプリ「ラブタッチ」。企業の立場から、iPhone/iPadアプリの企画、制作について語る。制作体制や開発秘話など、表からは見えてこない開発現場の実態は? これから開発を考えている方や、パートナー企業を探している方には、参考になる話が聞けるチャンス。

●iPad芸人 タヌキチくんをiPadの中でさわって動かしちゃおう!(本編)
講師:アキラボーイ(iPad芸人/デジタルクリエイター)
自作のキャラクターとの掛け合いで、テレビでもおなじみのデジタル芸人が新たに手にした相方がiPad。新ネタと共に、ネタに用いるアプリの開発について語る。iPadを手にしてから勉強を始め、2週間でここまでできた!

●Webアプリって形もアリ(仮)
講師:よしだゆたか(株式会社トイプロダクション取締役/モバイルクリエイター)
携帯コンテンツ制作者が、いわゆる「iPhone/iPadアプリ」とは違う、ブラウザを用いた「Webアプリ」としてのアプリ制作を語る。iPhone/iPadでは、ユーザの大多数がSafariをブラウザとして使っているため、特化した開発も可能!

●ネイティブアプリだけじゃない!はじめてみようiPad用WEBアプリ制作(仮)
講師:村岡正和、城口良太(HTML5-WEST.JP/HTML5ユーザーコミュニティ)
ブラウザを用いたWebアプリを制作する上で外せないのが、HTMLの次世代企画であるHTML5の存在。今年、関西で発足したHTML5ユーザーコミュニティ「HTML5-WEST」の中心人物2人が、HTML5を用いたiPhone/iPad用Webアプリの開発について語る。

●打倒iPhoneアプリ!Androidも忘れずに(仮)
講師:杉本札彦(日本Androidの会 関西支部長)
iPhone/iPadが席巻する中、iOSに対抗するOSとして挙げられるのがAndroid。ユーザーコミュニティである「日本Androidの会」関西支部長に、特徴やiOSとの違いなど、Android側から見たiPhone/iPadと、スマートフォンの今後の潮流を予測。

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■編集後記(7/27)

・昨日、「医療保険は入ってはいけない!」という本を読んで、医療保険を解約したと書いたが、その判断を後押ししたもう一冊の本がある。岩瀬大輔「生命保険のカラクリ」(文春新書)で、この本はモニタで読んだ。まるごと一冊PDF版を、無料ダウンロードできたからだ。しかも登録不要、印刷もOKであった。なかなか大胆なトライだと思う。新書は昨年出版されて、相当売れたらしい。版元はいちおう元がとれているから、筆者の期間限定フリー化提案に賛成したのだろう。新書判の本の体裁そのままだから、組版もきれいで読みやすい。130%拡大で読むとじつに快適だ。紙の本よりずっとスピーディに読めた。最近、新聞や雑誌の記事を参考にテキストを書くとき、ひとまずスキャンしてPDFにすることが多い。ツインモニタの左側で表示し、右側のJeditXで書く。視線は左右に動くだけだ。手元の印刷物を見て、モニターで書いて、また手元に戻り、またモニタへといった書き方よりはるかに楽だ。無料ダウンロードしたもう一つの本が、小林祐一郎&できるシリーズ編集部「クラウドコンピューティング」(インプレス)である。「できるシリーズ」は一貫してデザインがヘタなので手にとる気にもならないのだが、このPDFは夏休みに我慢して読もうかと思っている。(柴田)
< http://www.j-cast.com/mono/2010/02/28061120.html
>
文春が「常識破りの冒険」 ネットで新書「無料公開」(JCAST)

・モモヨさんの右脚が......なぜ? 無理なさらないでください...涙。/twitterはてきとーにしていいと思うので、気が楽。ここで真面目にできる人はまた違うステージに上がるような気もするが、手一杯なのでいいや。iPadは私も最初はがっかりし、でもじわじわと良さがわかってきました。もう少し軽ければなぁ。/ボトルネック、凄くわかります......。/CSS Nite in Osaka(略してCNiO?)の次のイベント「iPhone/iPadアプリ制作特集 シリーズファイナル」の話を聞いた。最初、スピーカーの多様さが意外で、内容を聞いてみて、ああなるほど、これならWebサイト制作者は聞いておいて損はないなぁと思った。インターフェイス......フリックとかは、開発環境上にライブラリとしてあって、ドラッグ&ドロップで仕込めちゃう。Adobe Flashみたいな感覚で作れるよ〜、というお話が実演込みで見られるよ。これから依頼は増えるだろうと思いつつも敬遠していた人は、食わず嫌いなくなるかも。開発環境まではとても、という人なら、Webアプリがあるやん、と。JavaScriptやHTML5でできることはいっぱいある(HTML5は未知数)。WebブラウザでFlashゲームをしていた感じ。ブックマークをホーム画面に登録すれば、通常アプリと同様にタップ一つで呼び出せる。iPhone(iPad)サイト制作時に提案できるかもよ〜。そしてAndroidのお話も聞けちゃうらしい。おら、なんだかワクワクしてきたぞ。(hammer.mule)
< http://osaka.cssnite.jp/vol23/
>  シリーズファイナル
< http://wiredvision.jp/news/201007/2010072221.html
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SNSから「自分の雑誌」を作る、美しいiPadアプリ