アンビエントメディアの夜明け[05]ガジェットワンのライトニングトークに参加
── 川井拓也 ──

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操作していないのに動作している。しかもインテリジェントに。

この定義を満たすものをアンビエントメディアとする、デジタルハリウッド大学院のアンビエントメディアラボですが、8月7日に青山オラクルで行われたイベント「ガジェットワン」のライトニングトークに出場しプレゼンテーションしました。

●音をテーマにしたアンビエントメディア

ひとつめの研究チームは、「音」をテーマとしたアンビエントメディアを提案しました。田舎の実家から見る風景を思い出すような、風鈴と農村の風景を使ったiPadアプリは「風吹いったー」です。

自分のフォローしている人の中から、気になる人を指定しておくとその人がつぶやくたびに風鈴が「チロリロリーン」と鳴って、ツイートの内容がぼんやり浮かび上がるというものです。

「サマーウォーズ」に代表されるように、田舎の風景や音というのはデジタルメディアと相性がいいという印象があります。互いがあまりに違いすぎるので、逆に馴染みやすいのです。

iPadを、ここではないどこかにつながっている窓とみたて、そこに通常PCで文字を中心に表現されているメディアを、違うカタチで表示する。昭和の喫茶店では、客が入ってくるたびに扉がカランコロンと鳴っていました。そんな繊細な気配を再現したい。それが「音」のアンビエントメディアのテーマです。



●食をテーマにしたアンビエントメディア

ふたつめの研究チームは、「食」をテーマとしたアンビエントメディアを提案しました。回転寿司のベルトコンベアをモチーフにしたもので、そのiPadから半径1kmの飲食店のメニュー写真を、各種グルメサイトからひっぱって表示し続けるというものです。

最初は、TwitPicからフォロワーのみんなが食べているものを表示するというアイデアでしたが、商業的な連携を重視する方向にチーム内で変更したようです。食は誰にでも興味があるジャンルです。特に飲食店のメニューは、黒板に書かれた文字だけでも食欲をそそるものがあります。その日の夜に何を食べようか? そういう思いに影響を与えるようなアンビエントメディアになればと企画を進めています。

●笑いももれるプレゼンはまずまずの反応

「iPad買いました? 最近あまり使ってなくないですか?」という問いかけに会場からは笑い声ももれて、プレゼンテーションとしては好評だったようです。アンビエントメディアという言葉もそれほど普及してない中で、iPadを使って具体的にこんなアプリを企画中ですという話は受け入れられたと思います。

アンビエントメディアラボでは、このアイデアを年内にアプリ化すべく企画の詰めに入りました。各方面でアンビエントメディアの話をしているうちに、取材などもポツポツと入りはじめ、「ベストギア」という雑誌でiPadのアンビエントメディア的活用法に関して、見開き2ページの特集が組まれることになりました。その連動企画としてUst番組にも出演予定。アンビエントメディアの夜明けに向けて走り続けます。

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【川井拓也 / Takuya Kawai】
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