アンビエントメディアの夜明け[06]先駆的アンビエントメディアEye-Fi、chumby/川井拓也

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操作していないのに動作している。しかもインテリジェントに。

「アンビエントメディア」とはまだあまり聞きなれない言葉と思いますが、今回は日常的に使っているアンビエントメディアについてご紹介しましょう。

Eye-FiというSDカードを知っていますか? オレンジ色のにくいやつ(懐かしい表現です)で、どんなデジカメでも無線LANデジカメにしてしまうという、ユニークな発想の商品です。
< http://www.eyefi.co.jp/ >

Eye-Fiを使い始めて2年になりますが、デジカメからSDカードをほとんどとりはずさなくなりました。仕組みは簡単、あらかじめEye-Fiにアクセスポイントとアップロード先を登録しておけば、写真が転送されるというもの。



たとえば、外でいろいろ写真を撮って自宅に帰り電源を入れておけば、自分のMacBookの写真フォルダとフリッカーに自動でアップされているという感じです。それがいつ動作しているかを意識しなくても働いてくれるわけです。

転送先は自由に選べ、プライベート設定ができたり、指定した写真だけをクラウドサービスに上げることもできます。

このように、アンビエントに動作するデバイスは、デジカメの写真データのバックアップの意味を大きく変えてくれました。写真は撮った直後から転送され、自分のパソコンとクラウド上の2カ所に納まるわけです。万が一デジカメを落としたりしても、データは転送済みなので安心です。

海外旅行でカバンを盗まれたりしたときに、一番悔やまれるのは現金やパスポートではなく、デジカメの中の写真だと聞いたことがあります。Eye-Fiはその製品の特徴がアンビエントすぎて説明にしにくいのですが、一度使うとその機能に惚れこむ人も多いのです。

chumbyという、ずんぐりとしたスタイルのガジェットはご存じでしょうか? iPhoneを横にしたような画面を、枕のようなクッションが取り囲み、画面はタッチディスプレイで、パソコンのウィジェットのようなものが表示されています。Flash Lightが動いているのですが、時計やカレンダー、ニュースリーダーなど様々なものがリリースされています。
< http://www.chumby.jp/ >

このフォーマット自体が、iPhoneアプリやアンドロイドアプリのようなマーケットを形成するまでに至っていないことが残念なのですが、ベッドサイドのOSを狙うというコンセプト自体はおもしろいと思います。

デジタルガジェットは大きくわけて、外出中のスマートフォン、自宅に戻ってからの大型テレビ(AppleTVやGoogle TVなど来年は熾烈な戦争になるでしょう)、ベッドルームに行ってからの3種類に分けられるでしょう。

ベッドルームは自分のスマートフォンを使うなどもありえるので、chumbyはそこと競合するのですが、昼間にさんざん使っているスマートフォンをここまで持ち込むのも野暮な感じもしますから、アンビエントに動作するガジェットも受け入れられる可能性があります。

ホテルなどに泊まると、ベッドサイドに時計とラジオが埋め込まれており、バスルームに行くとその音量ボタンだけがついていて、さっきまで聞いていたラジオがそのまま聞けます。あのように空間をコンテンツでシームレスにつなげていく考え方は、アンビエントメディアではとても大切です。

パソコンからスマートフォン、テレビは現状それぞれのアプリケーションで分断されていますが、今後はもっとシームレスにつながりアンビエントに動作するようになって欲しいと思います。

iPadは電子書籍フォーマットとして注目を浴びていますが、そのサイズや機能からアンビエントメディアとして大きな可能性を秘めていると思います。

仕事ではパソコン、移動中はスマートフォンを使っていると、iPadの出番が減りがちですが、仕事中にパソコン横にたてかけたiPadをパーソナルサイネージとして株価やニュースをチェックしたり、週末のエンターテインメント情報をチェックするのは便利です。

しかし、iPadでいちいち検索などの操作をして情報を引き出すのでは、パソコンでやったほうが早いということになります。自分が日ごろ使っているパソコンやスマートフォンでの入力を、自動で検索キーワードの候補にしたりする機能があれば、iPadはもっとアンビエントなガジェットになっていくでしょう。

そんなわけで、このデジクリでも紹介していたiPad向けのアンビエントなアプリを、来月号の「ベストギア」では見開きで特集予定! ぜひご覧ください。
< http://www.bestgear.jp/ >

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【川井拓也 / Takuya Kawai】
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