[2913] 待ちわびたKindle3

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《未だ持ち方に悩んでいるというのが本音》

■電網悠語:日々の想い[165]
 待ちわびたKindle3
 三井英樹

■ショート・ストーリーのKUNI[85]
 ペットボトル
 ヤマシタクニコ

■情報CLIP
 編集長の趣味編



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■電網悠語:日々の想い[165]
待ちわびたKindle3

三井英樹
< https://bn.dgcr.com/archives/20100909140300.html
>
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少し迷って出遅れたが、Kindle3が届く。こんなに待ちわびたのは久しぶり。ネタ切れ気味もあり、今回は物欲日記を書かせて頂きます。

1●購入

買ったのは、ここ。日本amazonでもtopに表示されるけれど、結局少しは英語で手続きをすることになる。

  ▼Amazon.com: Kindle Wireless Reading Device, Wi-Fi, 6"
         Display, Graphite - Latest Generation: Kindle Store
  < http://www.amazon.com/dp/B002Y27P3M
>

インチなど単位の面倒さはあるけれど、Kindle2との違いなども図解つきなので、眺めているだけである程度のことは分かる。購入には、米国Amazonのアカウントが必要。昔は、「.com」のメールアドレスが必要だった気がしたが、Yahoo.co.jpアカウントで問題なく登録。

さて、購入。円高を利用してと思いつつ、$139だけに注目していると、少し怒りがこみ上げる。送料と関税とがかかってくる。米国Amazonでは、送料無料のキャンーンを頻繁にやっているようだけれど、そもそも適応外であることが英語で書いてあったりする。また、送料は速達扱いのみ、他の選択肢はなかった。関税は、日本Amazonで売らないのは、お国(米国)貢献でもしているのかなと勘ぐりたくなる。

  Amazon.com items (Sold by Amazon Export Sales, Inc.):
   1 Kindle Wireless Reading De... $139.00 1 $139.00
   Shipped via UPS International
   Tracking number: DEGITALCREATORS20100909
  -------------------------------------------------------
             Item Subtotal:  $139.00
        Shipping and handling:   $20.98
          Import Fees Deposit:   $8.00
                 Total:  $167.98

2●追跡

トラッキングコードが付いているので、いつものように追跡してみる。そもそもが予約販売だったので、最初のうちは動きようがない。それが出荷開始から、Seattle WA US → Ontario CA US → Anchorage AK US → 成田。ん? 一歩進んで二歩下がる?? まぁいいか、それでもワクワクしてくる。

が、成田で停まる。2日ほどは停まっていた。イライラする。動かない。そんなこんなしているうちに、成田で停まっているはずのモノがいきなり家に届く。UPSは日本国内では追跡できないのかい??

3●ご対面

専用の箱、開けると鎮座するかのように、Kindle3がセットされている。安っぽいいつものダンボールに、決して高級とは言いがたいプラスチックのボディ。初代iPod nanoのような感触にも及ばない。けれど、日常品として作り上げられた誇りを感じる。製作チームの心尽くしを感じる。我が子を送り出す気さえこもっている気がする。

上についていたスイッチが下になり、それをONすると、起動。そのまま使える。用途的には、自炊持参用が主なところなので、いきなりPDFを入れ込む。1冊、2冊、入れては表示テストをする。日本語ファイル名がそのまま読める。嬉しい。画面切り替えがなかなか早くなっている。特に次ページに進む方は、前にも先読みしてた感があったけれど、更に感じる。本を一冊最初から読み切るための専用機である。

基本的にはユーザ登録こそ最初に行うべきことである。でもしなくても使える。これで良い。ユーザ登録しなければ、コレクション(グルーピング)作成ができないなど、機能が一部制限されている。これがないと、何冊もがだらだら並ぶので、お目当ての本に辿り着くのに苛立つ。だからユーザ登録なしで愛用することは先ずない。良く考えられている。

ユーザ登録は、米国Amazonのメールアドレス+パスワード。その前に無線の設定をする必要がある。当然、向こう側にアクセスするのだから、道が必要だ。迷ったのは、英文字以外(例えば「_」など)の入力。マニュアルは最初から中に入っていて、そこから「Sym(シンボル)」ボタンであることが分かる。

無線をつなぎ、ユーザ登録を終了し、コレクションが使えるようになる。ここがまどろっこしい。ちまちまとグルーピングしていく。50冊レベルを一つのコレクションにすると、ちょっとめんどい。更に、コレクションは同じ本を複数のコレクションに登録することができるので、毎回全冊を対象に選んでいくことになる。ちまちま、である。とは言っても、大切で好きなものを磨いているような気分。多分ニコニコニヤニヤしてたと思う。

4●ネットデバイス

Kindle2では無線は基本使わなかったが、今回はやってみる。ブラウザを探して、URLを打ち込む。それだけ、白黒のせいか余りピンと来ない。ポインタ(マウスカーソル)の操作は比較対象に困るくらい前時代的、かろうじてあるという程度。それでも、さすがにAmazon本家はまぁ使えるように最適化されている。ただ、お値段が一覧表示の時には出ていないので、イラッと来る。

無料の本はそれほど多くないように思う。不思議の国のアリス、緋文字、ロビンフッドの冒険、ピノキオの冒険、などなど。ただ、邦訳版で親しんだ本のサンプルが手に入るのは良いか。また、読上げ機能もまぁまぁ。スピード調整や音声調節が少しはできるようになっている。

で、辞書である。標準で付いているのはオックスフォード系2冊。米語と英語、という感じ。じっくりの時はこれでも良いかもしれないが、通常は辛いので、格納可能な辞書を探す。

で、英辞郎。既に英辞郎を持っているなら、自作する方法もググレば出てくる。持ってないなら、英英で行くかどうか次第か。ポインタの操作は多少まどろっこしいけれど、これ一台で完結して英語が読めるのは良いかも。

5●その他

ボディとしては、実は小さくなって軽くなっているはずなのに、ずしりと来る。重さのバランスはKindle2の方が良いように思える。かろうじて片手で左右を持つことができるサイズになってしまったので、未だ持ち方に悩んでいるというのが本音。

あと気になったのが、実はハングしてしまったことが数回。まだ調べ切れていないけれど。PDFを二階層のフォルダにして置いているのだが、どうも日本語のフォルダはよろしくないようだ。Kindleは立ち上がりのたびに全ファイルをなめているように見える。その上でどのコレクションに属しているかをチェックしている模様。なので、最初は0件みたいな瞬間がある。

自炊系の動きは、裁断済み書籍がオークションに広がりつつあり、PDFをおまけにつける動きも見える。ユーザは書を持って野に出たがっているかのようだ。対して、出版社側はフォーマット作りと作家集めに精を出している。この微妙なズレが気にかかる。ユーザが欲しがるものを出すのが商売の基本だろうに。

まだまだ試行錯誤をするけれど、ディスク容量も増え、持ち歩ける冊数が倍増している。個人的には、姿勢を正して音読できるKindle系がデジタル教科書の基本だと思っていることもあり、益々楽しみ。これで本棚がダイエットできるかが、広がりのバロメータだろう。

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■ショート・ストーリーのKUNI[85]
ペットボトル

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20100909140200.html
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私は一本のペットボトルとめぐり会った。それは聞いたこともないメーカーの焼酎が入っていた4リットルのペットボトルだ。

そのころ私は、毎日のように焼酎を飲んではテレビを見たりパソコンで古い歌を聴いたり、ときには積んだままになっていた本の山から一冊を取り出しては拾い読みしたりしていた。つまり、だらだらと日々を送っていた。

ところが、焼酎を飲みつくしてただの大きな空容器になったそれを見ているうちに、私の中に忘れていた創作欲が高まってきた。それを使って、何かつくれそうな気がしてきた。何だろう。ああ、人形だ。

私はずっとものをつくり続けてきた。ものはその時々によって平面であったり立体であったりしたし、布を用いたと思うとまたあるときは金属や板きれの魅力に従った。ただ絵の具を根気よく塗り重ねていた時期もあった。だが、常に何かをつくり続けてきた。

それが、何年か前から、私はもはやつくらない人になってしまった。週に何日かは働き、冒頭に記したように、あとは焼酎を飲んだりしていた。

つくらない人になってみると、つくるということはとても不自然に思える。いったい何だって私はずっと、まるで義務のように何かをつくり続けてきたのだろう。子どものころから。何十年も。そう思った。

ところが、そのペットボトルを手に持ち、見ているうちに私は「何かできそうだ」と思った。この部分はこう使えそうだ。ここはカットすればいい感じだ。いや、もっと完全にばらばらにしてみようか。

そんなことを考えたのはひさしぶりだ。私はわくわくする。でも、そういうときの私は全然楽しそうではなく、むしろ苦しそうな表情を浮かべているらしい。妻によると。

私は自分のパソコンデスクの横、足元にそのペットボトルを立て、しばらく置いておくことにした。もう少しじっくり考えてから手をつけようと思った。機が熟すのを待つというやつだ。

焼酎はそれ以後も飲んでいたが、なぜか新たにペットボトルを取っておこうという気にならなかった。私は毎日、少しでも時間があくとそのペットボトルを手に取り、いろんな角度から眺めたり感触を確かめたりした。

......私をどんなふうにするの?

ペットボトルが聞いたような気がした。

......まだわからない。でも、いい作品にしてみせる。
......あなたを信じているわ。

私はまるで彼女...ペットボトルのことだ...と私の愛のしるしであるかのように、彼女の首元にカッターナイフで小さなアステリスクを刻み込む。

しばらくすると、私はまただらだらとした毎日におぼれ、気がつくとペットボトルを手にすることもなくなっていた。でも決して忘れていたわけではない。毎日、視野に入るたび、私はいつか自分がつくるべき人形を思い浮かべた。まったく新しい、これまでだれもつくったことのない人形だ。

いや、人形という言葉にはあてはまらないだろう。あくまで仮の言葉にすぎない。見た人は言うだろう。

「ごらん、信じられないことにこれはペットボトルで作られているんだよ! だれもが、せいぜい子どもの工作材料にしかならないと思っている、あのペットボトルで!」
「既成概念をみごとにくつがえしたね」
「これをつくった人は革命家の名に値するだろう!」

なんと愉快なことだろう。それは私の新しい生活の出発点となるものだ。

ところがある日、私は飲み会に誘われて夜遅く酔っぱらって帰った。
ふと見るとペットボトルがない。

「おい、ここにペットボトルがあっただろ」
「ああ、あれ」
妻はもう寝る前のかたづけものをしながら答えた。
「捨てたわ」
「なんだって。あれは創作に使うつもりだったんだ」
「4か月前からそこに置きっぱなしだったわよ」
「4か月間ずっと思ってたんだ」
「ふうん。てっきりいらないかと思ったわ。明日、ペットボトルの回収日だし」

私はあわててゴミの収集場所に行った。団地のうちの部屋から50メートルくらいの、コンクリートの壁で囲まれた一角。ポリ袋がすでに収集日を待てずにたくさん持ち込まれ、コンテナからはみだしている。そのそばにペットボトル回収用の箱が別に置かれている。

私は私のペットボトルを探した。同じようなペットボトルがいくつもあった。薄暗くて見えにくい。でも、ほとんどはコーラやジュースのものだから、わかるはずだ。そう、これだ。わかった。私はほっとして焼酎のペットボトルを持ち帰り、家に帰った。妻に向かってばかとか何とか言ったように思うがよく覚えていない。すぐに寝たから。

翌日、私は気づく。ペットボトルが私のペットボトルでないことに。彼女の首元に私が刻んだアステリスクが、ない。これは見知らぬ他人だ。しかもそのときはすでに収集車が来てから何時間も経っていた。ああ、とたよりない声が口からもれる。ぬれぞうきんのような後悔が胸の内いっぱいにひろがり、私は自分が取り返しのつかない失敗をしたことを知る。

「結局なにもつくってないじゃない」
その後、赤の他人のペットボトルを置いたままにしている私に、妻は言う。
「これは違ったんだ」
「え?」
「間違って持って帰ってきてしまった。前のじゃないんだ」
「同じように見えるけど」
「でも違うんだ」
「つくろうと思えばつくれるんじゃない、それでも?」
私は答えない。
「つくれるわよ。プロなら」

妻は見当違いのことをいう。まったく私を理解していないことがわかる。でも、どうせわからないだろうから説明する気にもなれない。私の足元にはまちがったペットボトルが、少しずつほこりをかぶりつつある。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
みっどないと MIDNIGHT短編小説倶楽部
< http://midtan.net/
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< http://yamashitakuniko.posterous.com/
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■情報CLIP
編集長の趣味編

< https://bn.dgcr.com/archives/20100909140100.html
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姉妹誌「写真を楽しむ生活」で、写真とは全く関係ないけど(関係あるのもある)気になる記事をクリップした「その他の読み物」というカテゴリが一部で人気(らしい)。文房具、便利ガジェット、電子書籍、変わった写真、役に立たないレポートなど。そのうち、最近のものをいくつかクリップしておく。

●スーツに安心して入れられるシャープペンシル「ロットリング800」
(nikkei TRENDY net)
< http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100827/1032764/
>

●三菱鉛筆「クルトガ」〜書き続けても偏減りしない、画期的なシャープペン
(家電Watch)
< http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/yajreview/20100830_389808.html
>

●CDやカードも切れる! 電気いらずのシュレッダーハサミ『チョッキル』発売へ
(ガジェット通信)
< http://getnews.jp/archives/74708
>

●アメリカで大ヒット! 新感覚の電子メモパッド『Boogie Board』をキングジムが発売へ
(ガジェット通信)
< http://getnews.jp/archives/75368
>

●やじうまミニレビュー パイロット「フリクソンボールノック」〜ノック式で使いやすくなった消せるボールペンの進化形
(家電Watch)
< http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/yajreview/20100908_392057.html
>

●オフィスチェアーでモチベーションアップ? そんな心地良い椅子が登場
(ガジェット通信)
< http://getnews.jp/archives/74407
>

●やじうまミニレビュー K・プランニング「QUICK SIT」〜10秒で完成、薄く折り畳めるポータブルチェアー
(家電Watch)
< http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/yajreview/20100831_390489.html
>

●暑い夏でもムレない! ずっしりたたける着るマッサージ器「MD-8000」
(nikkei TRENDY net)
< http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100715/1032384/
>

●官能的なイメージを次々と世に送り出す謎のフォトグラファー「Christophe Gilbert」、その作品の数々
(GIGAZINE)
< http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100904_photographer_christophegilbert/
>

●iPhoneでマイクロスコープ撮影(動画)
(WIRED VISION)
< http://wiredvision.jp/news/201009/2010090719.html
>

●森の中を漂うホタルを低速シャッターで撮影した美麗な写真
(GIGAZINE)
< http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100903_firefly/
>

●HDR撮影で味のある描き込まれた油絵のようになった古い鉄道たち
(GIGAZINE)
< http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100907_hdr_old_trains/
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●ダンサーの流れるような動きを長時間露光でとらえた不思議な写真
(GIGAZINE)
< http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100907_dancers_in_motion/
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●日常生活では滅多に見られないほど巨大な「何か」を運んでいる写真いろいろ
(GIGAZINE)
< http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100907_moving_really_big_things/
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●銃弾が水滴や電球を貫く瞬間をハイスピードカメラでとらえた美麗な写真
(GIGAZINE)
< http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100909_bullet_slicing_waterdrop/
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●コスプレ写真をPhotoshopで魔改造劇的ビフォーアフターするとこうなる
(GIGAZINE)
< http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100827_cosplay_photoshop/
>

●地球では考えられないようなすさまじい火星の風景35枚
(GIGAZINE)
< http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100830_landscapes_from_mars/
>

●早送りで見る地球:宇宙飛行士の視点から
(WIRED VISION)
< http://wiredvision.jp/news/201009/2010090323.html
>
< http://wiredvision.jp/blog/wiredscience/201009/20100903103024.html
>

●【完全に】ミスユニバースの衣装がヤバい!〜前編【ポケモン】
(GAGAZINE)
< http://gaagle.jp/gagazine/print.php?kiji_id=2047
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●【美の】ミスユニバースの衣装がヤバい!〜後編【暴走】
(GAGAZINE)
< http://gaagle.jp/gagazine/print.php?kiji_id=2062
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●城萌え
(GAGAZINE)
< http://gaagle.jp/gagazine/print.php?kiji_id=2016
>

●新たなムーブメント「廃道」の魅力
(GAGAZINE)
< http://gaagle.jp/gagazine/print.php?kiji_id=2172
>

●暑かったら燗酒を作って飲めばいい
(Daily Portal Z)
< http://portal.nifty.com/2010/08/30/d/
>

●クマゼミの最前線を見に行こう
(Daily Portal Z)
< http://portal.nifty.com/2010/09/04/b/
>

●「邪悪なGoogleアイスクリーム」動画:消費者団体が制作
(WIRED VISION)
< http://wiredvision.jp/news/201009/2010090620.html
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■編集後記(9/9)

・根本孝思「昆虫部」を読む(幻冬舍、2010)。主人公は人生がタイクツな16歳、夢中になれるものがない。特技も趣味もなく、インターネットで無駄な時間を費やしている。クラスメイトを見下し、ひとり離れて過ごすさめたヤツ。そんな彼が昆虫部の女生徒に勧誘され、いやいやながら参加するうちに......というお約束の展開。文化祭で彼が企画した昆虫を中心としたテーマパーク実現に向けて動き始めて、ようやく自分の役割がわかってくるという成長物語。13章、それぞれに昆虫のタイトルがつき、その昆虫の性格にちなんだ展開を狙ったようだが、あまり効果的ではない。昆虫に関するトリビアは多いので、その方面が好きな人にはいいが、興味ない人には読み飛ばされるだろう。彼を含めて部員は3人、それぞれ個性的で、クラスメートや各部の部長にもキャラが立つ連中がいるのでテレビドラマ向きか。昆虫部という特殊なクラブの破天荒な青春謳歌を予想していたが、ごくまともな青春部活小説だったのが拍子抜け。まあ、いいでしょう、清々しいから。最近は、就活、婚活、恋活、保活、離活などいろいろな活動があるが、部活は学生時代の醍醐味である。わたしも高校は「生物部」(というと必ず笑われる)、大学は「サイクリング部」やりながら「レタリング研究会」を創立、学業以上に力を入れたものだ。そして、12年前に始めたころから一貫して「部活」の雰囲気が続いているのが、この「デジクリ」である。4人で始めて、2人になって、4人になって、また「部活」大好きな2人に戻った。いつまで続くのかわからない。来年はとうとう3,000号の大台に乗る。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344018346/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで見る(レビュー1件)

・いやー、そろそろ姉妹誌も含めビジネスにしたいんですが(笑)。生活費ぐらいは稼げたらいろいろできるのになぁと。部活だからと、やりたいことがあっても後回し。期限がないものだから、ずるずる......。部活は、執筆者さんたちのご協力がないと、いくら続けたくても無理。本業(Webサイト制作・DTP)が忙しくなると辛い部活。毎日6時間は使うので(家事やら仕事連絡やらも並行してやるが)、本業はそこから8時間程度。忙しくなると睡眠時間がとれなくなってしまう。朝から洗濯機をまわしているのに干すのが14時なんてザラ。風の通る、西日の当たる場所で良かった......。メルマガは週一でざざっと作り貯めてしまいたいが、諸事情あって難しい。時間がとられるため体力作りもできない。お引っ越ししてからバレエからも遠ざかり......徒歩三分のスポーツジム加入を考えているところ。取引先からの連絡がなく、メルマガのない、まとまった時間のとれる土日に本業分をカバーするので、なかなか予定を入れることができない。本業側であっぷあっぷしそうになると、辛さ反面、私を選んで仕事を出してくれるなんて、ありがたいなぁとも思う。本業と部活の知識は相互作用する。部活のおかげで、フリーランスのわりには、規則正しい(超アバウトなりに)生活が送れているように思う。時間の使い方もマシになってきた気がする。失敗やトラブルがあると、ショックはあるものの後記で使えるのではと前向きになれるよ。余計なことを書いてしまい、撤回できないための苦しみもあるけどね。昨日の一部とか。/iOS 4.1のGame Center。ニックネームとられた〜。たぶん海外の数人で取り合いしてる。(hammer.mule)