[2945] MANGAとアニメが世界をつなぐ

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《プレゼンは一期一会》

■電網悠語:日々の想い[171]
 プレゼン:試行錯誤な手法論
 三井英樹

■ショート・ストーリーのKUNI[88]
 痛み
 ヤマシタクニコ

■ローマでMANGA[34]
 MANGAとアニメが世界をつなぐ
 midori



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■電網悠語:日々の想い[171]
プレゼン:試行錯誤な手法論

三井英樹
< https://bn.dgcr.com/archives/20101028140300.html
>
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最近、従来とは少し違った方法でプレゼンを試している。資料をきちんと作ら
ないという方法。素材を用意して、その場で調理する手法と言うべきかもしれ
ない。手抜きと紙一重だ。

手抜きと異なるのは、準備時間が余り変わらないこと。準備をしない訳ではな
い。むしろ、有り余る資料があってこそできる方法だ。目の前にありったけの
素材を並べて、観客の顔色を見ながらご披露していく。ウケが悪ければ、これ
ならどうだとばかりに二の矢三の矢を放つ。連続ですべると、手駒が尽きる恐
れがあるので準備には時間がかかってしまう。

もちろん毎回ではない。テーマや場や参加者、更に主催者を見て決める。きっ
ちり準備して、画面の流れを自分のペースメーカーにして話す場合と、少しア
ドリブを加えてページごと飛ばし飛ばし演る場合、そして並べた素材に応じて
よりアドリブでやる場合。今はこの三パターンか。突然何かしゃべれと振られ
ることもあるので、全くのアドリブもあるといえばある。

テーマで分類すると、自分の考えなどが主体なら順序立てた計画型、サイト構
築のプロジェクトの実例なら、その場調理型か。前者は話が拡散しがちになる
ので、資料自体のシナリオを軸とする。後者は設計資料は基本的に山ほどあり、
そんな内部資料を見る機会は少ないはずだし、ヘタにまとめられるよりも生素
材の方がそもそも喜ばれる。


ここに至る前は、拡大縮小手法に凝っていた。主にPDFだけれど、swf(Flash)
も拡大縮小がし易かったので、それも時々。気分的にはA3目一杯に資料を並べ
て、拡大しながらブロック毎に説明する。時々縮小、というか全景表示して俯
瞰することで、全体の流れを見失わないようにする。

例えば、Webサイトの構築法について説明する際。RFP(Request for Proposal)
を頂いて、提案して、設計して、実装してテストして公開し、運用に入る。そ
の一連を俯瞰図で示しながら、局所局所を拡大して、ここではこんなツールを
使っている、こんな課題が噴出し易いなどなど。

  ▼Web Site Project Workflow 2009/07 | Flickr - Photo Sharing!
  < http://www.flickr.com/photos/mitmix/3696183727/
>

それは自分の作画方法と同じやり方だ。全体図を描きながら、詳細図を加えて
いき、更にブラシュアップする。書きながらも拡大縮小を繰り返し、自分が迷
子にならないように注意している。

この方法で頑張っていたときに驚いたのは、プレゼンが終わってから、そのツ
ールは何ですかと質問されたこと。え? Adobe Readerなんですが。申し訳な
いように答えたのを憶えている(制作ツールは、PDFの場合はInDesign、swfの
場合はFlash)。配布した資料と同じものでプレゼンしたようにすら感じなか
ったようだ。実はその違和感から、諸々の試行錯誤が始まっている。


そもそも、教科書に載っている方法論が好きじゃない。最初に自己紹介があり、
目次的にトピックを説明し、各論に入り、時折目次に戻って、迷子を救い、テ
ストに出るぞと言わんばかりに結論を数行にまとめる。全く持って正論である。
非の打ち所がない正攻法。

でもね、と思う。自分がその手のプレゼンを聞いていてワクワクしないことが
多いのだ。後で資料をなめれば、分かってしまうなら、わざわざその場に居な
くていいし、そのプレゼンタの話術に触れる必要もない気がしている。

更に、パワーポイント(パワポ)のアニメーションが炸裂し始めると、大抵は
頭を抱える。その爆発の絵は何? とか、余計なことが脳内にわき始めてプレ
ゼンに集中できなくなる。大抵は意味がないんだもの。先日は、娘の高校の授
業でパワポ・アニメーションが宿題に出されていて、どれだけ不要かを力説し
てしまった(娘にとってはいい迷惑だ)。

プレゼン=パワポ、という前提に慣れ始めたのは、つい最近。一から作るので
あれば、InDesignやFlashで作るより圧倒的に早い。但し、InDesignはPDFを使
いまわし易いので、類似プレゼンをするなら、素材がそこそこ溜まっている分、
私にはむしろ最速かもしれない。

そうした、習った常識と現場の常識、ツールの特性に対する肌感。プレゼンを
見つめて選択可能になってきているのが、また楽しい。伝えたいことを、伝わ
り易い形で。識者や尊敬する猛者たちの話を聞いても、正統的な「型」の先に
未来がないことを感じる。最終的には魅力を感じてもらえるかであり、その魅
力の多くはユニーク/唯一無二なものが多いのだろう。

  ▼mitmix@Amazon - ひとつ上のプレゼン。
  < http://astore.amazon.co.jp/milkage-22/detail/4844320807
>


いつからか、一期一会という気が増している。この会場で、このテーマで、こ
の参加者で話すのは、これが最初で最後。だから、何かトラブルがあっても黙
ったりしない。黙ったりできない。沈黙を見せる方が後悔するから。

人に語るというのを、緊張の段階から、楽しむようにも変わってきているのだ
ろう。更に、テーマとしても唯一の答えがある訳ではないものが多くなってき
ている。間違いということがない世界での対話、という認識に立ち始めている
からかもしれない。

Ustreamのおかげで、実はリアルの価値が上がっているのにも後押しされてい
るかもしれない。自席に居ながら様々なプレゼンを見ることができるけれど、
実はその場にいないことを悔しがっている自分が居る。実は自慢話を見せられ
ている感さえする。だから、自分が演る側に立つときは、少しでも自分も楽し
もうとしている。

いい会だったね、あんな風に言ってたけどもう少し突っ込ませてくれ、別の話
ですが意見が合いそうだから○○について聞かせてくれ、様々なリアクション
が楽しく、同じ時間を共有した感が面白い。

色んな形のプレゼンがあってよい。もっともっと忘れられないプレゼンに出会
えて、それを自分でも演る側に立てるように目指したい。精進。


Adobe MAXに今年も行けなかった。名プレゼンの数々に触れられなかったので、
悔しいので書いてみました。はい。

  ▼Adobe MAX 2010
  < http://www.adobe.com/jp/joc/max/
>
  ▼#maxjp - Twitter Search
  < http://search.twitter.com/search?q=%23maxjp
>
  ▼Twitter / Andy Hall: レナード・ニモイ
  (スター・トレック原版のスポック)が ...
  < >

【みつい・ひでき】 感想などはmit_dgcr(a)yahoo.co.jpまで
・今年も残り10週ない。
・mitmix : < * http://www.mitmix.net/
>
・Twitter : < * http://twitter.com/mit
>

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■ショート・ストーリーのKUNI[88]
痛み

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20101028140200.html
>
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某医院の診察室。
「はい、次の方。大山のぼるさんですか。えー、問診票によると頭が痛いとい
 うことですな。頭をどうされました」
「それがわかったら苦労はありませんねん」
「といいますと」
「今朝起きたときに痛みに気づきまして。どうも、どこかで打ったようなんで
 すけど。ほれ、ここ...おでこの...あ、痛っ! 先生もむちゃしますな。さわ
 らんといてください」

「いや、診察ですから。そうですか。どこかで打ったようではあるが、どこで
 打ったかわからないと」
「ええ。年をとると打ったあと、しばらくして痛みが出ますやろ。はて、これ
 はなんで痛いのかなと。考えて考えてやっと思い当たる」
「はいはい」
「今まではなんとかそれでも思い出したんですが、今日はまったく思い出せま
 せんので、先生にどないかしてもらおうと思ってやってきました。私はいっ
 たいどうしたのでしょう」

「困った人やな。うーん、ではここ数日間の行動を思い起こしてみてはどうで
 しょう」
「はい。昨日は一日ひきこもってパソコンの前にいました。外には出てません。
 アリバイがあります。証人は猫のまゆみ」
「証人はいりません」
「おとといは外に出ました。午前11時に近所のスーパーに行って特売のレトル
 トカレーと特売のトイレットペーパーを買って帰りました。帰宅は11時40分。
 途中、だれとも会わずに帰ってきました。指紋はふきとりました」
「推理小説の読み過ぎです」

「さきおとといはよく覚えてませんが、特に安い物もなかったので、スーパー
 には行かなかったと思います」
「その前の日は」
「そんな前の日の特売まで覚えてません」
「いや、そうではなく、何をしてたかと。何か変わったことは」
「うーん...あ、ツイッターのフォロワー数がやっと100人を超えました。それ
 が何か」
「関係なさそうですな。つまり、ここ数日間の行動を思い出してみても、さっ
 ぱり見当がつかない、と」

「ええ。ひょっとしたらもっと前でしょうか。3年くらい前にどこかでひっく
 り返ったときの痛みとか。しかし、そんな痛みが今さら勝手に来てもこっち
 としては困りますやろ。いったいどないせえと。何が目的やねん。なんやっ
 たら出るとこへ出て」
「いやいや、そんな前ではないと思いますがね。ほかに痛いところはありませ
 んか」
「あっ」
「どうしました」
「いま、足も痛くなってきました! 右足です。うっ。頭に遅れて右足に来た
 ようです」

「え、そうですか。やはり打ったような」
「ええ、打ったようなぶつかったような、殴られたような。あっ、左足にもき
 ました! ううっ。いや、おかしいな。左足は打ったというより踏まれてる
 ような」
「これは失礼。私が踏んでいました」
「あー、そうでしたか」
「ええ、いまのところ痛いのは頭と右足ですか」
「はい...いや、来ました来ました! 右手に」
「右手にも」
「う、右の腰あたりも痛くなってきました!」
「腰にも」

「は、はい。うー、痛いがな、もー。先生、これはみんな同じときのものでし
 ょうか」
「それは何ともいえませんな。部位によって伝達速度が異なるかもしれません」
「もし同じときのものとしたら、全身打撲でっせ...私、ひょ、ひょっとしてお
 そろしい事件にまきこまれたんではないでしょうか」
「うーむ」
「ひょっとしたら、ほんまはもう殺されてるのに痛みが来るのが遅うて気づい
 てないとか。よう考えたらもうセメント詰めにされて大阪湾に沈められてた
 とか...そうとは知らずにさっきフレッツ光の申し込みしてしまいました。キ
 ャッシュバックにつられて。えらいこっちゃ。こんなことしてる場合やない。
 もう死んでるんやったら無駄やさかい、解約に」

「落ち着いて落ち着いて。たぶん死んでないと思いますから。しかしまあ、な
 にやら不気味ではありますね」
「この調子やと、もっとほかにも痛いとこが出てくるんとちゃいますか。それ
 をどきどきしながら待ってるだけというのもじれったい...いまどこまで痛み
 が来てるかわかる問い合わせ先は」
「アマゾンやあるまいし。だいたいあれもあてにならん...いや、なんでもない」

 そのとき、診察室のドアを看護師が開けて
「先生、急患です。というか、頭が痛いと言って来られた小山さんが、待合室
 にいるうちにあちこち痛くなってきたそうです」
 看護師の後ろから現れた大山さんと同年代と思える小山さんは頭と左足、左
 手、左の腰のあたりが痛いといって押さえながら、といっても一度に押さえ
 られないのであっちを押さえたりこっちを押さえたりしながら入ってきた。

「先生、いつどこで打ったのか思い出せませんが、頭と左手、左足、左の腰の
 あたりが痛くて」
そう言いかけた小山さんと先に入っていた大山さんの目があった。
「あ、ひょっとして!」
「あなたは!」
「4日前に図書館の入口でぶつかったひと!」
声をそろえた次の瞬間、大山さんの右の脇腹と小山さんの左の脇腹に痛みが。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
みっどないと MIDNIGHT短編小説倶楽部
< http://yamashitakuniko.posterous.com/
>

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■ローマでMANGA[34]
MANGAとアニメが世界をつなぐ

midori
< https://bn.dgcr.com/archives/20101028140100.html
>
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●ROMICS(ローミックス)

ローマで毎年一回、コミックスフェアが開かれている。ローマのコミックスだ
から「ローミックス」。いえ、私がふざけてるわけではなくて、そういう名称
です。
< http://www.romics.it/
>

今年は10月始めに開催。木金土日の4日、フィミチーノ国際空港に程近い場所
に「Fiera di ROMA」という見本市会場がある。2005年まではローマ市内にあ
った見本市、場所が手狭になり、駐車場の問題もあったから......と思うのだけ
ど、郊外の広い場所に移動した。一度に二件の見本市が開けるほど大きい。
< http://www.fieraroma.it/web/
>

湿地帯を灌漑して、大々的にスーパー、映画館、ボーリング場、レストランな
どが同じ敷地内にある大きな団地(売却だからマンションというべきか)と一
緒にできた。たーーーくさんお金とか利権とか、裏で動いたっぽいが、ここで
うだうだ言うことではない。それと、今のローマ旧市街も湿地帯、でローマ人
の灌漑土木技術で乾地にして都市にしたという伝統があるので、後々、湿気で
困る、というようなことはないと思う(大きな公共事業があると、必ずハイエ
ナがうじゃうじゃ来るので、人の国ながら気が気じゃありません)。

で、2006年からは、この大きな見本市で開催することになった。お陰さまで毎
年大盛況。午後8時まで開催してるので、平日もそこそこ人が入る。私が行っ
たのは土曜日の午後という、もう、列に並びたい人が行くような日時だった。
< http://easyurl.jp/1b02
>

入場料は土日の場合は7,5ユーロ(約900円)。コスプレイヤーは半額になる。
ローマ市内だった時は無料だった。大きくなってから物入りがあるんだろうか。
と、余計な心配をしてしまう。

コスプレイヤー専用の切符売り場での列。スポンジボブ、よく作ったね。えら
いえらい。私の好み。
< http://easyurl.jp/1b03
>

コスプレの対象は圧倒的に日本のMANGA、アニメ、ゲームのキャラ。

テラスでポーズを撮るコスプレイヤー。
< http://easyurl.jp/1b04
>
(カメコではないのでせっかくの被写体をうまく表現できませんでした)
ところで。。。。

●ROMICS JAPANICS?

中身は書店を含め、150のスタンドが出店していた。そのうち名前だけの判断
で日本関係は32店舗。約20%。名前だけの判断というのは、ROMICSのサイトか
ら出店者名を見て、数を数えたりして把握しているから。実際に行ったときに
スタンドの数とその中身を記録したわけではない。

名前だけでの判断でどうやって? と思われる方もいるかも知れない。例えば
こういう名前です。

WWW.JAPPAMONDO.COM
WAKU WAKU MANGASHOP KINGYO
TOONSHILL E SUSHI TEAM
TEKE YAOI
TERU TERU KUMO
TERUTERUBOZU SHOP
RONIN IMPORT
RAMEN FANTASTIC CUP NOODLES
NIPPOGADGETS
MAJOKKOSHOP E KINGYO
MAN-GA TV
MANGALAND
LADY OF THE ROSE
KOKESHI DI NEWGENERATIONDOLLS
JAPAN DREAMS
JAPAN WORLD - GIOCATTOPOLI
JAPANMANGA
JAPANWIKI
J-COMIX LADISPOLI - RM
KAIDO
ICHIGO SHOP
HANABI
GLOBAL ANIME
GM CREAZIONI COSPLAY
FIORI DI CILIEGIO
EDIZIONI BD - JPOP
CAGLIOSTRO - EDIZIONI VOILIER
BAKEMONO LAB
ANI POP GAM
ANIMECIAK.IT
ANIMEVIDEO.IT - PODCAST
AKIBA

漢字という視覚に訴える便利なものに慣れていると英字をすぐに認識するのは
難しいでしょうから、翻訳しますと、例えば、「Fiore di cigliegio」という
のはイタリア語で『桜の花』。これは、まぁ、イタリア内での日本に関するネ
ーミングとしてはよろしいのではないかと思う。

JAPANなんとか、という名前も、まぁ、どこに出しても日本関係だな、とわか
る。ANIME、つまり「アニメーション」ではなく「アニメ」と切ると、誰がな
んと言っても日本のアニメのこと、というのは、もはや全世界の共通認識。こ
の辺は、とても理解できます。

マジョッコ(魔女っ子)とか、バケモノとかになると、かなりオタクだ。さら
に輪をかけたのがヤオイ。それと、アキバってなんだ、アキバって。
< http://easyurl.jp/1b06
>

いや、私、アキバを知ってますが、イタリア人がショップの名にするって、何?
(もっとも、イタリア人が日本に来ると、様々なモノやレストランのイタリア
語の名前にびっくりする)

こうして、名前だけから判断した日本関係ショップは20%だったけど、実際に
歩いて見た印象は半分以上日本関係、とみえた。書店さんはイタリア語に訳さ
れたMANGAを売る。ただ、スタンドのほとんどがグッズ、ガジェットショップ。
キャラのぬいぐるみ、携帯ストラップ、バッグ、財布、マグカップなど。。。
萌えシーツも。

以前には見られなかったスタンド、KATANA専門店もあった。しかも、ゲームや
アニメキャラが持つKATANAばかり。スタンドの前に立つ若者達が、なんだか、
尊いものでも見るような目付きで見ていたのが印象的。ハリポタの第一話に出
てきた、魔法の杖の店を思い出した。
< http://easyurl.jp/1b0c
>

で、言いたかったことは別のことだった。コミックスフェアというからには、
コミックスをやりとりするものではないのか? JAPANEXPOとでも言うような
感じ。ROMICSじゃなくてJAPNICSか。

日本のMANGAが受けているから、MANGAを出版する会社が増えるのはわかる。で
も、このガジェットだらけのコミックスフェアというのはなんなんだ! と、
イタリアでコミックスがもっと振興するためにはこんなことではダメではない
か! とぶちぶち怒りながら見学をした。

そうそう、カップラーメンを売るスタンドが二軒あった。お湯も用意してその
場で食べさせていた。例えば、新人の発表の場を設けるなどよりも、モノを売
るスタンドで儲ける事だけを考えてるのか?! とぶりぶりしていた。

家に帰って時間が経ち、怒りが収まったら別の見方をできるようになった。こ
れって、すごいことではないか? イタリアの若い人たちが、日本製のものに
憧れてグッズを手に入れたい、近づきたい、というのだ。こんなに沢山の人が。

たしか、経済評論家の三橋貴明氏が選挙運動演説で言っていた(YouTubeで見
た)。「世界の中心になる国とはどういう国でしょうか」「私の定義は、世界
中の人達がそのライフスタイルや文化を真似するとき、その国が世界の中心」
<
>

そういえば、FaceBookのオトモダチはほとんどイタリア人のマンガ家志望者で、
MANGA・アニメを見て育った人がほとんど。自分の名前に日本字を混ぜてる人
もいる。時々日本語をローマ字で書いたメッセージを残す人がいる。最近オト
モダチになったアルゼンチンの男の子は、トップページに甚平を着て日の丸の
鉢巻をした自分の写真を使っている。

今までも、東洋趣味の人はいた。ただその認識は、中国、チベット、日本をご
っちゃにした、「神秘的なものに憧れる」という程度のものだった。MANGA・
アニメから日本に興味をもったこの人達は、もっと日常レベルで日本に近づき
たがっている。

日本に対する知識の量が半端じゃない。日本語や日本食や、またまたさらに歴
史や伝統文化にまで興味の幅を広げ、日本に絶対行きたい、住みたい、なんて
いう人も増えている。彼らにとって、イタリアはダサい、日本はカッコいい、
なのだ。本当に。

以前にも書いたけど、イタリアの学生をつれて東京のマンガ学校に体験留学に
行って、休み時間にわざと私の通訳なしでほっぽりだすと、日伊の学生はキャ
ラの名前、タイトルで盛り上がる。名前を連ねて会話をするのだ。日本語と英
語とかイタリア語ではなく、日本のMANGAとアニメのキャラの名前が共通言語
になっているのだ。。。。。(もちろん、複雑な意思の疎通ではなくて、ああ
それ知ってる、うんコレ好き、というような交歓だけど)

「第二次世界大戦。アメリカは真珠湾攻撃を先に知っていて、世論を参戦に向
けるためにやらせた」という内容の動画を作ってアップしたイタリアの21歳の
大学生と知り合うに至っては、びっくりたまげて、タレ目を見開いてしまった。
「真実を告げるのが正義だ!」と。しかもその動画のコメントに「ああ、日本
が卑怯なことしたなんて変だと思ってた」なんていうのがあって、ああ、そう
した期待にお応えできる日本人になります、と思わず誓ってしまった。

MANGAとアニメが世界をつなぐ。しかも、この世界は上目線の押し付けではな
く、日本の外の人の方から近づいてくるのだ。平和に。実は、すごい時代に生
きてるのかもしれない、と、実感したROMICSでした。

このテキストが出る頃、中部イタリアのルッカでもコミックスフェアがある。
ここでは日本館が別枠で設けられている。日帰りで覗きに行くつもり。

【みどり】midorigo@mac.com

民主党政権になってから、国会がおもしろい。なまじなテレビ番組より面白い
(イタリアからなので一日遅れでYouTubeかニコニコ動画で見てます)という
か、呆れるのだけど、すごく具体的な野党の質問に対して、与党はあくまでも
はぐらかし、方向を変える。

尖閣諸島の漁船体当たりに関して、ビデオの公開をまだ逡巡している。ネット
では、中国船が海保職員を海に突き落とし、銛で突き刺そうとしたり、船を寄
せて押し潰そうとしたという話まで流れている。もちろん、裏は取れてない。
ビデオを見た人は「これは殺人未遂ではないか」とうなったとか、民主党内で
は川上義博議員「ビデオを公開したら大変なことになる」仙石「おっしゃる通
り」菅総理「わかりました」......という会話があったとか。

噂が事実なら、法に則って粛々と刑罰を与えるのは当然だし、中国側が「日本
がぶつかってきた」とウソを広めているのを止めるために、ビデオ公開は必要
です。政府は何を、誰を守ろうとしているのか???

イタリア語の単語を覚えられます! というメルマガだしてます。
< http://archive.mag2.com/0000075559/index.html
>

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■編集後記(10/28)

・電気事業連合会の新聞広告「電気の源を考える」3回目にフリーキャスター
の伊藤聡子という人が出ている。国際貢献や地域活性化をテーマに活動し、原
子力とエネルギー分野でも取材を続けているという人だ。この回は「原子燃料
サイクルと高レベル放射性廃棄物」という極めて重要なテーマである。ウラン
を有効利用するといわれている原燃サイクルは、最終処分場が決まっていない
という課題を抱えている、と読売の編集委員がまともな指摘をすると、ウラン
はリサイクルしてとことん使い切るべきだから、原燃サイクルの確立は必要だ
と思うと応じている。リサイクルが核にも適用できると思っているところが愚
かだ。原子力産業は、再処理工場が行き詰まり、高速増殖炉が破綻し、今はプ
ルサーマルというプルトニウムのリサイクル計画を強引に進めているが、その
正体がなんであるか、この美人キャスターはちゃんと取材しているのか。スウ
ェーデンの地層処分候補地の現場を視察して、その安全性を実感してきたとい
うがずいぶんお気楽である。高レベル放射性廃棄物を人類が完全に管理できる
はずがない。「原子力発電の恩恵や課題を自ら学び、冷静に判断することが必
要。」というタイトルは国民に向けた提言なのか。いい加減にしろ電事連。そ
れにしても、この超危険物を生み出す原子力を「クリーンエネルギー」と呼ん
でいる民主党政権の頭の程度は......。              (柴田)
< http://blog.dandoweb.com/?eid=108141
>
高速炉もんじゅに出た『生殺し』死亡宣告(Blog vs. Media 時評)

・Web Designing誌にぼかし入りで載ってますよ〜と、なかしずさんから連絡
あり。見ると、9月後半に届いたTwitterのメンションのもの。これは、AXEが
キャンペーンやっていた、片思いアカウントを削除するイベント。届いたメン
ションは「ゴシゴシゴシゴシ、ザッパァーー 三助さんにAXEボディソープで
身も心もさっぱりと洗い流してもらった。【今回洗い流した片思いアカウント
は@zackeさんと@ないしょさんでした→】」で、心が痛んで覚えていたのであ
った。タイムラインを追えないのでこれ以上の人数をフォローするのは無理と
思っていた頃や、てんてこまいまいでフォロワーさんの名前すらチェックして
いなかった頃もあった。気分を害されていなければ良いのだがと、遅ればせな
がらごめんなさいメッセージを送ったら、忙しくて事前連絡を忘れてらしたそ
うだ。一緒に洗い流されたのが、あの方なので、同列なのが逆に申し訳ない気
も。で、初めてその三助さんが私とその人のアカウント名を洗い流す動画を見
たよ。うーん、やっぱり胸が痛いわ〜。その後、やっぱりフォローしてもらっ
た人が誰かわからなかったりすると、うーん、誰だろと考えたままにしがちな
のだが、広瀬香美さんが10万人越えてもフォロー返ししてらっしゃるのを見て
(フォローしてみたら、数日後にフォロー返ししてくださった)、私はまだま
だだよな......と反省していたのであった。/関西人的には、事例に掲載されて
美味しいんじゃないかと言われたり......。/で、そのザッパァーの方、中学高
校と通われていたのがうちの近所の学校と聞いて親近感。/やられました。確
かにw「@gsxr750k8「◯◯ナウ」の起源といえば「MBSナウ」しか思い浮かばな
い。」                         (hammer.mule)
動画のURLを書きたいのだが、もうお一人の方に悪いのでやめとこう......。
< http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1009/09/news071.html
>
中断していたのか。胸の痛いサービスであった。削除はランダムだったらしい。
< http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/10/news006.html
>
「ハンバーガーのために友達10人切れますか」
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=34560543
>
MBSナウ
<
>
市長!
<
>
こんなテーマソングだったのか
<
>
みんな若いっ