音喰らう脳髄[98]流出と公開/モモヨ

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尖閣諸島で起きた騒動、その有様を収録したビデオが過日Youtubeに何者かの手によってアップされた件で、世間はてんやわんやの大騒ぎになっている。

俗に流出ビデオと呼ばれているが、その流出ビデオ、どういうわけか、アップされた(流出した)翌日から、テレビなどでオンエアされ国民の目にさらされることになった。これが私の目には不可思議だった。政府は、現在、その流出ビデオをアップさせた犯人探しにやっきになっているが、そのすでに流出した分についての扱いを、まず明確に宣するべきだと思ったからだ。

後追いで「海上保安庁が撮影したものの一部分である」などと海保高官の口から語らせるだけでは充分ではない。少なくとも、本ビデオについては今後公開するものとする、後追いかつ形骸化した行為であっても、そう宣したうえでなければ、地上波での放送はあってはならなかったように思えるのだが、現実は、政府の対応のあいまいさによって、流出がそのまま事実上の公開になってしまった。



しかし、ビデオの内容を見るにつけ、政府の対応の思考停止にちかい曖昧さが気になってならない。あのビデオも(他の全てのビデオも)、私見であるが、事実を知らせるうえでも、事件後ただちに公開すべきだったと考える。

中国政府も、そして私たち日本国民も、事件の正体、事件の有様を知る機会を一度として与えられてこなかった。思えば、そうした中での今回の摩擦だ。中国政府だけではない。国際社会全体に対しても、日本が何らかの主張をする以上、まず第一に公開すべきものだったのではないか。私はそう考える。

思考停止内閣であれば、あるがままを世の中に提示して判断を仰げばよいのである。そこを何を考えたか、自分達で情報をコントロールしようとした。そのうえで国を危うくするのだから、どうしようもない。情報公開に流れる世の中の本流からみると何という反動だろう。

こうした情報を交渉相手に与えずに交渉すれば、相手はトンチンカンな反応をするに決まっている。情報を秘匿して相手に恥をかかせるつもりであれば、それもいい。しかし、恥をかかされた相手は、後に情報開示が行われたとしても、当初主張した意見を簡単に翻すはずもなく、いよいよ態度を固くするだろうことは想像にかたくない。

なんでこんな簡単なことが、わかんないんだろう?

さては政府内部にいる人々、子供の頃、友達と遊んだりしなかったのか。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
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