アンビエントメディアの夜明け[11]2010年、なんか1999年に似てると思いました。/川井拓也

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「アンビエントメディアの夜明け」として始めた本連載ですが、もう年末!そこでこの2回は少し自由に書かせていただこうかなと思ってます。よろしかったらおつきあい下さい。

2010年、なんか1999年に似てると思いました。

1999年って自分にとってはテレビからネット関連に移る決断をした年なんですが、なにか独特の高揚感がありました。すべてが新しくなっていくんじゃないか? という期待感です。それは、既存のものが疲弊している中で、新しいものがどんどん生まれて、それに先鋭的な人だけが気がついているという感じでした。

2010年は少し違って、いろんなものが再発明され始めて、その息吹を感じる年だったと思うんです。僕が気合入れて追っかけているUstreamはライブメディアを大きく開拓しているし、電子書籍が本や書籍を、音楽・映画配信がコンテンツのパッケージビジネスを大きく変えようとしています。

Appleも絶好調で、出す商品がことごとくヒット。僕もMacMiniやiPod touchを買いましたし、iTunesの映画レンタルも利用しています。

新聞やラジオも変革の時代です。これらの状況は、旧勢力と新勢力の対立として報じるのは簡単です。週刊誌と同じで、センセーショナルなほうが注目を集めるからです。

でも、それは違うと思います。どの業界でも、次のメディアがくることに敏感で、果敢にトライする人がいます。2010年はそういう人とたくさん出会えた年だったんです。



たとえばUstreamのライブ配信の話もそうです。テレビのプロと一緒に中継の仕事をする。IT業界としては珍しい状況です。でも、やってみると互いのプライドを尊重しながらも、このメディアがどんなメディアなのか好奇心いっぱいに仕事できます。こういう興奮は1999年の頃を思い出すんです。

ARとか位置情報がガンガン出てきたのも2010年の特徴でした。僕は2002年にライフスライスという、人生を可視化するカメラでライフログを推進していたんだけど(ここの連載でも書いていたので覚えてくれている人もいるかな?)その当時は、自分のあらゆる行動を公開するなんて「狂気の沙汰」でしかなかったし、実際冷ややかな目で見られました。

だから、twitterがブレイクしたときにすごく衝撃を受けたんです。「そっか!カメラいらないのか! ライフログは言葉でいいのか!」と。それからしばらくして、twitterはソーシャルメールアドレスのような存在になり、普及しました。さらに、いまや位置情報すらもダダ漏れして「どこどこにチェックイン!」なんて感じです。

じゃあ、これからはどうなるのか? ってことにみな興味があると思うんですけど、僕は最近こういうシミュレーションをするようにしているんです。

うちには2歳になるチビがいるんですが、この子が大人になる頃に彼はどんな生活をするだろう? って、シミュレーションするんです。

これは子供がいなくても出来るので、新しいことをやろうとしている人はぜひその手法だけパクって下さい。彼は紙の新聞を購読するだろうか? 彼が紙の本で所蔵するのはどんなものだろうか? 彼の家のテレビには何が映っているのだろうか? 彼はどんな言葉をどんな風にしゃべって、世界のどこを飛び回るのだろうか? そういうことを考えてるうちに、バックキャスティングできるようになります。

すると、不思議なことに、現在が未来から見たメディア再発明の黎明期に見えるようになります。なんかそれは楽しいことなんですね!

そんなわけで、今日はちょっと今年という時空を振り返ってみました。

【川井拓也 / Takuya Kawai】
< http://www.3331.jp/ >
mail:kawai@himanainu.jp twitter @himanainu_kawai
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