[2982] 暮れゆく電子書籍元年?

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《やっぱり映画は語り合わないとね》

■ネタを訪ねて三万歩[72]
 交通機関のデザインは発展途上
 海津ヨシノリ

■グラフィック薄氷大魔王[244]
 暮れゆく電子書籍元年? 後編
 吉井 宏

■ところのほんとのところ[49]
 熱にうなされて考えたこと
 所幸則 Tokoro Yukinori



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■ネタを訪ねて三万歩[72]
交通機関のデザインは発展途上

海津ヨシノリ
< http://bn.dgcr.com/archives/20101222140300.html >
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自分の行動範囲を客観的に見つめ直してみると、面白いことが発見できます。例えば、私が一週間に確実に乗降する駅を拾い上げてみると、上野毛、中央林間、久が原、二子玉川、旗の台、日本橋、本厚木、横浜、海老名、溝の口、相模大野、蒲田、飯田橋の13駅となります。

これを一か月サイクルにすると、下北沢、久我山、五反田、千歳烏山、新宿、明大前、東銀座、池袋、渋谷の9駅が加わり、合計21駅となります。

これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれだと思いますが、私は意外と少ないと感じてしまいました。ちなみに、すべて電車だけでカウントしています。もちろん、大学に関わるようになったが故の定期行動範囲が7割ほどなのですが、こんな生活から「本当は電車好きなんじゃないだろうか」という疑惑が私の中で芽生え始めています。

私は駅に立っているだけで、妙に落ち着いたりするのです。どんなに空いていても、ほとんどドアの側に立って走り去る風景を楽しんでいます。つまり、座席に収まるのは好きではありません。酔っ払いやヘビースモーカー、あるいは電話魔に化粧魔は論外としても、隣にどんな人が座るか選べないからです。

例えば、大声で話している人。これは車中でなくても私はダメです。数年前に大阪に出かけた際、名古屋から乗り込んできた大声のおじさん達(名古屋の方ではないです)にウンザリし、指定席でしたが席を離れて連結部分に立ちつくして大阪まで行ったことがありました。それと臭い人。タバコ臭や常軌を逸した香水の類は涙が出るほど不愉快です。最近は使い捨てのマスクをカバンに入れているので、こんな時にはすかさずマスクをして自衛しています。

とにかく、車窓を流れる風景が好きなのです。しかも、普通の町並みが。まっ、新幹線だと速過ぎて面白くないですけど。そのため、地下鉄は当然ながら好きになれません。確かに雨風を避けることが出来るメリットは図りしれませんが、季節はおろか時間さえ分からなくなってしまうので、ストレスが溜まってしまいます。

滅多に乗降しない駅の場合、出口の番号をうっかり間違えると、とんでもない場所に出てしまうなんてことがありますからね。まだまだ公共施設のデザインは発展途上ですから。例えば、地図の表示が天地逆になっていたりすることがあります。普通は北が上となっている地図を見慣れているわけですが、時々南が上の地図を表示しているところがあります。何がなんだかしばらく理解出来ませんでした。見せかけだけのデザインが、あまりにも氾濫してしまった弊害なのかもしれませんね。

話を戻し、大好きな駅もラッシュ時は大嫌いになります。とにかく、どこも階段が優先されている設計なので、階段の脇はスペースがなく、通行していること自体が危険に直結だからです。「黄色い線から出ないように」と朝方は口を酸っぱくして駅員が怒鳴っていますが、そんなの無理に決まっています。一歩間違えたら線路に落下してしまうからです。

ですから、私は乗車駅では下車する駅の出口付近に相当する位置に到達するまで、絶対に乗車しません。既に電車のドアが空いていてもです。また、あとちょっと走れば間に合う場合でも走りません。そもそも駅では絶対に走ったりしません。よく全力疾走で走っていたり、エスカレーターを走る人がいますが、神経疑います。

そんなこんなで、私が一番気に入っている電鉄会社は東急電鉄です。ユーザー優先の券売システムがあることが大きな理由です。実は私は東急をメインに利用していたので気が付かなかったのですが、東急の回数券は、10枚分の料金で普通回数券(11枚)、10時〜14時の時差回数券(12枚)、土・休日割引回数券(14枚)とバラエティーに飛んでいます。

もっとも最近は特に珍しくもないようですが、問題は回数券に対する会社側の判断。例えば150円の回数券を買うと、どこから乗っても150円分というシステムなのです。駅を指定しなくてもいいのです。これはとっても便利です。イレギュラーの利用にも活用できるからです。

ところで私は、pasmoなどのカード優先の改札が大嫌いです。混んでいるときに改札を通ろうとして、条件反射的に避けてしまいます。つまり、あのピンク色に反応してしまうのです。あれは完全にデザインミスですね。女性優先車両のピンクとオーバーラップして、女性専用と瞬間判断してしまうからです。

冷静に考えれば馬鹿な話なのですが、混んでいるときの心理状態は正常ではないですからね。ボーッとしていると、マナーの悪い乗客の一挙手一投足に振り回されてしまいます。ですから、この専用改札機はいまだに慣れることが出来ませんし、そもそも使わないようにしています。実は改札機でもうひとつ嫌いなシーンがあります。改札機にpasmoを叩きつける人のこと。目の前でやられると不快指数300%になります。

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■今月のお気に入りミュージックと映画

[微笑がえし]by キャンディーズ in 1978(日本)

「おっぱいバレー」のエンディングに流れるこの曲は、言わずとしれたキャンディーズの公式ラストシングル曲にして最高傑作。随所に彼女たちのヒット曲のタイトルや歌詞内容が盛り込まれたこの曲は今聴いても新鮮で、映画のさわやかなエンディングを援護射撃していました。

[おっぱいバレー]by 羽住英一郎 in 2009(日本)

劇場公開時はさすがに「『おっぱいバレー』大人一枚!」なんて、恥ずかしくて出かけることは出来なかったのですが、絶対に見たかった映画。例えばタイトルは「約束」で良かったのではと思います。そしてやっとDVDでの鑑賞となったわけですが、予想していた以上の出来でした。

本作が素晴らしいのは、綾瀬はるかは当然として、なんと言ってもバレー部の悪ガキたちが最後までバカのままで、憎めないキャラクターだったところですね。実話を元にしているそうですが、70年代末期が舞台となっており、ストーリー展開もテンポ良く大納得。ベタな展開もなく、とても心地よいエンティングを迎えられます。

伏線が色々と張られていて、涙腺の弱い私には随所で危ない状態になりました。特にラストでキャンディーズの「微笑がえし」がかかるシーンで、綾瀬はるか演じる寺嶋美香子先生が放つ最後の台詞「いい男になれよ」がナイスでした。スナップ写真からのエンドロールへの演出も脱帽です。

更に数々の挿入歌もナイスで、センスの良さが光っています。特にCoaCoaの「個人授業」は捨てがたいですね。オリジナルより絶対にいいです。そんな本作品は、理由なんてどうでもいいから頑張るしかないオジサン達にとって、勇気がもらえる珠玉の一作ですね。エンディングのNGシーンもキャスト達の雰囲気が伝わる心地よいモノで、まさかこの映画で泣かされるとは思いませんでした。40代以上の男性には直球です。

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■アップルストア銀座のハンズオンセッション 第3回

2011年1月17日(月)18:30〜20:00
Hands on a Macとしての画像処理セッション
< http://www.apple.com/jp/retail/ginza/ >
『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol.53 Adobe Photoshop CS5によるフォトレタッチ技法前編【レタッチ編】として、画像合成用に元画像を料理する時のマスキングのコツと背景画像との調整テクニックについて、短時間処理を想定して整理いたします。偶数月に行われる従来通りのセッションと異なり、奇数月のハンズオンセッションは予約が必要となります。なお、予約などに関してはAppleに一任しておりますのでご了承下さい。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com >(renewed)
< http://kaizu-blog.blogspot.com >
< http://web.me.com/kaizu >

原則、映画は映画館で見るべきだというのは正論だと私も思います。しかし、時間に振り回されていると、どうしてもこの原則が守れなくなりつつあります。旬な映画は旬なうちに鑑賞するべきですが、それもここのところ実現不可能になっています。考えてみると料金が高いですからね。

それと電車のシートと同様に、隣に誰が来るか分からないこと。本当にマナーの悪い人が増えていますので、最悪の場合は映画の内容よりも不快感だけが残ってしまうので、「絶対に映画館」という考えは既に無意識のうちに崩壊しているかもしれません。神経質すぎると思われる方がいるかもしれません。しかし、私が学生の頃はまだまだマナーは良かったと記憶しています。とにかく、中高年の態度が最悪です。

ですから、自宅の照明を消し、大型TVでヘッドフォンで音響を占有すれば良い感じです。そんな意味で、iTunesストアで映画の提供が始まったのは朗報かもしれません。まだ少し高いですが、ロードショー作品なら安いかもしれません。

さて、最近の私の映画スタイルは、TSUTAYAとAmazonにどっぷりです。まず、絶対に購入する作品は速攻でAmazon予約。そうでない作品はとりあえずTSUTAYAで借りて、面白かったらAmazonで購入というわけです。もちろん、購入するのは資料としての意味合いが強いです。問題は、同じ映画を見た人を捜すことが難しい点。やっぱり映画は語り合わないとね。最近はもっぱら学生と熱く語り合っています。

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■グラフィック薄氷大魔王[244]
暮れゆく電子書籍元年? 後編

吉井 宏
< http://bn.dgcr.com/archives/20101222140200.html >
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(前編からつづく)......というわけで、僕は本をなるべくなら電子書籍として入手したいのです。

「紙の本のほうが優れている。紙の本は滅びない」と強く主張するのはかまいませんけど、それと「電子書籍はダメ」とこき下ろすのはぜんぜん別の問題じゃないでしょうか? 紙の本が大丈夫なら、電子書籍をやろうとしてる人の足を引っぱる必要はないでしょ。電子書籍が普及しないと困るっていう僕みたいな人もいるんだから放っといてよ〜。

CDが出てきたとき、「ジャケットからレコードを取り出しターンテーブルに載せ、針を落とす儀式があってこその音楽鑑賞」と不快感を示す人がたくさんいた。ならば、「紙の感触があってこその書籍」とかいう人たちにレコード愛好家や銀塩写真愛好家の楽しみを奪った自覚はあるのだろうか? などと言ってみたりして。

●新しい電子書籍端末くらべ

SONY ReaderとシャープGALAPAGOSが出てきましたね。渋谷の量販店で両方いじってきました。

SONY Readerは、Macに非対応。いまどき信じられない。どうも、日本語表示関連でフォーマットやDRMの問題があるらしく、しかたなくWindows対応のみでスタートせざるを得なかったらしい。おまけに他の国で売ってるモデルにはついてる通信機能もなく、Windowsでダウンロードした書籍をReaderに転送することしかできない。いくら事情があるからといって、これでiPadやGALAPAGOSに対抗しようって意味わからん。正直非常にがっかりしました。

触ってみると、モノ自体はいかにもソニーっぽい外観デザインが好みじゃないけど、モノクロ画面はちゃんと読みやすいし、ページめくりもいい感じです。Reader Storeもオープンしてますが、パソコンなしでいつでもどこでも読みたい本を買えるようにならないとねぇ。ちなみに、内蔵のペンでページにアンダーラインを引いたり手書きメモもできます。絵も描けなくもないですけど、非常に遅いです。

SONY Reader
< http://www.sony.jp/reader/ >

一方、シャープのGALAPAGOS。10.8インチモデルはiPadをちょっと長くした感じのデザインと存在感。背面も樹脂なので高級感はなく、日用品という雰囲気。電子書籍端末としてはいいんじゃないでしょうか。表示やページめくりにも不満はなさそうです。ホーム画面が本棚なので、本気の電子書籍端末って感じです。5.5インチモデルは、文字主体の本を通勤などで読みまくるにはいいと思いますが、ビジュアルの多い雑誌とかを見るには不向きかな。

TSUTAYAと組んだ電子書籍ショップも開店してます。まだ数は少ないです。マンガなんか、いしいひさいちともう一人しかなかったりする。雑誌の定期購読のしくみがあったりするので、僕的には大GALAPAGOSのほうをそのうち入手したいと思ってます。

シャープ GALAPAGOS
< http://www.sharp.co.jp/galapagos/ >

●電子書籍ストアくらべ

各電子書籍ストアの現在の書籍数についての記事(YAHOO!ニュース12/18)「Reader Store」と「TSUTAYA GALAPAGOS」の"蔵書点数"を数えてみた
< http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101218-00000015-zdn_pc-sci >

最初にしてはそこそこ数はあるんじゃないでしょーか。値段も紙の本より安い。雑誌のバックナンバーなど含めて数十万点くらいになってくれば、ようやく電子書籍時代の到来とも言えそう。

iPad用に電通がやってる「マガストア電子雑誌書店」では、いくつか買ってみました。他店同様、値段が紙の雑誌より安めなのはうれしい。MacFanやPenやSPA!もあるし、フリーマガジンもある。サムネール表示で全体をざっと見ることもできる。IDを取得しておけばパソコンでも見れる。ダウンロードが重すぎるのは不満だけど、このまま行ってくれれば紙の雑誌を買う頻度はかなり低くなってくるかも。

マガストア
< http://www.magastore.jp/ >

ソフトバンク系の「ビューン」は電子雑誌の定額制みたいなサービスで、なかなかイイです。40の新聞や雑誌が一ヶ月450円で見放題(全部見れないのもある)。Cover Flow表示もできるし、使い勝手も悪くない。さっき見はじめたところで、料金の払い方とかよくわからない。最初の30日は無料なので、たぶん1月後半になればわかるはず。

定額制だと、ぜんぜん見ない雑誌にもお金を払ってるみたいな感覚があるので、ケーブルテレビのように、10雑誌300円みたいに範囲を決めて払うほうが気持ちいいかな。

しばらくいろんな雑誌をペラペラめくってみましたが、購入ボタンを押す勇気が不要な雑誌見放題の世界は強烈。え? 全部見ちゃっていいの? 怒られない? みたいな。慣れちゃうのは危険に感じるほど。何百円も払って単品の電子雑誌を買う気になれないよ。

ビューン
< http://www.viewn.co.jp/ >

ただし、大きな欠点がある。メガストアやビューン、それにボイジャーなどで購入した雑誌には広告が載ってないのだ。広告ページが空白になってる! 契約の問題なんだろうけど、雑誌に広告が載ってないなんて、楽しみの半分くらいが失われてしまう。ってことは、紙の雑誌の半額でも高すぎるってことに。電子雑誌は広告バンバン載せて、タダでばらまくフリーペーパー化すればいいのに。民放のテレビと同じことなので不可能じゃないと思う。

ところで、電子書籍端末ごとに電子書店ができて、互換性がないのは消費者にとってはバカバカしいかぎり。でも、主要端末を二〜三台持てばほとんどの電子書籍をカバーできるとしたら、それでもしょうがないかなくらいには思える。だって、たとえば紙だと厚さ10メートルの1000冊が一台の端末で済むのと二台の端末で済むのでは、1cmくらいしか変わらないもん。

モノは考えようで、電子書籍端末が乱立とはいえ何十種類もあるわけじゃなく、代表的なものはたった数種類。その点、従来の紙の本は一冊ごとに機種が異なるともいえる。機種が異なるというのは、一台が二台を兼ねられないという意味で。

機種が変わるとそれまで買った本が読めなくなる、というのが電子本反対の根拠にされることがあります。現状ではその可能性は大いにあります。でも、そのための標準フォーマットでしょ。PDFやePUBの電子書籍は百年後の機種でも互換性は保たれてるはずだと思う。妙なプロテクトをかけてない限り。あと、先週書いたように、変にマルチメディア化せずシンプルに保つのが肝心。

また、Appleの電子書籍が検閲だの表現の自由を侵害とかの話もありますが、逆に考えれば、Appleは電子書籍の流通やデバイスを独占するつもりがない、ってこと。他社にもチャンスがいっぱいある。

あと、「海賊版放置、出版4団体がAppleに抗議」。これはおかしい。違法かどうか判断できるのは出版社と作者しかない。iTunesストアに載せるとき「これはパクリっぽいので却下」とかをAppleにしてほしいのかと。どこまでが「明らかに海賊版」でどこまでが「パクリで著作権侵害してる可能性」とかをAppleに判断してもらっちゃっていいのかと。

今までと同じく、自分で海賊版を発見し、自分で法的手段をとるだけの話。っていうか、遠い国の奥地に海賊版を調査しに行くわけじゃないんだし。そうだ、最初に見つけて報告をくれた人に少額の賞金でも出せばいいんじゃないかな。世界中で競って海賊版探しするぞ。

●電子書籍の理想型は巻物か平面

電子書籍は紙の本を踏襲したページをめくるスタイルを捨て、巻物を手本にするべきだと思う。小説とかマンガとかの物語は、始まりから終わりまで一直線だから、巻物が適してると思う。ページで区切る必要はぜんぜんない。マンガは巻物に適したコマ割りを考えなきゃいけないけど。

雑誌やカタログなどの、時系列が重要じゃないものは一枚の平面ってのがいいと思う。特に見せたいものは書籍を開いたときに中央付近にあればいい。大きな平面一枚で雑誌全部に相当、ってのは面白くてもさすがにキツイだろうから、特集とか連載とかの区分けで平面を別にしてもいいかも。巻物でも同様。

ページをめくるって断絶を越えるってことだから、極力なくす方向で。ウェブでも「次のページ」とかやってるけど、あれも意味ないと思う。スクロールは手間じゃないもん。っていうか、次のページを開くにはどこかのボタンを押しに行かなくちゃいけないけど、スクロールはホイールやタッチでひょいだし。

今は過渡期で、今まで蓄積した本のレイアウトデータを活かせばデザインコストが安く済むってのはあるだろうけど、これから新しく作る電子書籍は巻物か平面でおねがいします。

あと、画集や写真集などの作品集を閲覧するための、20インチ以上で高画質の端末がほしいです。ポータブルでなく据え置き型でもいい。まあ、普通にタッチパネル式のパソコンってことになるんでしょうけど、やはりパソコンとは別の書籍専用機はほしいなあ。

●おまけ......1

先日、資料として「普通のカジュアル服」を探してて見つけたニッセンのiPad用電子カタログ。オンラインだけで、保存できないみたいなのが惜しいけど、Cover Flow表示でパラパラ見れて便利。電子書籍・雑誌に関わってる人はぜひ参考にしてほしい。単に縮小画像をページ順にならべてCoverFlowさせてるだけなので、大して手間はかからないと思う。この仕組みがない電子本・雑誌は「本」と名乗るのが恥ずかしいくらいになってほしい。

●おまけ......2

吾妻ひでお「失踪日記」を自炊しようとして、カバーの裏に「発見した人だけ読める、裏失踪日記」発見! 検索するとけっこう出てきますけど、知らなかった人多いだろうな。スティーブン・キングの「ミザリー」のカバーをはずすと、小説中で主人公が書いてる小説の表紙が出てくるって仕掛けもあった。まあ、こういった編集者の遊びってあんまり好きじゃないけど、裁断のときにこういうのを発見できるのはおもしろい。

●おまけ......3

iPad用の自炊PDF用ビュアーとして「i文庫HD」を使ってきましたが、いまだにPDF内検索もページのサムネールブラウズもできない。最近知ったビュアーでいいのがありました。「Bookman」という無料アプリ。大きなサムネールでページをブラウズできるし検索もできる。こちらに移し替え中です。

Bookman < http://itunes.apple.com/jp/app/id369540110 >

【吉井 宏/イラストレーター】

ヤマト。しょうがないので見てきましたよ。ここでは感想は書きませんけど、「無尽蔵とも思えるほどのネタの宝庫」であることは保証します。これを見ずに忘年会や新年会に行くのは超もったいないです。必見!

今年の最終回なのに、直前に書きたい話題がドッと出てきた。年明け最初の回には賞味期限切れになっちゃうかな。

郵便年賀.jpの「今年の一文字」をやってみた。「2010年でTwitterで最もつぶやいた漢字」は「作」でした。そのまんますぎて納得せざるを得ない〜。
< http://yubin-nenga.jp/hitomoji/index.html >

・iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」販売中
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV >

・「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb >

・「ヤンス!ガンス!」オンエア情報
MUSIC ON! TV、TVK(テレビ神奈川)、Gyao、music.jp、Wiiシアターの間でも配信中。同じくMUSIC ON! TVの番組「George's Garage(GGTV)」のオープニングをヤンス!ガンス!のコラボで制作。
< http://www.m-on.jp/blog/ggtv/2010/10/101002-4.html >

・「毎月1日は映画サービスデー」CMに「ヤンス!ガンス!」登場中

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■ところのほんとのところ[49]
熱にうなされて考えたこと

所幸則 Tokoro Yukinori
< http://bn.dgcr.com/archives/20101222140100.html >
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[ところ]はここしばらく、インフルエンザ香港A型に一方的に傷めつけられ、うなされ続けていた。4日前に、ただの風邪と診断した医者も、やっとインフルエンザと認めて特効薬を出してくれて、その3日後にほぼ症状は消え失せた。喉はまだ少し痛い。それ以前は不眠症がひどく、2週間近く体調が悪かった。

朦朧とした意識のなかでその間に考えたことは、まず自分にとって大事なものは何なのだろうということだった。大事なものは人によってみんな違うんだろうなあ。[ところ]の場合、ヒトとしての個体で言えば、健康という言葉が浮かんできた。そして子供に対しての責任、まだ幸せにできてないと自分が思う、女性に対する男としての責任。そんなことが浮かんできた。

よく作家にとっての子供は作品だという言葉を聞く。そういうタイプの愛情も認めるが、[ところ]は子供のほうがずっと大事だと思う。

[ところ]が今まで撮ってきた膨大な写真は、死んだ後どうなってしまうのか。次にそういう心配をし始めた。特にこの数年の膨大な量の写真の、仕上げ作業とプリント作業は絶対に自分自身でやらなければならない。そうでないと[ところ]の作品だと認めない。

撮影してから5年以内にプリントしたものでないと、将来ヴィンテージプリントと認められないから、少しづつでも仕上げていかないとまずいことになる。まあ30年たたないとヴィンテージプリントと呼ばれないので、[ところ]にはあまり関係ないかもしれないけれど、そういう価値が生まれるかどうかは、コレクターにとって大事なことかもしれない。

[ところ]は、カメラメーカーの決めたきれいな発色の写真データを用い、プリンターメーカーの決めたきれいな発色でプリントをするわけではない。それは機械任せの流れ作業に近いもので、設定すればいいだけだ。そうではなくて、光学性能、ディティールの進歩、解像度の進歩を理解して、さらにプリンター用紙の進歩と相性、湿度、自分の写真作品の特性をすべて加味して、その時々のベストのプリントを仕上げていく。

一枚一枚が工芸的にも優れたアート作品として仕上げなければならない。版画だってまったく同じものなんか刷れない。まったく同じものがあったならそれこそ不自然だ。

キャリアのリセットについても考えた。人生はやり直しがきくと人はよくいうけれど、人間は積み上げた過去を土台に生きているのだから、そう簡単には行かない。積み木を崩すことがやり直しだとも思えない。でも、踏ん張ってやって行けばいつかはその形になるのかなあ。それが一般論なんだろうな。だから、商業写真で稼ぎながらファインアートに行く人もいるんだろう。[ところ]の場合は、いままでの積み木(第一期所幸則)をお墓替わりにして、新しく積み木を始めたのだが、意味があったのだろうか。

そんなことをつらつら考えていると、[ところ]が20代後半から40歳過ぎまでやってきたこと、少しは意味があったのだろうかと、自信を失いかけたことがあったことを思い出した。

でも、いま30代後半から40代前半の人達には、[ところ]から非常に影響を受けたと言う人がいて、無意味じゃなかったんだなということがわかって嬉しかった。高校生の時、[ところ]の初期の個展を見てからフォトグラファーになろうと思ったとか、[ところ]がまた新しいことをやろうとしているのを見て、自分もまたやる気になったと言われたりする。

直接言われたこともあれば、メールや手紙をもらったこともある。ああ、無駄じゃなかったんだな、けっこう意味あったのかもなと、気が晴れたのは確かだった。

このテキストは熱で寝込んでるあいだ、少し症状が安定したした時にiPhone4に入れていたアプリでメモっていたものをまとめたもので、とりとめのない話になってしまいました。みなさんも体調管理には気を付けましょうね。

[ところ]のコンセプトムービーをやっとYouTubeにアップしました。楽曲は徳澤青弦くんが[ところ]のために作ってくれたものです。11分もありますが、じっくり最後まで見てくださるとうれしいです。文章はギャラリー21の太田菜穂子さんによるものです。
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メリークリスマス。そして良いお年を!

[ところ]のfacebook
< http://www.facebook.com/yukinori.tokoro >
[ところ]のfacebookのファンページ
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どちらも[ところ]の作品が好きな人はリクエストしてください。
[ところ]のwebサイトリニューアル中、日英中のトリリンガルにします。

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >

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■編集後記(12/22)

デジクリは明日から長い冬休みに入ります。2011年は1月11日(火)にスタート予定です。みなさん、よいお年をお迎えください。

・今年もまた、毎日が猛烈な早さで過ぎて行った。ここ10年くらいは、年毎にそのスピードが増している。こんな感覚、現役バリバリの人にはわからないだろうな。2010年といえば、やっぱり「暑」である。暑さにはめっぽう強いと自信があったわたしだが、今年はさすがに参った。なにしろ日本一の熱中死地帯・埼玉県の住人である。マックが熱暴走してシステムが終了できずにパニックに陥り、仕事場の扇風機を小型から中型に替えてなんとか凌いだ。そんな暑さもいまは懐かしい。寒さにはめっぽう弱いと自信のあるわたしだ。早く夏がこないかなあと毎日声に出す。2010年最大の感激はやはり「はやぶさ」だ。最大の怒りは外交敗北だ。一年中、民主党政権を罵倒し続けたような気がする。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。2011年には完全崩壊してほしいものだ。/サントリー「かほりの贅沢」がうまい。正月は京都謹製シリーズでいくことにした。(柴田)
< http://www.suntory.co.jp/beer/kaorinozeitaku/kinsei/index.html >
サントリー 京都謹製シリーズ

・今年の一文字やってみた。「見」で、みんなのベスト1と同じ。といっても16文字だけなんだが。次に「行、出、会、年、良、大、欲、一、新」だって。殿堂入りは「日、今、人」。欲は欲しいとツイートしたからだな。水曜日のツイートが多く、夜行性だとか。20日付のみんなのベストは「見、気、思、行、大、出、時、一、分、間」。/口に出すのは初めてだったかもしれない。どんな道を通っても行き着く先は同じ、とある人に言った。毎日膨大な選択をしていて、自分の心や資質、癖、傾向が方向を決める。たまに右に行ったり、下に行ったりしても、ほとんど左を選んでいたら、最終的には似たり寄ったりなところに行き着くんだ。世間知らずで高校名も企業名も知らなかった。今でも世間の仕組みというかお金儲けが苦手だ。超優良縁談が来たり超大手入社の道もあって、気持ちひとつでどうにでもなったけど選ばずに来てしまった。ヒルズでマダムしてたかもしれないと不景気な今なら思うけど、たぶん離婚してるだろうし、企業だってすぐに辞めてるだろう。次からの道は楽だったかもしれないか......うーん。でもきっと資質がこれで、ステップアップするなら実力をつけたり、世間を知ったり、チャンスを断らない、そういう選択する人間にならなきゃいけないのさ。後先考えず、面白そうな方に行っちゃうんだから、きっとここに行き着くんだ。しんどいけど面白いから仕方ないわ。/延々と編み物や縫い物するのとか、一日中だらーっとするのも好きなのに、毎日手一杯で追われている感じがするのは、要領が悪く、自分の容量が少ないからなのよね、きっと。来年はどちらのようりょうも強化したいわ。/ところさんとちょっと重なったところがあって、書き直そうかと思ったりしたけど、時間ないのでこのまま。ところさんのを受けての文章じゃないです〜。(hammer.mule)