MKチャット対談 2011年を立体視する
── 笠居トシヒロ&まつむらまきお ──

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かさい: まいどー、笠居です。明けましておめでとうございます〜。本年もよろしくお願いします〜

まきお: まつむらです〜。明けましておめでとうございます〜。いやぁ2011年ですよ。なんかSFですなぁ

かさい: ですねえw そんな21世紀でも、えべっさんは混雑しすぎて、お参りするだけで2時間かかりましたが。もうちょっとなんか科学的な混雑の解消法とかないものか。。


まきお: ウルトラQに、1/8計画ってのがありましたなぁー。iPhoneのアプリでi神社ってのがありますが、えびっさんはないなぁ(笑)
< http://itunes.apple.com/jp/app/id346633934?mt=8
>

かさい: オレが行ったのは昨日(1月9日・宵えびす)だったんですが、門をくぐるまでに2回入場制限に引っかかりましたよ。┐(´д`)┌ まぁたしかにネットで笹買ってもご利益なさそうですけどねー。とはいえ日用品以外のほとんどの買い物は、ネットで済ますようになってきたでしょう?


まきお: なってますなぁ。日用品もけっこう。そういや新年早々、AppleがMac用のAppストアをオープンしたけど、見た?

かさい: あーみたみた。最初どーやって使ったらええのかわからんかったけど

まきお: どーやって、ってそんな難しいとこあった?



かさい: MacOS アップデートせんと使われへんとゆーのを知らんかったんですよw その後も、ドックに勝手にアプリが登録されてるのわからんかったんで、林檎メニューからストア起動したという。。

まきお: ああ、そこはわかんなかったねぇ。単純にストアアプリをダウンロードするのかと思っていたから〜


かさい: Mac App Storeの紹介ページにアップデートしろって書いてあるんだけどね、いちおう。わかりにくいっちゃわかりにくい

まきお: 今まではほら、全部iTunesだったからねぇ。考えてみたら Macオンリーなので別アプリなんだね〜

かさい: なるほど、iTunesは、Win版もあるもんな。で、使ってみた? というかなんか落としてみた?


まきお: とりあえず、無料のSketchBook ExpressとStuffit Expander落としてみた〜

かさい: なるほど。オレはTwitterの公式クライアントを落としてみましたよ。しかし、ダウンロードしたアプリのアイコンを勝手にドックに登録するのやめてくれへんかなあ。すぐドックがいっぱいになってしまうやないか

まきお: アイコンがドックに飛んで入るのはびっくりした(笑)


かさい: こういうケレンはアップルやなあ。でもこれ、どっかに設定があるんか? 環境設定メニューが見当たらんねんけど

まきお: いやー、もう強制でドックに入るんじゃないのかね。アプリ本体は普通にアプリフォルダに入るので、なにも特殊なところはなさそう

かさい: いちいちドックから削除すんのめんどくさいなー。でもまあ、まだそないにほしいと思うアプリはないけど、あちこちに散らばってるアプリの購入窓口が一元化されると、買う方も配布する方も面倒がなくていいかもしれんな


まきお: うんうん、メリットは大きいだろうなぁ。購入窓口(決済)ってこともあるが、アップデートもユーザー登録もAppleIDで一括管理でしょう?

かさい: そこですね。アップデートのたびに、登録したアドレスやらシリアルナンバーやらを漁らなくて済むってのはありがたい。もうちょっと日本製の小さなアプリもどんどん登録してくれればいいのにな

まきお: 購入したアプリは3台だか5台だかインストールできるらしい

かさい: へえ、そんなにMacないけどw


まきお: うちはあるぞー。しかし英語が多いのが難だねぇ

かさい: そうそう。多言語化したアプリが増えてきた昨今だけど、、このストア内は、英語が多いね。そもそも説明文が英語だと、何に使うのかすらよーわからんし

まきお: 順次、日本語も増えてくるだろうけど。しかし、ラインナップみてるとこういった海外のシェアウェア的なアプリを扱ってきたAct2とかBridge1とか、今後大変そうだなぁ〜


かさい: そうだねえ。そのあたりの代理店てきびしいねー。ただ逆にMac用アプリなんて需要少なくてお荷物だったからって、喜んで手放すところもあるかもしれないけどねー

まきお: ひどいこというなぁ(笑)Bridge1はMac専業だよ〜。act2もMacの方が中心でしょー、まだ

かさい: だからそういうところは厳しいつってんじゃんw それ以外では、喜ぶところもあるかも、って言ってるわけで、ある話じゃーん


まきお: そんなところ、あるかなぁ? win mac両方ある製品しか、国内で扱っているところないような気がするが。ここは、iOS同様の仕組みで公開できるんかね、開発者的には

かさい: どうなんやろね。いまのところ、すでにあるものを集めてきた感じだから、どうなんかわからんけど、iOSと同じ仕組ってのだとめんどくさいだろうなあ>開発者。いずれにしても審査は厳しい感じだろな。アダルトゲームなんかは絶対登録されないだろうし


まきお: ただ、iOSのと違って、従来通りの販売や配布を制限するものではないから、販路が広がるって点では魅力なんじゃない? ユーザー的には管理が一元化されないのであればチャンネルが増えた分、かえって煩雑な面もあるなぁ。既に持っているアプリをApp storeに移管できりゃいいんだけど、今のところそういう仕組みななさそうだ

かさい: そのあたり含めて、どうするつもりなのかはわからんけど、これからのユーザは、ここからアプリ落とすのが当たり前の状況になってくるかもね


まきお: デジクリ読者的には、Adobeが乗ってくるかどうかですが、乗らないんだろうなぁ...

かさい: 乗らないでしょ。つーか、今のAdobeのアプリって、インストーラ使わないと入れられない仕組みだし、ダウンロード=インストールっていう、このストアの仕組みには、すぐには乗っけられないでしょ

まきお: 仕組みはそんな大変な話ではなさそうだけど。いや、iLifeとiWorksってアップル純正のスイーツが、ここだとバラ売りがアリなんですよね。Adobeもバラ売り(ただし安く〈笑〉)してほしいわ


かさい: あ、それは思ったわ。つい先日、ヨメのためにiWorks買ったばっかりなんだけど、もうちょっと待てば、必要なPagesだけ買えたのにー

まきお: あとあれだね、フォント。フォント売ってくれ。フォントの管理ここでできたら楽かも

かさい: 欧文フォントはともかく、和文はちょっと難しそうだねえ。あー、それとあれね、ゲームがやたら目につくんですけど、Macでゲームする人って多いんでしょうか?


まきお: 多いかな...あまりチェックしてなかったけど。つか、パソコンでゲームするってのが特殊化しとるだろう、今は

かさい: 無料オンラインゲームってのは、結構流行ってるみたいですけどね。ちなみに今数えてみたら、トップチャートの15%がゲームでしたよ。Angry Birdは、AndoroidにもiPhoneアプリにもあって、結構面白いですけどー
    < http://itunes.apple.com/jp/app/angry-birds/id403961173?mt=12
>
    Angry Bird、Androidアプリは無料なんだけどねー。iPhoneのほうは、無料版では触りの何面かしかできないし、Mac版は600円。。


まきお: トップチャートにゲームが多いのは、単に値段が安いから試しに買ってみたってことでしょう。アプリの値段はおおむねiPhoneの相場とヒトケタ違ってビビる(笑)

かさい: そういえば、AmazonがAndroidアプリのマーケット始めるらしいね
    < http://octoba.net/archives/20110110-android-news.html
>

まきお: あ、そうなんや。よくわからんが、本家とは別にってこと?

かさい: 別です。Androidの場合は、AppleのApp Storeと違って、どこで配布してもいいんで、ハードメーカーが開設してるストアも現時点でいくつもあるよ。本家のマーケット以外からもインストールできるように端末側の設定が必要だけどね


まきお: なんか、電子ショップが増えすぎるのも善し悪しだなぁ。電子書籍もなんかいっぱいあるみたいだよね。そのうち楽天みたいに、統合するサービスが出てくるだろうな、きっと

かさい: OSが統一されてれば、配布元が複数あってもいいけど、電子書籍の場合は、フォーマット自体が違うとか、ハードごとに囲いこみとか、バラバラになっちゃうのは考えものですよね。読みたい本が別のフォーマットででたら、ハードまで買わなきゃいけないってんじゃ、本末転倒だもんな


まきお: データの標準化はして欲しいな。しかし今後も、こういう、オンラインショップ化はどんどん進むだろうねぇ。次は何かな

かさい: そうねえ、もうたいがいのものはネットで買えるからねえ。いまネットでは買えないけど、買いたいものって何?

まきお: そうねー、予約関係かね。映画、医者、散髪、飲み屋...なくはないがシステムがイロイロで使い勝手はイマイチなのが多い


かさい: 予約かぁ。。選挙の投票も早いことネットでできるようになって欲しいし、その前の選挙運動もネットだけになってくれたほうが静かでええなあ。でも、ペットとかはネットで売ってほしくないけど

まきお: ペットにしろ、服とか生鮮食料とかはネットでは買いにくいよな。TVとかパソコンが本当に3D化していったらこのあたりも変化してくるんかもしれんが

かさい: そういや、Nintendo 3DSのCM始まってるけど、どういう仕組みなんでしょ>」裸眼3D


まきお: 東芝の裸眼3DTVをヤマダ電気で見たけど、あれと同じじゃないかな?基本、昔ながらのレンチキュラーレンズを画面に貼り付ける方法。東芝のやつ、思っていたよりけっこう立体に見れたよ

かさい: へぇ、縦縞っぽいレンズですか。でもそれだと、2Dの映像は、かえって見にくくないの?

まきお: 映像ソースの切り替えまでやってないからそこはわからんが。理屈では、解像度上げていけば精度が出るんだろうけど、でもあまり大きな画面は無理なんだよね、あの方式は


かさい: 各社裸眼3Dの製品作ってるみたいだけど、あれはまた別の方式なのかな?
< http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1101/10/news006.html
>

まきお: SONYのは56インチで裸眼立体視? どういう方式なんかね? でもさぁ、正月TVで、ダンプ松本がダイエットに挑戦するってバラエティをやってたんだけど、これは3Dでは見たくないなぁとつくづく思った(^_^;)

かさい: ダンプ松本! 久しぶりに聞いた名前だな(^_^; そもそも3Dで見たいようなコンテンツってのが、あんまりないんだよな。まつむらさん、なんかある?


まきお: 海外の紀行モノなんかは見たい〜。NHKでやってる「世界ふれあい街歩き」ってのが、ずーっと一人称視点での撮影(ガイド役の人が出てこない)で人気もあるんだけど、ああいうのは立体視すると臨場感あって楽しそうだ。
    < http://www.nhk.or.jp/sekaimachi/
>

かさい: なるほど、観たことないものや景色を伝えるような番組だと、立体視する価値はあるな

まきお: 建築とか、彫刻とかね〜 カサイさんはなんかある?


かさい: 海の生物とか紹介するような、科学物は立体視してみたいかも。こう考えると、3DテレビのCMで使ってる様は、スポーツの映像とか、ちょっと的はずれなんじゃないかと思えてくるなぁ

まきお: ああ、スポーツね、どうなんやろね。わたしら、絵描く人間は2次元の情報から空間情報を読み解く訓練ができてるからいらんわーって思うけど、絵のトレーニングしてない人にはまた見え方が違うのかもしれん

かさい: そうなんかな。ま、今年は3D云々の話が増えてはくるとおもうんだけど、ハード主導に見えて若干心配な感はあるな


まきお: コンテンツ次第やな。ラグビーとかフットボールとかボクシングのヘッドギアに3Dカメラつけて3D中継したら人気は出そう。酔うけど(笑)そうそう年末にTRON見に行ったのよ。IMAX。

かさい: あー、ちゃんと3Dでみようと

まきお: さすがIMAXは他の方式より明るいので見やすかった。でもアトラクションとしては楽しいけど、映画が面白くなるわけではないわなぁ

かさい: まぁ、そりゃそうだ。映像の面白さだけで言うなら、こんなのがええかもしれん。
    < http://japanese.engadget.com/2010/12/31/steadycam/
>


まきお: ああ、これね(笑)

かさい: ニワトリステディカムw ハトでもいけそうだけどw

まきお: ニワトリはともかく(笑)カメラが小さく、ワイヤレスになるとまたコンテンツは確実に変わってくるはずで、ネコでもいいし、犬でもええ(笑)

かさい: 犬の首輪に付けるリモートカメラは、すでに市販されてるらしいけど猫用も欲しいな。外猫が、どこに行ってどんなもの見てるのか興味あるw


まきお: しかし、メディアはあんまりリアルになりすぎない方がいいと思うんだけどねぇ

かさい: ほう、その心は? ちなみに、血は見たくないです、オレは

まきお: 血はイヤやね(^_^;) いや、メディアがリアルになりすぎると、人間の読解能力やら想像力が下がってきて、結果として、あまり面白いモノが登場しなくなってくる気がする。脳内の妄想力が下がりそう。

かさい: あー、そういう。んー、妄想力かあ。小説読めばいいと思うけどなー

まきお: 読まなくなるってことですよ(^_^; 読む人は読むんだけどね


かさい: 結局、金銭のパイじゃなくて、時間のパイをどう分け合うかってことよね。考えるのめんどくさいって人も増えてきてる気もするんだけど

まきお: うん、それが心配>考えるのが面倒。あと日本人ってもともと、省略&誇張表現が好きでしょう? マンガにしろ、演劇にしろ

かさい: デフォルメってことかしらん?>省略&誇張

まきお: そうね。言葉でも感覚的というか、リアルに表現せずにニュアンスだけを表現したり。そういった民族性と、3D的なものって、あまり相性がよくないような気がする。乏しい情報を脳内発酵させるのが日本人は好きなんじゃないかなぁと


かさい: 歌舞伎とか日本画とか、そういうことですよね。一度リアルなものを表現者が咀嚼して、自分の中で消化したものを出していくというか。そのまま引き写したものにはあまり価値を見出さない

まきお: そそそ。最近のマンガって、背景がやたら細かくなっててさぁ、それで面白くなってるかってーとそうでもない。これも読者の読解能力が下がってきているから詳細に描かなくちゃいけないってことかなぁと。その分、省略のおもしろさとかが失われてきてるような。

かさい: デジタルで処理するとなると、写真とかからリアルな線画が作れたりかえってリアルに寄ったもののほうが作りやすかったりもするからねえ。作り手の方にも「一旦咀嚼する」のをサボってるという事はあると思う(^_^;


まきお: ニンテンドー3DSが子どもに有害「かもしれん」って話があるが

かさい: ほほお?

まきお: あ、しらない? ペアレント制限機能が付くそうだ。これはあくまでも視力って意味だそうだけど、認識力とかって意味でもあまり子どもにはリアルなバーチャルモノを与えるのはどうかと思うな。年に一度のディズニーランド程度ならいいけど、日常的にホンモノかバーチャルか境目がなくなりすぎるのもコワイ気がする

かさい: そうかもねえ。でもまあ、世の中に出ちゃったものを与えない、ってのは難しいわな


まきお: 難しいかねぇ。難しい面もあるわな。でも企業側は売れりゃあええってのが基本スタンスで、それが社会的に与える影響ってのはあまり考えてないからなー。今後は消費者ももっと賢くならんといかん気がする。でまぁ、今年は地デジ元年、多分電子書籍も普及元年、電子化、ネット化は止まらないんですが、便利、合理化された分をどう使うかが問われる時代と言えるのではないかと!

かさい: 消費者側が、選択肢の広がった分だけよーく考えろってことですね。やれることが多くなっただけ、いろんなコトをやれるほど、人間って器用じゃないですから


まきお: バーチャルで浮いたお金、時間を、ちゃんとホンモノに費やすバランスが必要だろうってことですわ。旅行でもスポーツでも演劇でもええんですが。そうせんと経済まわらんぞ(^_^;)

かさい: てことで、今年もテニスしたり、自転車乗ったり、北陸へ旨い物ツアーに行ったり、阿波踊りに行ったり、バーベキューしたりしようと思いますーw


【笠居 トシヒロ/WEBデザイナー、デジハリ大学院客員教授、京都嵯峨芸術大学講師】
年末から、首のコリが取れなくて辛いんですよねー。病院にも行ったんですが、まだ良くならなくって。。。やっぱ年末年始、運動しないでダラダラしてたのがあかんのかなー。
< http://www.mad-c.com/
> < kasai@mad-c.com >

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
大学の卒業制作展が17日〜23日、京都市立美術館で開催。うちのゼミ(マンガ、絵本、アニメなど)もみな修羅場の真っ最中。がんばれ〜っ!
< http://www.seian.ac.jp/topics/1012101505.html
>
< http://www.makion.net/
> < mailto:makio@makion.net >