[2990] MacBook Airの駆動時間を延長せよ!

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《理由なんて作ればいいじゃん!》

■わが逃走[79]
 冬の尾道の巻
 齋藤 浩

■?×?×CrossOver Talk[16]
 MacBook Airの駆動時間を延長せよ!
 ──MacBook Air用外部バッテリーを導入
 杏珠

■エンドユーザー大変記[02]
 Xperia大変記(後篇)・Android2.1アップデート篇
 ジョニー・タカ



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■わが逃走[79]
冬の尾道の巻

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20110120140300.html
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前にも何度か尾道の話を書いたが、また書くことにする。

私は自分の生まれた場所や育ったところにはこれといって執着がない。そのかわり、なのかどうなのか...、この広島県尾道市というところには並々ならぬ思い入れがあるのだ。

あえて恥ずかしい言葉で表現するのであれば、心のふるさととでも申しましょうか。この町には「オレの好きな曲がり角」や「オレの好きな電柱」、そして「オレの好きな階段」がたくさんあるのだ。

しかもどれもが飾らずに美しく、ここに住む人たちの暮らしと密接な関係にある。同じ坂道でも、朝と夕方ではまるで表情が違う。同じ路地でも、行きと帰りとでは別の場所のような錯覚を覚える。あくまでも普通の暮らしの中での風景がこんなにも絵になってしまう町を、私は他に知らない。

住みたいと思わなくもないけど、住む資格はまだない。なので、足しげく通って尾道の素晴らしさを少しでも多くの人に知ってもらおうと思う今日この頃なのだ。この『足しげく通うこと』を、私は里帰りと呼称する。

年に何度か里帰りをしたいのだが、「ただなんとなく」では周囲が納得してくれるはずもない。正当な理由もなくふらりといなくなることは、家族やスタッフからの信用に傷がつく。まあすでに傷はけっこうある訳だが、これ以上増やしたくない。さて、どうしたものか...。
で、思いついたのが、「理由なんて作ればいいじゃん!」。
という訳で、いままで撮った尾道の写真をまとめて個展を開催します。場所及び日時未定。で、その写真を使って観光ポスターを作りませんか? と尾道にプレゼンに行き、めでたく採用されたとして、で、それがADC賞かなんかとっちゃったら最高ー! と妄想は膨らむ。

つまり、『個展及び自主プレのための撮影』ってことだ。あ、なんかちゃんとした理由っぽいじゃん。

と安心な僕らは旅に出ようぜとばかり1月某日朝、のぞみ17号にて尾道へと向かったのであった。途中雪のため10分遅れて福山に到着。在来線に乗り換えたら進行方向左側の窓際を確保する。東尾道駅を出て造船所のクレーンが見えてくると、もはや身も心も帰郷モードだ。

大きなカーブに沿って遠くに見えていたクレーンが徐々に近づいてくる。進水式前の巨大な貨物船の横をかすめ、煉瓦造りの変電所を抜けたところで海!という絶妙な演出。まるで映画だ。尾道大橋を越え、瓦屋根の家並みが見えてくると列車はゆっくりと減速し、尾道駅へ到着する。8ヶ月ぶりだ。懐かしいなあ。

荷物をホテルに預け、身軽になったところで尾道ラーメンを食す。あったまったところで撮影開始だ。今回の撮影で自分に課した条件は、『ツァイスで撮ってフィルムに残す』だ。

2年前のカールツァイスレンズとの衝撃的な出会い以来、重度のツァイス患者となってしまった私だが、実はまだ一度もツァイスレンズを通して尾道を記録していない。また、レンジファインダーカメラでのフィルム撮影もしていない。最近やっと納得のいく、フィルムとスキャニングとPC上での現像処理の流れが見えてきたので、この度晴れて趣味全開モードでの撮影がかなった訳です。

この日のカメラはツァイス イコン。ライカMマウント互換のZMマウントを採用した究極の趣味カメラだ。レンズは21mmと35mm、50mm。天気は曇り...というか、この白くてふわふわした粉はひょとして雪ですか?? 寒さは熱い郷土愛でなんとかなる! 天気もきっと晴れてくるはずだ! そんなことを思いつつ、坂と階段の路地が待つ山の手へと向かったのだった。

階段
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig01 >

ここは何度も撮影してるんだけど、今回もやはり撮ってしまった。美しく、歩きがいのある良い階段だ。ツァイスで撮ると立体感がより強調され、石段を踏んだときの感触や、死角になってる塀の向こう側も見えてしまうような気がする私はやはり重度のツァイス病か。

さらに路地の向こうにも階段。
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig02 >

とにかく一歩進むごとに景色が変わる。しかもドラマチックに。以前彫刻の先生に「立体物は4方向から見たうち、少なくとも3方向から見て面白くなければいかん」と言われたことがあったが、ここ尾道は人が入り込めるサイズの巨大な彫刻なのではないかと思わせるほどの"無作為の美"がそこにある。

ネコのある風景
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig03 >

尾道の猫は旨い魚を食ってよく運動しているから健康的だ。しかしこれは一輪車の方のネコである。さりげなく立てかけてあるだけなのに、なんとも風流に感じるのは郷土愛故か。これで陽がさしてきたら、グレイのバックと鮮やかな青とのコントラストが明快になり、また違った表情を見せてくれるに違いない。

塀と屋根
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig04 >

ここ尾道では急坂に貼り付くようにして家が建ち並んでいるため、一階の高さに隣の家の屋根がある。決して作為では生まれ得ないこの面構成! もはや芸術の域である。

塀と消火器の箱
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig05 >

この壁だって、わざとこんな色彩に仕上げたわけでは決してないのに、こうして切り取るとリズミカルな抽象画になってしまう。経年芸術とでも言おうか。剥がれ落ちたであろう「消火器」のラベルのあった部分だけが彩度が高いが、そこがまた絶妙なアクセントとなっている。

墓石地平線
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig06 >

青空が出てきた。ふと振り返ると瓦屋根の向こうはお墓である。尾道のいいところは家と寺と墓地が隣り合っている点。こうしていても、おじいちゃんやおばあちゃんが見守ってくれているような気がする。死をタブーとして見えなくする傾向は、死への恐怖を助長する。日常と死が共存しているここ尾道では、お墓はぜんぜんコワくないのだ。


< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig07 >

塀と屋根が直線的に交わって突き放した構成になると思うと、有機的なドロバチの巣(?)が抑えに入る。こういうことに気づけるような、ゆったりした日常がいい。


< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig08 >

松の内も過ぎようとしているのに、蝉の抜け殻が! 生と死とか、時間の流れとか、いろいろと考えてしまう。さすが時をかける町、尾道。

細道
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig09 >

一見して道とは気づかない道が、尾道にはたくさんある。とりあえず行ってみると、意外な景色に繋がったりする。当然すれ違いなんかできないから、向こうから人が来た場合、どちらかが戻って道をゆずることになる。こういったちょっとしたコミュニケーションが旅の思い出として心に残るのだ。

紅白
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig10 >

細道を行くと階段があり、上っていくと学問の神様が。お正月仕様の紅白の幕がことのほか鮮やかだった。

階段
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig11 >

実はここ、あの有名日本映画の名シーンの撮影地なのだ。あの男女が入れ替わってしまった階段も、視点を変えるとこうなる。

眺め
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/01/20/images/fig12 >

神社からの眺望。以前ほどではないとはいえ、まだまだ瓦屋根の街並といえよう。遠くに山陽本線、その先が海。旅はまだ始まったばかりだ。

などと12点も写真を紹介してしまった。撮影はまだまだ続くので、この話もまだまだ続く。文句が来ない限り、しばらくは尾道ネタで引っ張るかもしれないが、ここはひとつ、好きなことを書かせていだだくことにする。
それではみなさん、次回またお会いしましょう。

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/
>

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

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■?×?×CrossOver Talk[16]
MacBook Airの駆動時間を延長せよ!
──MacBook Air用外部バッテリーを導入

杏珠
< https://bn.dgcr.com/archives/20110120140200.html
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デジクリ読者の皆さん、こんにちは。studio H.M代表のディレクター/デザイナーの杏珠(あんじゅ)です。正月も終わり、そろそろ本格的に仕事が始まってきたころかと思いますが、皆様、いかがお過ごしですか? 私は年明け早々に風邪をひいて寝込んでいましたが、ベットの中から、iPhoneだけでブログ更新にトライとか、ガジェットマニア全開なことをやっていました(笑)

そんなガジェットマニアな私は、懲りずに新しいアイテムを購入しました。先月のコラムにてMacBook Airを購入した経緯をお話しましたが、そのMacBook Airをより快適に過ごすべく、海外製の外部バッテリー「HyperMac」という製品を購入してみました。なぜ外部バッテリーを購入したのか? なぜ海外製のバッテリーを選択したのか? どうやって購入したのか? MacBook Airの駆動時間を解消したい方にとって、ひとつの解決方法になればうれしい限りです。

●なぜ、外部バッテリーを購入したのか?

MacBook Airを購入して2か月が経ちました。本当に良くできたマシンで、よほどのことがない限り、事務所内でも外出先でも、どこにでも持って行くほどで、すでに生活の一部として欠かせないアイテムになっています。年末年始には、メインマシンのMacBook Proはほとんど起動せず、MacBook Airばかり使っていました。

そんな感じで使用していると、事務所や自宅で作業をしているときは気になりませんが、外出先で気になるのが「バッテリー」問題です。その問題とは「自分では交換できない」ということです。MacBook Airだけでなく、最近のアップル製品全般で言えることですが、自分の手ではバッテリーの交換ができない仕様になっています。ノート型のWindowsマシンなどは、バッテリーの着脱ができたり、変換コネクタなどを使用して汎用型のバッテリーを使うことができますが、MacBookなどノート型のMacに関してはそれができません。

・バッテリーが内蔵型で、分解しないとバッテリーが取り出せない
・接続ケーブルが特殊で、市販の汎用型バッテリーが接続できない

MacBook Airなどは内蔵バッテリーの容量=駆動時間となります。実際に11インチのMacBook Airの場合、私が仕事する環境では約3時間しか使用できません。使い方によっては、駆動時間がそれ以下になります。そうなると長時間の外出が予定されているときは、やはりバッテリー容量に不安が出てきます。「予備バッテリーを使うことができないか?」といろいろ調べたところ、海外製のバッテリーでMacBook Airでもどうやら使えるものがありました。それが今回紹介する「HyperMac」(今はHyperJuiceという名前になっていました)でした。

●Apple純正でなく、ある海外メーカーからの直販という壁

この「HyperMac」というバッテリーは、Sanho Corporationというアメリカのメーカーが販売しています。Appleの純正商品ではないので、何かあったときには、もちろんAppleからの保証は受けられません。しかも、メーカーのオンラインサイトから直接購入するしか方法がなく、英語がわからない自分にとってはかなりハードルの高い買い物でした。

HyperMac External Battery for Apple MacBook, iPad, iPhone, iPod, USB Devices
< http://www.hypershop.com/HyperMac-External-Battery-for-MacBook-iPad-iPhone-USB-s/91.htm
>

●他力本願と度胸で購入に踏み切る

そんな悶々とした日が続き、ある日、とある友人がこのバッテリーを購入していることを知りました。実物を見て、実際の使用体験談を聞いて「うわ! これ欲しい!」と心からそう思いました。さっそくネットで調べてみると、結構購入されている方も多く、悪いうわさもたっていないようなので購入を決意しました。

問題は「英語」です。アメリカのメーカーなので、オンラインでの注文の際には、もちろん英語がわからないと注文の手順も分からず、不必要なものを注文していたりしたらどうしようと思っていました。バッテリーを購入していた友人は英語を話せる人だったので、思い切り他力本願で「英語がさっぱりわからんので、一緒に購入サイトを見てもらってもいい?」と頼み込んで、注文につきあってもらいました。本当に助かりました......はい。

ノマドの環境を完ぺきにする Macの外部バッテリーHyperMac|Last Day.jp
< http://www.lastday.jp/2010/12/23/hyper-mac
>

●製品が届くまでの不安

その友人からは「海外からの商品購入の場合、到着までのやりとりがかなりルーズな感じで、配送期間も結構かかると思いますよ」と言われていたので、無事に届くのか? 製品を粗悪に扱われていないか? といろいろ心配していました。実際はそんなこともなく、問題らしい問題は何一つなく、約一週間で無事に荷物が届きました。輸送会社にFedexを指定したのですが、日本の宅配便と同じように、荷物の追跡情報も普通にWeb上で分かりましたし「あ、いまサンバレーを通過したんだ」とか、いつのまにか家にホームステイに来る海外留学生を待っているかのような気持ちになっていました(笑)

●製品が無事に届き、モバイル生活が快適に!

バッテリーが海外から無事に届き、さっそく充電して使ってみました。使用する際に必要なものがないかと前もって調べていたところ、以前の製品は付属のケーブルで電源を供給できたようですが、今の製品は「Airline 電源アダプタ」というアップル純正の電源アダプタが必要になります。そのAirline電源アダプタと、バッテリーに付属したケーブルを経由して使う仕組みになっています。

購入したHyperMacがどのぐらい持つかを、実際に計測してみました。内蔵バッテリーで使うのと同じ条件で調べたところ、使用時間は約4時間ほどでした。本体内蔵バッテリーの1.3倍程度まで使えることになります。もし、この容量で足りないと思う方は、容量が大きいタイプもあるので、これを基準に考えてみてもいいかと思います。ちなみにこの「HyperMac」ですが、本体内蔵バッテリーに電源供給しての充電はできなくて、あくまでも「HyperMac」からの電源供給のみになります。

Apple MagSafe Airline 電源アダプタ - Apple Store(Japan)
< http://store.apple.com/jp/product/MB441Z/A
>

●USB接続した機器に対して同時に電源供給が可能

実はこの「HyperMac」、MacBook Airだけでなく、MacBook Proにも使えます。MagSafe形式のACであれば、どのMacBookでも使えると思うので、もしイベントなどで、誰かが電源を急遽必要になった場合でも、電源のおすそわけができます。それと、USBでの電源供給も同時に可能なので、モバイルルーターやiPhone、PSPなど、周辺機器やモバイル機器の電源が必要なときにも重宝です。

●HyperMac導入のリスクヘッジ

今回、このHyperMacを購入するにあたって、アップル純正の製品ではないので、使用の際に何か不具合があってもメーカー保証外になります。「何かがあったら壊れるかもしれない。怖いからやらない」と思えば、このバッテリー問題の解決にはなりませんでした。もちろん、どんなことをチャレンジするにしても、リスクヘッジの対策を立てることも大事だと思います。ですが、それが行き過ぎてチャレンジしなくなることのほうが、自分にとってはとても怖いことだと思いました。チャレンジすることを第一に考え、その中でできるリスクヘッジを万全に整え、チャレンジすることをしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに今回のリスクヘッジとしては...
・他のマシンでもすぐに作業ができるように、データをバックアップしておく。
・最悪、別マシン(MacBook Air)でも作業できるようにセッティングする。
・Macを時間借りで使える出力屋さんなどをチェックしておく。
・メーカー保証外の修理を受け付けてくれる場所をチェックしておく。
といったところです。

Macを時間借りで利用できるサービス
FedEx Kinko's Japan フェデックス キンコーズ・ジャパン
< http://www.kinkos.co.jp/
>

練馬周辺の修理を受け付けてくれるお店「ALab」
Mac屋のつぶやき
< http://alab.tblog.jp/?pid=221
>

リスクヘッジなしでチャレンジして、なにか不具合が起こったときに作業がまったくできなくなるということは、クライアントにも迷惑をかけることになりますので...その辺は万全を期してトライしてみてください。

いかがでしたか? 外出している最中に、バッテリーのことを気にしなくてもいいという環境は、本当に快適そのものです。ノマドワークをされる方にとって、このHyperMacは夢のような商品なので、バッテリー問題を解決したいと思っている方は、ぜひ導入のご検討をしてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、HyperMacを購入したいという方は、当ブログにて実際にどうやって購入するかというキャプチャ付きレポートと、実際に使っている状態の商品写真と合わせてレポートしていますので、そちらも合わせてご参照ください。

Design × Lifehack × CrossOver Lab
【ガジェット】MacBook Airの外部バッテリーとして使える「HyperMac」を購入してみました 〜まずは購入手順編から〜
< http://happy-montblanc.com/blog/?p=1958
>

Design × Lifehack × CrossOver Lab
【ガジェット】MacBook Airの外部バッテリーとして使える「HyperMac」を購入してみました 〜駆動時間計測と使用感〜
< http://happy-montblanc.com/blog/?p=1978
>

次回は、MacBook Airのフラッシュストレージ体感をMacBook Proでも体感したいと思ったので、DVDドライブを取り外し、MacBook ProにSSD+HDDという2つのストレージを組み合わせる改造を行いたいと思います。どんどんマニアックになっていく仕事環境のレポート、ご期待ください(笑)

【あんじゅ】ask@happy-montblanc.com
東京都八王子市出身。デザイン事務所「studio H.M」代表。エディトリアルを中心にデザイン業を営んでます。

Design × Lifehack × CrossOver Lab:< http://happy-montblanc.com/blog/
>
studio H.M作品集:< http://happy-montblanc.com/portfolio/
>
Twitter:< http://twitter.com/powerangix
>
Facebook:< http://www.facebook.com/powerangix
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■エンドユーザー大変記[02]
Xperia大変記(後篇)・Android2.1アップデート篇

ジョニー・タカ
< https://bn.dgcr.com/archives/20110120140100.html
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都内から横浜の自宅に帰ってくるまで、電車の中でXperia(Android1.6)の流儀に慣れておく。そして自宅に帰り、Android2.1にアップデートしようと思い、ドコモから貰った手順書を熟読するも、XperiaとPCでの操作が分離している記述になっており、非常にややこしい。一体した手順を載せればいいと思う。

そんなややこしい手順書を読みながらアップデートを試みるが、XperiaとPCを接続すると、一つのデバイスとして認識されるため、他のアプリケーションが自動的に起動してしまう。これをPC上で禁止動作に設定し直して再度接続しても、やはり他のアプリケーションが起動してしまう。

XperiaのAndroidヴァージョンをアップデートする場合、すべて自己責任となるので、アップデート失敗で起動出来ない場合には自己負担修理になってしまう。なので慎重にアップデートしなければならない。

そんな中、突然家のブレーカーが落ちてしまった。アップデート中だったら...と思うとかなり焦った。そこで、翌日ドコモショップに出向き、ショップにあるアップデート専用PCでアップデートすることにした(全てセルフサーヴィス)。Xperia側の電源の切り方もまだ分かっていなかったので、本当に電源が切れている状態なのか分からず、かなり冷や汗が流れたが、アップデートはうまくいった。ショップ内で基本設定やGmailのアカウントを取得したり、spモードの設定等を行ったりしてやっと使える状態になった。

帰宅してから、取扱説明書と首っ引きでXperiaを使いこなそうと思ったが、説明書の文言が一致しない。原因が判明。この説明書はXperia1.6上での説明書だったのだ! つまり、Xperia2.1では一部を除いて全く通じないことになる。盲点だった...。

ある程度のことがこなせたら、Androidマーケットでアプリを買う練習も含めて、快適になるアプリを探してインストールする。現在インストールしている主要アプリはこちら。

・ATOKトライアル(ジャストシステムが開発したAndroid用IME)
・TkMixiViewer(mixi touchのタグ情報を読み取って閲覧やコメントを投稿できるビューワー)
・twicca(ツイッタークライアントアプリ。日本語に特化されている)
・K-9 Mail(メールソフト。引用つき返信が出来る)
・NicoRo α版(FLASH非対応端末でもニコニコ動画を見ることが出来る)
・電卓少女(電卓アプリ。数字や符号を喋ってくれる。有料で振袖、私服に着替えることも可能)

以下は感想と問題点になる。

自由度はかなり高い。アプリ次第でかなり使いやすくなる。もっとも、アプリのダウンロードをワイヤレスで出来るのは非常に大きい。iPhoneならiTunes Storeに接続する必要があるため、そこでのワイヤードとワイヤレスの差はかなり大きい。そしてiTunes Storeでは、PCのスペックによってiTunesのパフォーマンスがかなり異なってくるので、そのストレスもないというのは大きい。

●問題点

1)回線のスピードによってOSが引っ張られること。Wi-Fi環境とFOMA(3G)回線ではOSの動作環境がかなり異なってくる。公衆無線LANが拡充すれば、ある程度はストレスフリーにはなるが...。

2)Androidマーケットでの決済が、当面はクレジットカードしか出来ない。キャリア毎での決済はキャリアがアプリを囲い込んでいる状況なので、自由度が低くなる。webマネーや電子マネーでの決済拡大を望みたい。

3)ドコモの対応がかなり後手後手。スマートフォンに切り替えたら従来の電話窓口が使えず、「ドコモ・スマートフォンケア」になる。その電話はとにかく繋がらない。繋がっても1時間待ちは当たり前。前述したアップデート対応も不十分。今は黎明期だからかもしれないが、売るなら態勢を整えてから売って欲しい。今のままでは"売りっぱなし"だ。

でも、ガラパゴスフォンを使って14年経ち、スマートフォンにしたら新しい世界が拡がってきた。懐は痛いが、これは糧になるものと信じている。

【ジョニー・タカ】johnnytaka@hotmail.com
1976年横浜・関内で生まれ、上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを踊るフリーランサー。
・置き場ブログ:< http://pub.ne.jp/cafe_de_johnny/
>
1998年から展開している"コンピレーション"の置き場です。興味ありましたらご覧下さい。
・ツイッター:< http://twitter.com/johnnytaka/
>
時々ツイートしてます。

電源ユニットを見立ててもらいました。先のことを考え、新しく自作する時の余裕を込めました。でも、今はお金がないのでまだ買えません。これはネットカフェで原稿を書いてますが、6回通う分で買えてしまいます。35歳としては雇用状況の風当たりが強く、先が見出せません。体調の問題もあるので、折り合いを付けられたらいいな、と思います。

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■編集後記(1/20)

・稀勢の里、白鵬に連勝。日本人力士の希望の星がまたやってくれた。昨日は第三のビール(「麦とホップ」から浮気して「本格〈辛口麦〉」)と、日本盛の大吟醸で勝手に祝杯した。大関に最も近いと言われ続けて何年経つのか、稀勢の里。今場所こそと期待を込めてテレビ桟敷に臨むが、いつも裏切られて来た。でも、先場所白鵬に勝ってから少し変わったような気がする。今場所の幕内力士を国別に見ると、日本23、モンゴル12、グルジア3、エストニア・ブルガリア・中国・ロシア各1である。日本を代表する競技に外国人が多く存在することを結構なことかといえば、正直ちょっと苦々しい。外国人力士が上位で活躍するのを快いかと聞かれれば、否である。おもしろいからいいってもんじゃない。国籍条項を設けていなかったから、今日のような珍妙な国際的分布になってしまった大相撲だ。外国人の入門制限は絶対に必要で、さらに強化されるべきだと思う。閉鎖的といわれようが、それが日本の大相撲だ。現状では、まことに歯痒いが、日本人力士の奮起を望むしかない。あと5場所ある。頼むから、2011年中に大関になってくれ、稀勢の里。(柴田)

・齋藤さんの写真が良すぎる。実物以上だと思う。/同じくMacBook Proユーザー。MacBook Air欲しいのに、MacBook Proを起動していないと聞くと物欲が...。稼働するものはあるわけで後回しになる。/Android機も欲しい。これは触る時間を持てるようになってから、最新機種を買うか。うーん。/いやいや、ずっと買う買う言っていた、電子辞書を先に買うんだぁ。狙っているのはカシオのXD-B10000。明日発売。ボディ色がネイビーなのが気に入らないが、カバーをつければどうにかなるか。去年は欲しいと思いつつiPad買っちゃったし、今年こそ。収録コンテンツの漢字検定問題。どうして一級、準一級がないんだろ。二級はもってるから交換できないものか。収録コンテンツ数は多い分、だぶるものもあるよね。オンライン辞書やらiPhone、iPadとあるけど、つい聞いてしまうのがgoogle先生。電子書籍は辞書数が多くて省スペースになるし、あいまいな情報が結果に並ぶよりいいかもと思っている(受け売り)。ま、実物見てからだな。/Nintendo 3DS、本日予約開始。/甥二号の幼稚園に、タイガーマスクからの贈り物があったらしい。家族に起こった出来事だと、ニュースも身近になるなぁ。私の母である、ばあばの買ったランドセル(甥二号が選んだもの。買ったのは日曜日)を使うと言ってくれたそうだ。(hammer.mule)
< http://casio.jp/exword/products/XD-B10000/
>
エクスワードXD-B10000。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004IWXED6/dgcrcom-22/
>
→アマゾンが安い
< http://www.sii.co.jp/cp/products/english/srg10001
>
PASORAMAも気になるけど、マックだからなぁ