買物王子の家づくり[02]物件を見るたび気持ちがアセる/石原 強

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一戸建てにすると決めたので、とにかく物件があるのか見てみたい。そんな話をしたら、友人から近所の不動産屋さんを紹介してもらった。早速、お店に出向いて、検討しているエリア、欲しい間取り、おおよその予算などを相談しました。条件にあう物件を探してみるということで、その日は終了。後日、連絡をもらって、候補の物件を見に行くことになりました。



●家を見てみなければ始まらない

最初に見に行った物件は、最寄りの初台駅の隣、幡ヶ谷駅から10分くらいの場所。駅前から長い商店街を歩いて、ちょうどお店が途切れて住宅街に入ったあたりです。すぐ近くに公園もあって、息子を遊ばせることもできそうだ。コンビニも近いから便利。周辺環境はまずまずです。

家は東向きの3階建て。1階に寝室と、バス・洗面の水回り、2階は対面型のキッチンとリビング、3階に2部屋がある3LDKの間取り。といっても建築中で、完成は2ヶ月後。まだ屋根と柱が建っているだけの骨組み状態です。図面と照らし合わせてみるものの、いまいちピンとこない。

次も、すぐ近くに建てている同じような間取りの家。こちらは完成間近で、中に入って見られます。玄関が窮屈なのと、階段が狭いのが気になるけど、そもそも土地が狭いし仕方ないのかな。さっきの家との違いは屋上があること。ちょっと憧れていたんだ屋上。上がると眺めがよくて気持ちいい。

このあたりは人気エリアだから、どちらもすぐに売れちゃうよ。どちらかというなら、特に先の物件は完成前に売れちゃうかもしれない。と不動産屋さんは言う。といっても図面だけだし、本当に良いのかわからない。それに最も高い買い物なんだから、もっといろいろ見ないと決められそうにない。

後日、先の家が完成してオープンハウスをやっていると連絡が来た。少なくとも建築中には決まらなかったということ。でも良く聞いてみると、申し込みはあったけど、ローンが通らずにキャンセルになったらしい。

今度は、家族4人で見に行くことにした。出来上がってみると印象もまったく違います。3階の2部屋にはロフトがついている。カケルは、ロフトに架かったハシゴをなんども上ったり下りたり楽しそうだ。ちょっとした隠れ家みたいで、子供部屋にしたらカケルもワタルも喜ぶに違いない。

価格も少し下がったので、僕は悪くないかなと思ったけど、妻は、階段が狭くて暗い、トイレも掃除が面倒だから2つもいらない、と言う。しかも「なんか嫌な感じがする」と言い出す始末。

おいおい、僕には見えないなにかがいるのか? 南側の細い道が昔川だったみたいで、今は暗渠として道路になっていると説明したら、きっとそのせいだということになった。家の下を川が流れているのは風水的にも良くないんだからと、その後は「暗渠」がタブーになったのでした。

●だったら別の物件も見てみよう。

そこにいた営業マンに、家を検討していることを伝えると、この近所でほかにも物件があると言う。いくつか見せてもらった中から2件ほどピックアップすると、すぐに案内するので見に行きましょうということになった。

クルマに乗って連れて行かれたのは、草が生えてるだけの更地。家は影も形もない。これから建てるから自由にできますよ。と、その場で参考の間取りのプランを見せられた。なんだか猫がたくさん集まっていると思ったら、横は魚屋さん。魚の匂いに誘われて集まっているのだろう。妻曰く、ゴキブリがたくさん出そうだから絶対に嫌。

気を取り直してもう一件、こちらは、なんと古い大きな家が建っている。まだ未公開の物件なのだそうだ。これから家を壊して更地になるまでに1ヶ月以上かかるらしい。それでも、4区画に分割した中で2区画は既に売れてしまっているというからスゴイ。売られる土地がどのあたりなのかすら、はっきりわからない。

図面上は13坪の角地。2方の片側の道路は暗渠。クルマは入れないので、公園っぽいベンチが置いてある。たまたまかもしれないけど、浮浪者が座っていて、なんだか殺伐とした雰囲気。しかも道路を隔てて高いマンションが建っているせいもあり、なんだか暗い感じがする。妻の印象は一戸建てで大丈夫なの? 暗くて寒いんじゃない? という懸念が払拭できず、やっぱりマンションの方が...というスタートでした。

●自分の足をつかって探す

今まで電柱に張ってあるチラシなんて、自分には関係ないと気に留めたことがなかった。しかし、新築物件のチラシがあると手に取ってみるようになった。それが思ったよりもたくさんあるのだ。もしかしたら掘り出しものがあるのではなかろうかと、気になってしまいます。詳細は示されず、担当者の連絡先が書いてあるというパターンです。

本町6丁目の物件は、チラシの粗い地図をたよりに、iPhoneのマップで近くまで来ているはずなのだけど、なかなか見つからない。同じ道を何度か行き来したら、細い曲がり角を見落としていたことが判明。

道を入ると坂があって、その途中にアパートが建っており、3区画に分割して販売されるらしい。前面の道路も狭くて、クルマも入れそうにない。周囲の建物が密集しているのがいまいちだし、駅からもちょっと遠いので、そのままスルーしました。

電話番号しか書いていないものは、ちょっと胡散臭いと思い避けていました。しかし、住所が「西新宿」と書いてあるのがどうしても気になったので、思い切って電話をしてみました。女性の受付対応は事務的ですが、思いのほかきちんとしていました。希望の時間を伝えると、営業マンから連絡があり、最寄り西新宿五丁目の駅前で待ち合わせすることになりました。

行ってみると、ちょうどカケルの保育園友達が住んでいる近所。大きなお屋敷があってまだ住人がいるようです。だからまだ情報が出せないので、チラシで近所の人だけに知らせているとのこと。敷地は3分割する予定だという、しかし、前面の道路も狭いし、土地が狭い割に価格も高いのでこれはちょっとないだろうなあという印象。

●中古物件も見てみる

リフォームすればいいのではないかと、中古も探してみた。なんてったって、価格が安いのは魅力です。その家が気に入らないと言っても、大きくリフォームをして自分好みに変えてしまえばいい。

西新宿8丁目から徒歩3分の物件。駐車場はなく1階に2部屋+部屋として使っている納戸、2階にリビング、3階に2部屋という4LDK+sという物件。子供が3人で夫婦と親と同居の6人家族だから、部屋数が多いのはうなずける。内も外も築15年にしてはキズや汚れがあって、生活感が滲み出ています。ここならカケルの生まれた大学病院が近くにあって安心だなと思ったけれど、周りの雰囲気が好きになれず見送り。

恵比寿から10分くらいの場所、住所は渋谷区東。こんなところに住宅地があったんだ、というのがまず最初の印象。家は築30年の木造で、かなりぼろぼろ。元の住人は退職後にずっと一人暮らしをしていたおばあさん。最近病院で亡くなって、相続した息子が売りに出したのだそうです。2階建てで2LDKの間取りは、今住んでいるマンションとほぼ同じ。これでは引っ越しをする意味がない。いざ建て替えようにも、土地が11坪では、これ以上大きな家は建てられそうにもない。便利な場所なのが惜しいけど見送りです。

幡ヶ谷から駅5分の便利な場所にある物件。駐車場にはベンツが置いてある。外出中の住人は、どうやら芸能人らしい。1階に1部屋、2階リビング、3階2部屋の3LDK。豪邸なわけではないけど、一人暮らしと考えれば贅沢です。1階の部屋は洋服があふれているし、3階の部屋は楽器やらゴルフクラブやら趣味のものでいっぱいでした。名前を聞いたら、数年前に噂になった女優もここに泊まりにきたのかなどと、あらぬ妄想が膨らんできます。

家は、まあまあキレイでした。特にキッチンなんか使われた形跡もないので、帰って寝るだけだったのかもしれません。日当りも悪くない。でも、窓から見える風景はマンションばかりで気が滅入りそうです。

千駄ヶ谷に物件が出たとの連絡。築20年ですが、なんせ場所がいい。とりあえず住んで将来建て替えてもいい。見に行く約束をしたのに、前日になって断りの電話。訳を聞いたら「白アリ」が出ていたことが判明したとのこと。いつ傾くかわからない家は危ない。

ほかにもいくつか家をみてまわったけれど、どれもピンとこない。やっぱりエリアが狭すぎるのか? 贅沢を言い過ぎなのか? いくつ見に行ったとしても、希望が叶う家なんてないんじゃないか? と悩み焦り始めたのでした。

【いしはら・つよし】tsuyoshi@muddler.jp
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blogを、リニューアルしようと思って、久しぶりにMTにログインしようとしたら、管理画面に入れない、この際、WPに入れ替えてみようと考えていたから、すねていじわるしているのだろうか、、さて、どうしたものか。