アンビエントメディアの夜明け[15]人はなぜラジオを聞くのか?/川井拓也

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今日はラジオの話です。ラジオってアンビエントです。家の中、電車の中、お店の中、車の中などでなにかをしながら聞きます。でも、都心部は高層ビルも多くなり電波も入りにくくなりました。

ラジオは人生のある特定の時期に聞くことが多いメディアです。受験勉強しながらとか移動しながらとか、体はそこに束縛されているけど耳から外の情報を取り入れたいという時に聞くことが多いからです。

私はある時期ラジオをたくさん聞き、ある時期はiPodばかり聞き、ある時期はインターネットラジオばかり聞いていました。でも、最近またラジオを聞くという習慣が戻ってきました。なぜでしょう?



iPodは自分のライブラリーですから、いくらシャッフルの精度が高くなってもすべて知っている曲にすぎません。インターネットラジオは好きなジャンルの新しい曲と出会えますが、「ライブ」である臨場感に乏しいのです。

ラジオは自分の好みとは違う曲や世間話、リスナーの投稿などの不確定要素が主な構成要素となっているので、常にフレッシュであるのが特徴です。このラジオが最近Radikoになったり、AdobeのAirアプリ化したりとアンビエントな動きをしています。

これまで電波が物理的に入らなければいけなかったのが、ネットさえあれば、スマートフォンさえあれば、いつでもアクセスできる。Ustreamなどをはじめとした、楽曲管理でまだまだ自由とはいいがたいメディアと違い、新しい音楽とも出会えます。

しかし、何かをしながら聞けるというだけでは、アンビエントメディアとは言えません。ユーザーのカスタマイズされた状態に、インテリジェントにコンテンツを更新していってこそアンビエントメディアだからです。

私は、ラジオとポッドキャスト、UstreamやTwitterなどのストリームメディアが融合していくと、それが実現するのではないか? と思っています。

これからのメディアは、レイヤー構造を持つものになっていくと思います。それはラジオの上にTwitterのタイムラインが重なったり、自分のiPodの楽曲の上にラジオのニュースが重なったりするようになるからです。

これまでよく使われるクロスメディアという言葉が、単に複数メディアの使い分けだとすると、レイヤーメディアはテレビの副音声のように、あるメディアを立体的に見たり聞いたりするためのアノテーションになっていくでしょう。

今年はそんなレイヤー型のメディア開発を、ヒマナイヌは行っていこうと思っています。お楽しみに!

【川井拓也 / Takuya Kawai】
mail:kawai@himanainu.jp twitter @himanainu_kawai