[3014] 迷走する土地探し

投稿:  著者:  読了時間:26分(本文:約12,500文字)


《ひょっとしてそう感じてるのってオレだけ?》

■わが逃走[81]
 冬の尾道の巻 その2
 齋藤 浩

■買物王子の家づくり[04]
 迷走する土地探し
 石原 強

■エンドユーザー大変記[03]
 自作PCから見るPC世界
 ジョニー・タカ


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■わが逃走[81]
冬の尾道の巻 その2

齋藤 浩
< http://bn.dgcr.com/archives/20110224140300.html >
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こんにちは。尾道路地裏階段鑑賞協会会員の齋藤です(そんな会は実在しませんが)。前々回は大量の写真を紹介させていただき、どーもスミマセン。どなたからも賞賛もなければ抗議もなかったので、この調子でまた好き勝手書いちゃうことにします。

えー、1月のある日、どうにも尾道の写真が撮りたくなって1泊2日の旅に出てきまして、そのときの写真をお見せしつつ、坂と路地と階段と猫と潮風と旨い魚の町・尾道の魅力を語っていこうというのが今回の主旨でございます。それではさっそくはじめましょう。

1日目の天候は雪もちらつく曇りだったが、徐々に晴れ間も見えてきた。山の手の神社から見下ろす瓦屋根の街並の、コントラストがだんだん高くなってゆく。たき火と潮の香りに混じって、そろそろ夕飯の支度の音が聞こえてくる頃だったかな。タイル小路に迷い込んだのだった。

タイル小路
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/01.jpg >

この道は本当に不思議で、ここを目指して歩き回ってもいつも迷子になってしまう。あきらめてのんびり進むといつのまにかたどり着いているという、4次元的空間なのだ。

あの女子高生が時をかける映画でも、下駄をはいたトモヨちゃんがここで不思議な体験をしている。映画を地でゆく町、尾道。ただ残念なことに、周囲の空き家化が目立ってきている。以前のような生き生きした感じが復活することを切望する次第。

アールデコ
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/02.jpg >

さらにてくてく歩いていくと、小学校にたどり着いた。ふと見るとその門柱の美しさたるや尋常じゃない! 斜陽がまた立体感を強調し、まさに美の極み。すごい!

ただの柱に夢中でシャッターを切るオレの姿が妙ちくりんに見えたらしく、周りにいた小学生が「あ! 戦場カメラマンがなんか撮ってる!」と声を上げた。校舎の建築もとても美しく、さらに反対側の校門もこれと異なる形状の門柱が守っている。あー、こんな小学校に通いたかったな。

おばあちゃんの路地
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/03.jpg >

夕陽が山にかくれそうだ。今日も一日が終わる。ここでは空気が時を知らせる。
そういえば子供の頃はいつもこんな感じだった。この写真を撮っているとき、ちょうどおばあちゃんがヘルパーさんに付き添われて階段を上ってきた。
「尾道はどうですか?」
「美しい町ですね」
こんな当たり前のあいさつを交わしただけなのに、なんだかとても嬉しい。

おばあちゃんもヘルパーさんも、とてもいい顔してたなあ。撮らせてもらえばよかった。1日目の撮影はこれでおしまい。ホテルに戻ってひとっぷろ浴びて、居酒屋で旨い魚を食べて寝た。

2日目は朝から快晴だ。

階段も瓦屋根の家々も、陰影が美しい。見事なコントラスト。この日のカメラはコンタックスG2。絞り優先AEを搭載したAFレンジファインダーという、これまた完全なる趣味カメラだ。レンズは21mmと45mmと90mm。

まずは21mmで撮りはじめた。尾道は狭い空間に風景がぎっしり詰まっているので主に広角で撮るべきだと思い込んでいたのだ。何事もそうだけど、思い込みは良くないよね。

駅前風景
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/04.jpg >

20歳のときに初めて降り立った駅前は、再開発でこんなんなっちゃった。しかし、地元の人にとって良いことであるのなら、それはそれで良いのである。右が尾道水道、左が階段と路地が密集する山の手地区。山の手はその地形ゆえ風景が変わらずにいてくれるが、実際住むとなると苦労も多いはず。

てな具合に街並をスナップしていった。で、なんかの拍子で90mmレンズをつけてみたら、そのフレームの潔さに驚く。

抽象画
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/05.jpg >

風景を切り取って絵にする感覚。なんて楽しいんだ! 今まで90mmはポートレート用のレンズだと勝手に思い込んでいた。今回このレンズを持ってきたのも、せっかく買ったのにあまり使ってなかったからという、極めて後ろ向きな理由からだった。

で、実際この画角でこの町を見てみると、もう、美術品のオンパレードみたいな状態だってことに気づく。木を見て森を見ず。あ、この場合は森を見て木を見ずか。来る度に新しい発見がある町、尾道。ほんと、勉強になります。

青と白
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/06.jpg >

空の青さと手すりの白さとその影との対比を考える。

やや朽ちた階段
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/07.jpg >

下りた先は何もない空き地なんだけど、生活の痕跡みたいなものがそこここに残っている。これはこれで素敵な空間なんだけど、やはり人の住む家がなくなるのはさみしい。

壁と瓦と空
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/08.jpg >

尾道に来る度に思うけど、壁や地面に落ちる影のかたちが本当に面白い。で、それらをいかにリズミカルな構成として定着させるか、なんてことを考えながらファインダーを通して見る風景は、実物以上に立体的に見えるから不思議だ。ガラスのファインダーには液晶モニターとは別次元の、五感と繋がる心地よさがある。

手すりと階段
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/09.jpg >

うーん、ミニマルアートだなあ。実用を考えて作られたものなのに、なんでこんなに気持ちいいんだろう。

屋根
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区画整理されたニュータウンでは、まずこんなリズムの屋根は見ることができない。屋根の傾斜(X軸、Z軸)と家の角度(Y軸)から生まれるランダムな秩序。こういうのって究極の「無作為の美」だと思うんだけどなあ。それともこれはただの屋根が見える風景に過ぎないのだろうか。オレなんか変なこと言ってますか?

フタ3つ
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/11.jpg >

止水栓と書かれた金属製のフタ3つ。地面に埋まってます。ただそれだけ。なのに何故こうも美しいのか。ひょっとしてそう感じてるのってオレだけ?

階段
< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/12.jpg >

こういうスキマ系階段ていいよねー。と同意を求めてしまうが、皆さんはどう思うのでしょう?


< http://bn.dgcr.com/archives/2011/02/24/images/13.jpg >

尾道の猫は旨い魚を食って運動しているので健康的だ。カメラを向けたらポーズをとってくれた。

うーん、ここまで天気がいいと手ブレを気にすることもない。ボケをイメージして絞り値を設定しちゃえば、あとは構図に専念できる。この日はCONTAX G2で正解でした。撮影はまだまだ続きます。

ただの屋根や地面や壁にいちいち感動するオレは、ひょっとして変なんじゃないかと不安に思わなくもないけど、画角の狭いレンズで切り取ったこれらの風景に共感してくれる人がいることを信じて次回へ続く!

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/ >

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

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■買物王子の家づくり[04]
迷走する土地探し

石原 強
< http://bn.dgcr.com/archives/20110224140200.html >
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不動産屋さんからは、絨毯爆撃のように物件資料が送付されてくる。でも、どうやって自分の家にふさわしい土地を見分けたらいいのだろう? 探し始めた頃は、南向きか北向きか角地か? くらいしか気にしていませんでした。けれど、知れば知るほど、選ぶのがやっかいなことがわかってきた。単純に土地の大小では判断ができない理由がたくさんある。

●「建築条件付き」って何?

不動産屋さんに案内されて見に行くとき、気をつけなければならないのは、家が建っていないからといっても、新築分譲とさほど変わらない土地もある。建築条件付き売り地というのがそれだ。どのような条件かというと、3ヶ月以内に指定の工務店と契約をしなければならない。そうでなければ契約が白紙になってしまうのです。

周りよりちょっと安い土地だなと思うと、十中八九この建築条件が付いています。土地は少し安くしても家の建築費で利益を出そうとするからです。指定の工務店からモデルプランが提示されて、ほぼそのまま建てることになる。

工務店が大幅なプラン変更に応じてくれればいいが、設計力がなければ限界がある。こだわれるポイントは、内外装の素材、色、キッチンや水回りの設備のグレードくらいだ。それでも営業マンは、弊社のプランは他社よりお得です、照明器具もついているし、バスルームも広い、しかもテレビもついてます。と誇らしげに言う。見ないからいらないというと、標準だから外しても金額は変わらないと。でも、余計なものはいらないのです。

近隣に比べてお買い得な物件なんていうのも怪しい。今は家が建っているのだから、当然建て替えが大丈夫と思ったら大間違いだ。今の古屋を壊すと、建て替えが出来ない土地っていうのもある。「既存不適格物件」と呼びます。

家を建てるためには、2m以上道路に接していないといけない。隣家の前の狭い通路を入った奥の家。なんていうのがこの条件にハマってしまう。だから周囲の高値を尻目に投げ売りだ。しかし、それでも買い手がつかないのは、担保価値がないから、ローンが組めない。違法建築になるから工務店も家を建ててくれません。

●土地は法律でがんじがらめ

では、そんな条件のない土地を買えば、どんな家でも建てられるのか? といったらそういう訳ではありません。建築基準法という法律で規制されて、土地によって建てられる家の大きさが違ってきます。それを判断するには、不動産屋さんの販売用チラシをよく見ると細かい字で書いてある、土地の「スペック情報」を読み解く必要があります。

まず「用途地域」、普通の住宅地であれば住居専用地域が多いけど、駅に近いと近隣商業、商業地域、工業地域も混ざってきます。順に大きな建物が建てられる地域だけど、当然周囲も大きな建物になる。例えば、隣が今は空き地で日当たりがよくても、いきなり大きなマンションが建って影になるかもしれない。

「建ぺい率」、建築面積の敷地面積に対する割合です。20坪の土地で建ぺい率が60%の地域の場合、最大12坪(20坪×60%)の建築面積の建物を建てることができます。言い換えれば8坪(40%)は、庭なり駐車場としてしか使用できません。「容積率」は敷地面積に対する延床面積の割合のこと。20坪で容積率200%の場合、最大40坪(20坪×200%)の延床面積の家が建てられます。

同じ20坪の土地でも、少し騒がしい商業地で、建ぺい率80%、容積率300%であれば、延べ床面積60坪の4階建ての家も建てられます。逆に、静かな住宅地で、建ぺい率40%、容積率80%だと、延べ床面積は16坪の2階建てになってしまいます。この差はとても大きい。

「セットバック」という規制もある。土地に接する道路の幅が4mに満たない場合、道路の中心から2m後退して家を建てなければなりません。後退した分は道路となるので、自分の土地なのに建築できないというだけでなく、門や塀、花壇なども作ることができない。もし、20坪の土地が3mという幅の狭い道路に6m接していた場合、約50cmセットバックをするので、約1坪が道路として削られる計算になる。

上で説明した容積率はセットバック後の面積に対して適用されるので、約30坪(19坪×160%)の延床面積が上限になってしまいます。おまけに、2方向を道路に接する角地では、2方向からセットバックするので、今建っている家に比べてずっと小さい家しか建てられないなんてこともあります。

さらに「斜線制限」。道路側に規定されている前面道路斜線、お隣の家との境界線側に規定されている隣地斜線、北側に規定されている北側斜線があります。2階建てならほとんど問題ないけど、狭い土地の3階建てだと、3階の半分くらいは頭がつっかえるほど傾斜がかかってしまうことがあります。床があってもその部分は収納くらいにしか使えない。

このひとつひとつの決まりには、日当たりなど住環境を守る、火事の延焼を防いだり、緊急車両が入れるようにして、安全に暮らせるようにする。といった大事な意味があるんだけど、買う立場から言えば、土地は法律でがんじがらめになっていて、持ち主でも自由にはならないってことなのです。

●土地探しには、自分なりの基準が必要だ

これでは、自分の手には負えないと、新宿パークタワーにあるリビングデザインセンター OZONE < http://www.ozone.co.jp/ > に行きました。コンランショップなど好きなインテリアショップがあって、以前から見たり買ったりしていました。そこで家づくりのサポートがあると知って相談してみたのです。現状を伝えて、まずは「土地探しサポート」を受けることにしましました。

まずは要望の整理からはじめる。アンケートの質問は50項目以上、A4で7ページに及ぶ量があります。事前におおまかに記入して渡して、担当のアドバイザーとの面談で仕上げてもらいます。現在の家族構成と将来の変更可能性やペット、転勤の有無、家族の生活、趣味、近所づきあいの頻度、現在の住まいと、これまで育ってきた家、住んできた環境、これまでの家作り経験、なんてさまざまな項目がある。そこから、徐々に家のイメージを固めていきます。

さらに、周辺環境は緑があって静かなほうがいいのか、交通の便利さをとるのか、最寄の駅までの距離や、希望する沿線・エリアを整理。家に対するこだわりポイント、性能、デザインテイスト、もちろん予算や完成時期も重要です。家づくりの依頼先は、ハウスメーカーなのか、工務店なのか。昔ながらの木造軸組なのか、コンクリート打ちっぱなしのRC造なのか家の工法についても検討しました。

会話の中で、家の中心にテレビを置きたくない、クルマも持つつもりがない。趣味はダイビングにゴルフに写真。洋服も食器も絵本もたくさん持っていて、モノが大好き。という話をしたら、そんなにこだわりあるなら、ハウスメーカーや、工務店ではなく、建築家をおすすめしますね。是非やって欲しい。という力強いお言葉をいただいた。そうだ! 究極の買い物なのだから、とことんやってやる。と俄然やる気がでてきた。

どんな家が創りたいのか、希望をかなえるためには、どんな広さが必要なのか、条件を絞っていくことで、徐々に明らかになってきます。希望する家の大きさや各部屋の大きさを整理して、必要な延べ床面積を算出。そこに庭スペースや駐車場の大きさを加えて、上で書いた法規を考慮しながら最低限必要な土地の面積を割り出します。

結果は、延べ床面積が23坪以上が必要で、それ以下になると思うようなスペースが確保できないということです。3階建てを考慮すると、建ぺい率60%、容積率200%で、第二種中高層住居専用地域、土地面積が14坪以上、準防火地域ということになりますね。という担当者のコメント。思ったよりも狭い土地で問題ないことがわかりました。

さらに、全体予算から、建築費や諸経費を考慮しながら、どのくらい土地の費用として割り振るかの目安もアドバイスいただいた。予算には限りがあるから、家にこだわるためにも、配分に気をつけなければなりません。不動産屋さんに薦められて気に入ったからと言って、予算を超える土地を買ってしまい、いざ家を建てようとして、お金が足りないことに気づいたなんて相談もよくあるそうです。

希望する土地はどのあたりに位置するのか確認するために、用途地域が色分けされた「都市計画図※」という地図を広げて、このあたりがその条件に当てはまりますね、と詳しく説明を受けました。エリアはずっと初台駅から笹塚駅の間で探しているようだけど、都営新宿線沿線はどうですか? と逆に質問を受ける。さらに都心に向かって新宿、新宿三丁目、曙橋、市ヶ谷、物件は少ないけど一応チェックしてみたらどうか? とのこと。手に入るわけないと、考えたことがなかった。

作成した資料は不動産屋さんに送付して、土地探しの参考にしてもらいます。とはいえ、希望の場所に行けば見つかる訳ではない。引き続き紹介された土地で条件に少しでも合致する物件は、週末、複数の不動産屋さんとアポをとり時間割のように細かくスケジュールを切って片っ端から見に行きました。でも、何が悪いという訳ではないけれど、どれも欲しいという気持ちにならない。ひたすら出口が見つからない迷路の中を彷徨っている気分でした。

※東京都渋谷区の都市計画図はPDFで閲覧することができます。
< http://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/machi/toshi_sodan.html >

【いしはら・つよし】tsuyoshi@muddler.jp
息子カケルが、保育園で「坪単価がね」なんて保育士に向かって話をしているらしい。おかげで、パパ友ママ友、皆に家探ししていることが知れ渡った。
twitter < http://twitter.com/244ishi >
Webmanagement < http://webmanegement.jp/ >
Shopping Prince blog < http://www.muddler.jp/ >

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■エンドユーザー大変記[03]
自作PCから見るPC世界

ジョニー・タカ
< http://bn.dgcr.com/archives/20110224140100.html >
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みなさんは、「自分の思い通りになるパソコンを作りたい!」と思われたことがあるでしょうか。特に、デジクリの筆者や読者のみなさんには、Macユーザーの方が多いようなので「自分のMacを思い通りにキャスタマイズ出来たら...」と思われることがあるでしょう。

私も、非常に取り回しがしやすい(その代わり放熱処理は弱い)PowerMacG4のケースに、G5が乗ったロジックボードを載せて、Velocity Engineを最高に発揮するGPUを搭載したグラフィックボードを付けて、メモリはもちろんフルにする...という妄想を、Macで作業しているときに常に抱いたものです。その究極が、これかもしれません。
< >

でも、Intelベースに変わってもBTOでしかキャスタマイズできず、ある意味押しつけられたMacで作業することに耐えられず、自分なりにいじってしまうことが結構あるのではないかと思います。

私は初めて買ったPowerMacG4-400MHzに、購入してからメモリを最大限積み、デフォルトで載せてあるグラフィックボード(ATI RAGE128)の描画が遅いと感じるや、秋葉原中を探し回ってRADEON8500 Mac Editionに載せ換え、ハードディスクもシーク速度が速い上、熱を帯びないHDDを増設したりしまして、お金はかかりましたが使いやすくしたものです(しかしここまで手を入れた後、電源ユニット自体がいかれるとは思わなかった...)。

一方、Windowsの世界では自作PCが既に展開されていました。当初はエンジニア対象で、やはり敷居も値段もそれなりにするものでしたが、ネットの発達によって情報が充実し、世の中がIT化に急速に傾くと円高も相まって敷居が低くなっていきました。私も、2003年頃、スキルアップのために自作にトライしてみようという気になり、ショップが充実してきた秋葉原に何度も赴き、自分の肌でそれを感じたものです。

IT革命と言われる時代。誰もが時代の主導権を握れる。皆心の内にそう秘めて、野心をくすぶらせながら、秋葉原のパーツショップに足繁く通う光景がそこにありました。

しかし、一つの時代が終わった象徴と言うべき出来事が去年起こりました。秋葉原で有名なパーツショップ、T-ZONEが倒産し、競合のライバルであるサードウェーブ(ドスパラを運営)に買収されたのです。

私はあまり使わなかったのですが、T-ZONEは店舗を複数所有していて、とにかく小回りの効いた商売をしてました。ただ、去年閉店した渋谷HMV内にも店舗を展開していた時は、「ニーズは?」と感じてしまいました。
< http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1011/29/news102.html >

この後の関連記事では「自作の時代は終わった」と嘆く声が多いようです。でも、私なりに見れば、売る側にもいろいろ問題があったのではないか? と当時から感じてました。

まずは、自作PC熱が最も高かった頃にオープンした「価格.com」。今ではパソコン関連だけではなく、葬式費用の比較まで出来るような比較サイトになりました。開設当時は現在のように協力店がデータを送信する形ではなく、調査員が店を回って価格を調査してました。

これを妨害する店が現れたり、ネット通販の場合、先払いで注文したのに商品が届かない、あるいは倒産した、違う商品が届いた、初期不良でメーカー側が情報を挙げている場合でも交換に応じなかったこともあり、トラブルが頻発していました。

そして、その頃に起こった事件がこれです。
< http://virus.sakuracre.com/chap3/3-6.html >

価格.comのサイトにトロイの木馬を仕込まれ、結果的に巨額の損失を出してしまった事件です。その背景についてはここで触れませんが、結局些細なことが大事になった顛末で、警察もサイバー犯罪に本腰を入れるきっかけになった事件です。この教訓を元にガイドラインが作成されました。
< http://kakaku.com/help/kiyaku_keisai.htm > (ガイドライン)
< http://kakaku.com/help/shopping_notice.htm > (ネット通販での注意点)

当時は、掲載元がこんな態度でいいのかという反論が多かったのですが、よく考えれば、現在普通にリテラシーとして浸透していることです。

話を戻して、当時の秋葉原の空気を肌で感じた身として見れば、とにかく狭い店の中に商品が詰め込まれていて、どんなユーザーにも対応する"アキバ流"の商売が、このあたりから曲がり角に来ていたことを感じます。

その後、店舗やメーカーが自然淘汰され、必然的に質が高くなってきました。ただ、技術的な進歩が進むにつれ、高度なスキルも必然的に要求されるため、その部分だけは置き去りにされてしまいました。

そして、パーツ自体の低価格化が進み、大量にパーツを仕入れCTO販売するショップブランドPCと、家電メーカー故の強みを生かした多岐な機能を持ったPCの二極化が進み、現在に至ります。

ある意味"選択と自由"なのかもしれません。私は、自作をするべきなのか、コスト重視ならショップブランドPCにするか、まだ決めかねています。本音はPowerMacG5が欲しいんですけどね。

【ジョニー・タカ】johnnytaka32@gmail.com http://twitter.com/johnnytaka

1976年横浜・関内生まれ。上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを踊り続けるフリーランサー。主戦場はmixi。時々ツイッター。
私のライフワークである"コンピレーション"を展開しています。
< http://pub.ne.jp/cafe_de_johnny/ >
(近日ブログを移転予定。今の場所ではやりにくくて仕方ないです)

・やっと代替のPCが届きました。企業向けPCのリファービッシュ品なのでスペック的にはかなり貧弱と言わざるを得ませんが、しばらくはこれで乗り切るつもりです。しかし、Xperiaも含めるとプログラムベースではなくweb/クラウドベースになっているのを感じています。ただその分、システムリソースやPC自体のパワーがかなり必要になっているのは逆行している感があるのですが...。

・いつまでCRT(EIZO T561)を使っておるのだ、と知人に笑われましたが、先立つものがないし、買い換えたら現在のモニタをリサイクルに出さないといけないのですが、当然下取りをしてくれるところなどなく、逆に代金を取られる始末。本当に資源循環社会?

・エビコレ+版『アマガミ』の発売日が2月も終わりになるのに決まらないのでいささか不安です。そして日本におけるXBOX360の命運を完全に握る『THE IDOLM@STER2』がいよいよ発売です。紆余曲折を経た末にたどる道は?

しかし3年前に本体の画像系がいかれてしまったので買い換えたいですが、モデルチェンジしても故障率が下がらないようです。NGPの発表でソニーがAndroidを使ってゲーム機のクラウドを構築するのに対して、マイクロソフトはどういうおつもりでこのハードを作ったのかが疑問に感じます。

・注文以外は一切話しかけられない所や、いるだけやギミックでチャージが釣り上がっていくメイド喫茶がある一方で、私が気に入っているのが"会話を重視する"メイド喫茶です。タバコも吸えるし。誕生日にはお祝いをしてくれるようなので、同じ誕生日のべちおさんやGrowhairさんをお連れしたら面白いと思いました。

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■編集後記(2/24)

・永井明原案、吉沼美恵医療監修、乃木坂太郎作画「医龍」24巻を読む。だいぶ前に単行本15巻くらいまでまとめて一気読み、以降は発売される毎に読んで来た。初めはスーパードクター主役の難手術ものかと思ったら、現在の医療をとりまく諸問題がテーマの硬派なマンガだった。天才外科医・朝田龍太郎は一応の主役に過ぎず、登場する人物が悪役を含めみな個性的、魅力的で、重厚な人間ドラマ、スリリングなストーリー展開、こんなに没頭できるマンガは滅多にない。この号の見所のひとつは、権力の妖怪・野口医局長の病床でのこんな説教だ。─集団をまとめるには敵を作れ。敵を得て集団は初めて結束する。そもそも、敵がいなくては政治的集団は生まれ得ない。仲間の中から敵はでっちあげてもいい。敵は悪である必要はない。対立する人間が必ず出てくる。そいつに抵抗勢力というレッテルを貼り、生かさず殺さず攻撃し続ければいい。政治において理念や理想はなんの力にもならない。敵のいない主張は正しくとも力を生まない。─なるほどねえ、今の政権与党を見ているとこの説教は実に説得力がある。「医龍」最終25巻は今週末に発売されるようだ。そのうち全巻を再度一気読みだ。楽しみだなあ。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091835066/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで見る(レビュー11件)

・寝ないとダメね〜。寝ないと頭の中が整理できず、簡単なものまで難しく考えてしまったりする。一つの考えに固執してしまいがち。スクリプトのカスタマイズで悩む。数値を変えても何も変わらない。なんなの? と思っていたらキャッシュを読んでいたというのはありがち。長いスクリプトを目と頭が痛くなりながら読む。プログラマーの画像表示方法って変態だな(褒めている)、なんて勉強になったりする。ここだな、と変えるが何も変わらない。変わらないってどういうこと? 条件はこれでいいはず。あーもー、と迷路に入り込む。イライラしてめくら撃ちで数値を変えてみたりする。ひとつずつ変えればいいのに、頭が朦朧としているので、候補いくつかをまとめて変えてドツボに入ったり(でもこれは良いことで、元データに戻して頭をリセットしたら解決策がふっと浮かんだりする)。ギブアップして寝て起きたら、あっ、これって別のやり方をしたらいいだけでは? なんてのがすっと出てきたりするから、迷路に入ったら寝る方がいいとは思うんだけど、翌朝、万が一寝坊したらと怖くなってしまい、ある程度のところまでは仕上げておきたいのだ。よっしゃできたと喜んでいたら、他のブラウザで見てどかーん、というのはありがち。みなさんお願い。ブラウザは最新版にしてね......。偉い人なら、部下に最新版にするように命令してね......。(hammer.mule)