装飾山イバラ道[73]いろいろなものをはかりたい/武田瑛夢

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私は爪が長いのでノートパソコンのトラックパッドがうまく使えない。学校へマウスを持っていかねばならないのに、今まで二度程忘れている。現場でマウスを借りられて助かったけれど、これからは置き傘ならぬ「置きマウス」をしておこう。どこかに使っていないマウスがあるはずだから。

しかし、本当にAppleのワイヤレスマウスMagicmouseの電池の減りが早くて困る。安売り電池のせいかしら。6コで100円の電池と、2コで100円の電池では何が違うのだろう。100円のガムテープは、普通のもっと高いガムテープに比べて巻きが少ないのが見てわかるので納得だけれど、電池って入っている電気の量がわからない。なんとかチェッカーでわかるというけれど、売り物を買う前にチェックする勇気はないし。



●買う前にはかりたい

「買う前にはかりたい」という願望は他にもあって、たとえば魚や蟹の「一匹で千円」というような売り方に出会った時。同じ一匹でも大きさはかなり違って見えるから、重さをズバリ量れれば大きいのをゲットできてお得な買い物ができる。でも一個単位の売り方の場合、たいていパックには重さは表示されておらず、個数と値段のみなのだ。

ほとんどの人は商品を選ぶ時に、「持った感じ」で重さを判断して買っていると思う。でもAを持ってからBを持って、さらにCを持ってみると、もうAの重さの感覚はなくすっかりわからなくなる。あんまり持ち比べると今度は腕が疲れてくる。人間の感覚のあいまいさなのか、私のいいかげんさなのかわからないけれど、最後はあきらめて一番最初に手にとったのを買ったりしてしまう。

リンゴやきゅうりの場合は、ワンツースリーのテンポで良さそうなのを選んだらそれ以上は悩まないことにしている。それぐらいのことであまり長く品定めしているのって、エレガントではない気がするからだ(笑)。でも、魚や蟹の場合は本当のことが知りたい。この差については多くのに矛盾を含むけれど、なんとなくそうだとしか言えない。

魚屋さんが使うような「ばねばかり」を持ち歩けばいいかもと一瞬思うけれど、スーパーで自分が使っている姿を想像して、目立ち過ぎてありえないと考え直す。うちにもあるような薄いタイプのデジタルのハカリ(DRETEC デジタルスケール)をスーパーのカゴの中に入れておいて、こっそり量る? それもありえない。常識的に考えても、カゴの中に入れていいのはそのお店の商品だけだろうと思う。

・DRETEC デジタルスケール
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002CGR1QG/dgcrcom-22/ >

●新方式のハカリを考案?

いろいろ考えてみると、いっそ、手に持ったものの重さが量れる「腕時計式のハカリ」が発明されればいいのでは? 可能になれば、皆スーパーで蟹を片手に持ちながら腕時計を見るだろう。これならエレガントさも保てるかもしれない。うちのだんなさんは、なかなかこの斬新なアイデアを受け入れてはくれなかったけれど、誰か考えてくれないだろうか。

蟹を持つ前と、持った後の腕の筋肉信号の変化を計算すればいいだけだと思う。「素直に蟹の重さを量れ!」と言いたくなるだろうけれど、腕時計式ハカリの出した数値と蟹の重さがピッタリ一致したら、すごいビジネスチャンスではないだろうか。だんなさんが言うには「それなら靴に体重計機能(両足連動式)をつけて、蟹を手に持つ前と後の差を量ればいい。結果は腕時計に表示させる」とのこと。う〜、確かにその方が現実的か。さすが理系。

●感覚の戦いが見えるテレビ番組

昔はテレビ番組で「目方でドーン!」というのがあった。レツゴー三匹や明石家さんまが司会をする人気番組。新婚さん夫婦が出演した場合は、奥さんの方が巨大な天秤ばかりの片側に乗って、もう片側の秤の上に欲しい商品を載せていく。電化製品を中心に、だんなさんが決められた時間内で手で持ち上げた感覚のみで重さを量っていく。最終的に、奥さんの体重と比べて番組規定の誤差範囲内に収めれば商品はすべてもらえるのだ。

商品の山から自分で好きなものをいくらでも選べるところや、選んだ商品を巨大な天秤量りというわかりやすいセットに置いていくのが、子供の頃には見ていて楽しかった。片方の天秤の上には冷蔵庫や扇風機、もう片方には奥さんが乗っているという大胆な構図。

欲張って商品が重くなりすぎれば天秤は傾いてしまう。奥さんの方も、大量の生活用品が欲しいので、なんとかピッタリ合うようだんなさんを応援する。今思えば、女性を秤に乗せるなんてひどい気もするけれど、昭和の時代のテレビ番組の代表という感じ。

あまり数値に左右されずに、自分の感覚で生きなければ感覚も鈍るというものか。あらゆる矛盾を対決させるフジテレビの「ほこ×たて」では、りんご農家の人は見た目でりんごの糖度がわかるというのをやっていた。本当に糖度の一番高いりんごを当てるのを見てびっくり。

番組のメインである矛盾対決は、食品サンプル職人対りんご農家の作り手の戦いだった。本物のりんごの中に、一つだけ混じっている食品サンプルのりんごを当てるというもの。本物のりんごを見抜いて次々とカッターで切って行く。

最後に2コ残ったりんごの片方を切ろうとすると、カッターの歯が入らなかった。残念ながら精巧なりんごのサンプルは、りんご農家の人にも見分けることができないという結果に。サンプル職人の技術のすごさに驚いた。

・ほこ×たて フジテレビ
< http://www.fujitv.co.jp/hokotate/index.html >

まぁ、いまのところ普通の感覚の私が少しでも大きくておいしい食べ物をゲットしたいなら、毎日の買い物で見た目と手の感覚をトレーニングするしかないということか。それよりも、どんなものでもうちに来た蟹や魚をありがたく頂けばそれでいいという話かもしれない。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

ニュージーランドの地震、お見舞い申し上げます。

文中に「レツゴー三匹」とありますが、「レッツゴー」ではないそうです。「目方でドーン!」のwikipediaから飛んだ「レツゴー三匹」のwikipediaのリンク先の「レツゴー正児のホームページ」によると、「レッツゴー」にしなかった意味があるそうです(読んでも意味がよくわからなかったです)。
< http://www2.odn.ne.jp/letsgoshoji/ >