[3022] 見えないからこそ言葉に表情を

投稿:  著者:  読了時間:16分(本文:約7,600文字)


《女捨てるとお仕事は捗る》

■音喰らう脳髄[104]
 3月2日、夜、Dommune
 モモヨ

■アナログステージ[52]
 見えないからこそ言葉に表情を
 べちおサマンサ

■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[05]
 書協の自炊代行は違法という注意喚起文に違和感
 沢辺 均



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■音喰らう脳髄[104]
3月2日、夜、Dommune

モモヨ
< http://bn.dgcr.com/archives/20110308140300.html >
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3月2日、つまり先週の水曜日、Dommune < http://www.dommune.com/ > に出演してきた。一緒に出たのは、恒松正敏(FRICTION、E.D.P.S)、地引雄一(元テレグラフレコード、イーター主催者)の二人。トークの後、私と恒松(まっちゃん)の弾き語りがあり、二時間近いプログラムは終了。

最初は、三人だけで二時間なんてもたせられるだろうか? といぶかったものの、それと意識しないうちに時間が経ち、番組は無事に終了した。実をいうと、私、そして恒松氏、地引氏の三人はこれまでともにトークや弾き語りライブなどを幾度となくこなしてきている。ために、打ち合わせなども特別に行わずにスタジオ入りを迎えた。で、少々不安だったのだ。

いまさら説明するまでもないだろうが、Dommuneというのは、知る人ぞ知るUSTREAMを利用したインターネット生番組だ。ロックやパンク、ヒップホップといった音楽系のプログラムのみならず、ハプニング時代の前衛アートまで様々なジャンルのゲストをスタジオに招き、トーク、ライブなど、TVや既存のメディアでは拾いきれない情報を中心に発信し注目をあつめている。その一つとして私たち出演のプログラムが企画されたわけだ。

題して「東京ロッカーズの生!#1」。

どことなく時代がかっているタイトルだが、出る人間が時代がかっているので、これはいたしかたなかろう。実際に、語られたエピソードの多くは昔話だったし......。年齢のせいだろうか、少し前まではそんな昔話にひどく抵抗を感じたものだが、今となっては、それもそうとうに薄れてきた。なんて話を帰り道に三人でした。

ちなみに4月の2日、3日と高円寺で地引氏主催のイベントがあり、恒松バンドと私のバンド、リザードも出演する。その告知もかねての番組だった。

イベントに興味がある方は、下記のTwitterアカウントを参照して欲しい。
< https://twitter.com/telegraph2011 >

Momoyo The LIZARD 管原保雄
< http://www.babylonic.com/ >

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■アナログステージ[52]
見えないからこそ言葉に表情を

べちおサマンサ
< http://bn.dgcr.com/archives/20110308140200.html >
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「あぁぁ...、べちおくん...、キミ、カワイイよ...、うっかりミスで会社に320万も損失を出すなんて、キミらしさが存分に発揮されているよね...、いいのいいの、ぜんぜん気落ちしていないキミを見ていると、なんだか、つまらないことでクヨクヨしている自分が情けなくなってくるよ......」

ということで、唐突に、中里さん(前話参照)から自分へコメントを出したところで、やってしまいました。基本設計仕様を勘違い(取り違い)していて、ボックスなどの板金ものから電気・電子の制御部品まで、ほぼ全部作り直しの、ワタクシらしかぬミスをしてしまいました。

会社に与えた損失は、ざっと計算して320万円。今回割り当てられた開発予算の3割をドブに捨てたようなものです。ほかの会社ではどうなのか分かりませんが、「エコロジー」を口実に、数年前から経費をケチっている会社では、当然のごとく、ミスの内容より金額で問題に。

言い訳をする気はさらさらないが、この場を借りて言い訳させてもらうと、あれだけ(今もだけど)仕事を押し込まれて、ミスるな! っていうほうがおかしい。どう考えても「可哀想、べちおくん...」を通り越している。

ワタクシも生身の人間でして、巨大なヘソをくっつけた、金色に輝くドロイドや、「ンポパ・ピポピポ」と、電子音で喋りならクルクル回っているようなドロイドではない。お魚も食べれば野菜も食べるし、外が雪なら寒さも感じる、生身の人間だ。

今回のミスは、ワタクシが設計してリリースした、装置オプションの延長でのミスなので、どうにもこうにも言い訳ができなかったり。まいったね。そもそも、ミスというものは、してから(発覚して)気が付くもので、「よーし、今日は、こことココとあそこを間違えよう!」なんて、予め計画していたものではない。

●電話越しに伝わるメンドクサイオーラ

つい先日、日本では入手が難しい部品を購入するのに、納期もないことから、うちの資材部が使っている、外資系の電子部品商社から購入した。しかし、着いた品物に間違ってパッケージされていたものが含まれていたので、問い合わせの電話をいれた。

対応していただいた女性は、品物が誤発送されていることを確認すると、いかにも「あー、めんどくせーなー、そんなもん知るかよ、アメリカに直接クレームいってくれない?」というような口調で対応し始めたのだ。

ワタクシが「なにやってんの? 倉庫管理とかできてないんじゃないの? いますぐ必要なんだから、アメリカ行って買ってきてよ」とケンカ腰で云ったわけではなく、「間違って入荷したものは、御社へお返しいたしますので、正規に発注している部品を別途発送していただけますか?」と、いたって普通のお願いをしただけなのだが、女性からメンドクサイオーラが電話越しに伝わってくるのだ。

日本では対応できないので、アメリカに報告して送ってもらうから、間違って入っていた部品の写真を撮ってメールに添付して送れと、なぜか口調が威圧的。『電話応対ではお客様に上から目線で喋るように』って社訓にでもなっているのだろうか。ただ間違っていた部品を交換して欲しいだけの問い合わせが、だんだん違うほうで腹が立ってきた。

そこの会社の社風がそうならば、精神衛生上、次からは別ルートで購入すればいいだけだが、対応してくれた女性に問題があるのならば、彼女の上司は、きちんと彼女を矯正してあげないと、会社としてダメージが広がる可能性もある。

電話を切ったあと、対応になにか腑に落ちないところがあったので、資材部に「○○(そこの会社)から、月どのくらい購入しているの?」と訊いてみると、平均して500〜600万くらいだと教えてくれた。

平均で500万くらいなら、「ちょっといいお客さん」レベルになるはずだけど、そこの会社では、1000万以上の買い上げがないと、『どうでもいい顧客』のリストにでも加えられていて、「電話対応は投げやりにするようなシステムになっているのか」など、余計な妄想が頭から離れなくなる。

電話でもインターネットでも、相手の表情が見えない「場所」で会話をやり取りするときは、相手に誤解を与えないように気を遣ったりするものだけど、最近はそうでもないのかな。直接会ったことがある知り合いならば、文字や言葉から相手の顔が見えたりするけど......。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋
< http://bachio.posterous.com/ > ←小康気味
< http://twitter.com/bachiosamansa > ←フォローしても役に立ちません

○このままじゃ気がついたら夏になって、秋が来ていて、知らないうちに2012年になっていそうな/休みをとるのが難しいので、平日の帰宅時間を早めにしてゴロゴロしてみたり/←結局3日間くらいしかできなかったw

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■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[05]
書協の自炊代行は違法という注意喚起文に違和感

沢辺 均
< http://bn.dgcr.com/archives/20110308140100.html >
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「イッキに数10万の既刊本をPDFにして販売したらいいのに」というのを、前回のデジクリ(先々週)に書いた。その続きにしようと思っていたところ、業界紙にちょうどいいネタになる記事が掲載されていた。

|書協 自炊代行は違法 注意喚起の文言策定

|書協はこのほど、出版物のスキャニング代行業者への対策の一環として、同
|行為が違法であることを喚起する文言例を策定した。書籍などの奥付に掲示
|し、利用者への注意を呼びかけてほしいと出版社に訴えている。表示例は次
|の通り。
|表示例一=本書のコピー、スキャン、デジタル化等の無断複製は著作権法上
|の例外を除き禁じられています。本書を代行業者等の第三者に依頼してスキ
|ャンやデジタル化することは、たとえ個人や家庭内での利用でも著作権法違
|反です。(以下表示例ニ、三は省略)  (新文化/2876号/2011.03.03)

書協のウェブサイトには、このガイドラインのことを見つけることができなかった。
< http://www.jbpa.or.jp/ >

著作権法の理解については、福井健策弁護士が「書籍の電子化、『自炊』『スキャン代行』は法的にOK?」と「INTERNET Watch」サイトで明快に書いていて、ボクも賛成。異論もあるようだが、自炊の著作権法理解に賛成だ。
< http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/20100917_393769.html >

福井さんの書いていることは、個人の自炊(自分でスキャン)は適法。家族で共有することも適法。自炊の代行サービスは「私的複製の範囲を規定する著作権法第30条1項を見ると、「『使用する者が』複製することができる」と書かれています。こうしたことから、自炊に限らず複製の代行サービスは、私的複製として許容されないというのが通説として定着しています(表【2】参照)」と、適法だと言っている。

ボクとしては「そのとおりだね」と言う以外にない。
で、書協の「注意喚起文」だ。

「代行業者等の第三者に依頼してスキャンやデジタル化することは、たとえ個人や家庭内での利用でも著作権法違反です」と書いていることに、大きな違和感がある。

正しくは「代行業者等の第三者に依頼してスキャンやデジタル化することは著作権法違反」であり、「自分でスキャンやデジタル化することは適法です」である。適法である「自分でスキャン、デジタル化」のことをわざわざ隠すことで、全体としてスキャンやデジタル化全体が違反であるように描いてしまっている。

また、「著作権法上の例外を除き禁じられています」と私的複製のことをあいまいにしている。普通の人に、私的複製が例外になっているという理解まであるとは到底思えない。無理解につけこんで脅しているとしか読めないのだ。

出版という行為が多くの人に親しまれるため、利用されるために、こうした脅しのようなやり方が有効なのだろうか? ボクには、そうは思えない。

現状は、既得権を守って作家などを食い物にしようという出版社たちが、電子書籍の広がりに抵抗していると見られる場面が多いのではないだろうか? あるいは、電子書籍とやらになれば印刷代がかからないんだから、コストゼロでできるのに、作家の印税を増やさないでその利益を独り占めしようとしていると思われていないか?

もちろん、論証まではしないけど、制作費はゼロじゃないし、こうした印象はあまり妥当性がないと思っている。

アメリカで電子書籍が普及してるっていわれるけど(まあ、数字的にはそれほどスゴいって思わないけど)、アメリカじゃ著作権そのものの譲渡があるから、出版社の意志で電子書籍化できるのだが、日本は紙の本にして売る権利だけを契約してるだけなので、なかなか電子書籍をつくれないっていう事情もある。

これって、日本の出版社の「やさしさ」と言えると思っている。結果的なことかもしれないけど、作家たちの自由がより多く確保されているのである。

だけど、たとえば池田信夫さんもトンデモなことを言っていて、「ポットの日誌」に「池田信夫氏の「講談社の『デジタル的利用許諾契約書』について」はひどいでしょう」というのを書いたこともあった。電子書籍化権の契約したいよ、と講談社がいったらトンデモナイ、というのである。いいでしょ、契約したいよと言うの。イヤならイヤと言えばいいだけだ。

そんなふうに批判されているただ中で、あんな「注意喚起文」を呼びかけるなんて、なんというセンスなんだろう。

いま、必要なのは、
・自分でスキャン、デジタル化するのは自由です
・本人と家族の範囲なら「私的」複製の範囲ですからどうぞおやりください
・自分でやることが条件なんだから、業者に頼むのは違法です
であり、できれば、
・これまでに出版した本はPDFの画像データにアクセスできるようにしますので、どんどん捨ててもらっていいですよ
と付け加えたいものだ。

本を買う習慣をもつ多くの人の本棚がもうパンパンだっていうのは、よく聞く話じゃないですか。ならば、その本をどんどん捨ててもらって、また新しい本を買ってもらうことこそが必要なんじゃないだろうか? 出版界にとって。

◇2011.03.12 LIVE勝手にしやがれ Vol.7
< http://www.pot.co.jp/diary/20110207_153409493922370.html >

はい、ボクのやってるお遊びバンドのライブのご紹介です。
日時:2011年3月12日(土)18:30分開場(飲み放題開始)
19時開演・21時終演予定
場所:新宿ミノトール2 地図→ < http://bit.ly/gq9mhq >
料金:3,000円 2時間30分飲み放題(18時30分〜21時予定)・軽食付き
定員:50人
申込:申込フォーム= < http://bit.ly/hB56Oz >
曲目(予定):勝手にしやがれ/伊勢佐木町ブルース/マニフェスト/HotelCalifornia/Sweet Home Chicago/Layla/百恵メドレー/ほかメンバー:青んぼ(g cho)/木谷マキ(d)/ミナ(vo)/沢辺均(g)/ババッチ(p)/ハル(vo)/日野智(b)/本多羅々(g)/&カラオケタイムのみなさま(vo)

飛び入り大募集:バンドをバックに「生オケ」コーナーあります。楽器参加も大歓迎! 事前にご連絡いただければ、歌詞+バンド用のギターコード譜はこちらで用意します。もちろん当日の飛び入り参加も歓迎します! その際は歌詞+ギターコード譜(4部ほど)をお持ちください。

【沢辺 均/ポット出版代表】twittreは @sawabekin
< http://www.pot.co.jp/ >(問合せフォームあります)
ポット出版(出版業)とスタジオ・ポット(デザイン/編集制作請負)をやってます。版元ドットコム(書籍データ発信の出版社団体)の一員。
NPOげんきな図書館(公共図書館運営受託)に参加。
おやじバンドでギター(年とってから始めた)。
日本語書籍の全文検索一部表示のジャパニーズ・ブックダムが当面の目標。

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■編集後記(3/8)

・保守論客50人による「これが日本再生の救国内閣だ!」を眺めていると、誰が期待されているのか知りたくなり、つい数え出してしまった。首相として最も名前が上がったのは安倍晋三で、14人から選ばれてダントツである。続くのが石原慎太郎の7、平沼赳夫と稲田朋美が4、櫻井よしこと小泉進次郎、渡辺喜美が2と出た。気になる国防と教育だが、防衛相は田母神俊雄が14と突出。文科相は山谷えり子8、下村博文7、中山成彬4、藤原正彦4。50人の組閣表で一番多く名前が上がったのは稲田衆院議員の31、以下安倍27、櫻井18、山谷18、田母神17、石原15、平沼15、小泉13、下村12、西村眞悟11、高市早苗10と続く。ただし、うっかり数え間違いがあるかもしれない。自民党にとって大問題なのは、谷垣禎一総裁が首相はおろかどの閣僚にも、誰一人として押す人がおらず、まったく期待されていないということだ。この際、総裁や三役を女性にしたらどうだ。圧倒的に人気は出るぞ。長部日出雄氏は、櫻井よしこを外相に推し「国連総会の壇上で、日本の立場を堂々と英語で主張する姿をぜひ観てみたい」と書くが、わたしも観てみたい。(柴田)

・暗黒トンネルから抜け出した。といってもいつ呼び出されるかわからないので油断できないし、残務やら次のお仕事の話も来てたりするから普段ペースにはまだ戻れなさそうだけど。抜け出すと、まだまだやれたんじゃないかと思ったりもする。やっている最中は限界だったのに、いざ終わってみると勉強になったよなぁなどと前向きに(笑)。年末年始の休みもなかったし、一週間ぐらいの休みがとりたい。一日中ゴロゴロしたい。終わったらやりたいと思っていたことは、今はどうでもよくなった。やらないといけないことはある。新年の挨拶ならぬ新年度挨拶を友人らに。4月からのカレンダーつけてみるってのはどうだろう? 新年度にしたのには必然性があったのだと思ってもらう手。......却下。会社に行って皆にお詫び。歯医者に、健康保険での定期健康審査。このあたりは予約するのがおっくう。髪の毛も切りたい。お肌や爪のお手入れもしたいものだわ。女捨てるとお仕事は捗る。事務関係は延期したままだし、確定申告もやんなきゃ。いつもなら毎月伝票整理してたのに、去年は忙しさにかまけてまるまるさぼったから、きついだろうなぁ。スポーツジムにも行けそう。あ、大阪マラソンのチャレンジランも申し込まなければ。HDDや資料類の整理、家事に銀行に......。やっとまともな食生活に戻れる〜! 普段のペースに戻れる〜! 目指せ、規則正しい生活! ニンテンドー3DSも触ろうっと。(hammer.mule)