[3024] 狭くても広い家に住みたい

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《何気ない風景から絵を切り出すという感覚》

■わが逃走[81]
 冬の尾道の巻 その3
 齋藤 浩

■買物王子の家づくり[05]
 狭くても広い家に住みたい
 石原 強

■イベント案内
 ニコニ コミュニティ 所幸則「写真家の異常な愛情」
 緊急特番「芸術芸術と経済」ゲスト:佐藤敦紀



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■わが逃走[81]
冬の尾道の巻 その3

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20110310140300.html
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こんにちは。相も変わらず尾道路地裏階段鑑賞協会会員の齋藤です。

故郷(と勝手に思い込んでいる)尾道の飾らない魅力を写真の力で伝えたい!と思い立ち、地道に啓蒙活動をやってます。

名物があるからとか、名所に行くためとか、そういう観光は"いわゆる観光地"に任せておいて、その土地ならではの普通の生活を知るシアワセとか、日常の中に不思議を発見できた喜びとか、そういった価値が味わえてこそ本当の観光ってやつなんじゃない? という訳で、尾道はいいぞー。

さてそれでは前回のつづき。その2で紹介した猫に会ったのは11時頃だったかな。1月初旬だというのに、日向を歩くとコートがいらないくらい暖かかった。小学校の脇をてくてく歩いてゆくと、おお、見事なまっすぐ階段!
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/001 >

望遠で撮ると遠近感が圧縮されてオモシロイ。さらに学校の裏手を回り込み、坂道を上っていくと曲線の美しい壁に遭遇。てっぺんの金属棒にどのような機能があるかは不明だが、なんともミニマルアート的な魅力を感じてしまう。
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/002 >

こんど尾道に行ったら、この逆Jの字型金属棒をよりオブジェっぽく彫刻っぽく撮ってみたい。まあただの棒なんだけどね。その地に思い入れがあると、なぜかこういうものが面白く見えちゃうんですよ。

なんてことを考えながらさらに歩いてゆく。住宅密集地なのに、庭先に隣の家の屋根があるくらい高低差があるので陽当たりが良い。それ即ち散歩が楽しい。ふと見下ろすと見事なスイッチバック形式の階段!
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/003 >

美しいなあ。午前中の日差しと手すりの影とのコントラストが、階段のリズムを引き立たせているような気がする。と思ってさらに進むと、なんと足下に見事な稲妻模様が!
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/004 >

滑り止めのために彫ったのであろうメッシュパターンとの対比が見事。虚と正とのコラボレーション、そしてレリーフ表現との調和。

美しい。見事だ...。などとぶつぶついいながら地面を撮ってる変な奴、オレ。でも、俗っぽいバラの絵や訳のわからん裸の彫刻を見せられるのは大きなお世話と思う訳だが、このように芸術として作られたのではないのに、それ以上の力を感じてしまうモノや景色に巡り会ったときには素直に感動してしまうのだ。

ただ、その感動をいかに第三者に伝えるかとなると、なかなか難しい。このあたりをライフワークとしつつ、"伝え業"デザインという仕事に日々精進いたす所存。

てなことを心の中で誓っていたところ、目の前に凛々しい猫が現れた。おお、こいつぁ美しい。媚びてない自立した猫。こういう奴は好きだなあ。
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「魚?」とか言いながら振り返ったの図。ハンターの表情。さらに猫の足下を見ると不思議な物体が。
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/006 >

こちらも用途不明。穴のあいた突起物。かつて雨どいか何かが繋がってたのかなあ。なんともいえない曲面で構成されたフォルムに愛嬌を感じる。いわゆる無作為の美。

そうこうしているうちにロープウェイの駅に着いたのでそのまま乗車、山頂から展望台へ。正午すぎくらいだったかな。逆光の尾道水道が輝いていた。
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/007 >

あ、この写真はつまんないけどわかりやすいですね。
対岸は向島。造船所のドックがカッコイイぜ。

造船所といえば、この写真のずーっと左(福山寄り)にある尾道造船で、この日は進水式があるのだった。180メートル近くある巨体が、船台と呼ばれる滑り台から一気に海へと滑り出す迫力は相当なものです。

という訳で、メシも食わずに尾道造船、通称おのぞうへ向かう。このへんに関しては『わが逃走[46]巨大であることは美しいことだ! と断言いたす所存。の巻』で書いているので今回は簡単に。

ゲートにて進水式の見学ってことを伝えたらすぐに造船所内へ入れる。今回は二度目なので腰を抜かすほどではないが、相変わらずの巨大さに圧倒される。鉄と油のにおいと構造美の世界。またクレーンやリフトなどの機械は機能の塊だ。視認性確保のための鮮やかな塗装が午後の日差しに映える。
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/008 >
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/009 >

前回はその巨体を画面に収めるために超広角レンズを多用したのだが、今回は90mmレンズで絵になる構成を探す。同じモチーフでも画角を変えるだけで伝わり方が全く変わってしまう。当たり前なんだけどいちいち感動する。写真は船首の錨付近。
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/010 >

こちらが手前側となり、進水の際はおしりから海へとすべっていくのだ。轟音とともに巨大な船体が滑り出し、波しぶきが消えるともう船は海に浮かんでいる。初めて見る人は意外なほどあっけないと思うかもしれないが、その迫力たるや癖になるってもんだぜ。そして長く歴史を刻むであろうその船の誕生に立ち会えたことは、妙〜に嬉しい気持ちになるのですよ。皆さんも是非。

といった具合に、清々しい気分で造船所を後にする。まだまだ時間は充分にある。という訳で、造船所では近すぎて全貌を把握しきれなかった船を、対岸から眺めてみることにした。

少し歩くと渡船乗り場があるので、ひょいっと向島へ渡る。片道百円也。おお、フェリーから今進水した船がよく見える。こんど来るときには対岸から見学ってのもいいかもね。
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徐々に陽も傾いてきた。西日を反射する瓦屋根が美しい。
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/012 >

季節によっても時間によっても、尾道という町の見せる表情は実に多彩だ。といったところでこの旅も終わろうとしています。36枚撮りのポジフィルムで16本。オレの中ではデジカメじゃないのによく撮った方です。

今回のいちばんの収穫は、やはり90mmレンズの楽しみ方を知ったことでしょう。何気ない風景から絵を切り出すという感覚は、ポスターの画面構成を考えるときと似ています。デザインの仕事の中でも、この行程がいちばん楽しいと思っているので、なんだかすげー得した気分だ!

気持ちも充実したところで、さらば尾道。
< https://bn.dgcr.com/archives/2011/03/10/images/013 >

できれば桜の季節にまた行きたいなあ。こんどは念願だったライカと一緒に!

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/
>

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

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■買物王子の家づくり[05]
狭くても広い家に住みたい

石原 強
< https://bn.dgcr.com/archives/20110310140200.html
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土地探しの基準が明確になったので、ネットでも複数の不動産情報サイトに登録して土地探しを開始しました。毎日、出勤時のバスの中では、iPhoneアプリで新着情報をチェック。一件でも新しい情報が掲載されると、すぐに確認して、条件に合う物件は、その場で見学の申し込みをします。

そんな風にしていたら、数が少ない近所の物件は、すべて見尽くしてしまいました。不動産屋さんと話をしても「この近所の物件は、イシハラさんの方が詳しい」と言われるほどです。

●9坪の家って何?

土地には詳しくなったけど、肝心なのはその後の家づくりです。どんな家を建てるのか? 家を建てる手順や、気をつけたほうがいいことは? なんて疑問がたくさん沸いてきます。他の人はどうやって家を建てているんだろう? ということで、参考になりそうな住宅関連の本を買って読んでみました。中でも一番印象に残ったのが「9坪ハウス狂想曲」という本。著者は施主の荻原百合さん。

家をもたない賃貸主義を明言していた旦那さんが、急に「家を建てる」と言い出すところから始まる。仕事で企画した展覧会で展示した、家の軸組(柱だけの骨組み)を気に入って、自宅にすることを決意してしまった。その家は、増沢洵さんという建築家が自邸として設計した住宅。戦後の名作建築の一つで「最小限住宅」というもの。1階の面積が正方形で9坪。2階が6坪、合計15坪の小さな家です。

しかし、住んでいるマンションよりも狭い家には、妻である著者は大反対。けれどすったもんだした挙句、その家を増築をせずに住むことを決心するのです。引っ越す時には、収納が限られるから必要最低限のものしか持ち込めない。まるで旅行の準備のよう。持ち込むモノをリストして、ひとつひとつのサイズをはかり、原寸準大の棚まで作ってシミュレーションしたというのだからスゴイ。

15坪とはいえ、廊下が全くなく、スペースを最大限に使っているので、狭い感じがしない。逆に普通の家にはない、吹き抜けと大きな窓がありので、ゆとりある気持ちよさそうな家です。夫婦ともに気に入った理由もわかります。その家に住んだ後の家族の生活の変化や楽しさは、私の求めている家のイメージにぴったりです。

僕もこんな家に住んでみたいと妻に言ったら、私は大丈夫だけど、あなたは無理でしょ。そもそもモノが多すぎる。みんな処分しないと入らないよ。捨てられるの? と一刀両断されました。確かに、妻は片付ける=捨てる。という断捨離な人です。僕は、溜め込むタイプで、確かになかなか捨てられない。

この本を読んで、考え方を変えなければならないと思いました。家族やモノが増えて身体が大きくなるから住み替える。そうではなくて、身体が大きくなりそうになったらダイエットして痩せる。そうすれば、限られた中でも豊かな空間が手に入る。

それは我慢ではなく、都会に住む、住みこなす方法をだと思う。「都心で狭い家よりも、ちょっと離れた余裕のある場所で広い家のほうがいいんじゃない?」という周囲の意見にも迷いはなくなりました。

●こだわりを共有できる新たな出会い

こんな家があると知って、早速ネットで検索します。すると、その名のとおり「9坪ハウス」という名前のサイトがありました。運営は「Boo-Hoo-Woo.com」、デザイン住宅のプロデュースや賃貸を手がけている。デザインの優れたインテリア雑貨を扱うECサイトもある。
< http://www.boo-hoo-woo.com/
>

サイトには土地の情報も掲載されていました。一風変わった物件、都心から近郊の狭小住宅向けの土地ばかりです。だから予算も近い感じがします。早速、「土地を探す」から問い合わせを入れた。すぐに返信があってオフィスで面談をすることになった。

オフィスは東急東横線の代官山です。落ち着いたおしゃれな街。駅から5分くらい歩いた、ちょっと古いマンションの一室です。シンプルですが、名作イスが並ぶ会議室。趣味やこだわりを共有できそうな感じです。好きなデザイナー柳宗理のイスを選んで腰掛けました。

代表のオカザキさん、ミヤケさんの2人から「Boo-Hoo-Woo.com」の紹介を受ける。「9坪ハウス」「東京ハウス」というユニークな名前のプロダクト住宅と、オリジナルの注文住宅を手がけているという。都心の狭小住宅にも実績がある。旗竿状地や、斜線制限の厳しいカド地、変形地など制限ばかりの土地なのに、それを感じさせないデザインの家。狭いのにどの家も個性的で、こんな家に住めたらいいなと感じます。

9坪ハウスが好きという話をしました。ミヤケさんからは、9坪ハウスに住んでいるひとは、モノが少ないシンプルな生活で、みんな家族仲がいい。と言われました。狭いことが、かえって顔が見える家になるということなのかもしれない。壁もほとんどないから、喧嘩していたら居にくいだろうな。でもうちは15坪はちょっと苦しいかもと伝えると、9坪ハウスのシンプルなテイストを残しながらデザインすることも可能ということです。

土地の依頼をするために出かけたのに、楽しく趣味の話をしてきたような感じ。帰りに9坪ハウスのきれいなカタログ本もいただいた。これまでもハウスメーカーや工務店の人と話をしたけど、家のディテールとか仕上げとかデザインとかそういう話はできなかった。カタログから選べます、というだけ。ここならいい家づくりができそうです。

●住んでみたい家。だったけど......

後日、「Boo-Hoo-Woo.com」のお2人に案内をしてもらい、候補の土地をいくつか見て回った。その中で、条件にハマったのは西新宿5丁目の物件。手前に1区画、画奥に旗竿状の2区画の合計3区画。手前がお勧めでした。14坪と狭小だけど、両脇が奥の家の入り口になっているため、東西は空いている3方角地のような珍しい土地。

実は以前に、別の不動産屋さんの紹介で、この土地は見たことがあった。その時は古屋があって、なんとなく狭苦しい感じがしていた。今は更地になっているのでイメージが変わった。価格も下がったみたいです。以前にOZONEで作成した資料でも、必要面積をギリギリで満たしています。

前面道路は狭いから車はキツイが南向き。望みの京王線ではないけど、大江戸線の西新宿5丁目駅からすぐ近く。小学校も変わらず、すぐ近所に長男カケルの仲良しの保育園友達もいる。狭いだけに金額もこなれている。なんとも一長一短で決めかねる。

チラシにある参考プランは、無理やり駐車場をつけたような家。これではイメージがわかないというと、プランを入れてみては? という回答。それなりに良いのかもしれない。そこで、一度「Boo-Hoo-Woo.com」ならではのプランを作成してもらうことにした。

2週間ほど待ってプレゼンを受けました。図面ではわかりにくいからと模型まで準備してくれた。積み木を2つ重ねたような、横から見ると凸の字をした家。家のデザインがかわいい。張り出した部分が広いテラスになっています。東西に空きスペースがあることを活かして、風通しが良さそうです。一目みて気に入った。住んでみたい! 思える家でした。

延床面積は20坪で、敷地に対してはちょっと余裕があります。もう少し床面積を広くとった、間取りのバリエーションも作成していただきました。オカザキさんからは、テラスで大きくスペースをとるのはダメと言われるかと思った、ということ。とんでもない、これが一番気に入った。

家に帰って、プランを妻に見せます。すると開口一番、こんなに広いテラスいらないんじゃない? いやこれがいいじゃない、個性があって、と切り返すと、でも収納ないでしょ。うちはあなたと子供のモノがいっぱいなんだから、デザインが良いのは認めるけど、目一杯床面積とらないと住めないよ。ごもっともです。子供のスペースに、6畳ひと間で息子2人はちょっと苦しい感じがする。

土地の条件から、テラスをなくしたとしても床面積は22坪がギリギリ。さらにプランでは収納はほとんどないから、今ある荷物の量を考えても収納スペースや家具を確保する必要があります。そうなると、今のマンションと比較してそれほど大きく変わらないのではないか? それじゃあ新しく建てる意味がない。9坪ハウスの葛藤もこんな感じだったのだろう。

立地、家、予算それぞれの、良いと思っている点、逆にイマイチと思っている点をリストして、点数づけをして自己分析してみた。結果はプラスマイナス0でした。さんざん迷ったが、この物件は見送ることにしました。条件は満たしているが、あんまりに余裕がなさ過ぎるという結論。

では、あとどのくらい必要なのか? もうひとつ6畳がとれる3坪。最低でも合計25坪が必要だと思う。あまりに狭い土地は難しいという教訓から、計算上は15坪以上が条件ですが、可能なら18坪〜20坪程度が希望となりました。

そうなると、やはり新宿区、渋谷区はキビしそう。初台、幡ヶ谷の次の駅、笹塚駅の周囲、杉並区、中野区ならなんとか希望の物件がありそうだ。また振り出しに戻ってしまったけど、徐々に条件が絞られて、イメージも固まってきたことは確かです。

【いしはら・つよし】tsuyoshi@muddler.jp

明日は長男の保育園の卒園式、4月からは小学校です。仕事も3月の年度末で一区切り、4月からは異動やら新しいプロジェクト立ち上げで、この時期は毎年ばたばたして慌ただしい。でも新しいつながりができるのは悪くない。
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■イベント案内
ニコニ コミュニティ 所幸則「写真家の異常な愛情」
緊急特番「芸術芸術と経済」ゲスト:佐藤敦紀
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< https://bn.dgcr.com/archives/20110310140100.html
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不定期でお送りする所幸則の「写真家の異常な愛情」。今週土曜日には佐藤敦紀さんがゲスト! 日本の映画界を代表するVFXスーパーヴァイザーの一人です。最近の作品は以下の通り。

リターナー(2002年)劇場版仮面ライダー555 パラダイス・ロスト(2003年)キューティーハニー(2004年)ローレライ(2005年)日本沈没(2006年)ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年)隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS(2008年)GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0(2008年)柳生一族の陰謀(2008年) のだめカンタービレ最終楽章 前篇(2009年)のだめカンタービレ最終楽章 後篇(2010年)MM9(2010年)

予定では21時から22時まで。テーマは「芸術家にとって出会いがいかに大事か、そして芸術と経済」です。時間的に無理な方はタイムシフト再生という機能がニコ動にはあります。録画ですね、簡単にいうと。このメンバーとの会話はプレミアム会員になる価値あると思いますよ。所幸則がニコ動やってる間だけでもどうぞ。

次回は3月16日18時半〜。前回3月2日の18時半〜に緊急放送にもかかわらず、100人以上が視聴した写真家・所幸則と松枝佳紀(アロッタファジャイナ主宰、劇作家、演出家、シナリオライター)の二人で「芸術と経済」についてですが、反響がハンパなかったので、また彼とは突っ込んで話します。(所幸則)

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■編集後記(3/10)

・島田雅彦「悪貨」を読む(講談社、2010)。帯にある「闇の天才ビジネスマンVS.美人すぎる刑事 成功するのは、恋か、捜査か?」なんて、あまりにマヌケなキャッチフレーズには一気に読む気が失せる。だが、作家の川上未映子が書評で「読み終わったとき感激と悲しさで少し泣いてしまった。読めてよかった」とまで書いているのだからと、渋々読み始めたらけっこうおもしろかった。真札と見分けがつかない偽札が現れ、悪貨が良貨を駆逐する事態が起きつつある。日本の貨幣経済を葬ることを夢見た日本人野心家と、日本を丸ごと略奪・植民地化を目指す中国人黒幕による通貨偽造組織の仕業だ。次々に現れる謎と人間関係と恋愛が交錯し、かなりテンポよく話が展開するエンターテインメント。大量の偽札が市中に流通すれば、インフレが起き日本円が暴落し経済は制御不能になる。どうする、日本。いまの中国の動向を見ていると、この国家的陰謀がいま秘かに進行中かもしれないと思わされる。無策で内閣支持率しか考えない首相(笑)、自ら進んで国際金融機関や中国人黒幕の傀儡になろうとする次の首相を目指す国家戦略相...、ありそうな話。徐福計画に対抗する彼岸計画...。これはぜひ漫画化してほしいな。それにしても、やっぱり最低のキャッチフレーズであった。それがメインの話ではない。(柴田)
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→アマゾンで見る(レビュー11件)

・NHKのラジオも、10月からネット配信へ。でもradikoで配信するんじゃないみたい。/初音ミクに代表されるボーカロイド。オリジナルアルバムがオリコン上位になったり、KAT-TUNのシングルがそれのパクリだったり。今年のライブパーティーの評判が悪いとかでニュースになっていて、昨年の映像を見て軽いカルチャーショック。こんな世界があるとは。/以前の生活に戻すことに。朝5時起床、夜11時就寝。掃除洗濯などをして、朝8時から仕事。しかし夜8時ぐらいでもう眠い。夕食を作りながら寝そうになる。外出が続き、足腰が痛いわ(歩いただけで驚愕の筋肉痛)、頭痛はするわ、今朝は喉が痛く寒気がする。張り切りすぎて風邪をひいたようだ。食生活が悪かったし、体力なくなっているし、頭に体がついていっていないみたい......。/張り切ってニンテンドー3DSを持ち歩いてみたが、すれ違いの成果なし。ちょっと寂しい。(hammer.mule)
< http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110310_432290.html
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NHK、ラジオ番組のネット配信を10月スタート
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人間の目だともっと実在感ありそう。スクリーンが透過してる
< http://39miku.seesaa.net/article/181499986.html
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巡音ルカDYEについて(ご報告)