アンビエントメディアの夜明け[16]ソーシャルメディアが非常時にできることは何か?
── 川井拓也 ──

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(2011.3.14記)

この週末に受けた精神的なダメージは、どこに住んでいる人にとっても相当なものだったと思います。まるでパニック映画のCGのような、信じられない光景が自分の国で起こっていることに、思考が止まってしまいそうでした。

一方、この未曽有の大災害に対して、マスメディアだけではなくソーシャルメディアという情報源があるということが、いろいろな意味で救われる状況を作っています。

私が特に注目してウォッチしているライブメディアのUstreamでは、NHKをはじめTBS、フジテレビ、テレビ朝日などが軒並みミラーストリームを公式に許可し、災害発生当日からネットを通じて見られるようになっています。

また、オルタナティブな中継としては、福島原発の放射能漏れを受けて、都内に自作のガイガーカウンターを設定してそのディスプレイを中継しつづけるユーザーが出るなどしています。

ケータイや固定回線は軒並み不通になりましたが、twitterなどは機能しており、さまざまなハッシュタグを通じて災害に関する情報のやりとりがされています。デマや風評などもかなり出回っていますが、それは災害時に限ったことではないネットメディアの特徴なので、真偽は各自が検証して情報として把握する必要があります。

海外メディアの報道は、もっぱら原発の問題にフォーカスされているように見えますが、国内メディアとは違った写真などを掲載しており、アクセスできる人は参照しておく価値はあります。

停電の情報は混乱を極めていますが、国家の非常時に節電を促す情報は数多く発信され、その結果午前中の停電はまぬがれたように見えます。エコを通り越した切迫した節電状況は、今後の私たちの生活スタイルを大きく左右することになりそうです。

「不謹慎」「自粛」ムードもありますが、生きている人たちは日常生活を送りながら、自分にできることをしていくのがいいと思います。私も自分にできることは何か? と考え、以下のようなイベントを細く長く続けていければと思っています。
< http://twipla.jp/events/6068
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【川井拓也 / Takuya Kawai】
mail:kawai@himanainu.jp twitter @himanainu_kawai