装飾山イバラ道[75]iPad2で楽しむ「ザ・セトラーズ HD」
── 武田瑛夢 ──

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私は毎年GWにひとつ歳をとる。歳を重ねるのは嫌だけれど、GWだからまだ気はまぎれる。いや、まぎれてしまうからいつの間にかこんなに歳をとってしまったのか。

今年のGWは特にどこへ行く予定も立てず、少しずつでも日常を取り戻せればいいと思っていた。あれだけのことがあったからか、自分のレジャー欲がすっかり減退していたのかもしれない。そんなところに突然の「iPad2」発売のニュース。

3月に発売延期になった時には、残念だと思う余裕もなくてそれどころではなかった。あきらめるのもしょうがないような気持ちでいた。4月の終わりとは、思っていたよりも早く日本での発売になった印象。



●整理券方式のソフトバンク(表参道店)

初代iPadの時は購入を見送ったので、使っている人が羨ましかった。今回はカメラもついたし、私には買い時かもしれない。いよいよ明日4月の28日が発売という時、夜な夜なネットで情報を探していたら、ソフトバンクでは災害対策としても行列を作らせないために、いくつかの直営店では整理券配布をしているとのこと。そんな孫さんの考えに賛同し、表参道では終電が終わっても配っているらしかったので、朝早く行って整理券を手に入れることにした。

朝の6時頃に表参道に着いて、整理券をもらうと10時から11時にもう一度来てくださいとのこと。整理券にはきちんと氏名を書かされて、本人のみ購入可能になっていた。悩んだあげく32GBのホワイトでWiFiモデルにした。家の中だと無線だし、外に出るなら常にiPhoneも持ち歩くだろうから3Gはつけなかった。

他の店舗では前の夜から並んでいた人もいたことを思えば、整理券方式はとてもありがたい。帰宅して暖かくして時間が来るのを待てばいいのだ。ただひとつ想定外だったのは、私は帰ってから一旦寝てしまったので、もう一度起きる時の辛さを考えていなかった(自業自得)。ただの二度寝でも起きるのが辛いのに、中途半端に活動してからのチョイ寝で起きなければならないのだ。10時から11時の間のたった1時間しか割当時間はないのに。

整理券を受け取るときに、あらかじめその日中なら購入の権利はあるとのことを聞いておいたけれど、せっかくきちんとルールを決めてくれているのだから時間は守らなきゃと、グォ〜っとなんとか起き上がって、再び表参道に向かった。時間には間に合って、中に通される。展示品がすっきりと置かれた一階とは違って、地階ではたくさんの人がカウンターでひしめきあってiPad2を購入していた。混乱はまったくない。

整理券のためか2、3人が待たされた程度で、あっという間にカウンターへ案内された。私の行った時間帯だけを見れば、整理券方式での販売はとてもスムーズでうまく人をさばけていたように思う。無事32GBのホワイトのiPad2を手にして、次にカバーを選ぶ。

・アップル Smart Cover
< http://www.apple.com/jp/ipad/smart-cover/
>

一階でカバー類を見ていたらSmart Coverが箱入りのままで質感がわからない。一枚も箱から出されたサンプルがないなんて残念だった。Webで動画を見るとSmart Coverは画面保護だけで、背面がむきだしなのがなんともスースーする感じだ。ポリウレタン製が3,980円で、革製が6,980円。かなり迷ったけれど、結局当面の保護用にソフトバンク製のベージュの別のカバーを買った。後ろも完全に覆われている過保護なタイプだけれど、初iPadなのでちょうどいいと思って。その後結局またカバーのことで悩むことになったけれど......。

後でニュースを見たら、AppleStoreで並んでいた人たちは軽食がサービスされたり、オープン時に拍手で迎えられたりして楽しそう。若かったらそういうのもいいと思った。

デパ地下でお昼ご飯を買って、家に帰ってだんなさんにiPad2を見せたりMacBookProと接続して同期をとったりしていると、あっという間にお昼時間になった。母とだんなさんと一緒にお昼ご飯を食べるので、手抜きお昼ご飯になった理由がiPad2であるという説明をしながら本体を見せてみる。

母はあまり興味がないようだったけれど「あーこれ、今朝テレビで4万いくらとかってやってたやつね」さすがに値段には敏感だ。「4万数千円なのは16GBで、これは32GBだからもうちょっと高いよ」(私)と言うと、「あーほんとだ、ちょっと大きいみたい」と天然な感想をのべていた。「大きさは変わらないけどねー、ハハハー」

●iPadの良さを生かせるアプリ

iPhoneで使っていたアプリと同期をとってしまったので、初日のiPadの使い心地は「大きなiPhone」といった、さほど意外性のないものと言えるかもしれない。ただ、大きいことで得られる価値はやはり素晴らしい。本や漫画、雑誌を見るにはとても快適だった。

iPhoneで「カイジ」を何十冊も読んだ私としては、拡大いらずでスイスイとページ送りができるiPadは夢のように便利だ。手塚治虫の漫画アプリでは、iPadを横にすると見開きの絵がすっきりとつながって、作者の意図する構図を楽しむことができる。iPadでデジタル漫画を読むなら、一冊350円を払っても納得できると思えた。ひと月に何冊までと決めないとキリがなさそう。

iPhoneで愛用していたいくつかのアプリは、iPad用のものをダウンロードしなおした。iPadの大きな画面を生かしたアプリも使ってみたくて、探してみたら「ザ・セトラーズ」というゲームに目がとまった。期間限定で通常1,200円が115円になっている。間違いなく安いと思う。

・「ザ・セトラーズ HD 開発:Gameloft」
< http://itunes.apple.com/jp/app/id371112669
>

画面を見てもらってもわかるように、かなり男子向けの見た目のゲーム。でもこれがやってみると、島の住民たちが麦畑を耕したり、木を切り倒して木材を作るのがとってもけなげなゲームなのだ。

アイコンボタンで麦畑を用意したり、鉱山に炭坑を作ったりして、住民たちに仕事を与えていく。食事と道具、武器の生産体制を整えながら人口を増やして、領土を広げていくというRTS(リアルタイムシュミレーション)というジャンルのゲームだ。

戦略を立てながら要素を配置していくゲームというのは多いけれど、これだけグラフィックが綺麗で細かくて、場面に応じた動きが用意されているというのは素晴らしくて驚いた。漁師小屋を立てれば、漁師になった住民が魚を釣って小屋の中に運び入れている様子が見えるし、麦を植えたり刈り取ったりする様子はすべて動きがついていて見ているだけでもかわいらしい。ガリバー旅行記の絵本で、小人たちが皆いっせいに目的をもって動いているような感じだ。

画面を拡大縮小する機能も用意されてはいるけれど、あまりアップで見ることはできない。個々の顔の表情は見えないくらいで動きまわっているのがちょうど良くて、住民に愛情がわいてくるのだ。

基本的に木材がなければ家は建てられず、木を切り倒すための斧は自分たちで作らなければならない。道具の元となる鉄を採るには鉱山に地質学者を送り、同時に開拓者たちに領土を切り開かせる必要がある。正直、最初はとってもめんどくさいゲームだけれど、一度コツをつかんでうまく仕事が回り出すととてつもなく楽しい。

基本的に場を用意するだけで後は待っていれば、住民たちは自分で仕事に就く。炭坑を建ててあげただけで、住民たちが列をなしてやってきて石炭を掘って運んで行く。お前たちはなんてかわいいのだー!

しかし、平和なだけのゲームではない。敵の侵略軍に監視塔を乗っ取っられたり、見張りを置き忘れた場所の開拓者を殺されてしまったりする。かわいい住民たちが減って行くのを阻止するには、もっと真剣に考えて領土に建造物を配置しなければいけないのだ。

住民の数が増えたら、兵舎を建てて兵士をバランスよく雇って戦いの準備を整えてから敵軍に攻め込む。複数のセーブで履歴を残して何度か試しながら、兵士のダメージが少ない方法をみつけなければならない。

このゲームにはiPhone版「ザ・セトラーズ」もある。ハマリ度が高いのはiPad版と同じみたいなので(GWが終わってから言うのも何ですが)時間のある人はどうぞ。
・「ザ・セトラーズ 開発: Gameloft」
< http://itunes.apple.com/jp/app/id337938346
>

試しにだんなさんにもこのゲームを私のiPadで遊んでもらったらハマったらしく、iPadが欲しくなったみたい。だんなさんは数ヶ月前にギャラタブ(GALAXYTab)を買っていたので、iPad2は見送るはずだったのにどうなることやら。ギャラタブが正式にAppleに訴えられてしまった時も、しょげていたのでかわいそう。私としてはすぐそばにiPadを使う人がいた方が、倍以上いろいろ楽しみが広がるのでウェルカムなんだけれど。

ということで今年のGWは、地味に膝の上でiPad2を触っていました。手で持って操作するにはまだまだ重い。寝ながらラッコみたいにお腹にのせるのも辛いし、大きさと重さのバランスは今後もっと改善されそうだと思う。

結局、カバーはソフトバンクのもので全く問題なく使えているけれど、AppleのサイトからSmart Coverの赤も注文してしまった。まだ届かないけれど、風呂フタみたいとは言いつつも家の中では便利な気がしたのと、iPad2の白と赤はジャパンカラーで合いそうだなと。カバーが届いたらまた報告します。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/
>

非常食も必要だと思っていろいろ買ってみるけれど、お湯さえあれば食べられるものでけっこう優秀なのが「クスクス」。以前HAL_さんも紹介していましたね。デュラムセモリナ粉でできている小さな小さな粒状のパスタなので、鶏肉のトマト煮込みやカレーに添えたりして食べる。粒状の粉に同量のお湯を入れて数分蒸らすだけでご飯のように食べられるので、非常事態にはこれと缶詰で食事になると思う。
・クスクス 大粒 1kg
< http://item.rakuten.co.jp/kenkocom/x544090h/
>