アンビエントメディアの夜明け[18]アンビエント通信の切り札HTC EVOの節電レポート
── 川井拓也 ──

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どのデバイスも自然に高速通信するのに、テザリングは便利な機能です。auのHTC EVOを買って一か月になりますが、そのレポートを少ししてみたいと思います。

これまでイーモバイルのPocket WiFiを使い、ノートパソコンやiPad、iPodtouchの通信に使っていました。イーモバイルは室内でも割と電波受けられますし、移動しても粘ってくれますので、日常的な使用では特に不満はありませんでした。しかし、Ustreamなどの配信に使うには、もう少し上りの速度が欲しいと思うこともしばしば。

そこで、メイン回線のauが3GとWiMAXの両方の電波をテザリングできるEVOを出したので、発売日に機種変更しました。最初に使ってみて愕然としたのはバッテリーの持ちの悪さ。最初からバッテリーが2個ついてくるのでいやな予感はしましたが、普通に使っていて昼までもたないという有様。ううむ、と思っていろいろいじってみると、バッテリ節約術が見えてきました。



EVOのバッテリー消費の大半は、3GとWiMAXの基地局を探すことに使われているようなのです。そこで、電話として使えばいい、いわゆる待ち受け状態では3Gのみをオンに。パソコンでメール処理などをするためにテザリングするときは、3Gとテザリングを。Ustreamなどをするときは、3GをオフにしてWiMAXとテザリングを。

このように、使用用途に合わせて細かく切り替えていくと、かなりバッテリーがもつようになりました。ホーム画面にウィジェットで設定の「携帯電話」「WiMAX」「Wi-Fi」「Wi-Fiテザリング」を追加すると、それぞれがトグルモードのスイッチになるので切り替えが便利です。

EVOはこんな感じで、こまめに通信環境を切り替えていくと、夕方までファーストバッテリーでもつようになります。でも夜になると、セカンドバッテリーを使うか、エネループモバイルブースターのような外部電源を使うことになります。

セカンドバッテリーの使用を習慣化していくと、今度はその交換のために裏蓋を取るという作業がおっくうになります。この裏蓋が妙にちゃっちく、小さな爪が何本も出ているので、そのうち割れてしまうに違いないと感じるからです。

そこでEVO用のケースを買い、それをそのまま裏蓋なしで装着します。バッテリーも裏面も、裏蓋をつけていないEVOは真っ赤で割とかっこいいのです。その赤がいい感じに透けるので「3倍速いやつ」みたいな雰囲気になります。

EVOにはキックスタンドがついているので、YouTubeの動画などを見るのにとても便利。横画面に特化したスタンドですが、置き時計のようにして見ることができます。ファミレスでチビがごねた時などは、すかさずYouTubeで「はたらくくるま」や「新幹線」を検索して見せています。

そんなわけで、夏モデルでテザリング対応機がないauですが、HTC EVOはWiMAXと3G両方を自由にテザリングできる唯一の機種としてまだまだ注目です。

【川井拓也 / Takuya Kawai】
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