[3062] 脳活動センシングの進化が作曲を変える

投稿:  著者:  読了時間:26分(本文:約12,500文字)


《節電のためサーバーを海外へ移転させる方がいいのかも》

■明日もデザインで食べていこう![16]
 はじめてcronを使ったよ、ってか何それ?
 秋葉秀樹

■クリエイター手抜きプロジェクト[279]Adobe Bridge CS3/CS4/CS5編
 アプリケーション間でやりとりする(1)
 古籏一浩

■データ・デザインの地平[07]
 脳活動センシングの進化が作曲を変える
 薬師寺 聖

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■明日もデザインで食べていこう![16]
はじめてcronを使ったよ、ってか何それ?

秋葉秀樹
< http://bn.dgcr.com/archives/20110613140300.html >
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こんにちは、秋葉です。
人生の先輩であり、あるスクールの先生から「秋葉さんのデジクリの記事は難しすぎてワシにはわからんわ〜」と言われてたことを思い出しました。^^;
僕自身が本業の開発者ではない分、なるべく分かりやすく説明しようと思っていたんですが、どうもややこしいことを書いていたようです...反省。

今日から噛み砕いて書いてみようと思いますが、表現的に行き過ぎたところがありましたらどうぞご指摘くださいませ!!
何卒よろしくおねがいしまっす!!!

●今週末はHTML5やCSS3を実践している人が登壇するセミナー開催

今週末の6月18日は大阪産業創造館でイベント「HTML5+CSS3 制作現場の実践アプローチ大公開!」が開催されます。
< http://m2.cap-ut.co.jp/event/col01.html >

毎日コミュニケーションズより発売予定の「CSS3デザインプロフェッショナルガイド」の著者が全員出演するというものです。実際の現場でHTML5案件に携わった人もいるので、トラブルネタとかも発表される予定です。

やはり現場の経験者がいるって強みですね。仕様書に書いてあることが聞けるセミナーは今まで何度となくあったんですが、実際案件で実装してみてどうなの? って話が出来る人は結構少ないんですよね。僕は、またここでも報告する予定ですが、SOY CMS2の開発者の宮澤了祐さんと一緒に登壇します。

テーマはWeb Socket。
Web Socketって難しそうですよね? これは今までのAjax通信とは違い、一度接続したらこちらからデータを取りにいくことはもちろん、黙っていてもサーバからデータが送られてきます。例えば10人が接続したとして、だれかがアンケートに1票投じたその瞬間、他の9人に知らせが行きます。

こう書くと「そんなの今まででもみたことあるぞ」と思われるかもしれません。従来の方法だと9人(実際は10人全員)が一定のタイミングでサーバに「誰か投票したかな?」っていう要求を送って、その結果をサーバが返すという手続きが必要なんです。しかしWeb Socketの場合、要求を送るという手続きが要りません。他の9人が黙っていてもサーバが自動的に通知をすることになるわけです。

その技術を使って、会場のみなさんとアンケートやクイズをして、なにやら賞品もあるそうなのでゲットしてください! 対応ブラウザが入った端末を持っている方は全員参加してみてください。双方向通信の技術を体験してもらいたいからです。

このセッションでは体験してもらった後、使われている以下の技術を解説します。お楽しみに!!

・Web Socket
・node.js
・Socket.IO
・Canvas
・CSS3 transform

●チャリティイベント「Untitled!!!!!!!!」のfacebookページのコンテンツをFlashで制作

これは7月に発売される「facebookプロフェッショナルガイド」にも執筆させていただいたんですが、前にもご紹介しましたイベント「Untitled!!!!!!!!」のハッシュタグを付けてTwitterに投稿した方のツイートを、Flashで表現するfacebookページを作りました。
< http://www.facebook.com/Untitled8ex?sk=app_174051459319899 >

ここではcronという技術が使われています。cronとは、簡単にいうとサーバが一定のタイミングで中にあるPHPファイルなどを自動的に実行できる技術です。例えば誰もアクセスしてなくても、サーバ内のXMLを最新のものに更新させてしまいます。

Twitterのコメントは、時間が経つと検索しても引っかかりませんが、「TOPSY」というTwitterの検索サイトではたくさん出てきます。cronを実行させることによって15分間隔でTOPSYの情報を取得し、Flashが置かれている同ドメイン内のXMLファイルを自動的に書き換えてくれます。つまり、誰かがハッシュタグをつけてつぶやくと、Flashに反映される仕組みです。

cronが15分刻みで働くから、XMLも15分後には更新されているはず......と思いきや、結構負荷がかかるんですね、これ。5分刻みでcronを仕掛けたら大変なことに......。全く更新されるどころか、XMLが空っぽ!

相当慎重に扱わないと怖いテクノロジー、というか10分刻みでもかなりキツいようでした。サーバによると思いますが、取扱は要注意! 大事なのは、もしもうまく働かなかったらその対処をちゃんとすること、いきなりXMLが空っぽ、なんてことのないように対策をしておく必要がありますね。

ん? なぜそんなcronなんて難しいことをするかって? そうですね、最初はFlashが直接TOPSYのサイトに行ってデータを取得する形を考えたんですが、これが重い重い......。

別ドメインに行って情報を取得することだけでも相当な負荷がかかり、ローディング待ちの状態が結構続きます。これはさすがにまずい、と思ってローカル(同じサーバ内)にTOPSYのデータがあればいいなと思っていました。

ただし、TOPSYの検索結果が更新されたら、自分とこのサーバ内のXMLも自動的に更新されないと、何の意味もない。誰かがせっかくつぶやいたのに、それが無視されて古い情報しか残らないのはさびしい。だからXMLを自動更新させたい。これができればFlashのパフォーマンス(というかローディング)も良くなる。

◇当初
Flash → TOPSY結果取得 → Flash内で情報を解析してローディング完了

◇改善
cronがPHPに自動アクセス → TOPSY結果取得 → PHPがXML更新(15分間隔) ← FlashがXMLを解析、ロード完了
※PHPとXMLとFlashは同サーバ内にある

随時更新されるファイルをサーバ内に置くのであれば、導入を検討したい技術であるわけです。ちなみに今回使用したサーバは「サーバーカウボーイ[ http://server-cowboy.jp/ ] 」でした。サーバによって設定がだいぶ違うようですし、そもそも対応しているかどうか、導入の際は先に調べておきましょう!

今日はここまでです、どうもありがとうございました!!

【あきば・ひでき】
hidetaro7@gmail.com
< http://www.akibahideki.com/blog/ >

テクニカルディレクター・デザイナー。DTP黎明期からグラフィックデザインを学び、東京都営団地下鉄など交通広告を多数手がける。同時に音楽活動も活発に行い、西日本半全国ツアーなどを展開、某専門学校のテーマソングを作詞作曲、編曲から楽器全てを演奏してレコーディングするなど、マルチなクリエイティブ活動も。最近では東京と大阪の教育施設などで講師業をも務める。HTML CSS JavaScript Flash ActionScript 3DCG Movie DTP GraphicDesign...多種スキルを持つ。Web標準技術だけに執着せず、全てのメディアで説得力のある表現にチカラを注ぎたい、そんな仕事をしたい。

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■クリエイター手抜きプロジェクト[279]Adobe Bridge CS3/CS4/CS5編
アプリケーション間でやりとりする(1)

古籏一浩
< http://bn.dgcr.com/archives/20110613140200.html >
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Bridge最後のネタはBridgeTalk(ブリッジトーク)です。これは、Adobeアプリケーション間でやりとりするための機能です。

BridgeTalkを使えば、Photoshopで作成した画像をIllustratorで貼り付けて文字などを追加した後、InDesignに配置する、といったことが一応可能になります。一応と書いたのは、場合によってはうまく動かないパターンもあるということです。

また、一度実行中にしくじってしまうと、そのファイル名からの処理を受け付けなくなることがあります。ファイル名を変更すれば対処できますが、どこに不具合があるか分からないというのも正直なところです。

BridgeTalkは便利そうですが、いざやってみると大変そうだと感じるかもしれません。特に指示を出した後は非同期で処理が行われるため、3つ以上のアプリケーションをまたぐ処理は面倒です。

まず、簡単なところでPhotoshop CS3を呼び出してみましょう。以下のスクリプトを実行すると、ぱっと見ではアラートダイアログには「1」「2」「3」と表示されそうですが実際には「3」「1」「2」または「1」「3」「2」の順番で数字が表示されます。


var btObj = new BridgeTalk;
btObj.body = "alert(1)";
btObj.target = "photoshop-10"; // Photoshop CS3
btObj.onResult = function(resObj){
alert(2);
}
btObj.send();
alert(3);


Photoshop → Bridge→Illustratorを呼び出したりすると、面倒になっていきます。


var btObj = new BridgeTalk;
btObj.body = "alert(1)";
btObj.target = "photoshop-10"; // Photoshop CS3
btObj.onResult = function(resObj){
alert(2);
var btObj2 = new BridgeTalk;
btObj2.body = "alert(4)";
btObj2.target = "illustrator-13"; // Illustrator CS3
btObj2.onResult = function(resObj){
alert(5);
}
btObj2.send();
alert(6);
}
btObj.send();
alert(3);


連携させようとすればするほど、泥沼のように面倒になってしまいます。これでは、アプリケーション間でやりとりする前に気力が萎えてしまいます。そこで一工夫して、以下のようにすると指定した順番でスクリプトが実行されるようになります。


(function(){
var PSCS3 = "photoshop-10";
var AICS3 = "illustrator-13";
var AECS3 = "aftereffects-8";
var IDCS3 = "indesign-5";
var BRCS3 = "bridge-2";
var DWCS3 = "dreamweaver-9";
var funcList = [];
funcList[0] = { target : PSCS3, func : "alert(0)" };
funcList[1] = { target : AICS3, func : "alert(1)" };
funcList[2] = { target : AECS3, func : "alert(2)" };
funcList[3] = { target : BRCS3, func : "alert(3)" };
funcList[4] = { target : IDCS3, func : "alert(4)" };
funcList[5] = { target : DWCS3, func : "alert(5)" };
funcList[6] = { target : PSCS3, func : "alert(6)" };
var count = 0;
myBTalk();

function myBTalk(){
var btObj = new BridgeTalk;
btObj.body = funcList[count].func;
btObj.target = funcList[count].target;
btObj.onResult = function(resObj){
if (count++ < funcList.length) myBTalk();
}
btObj.send();
}
})();


funcList配列に、順番に実行したいアプリケーション名とスクリプトを指定します。targetがアプリケーション名、funcがアプリケーションで実行したいスクリプトになります。アプリケーション間で値を受け渡す場合には、もう少し工夫が必要になります。それは、次回説明します。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/ >

節電のためサーバーを海外へ移転させる方がいいのかも。でも、こうなると国内には何も残らず、すっからかん。とりあえず自前サーバーだけど停電したらUPS数十分くらいしか持たないなあ。

・毎度おなじみASCII.jpの連載。HTML5+NimbleKitでiPhoneアプリ作り第4回
「MapKit×JavaScriptでiPhone用GPSアプリ」
< http://ascii.jp/elem/000/000/611/611499/ >

・Google API Expertが解説する HTML5逆引きリファレンス(6/23発売)
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844330349 >

・iPhone/iPad × HTML5アプリ制作
< http://www.amazon.co.jp/dp/4797362618 >

・ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/ >

・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/ >


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■データ・デザインの地平[07]
脳活動センシングの進化が作曲を変える

薬師寺 聖
< http://bn.dgcr.com/archives/20110613140100.html >
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●ヒトをパラメータとする、曲の生成

いまや、BMI(ブレーン・マシン・インターフェース)の進化には目覚ましいものがあります。脳波などを利用した感情やテキストや絵の出力は、現実味を帯びてきています。音楽についても、同様です。

音やリズムなどのデータベースを構築しておき、取得した脳の神経活動の情報──代表的なところでは「脳波」──に対応するデータを抽出して組み合わせることにより、曲を生成することは可能です。しかも、生成された曲は、作曲者の心身の状態や置かれた環境を、少なからず表現するものになります。

ところが、この方法は、ヒトに作曲しようという意志がなくとも、曲を生みだします。極論すれば、作曲者は、人間以外の動物でもかまいません。センサから取得された情報を音に変換すればいいのですから、心拍、血圧、呼吸など、物理的変化があって、そのデータを取得できさえすれば、曲は生まれます。

これでは、作曲者は、クリエータではなく、パラメータでしかありません。作られる曲は、作曲者のオリジナルではなく、作曲者とデータベース・エンジニアと変換・出力処理を開発したプログラマとの共同作品です。作曲者の創造性が、協業するエンジニアのそれを超えることはないでしょう。

●脳波制御による、曲の生成

では、ヒトの意志による作曲に、BMIを活用することは可能でしょうか。

趣味であれ仕事であれ、作曲をする人は、それぞれ独自の方法を持っています。大まかに分ければ次のようなところではないかと思います。

(1)学習型:既存の音源やパーツを組み合わせる。
(2)知識型:音楽理論の知識があり、それを積み重ねていく。
(3)鼻歌型:メロディーを口ずさみ、演奏しながら、作り込む。
(4)構築型:着想を頭の中でシミュレーションしながらアレンジしていく。
(5)発見型:脳内に完成された楽曲を発見する。発見された楽曲は脳内再生される。

これらのうち、(1)(2)(3)については、作曲者の、脳波を制御する能力向上が鍵となります。楽器を演奏するように自在且つ繊細に脳波を制御できるなら、曲のイメージに基づいて、音やリズムを選択して組み合わせることもできるでしょう。現在、楽譜や演奏やシーケンスソフトにより定着させている「手」も使う作業は、「思考」のみで代替できるようになります。

●脳内再生音楽の走査による、曲の生成

前述の(1)(2)(3)と異なり、(4)(5)の方法を採用している作曲者にとっては、脳内でなされる作業を代替できるかどうかが鍵となります。

(4)では、作曲者の中で作り込まれ、徐々に形を成していく曲を取得して出力する必要があります。BMIシステムは、アレンジのシミュレート中に、作曲者の脳内で再生されている音楽を走査できなければなりません。

(5)についても、同様です。作曲者の脳内プレイヤーで再生される完成された楽曲を、走査できなければなりません。

脳内再生中の音楽を取得することは可能であっても、精度を高めるとなると容易なことではありません。

そもそも、脳内音楽再生時の活動部位が、すべての人にとって共通かどうかすら分かりません。筆者が、自らの脳を意識してみたところ、右目の横から右頭頂部を通って右耳の後ろ3cmほどの部分にいたる放物線のライン上で、音が鳴っているように感じられました。そこが活動しているのかもしれません。これは、好きな曲を脳内プレイヤーで再生する場合と同じ部位です。皆さんは、どうでしょうか。

さらにいうなら、作曲者の脳内音楽を取得する技術が確立すると、リスナー側の脳での再生も可能になるでしょう。脳から脳への直接伝達が可能となった暁には、記録メディアは不要になります。

また、一般的に、作曲者は楽器を演奏し、指の皮膚や耳からの情報は脳の成長にも影響を及ぼし、それが曲作りも反映されるものです。が、「Brain to Brain」の時代には、楽器演奏の経験を持たない作曲者が現れ、身体性を伴わない、全く新しいタイプの音楽が誕生するでしょう。

●作曲者による発見を待つ曲の補足と出力

これまで述べてきたことは、時間経過に沿って曲の全体像があきらかになるような作曲方法については有効です。

しかしながら、(5)の方法においては、曲の脳内再生が始まれば音楽は時間に沿って流れ出しはするものの、その発見自体は無時間的です。

曲は、作られながら脳内再生されるわけではありません。作曲者が、あらかじめ存在している曲に気付き、これにアクセスすると、自動再生が始まるのです。たとえるなら、インタプリタ方式ではなく、コンパイラ方式です。一般的には、音楽は継次処理的なものと思われがちですが、それはリスナーや(1)〜(4)の方法を採用している作曲者にとってであり、(5)の方法を採用している者にとっては、音楽とは同時処理的なものです。

作曲者が音楽を見い出し、自動再生されてはじめて、楽曲は時間のシーケンスを持ちます。作曲者の脳内にはWindows Media Playerがあり、既に存在しているけれども初めて聴くCDを見つけて、再生するようなものです。聴いて終わっただけでは作曲にはなりませんから、楽譜に書きとめたり、演奏して録音したり、シーケンスソフトで入力するなどの方法により、定着させるわけです。そのような、発見される予定の曲をBMIシステムで捕捉できるなら、記録の手間が省けようというものです。

脳内再生中の音楽の走査ではなく、既に存在する「曲の存在そのもの」を捕捉するための技術進化は、創作活動におけるインスピレーションとはなにか、なぜ作曲者は創作を始める前に創作の結果である全体像を把握しうるのか、という物理的な時間を超える意識の問題を浮き彫りにします。

BMIの進化は、楽曲の「発見」、さらには「発見の仕組み」という、創造性の原点に言及する可能性を秘めているのです。

●脳内音声信号出力の標準化における課題

このようなBMIシステムの実現には、出力される脳内音声信号の構造の標準化が必要です。本連載のテーマである「データ・デザイン」の視点から見ると、デバイスの進化以前に、次の3つの課題が解決されなければなりません。

【1】汎用的なデータベースの構築

脳内再生される音を正確に出力するには、脳内変化に、出力される音が対応していなければなりません。

たとえば、脳内でグランドピアノのC3の八分音符が再生されたならば、その時に生じる脳内変化のデータと、グランドピアノのC3の八分音符を出力するコードが対応していなければなりません。システム化する以上、それは一人の中で対応していればよいわけではなく、大多数の人の中で同じように対応するものでなければなりません。

そうはいっても、100人の作曲者が、グランドピアノのC3の八分音符を脳内で再現したとき、100人全員の脳波に共通する変化が現れるかどうかは不明です。また、どのように優れた作曲者にも、文化的背景の制約があります。馴染みの薄い民族楽器の音を想像することはできても、正確に脳内再生することは不可能です。異文化からインスパイアを受けるクリエーターの存在がその証明です。

音のデータには膨大なプロパティがあり、テキストの音声入力における学習機能のように、作曲者側が、学習させながらデータベースを育てていくことも困難ですから、出力されるデータの構造を統一するには、万人に共通するデータを最大限網羅した、標準化されたデータベースが不可欠です。少なくとも、国境を越えた作曲者同士のコラボレーションが可能になる程度のものは必要です。

さらに数十年先の話をするなら、我々の子孫が生活の場とする宇宙空間の、地球とは異なるリズムもデータベースに登録される必要があります。

【2】データを表現する言語の検討

表現者の専門が異なれば、同じ言葉であっても意味が異なるという現実を、我々は福島原発問題で目にしました。それと同じように、データ・デザインにおいても、専門分野と言語の問題は非常に重要なのです。

脳内再生音楽のデータは、生体のデータでしょうか、それとも、音楽のデータでしょうか。値は、電圧でしょうか、周波数でしょうか。そして、それはどのような形式で出力されるべきでしょうか。生物学、工学、芸術といった、閉じられた分野の中でのみ技術が進化すると、同一のデータであっても、それぞれ異なる言語によって定義されることになります。分野をまたいだ議論が必要であることは言うまでもありません。

【3】著作権問題の統一

BMIシステムを使う作曲者が増えると、同じシステムを用いた結果として、類似の曲が増えてしまいます。

また、BMIシステムにより作曲の作業効率が向上すると、短期間に発表される曲が増え、良い曲の発見競争が始まります。

先に述べたように、より好ましい主題、より適切な音とリズムの組み合わせを持つ楽曲は、既に存在しており、作曲者に見い出されるのを待っています。数学や物理学と同じように、作曲の本質は「発見」です。時代や国を超え、先に発見して発表した者勝ちになるでしょう。

そういった問題が浮上するよりも先に、著作権のあり方や署名の記録方法の標準化がもとめられます。

今回もずいぶん荒唐無稽なことを書いているように思われるかもしれません。が、一度デザインされたデータは、長きにわたって蓄積され利用されます。データ・デザインには、広く遠いまなざしが必要なのです。


※脳波センサーのアプリケーションでの利用については、次のURIが参考になります。

「脳波センサーと Windows 7 が切り開く新しいプラットフォーム」
< http://www.microsoft.com/japan/powerpro/TF/interview/41_1.mspx >

「センサー API を用いた脳波センサーを利用したアプリケーションのデモ」
< http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windows/ff423757.aspx#02 >

※ブログ「イメージ AndAlso ロジック」
< http://blogs.itmedia.co.jp/seindesign/ >、
MSDN Code Recipe「逆引きサンプルコード」に、サンプル解説記事を書いています。Windows Phone アプリケーション開発にご利用ください。

【薬師寺聖/個人事業所セイザインデザイン】
個人事業所 < http://www.seindesign.net/ >
ブログ < http://blogs.itmedia.co.jp/seindesign/ >
PROJECT KySS < http://www.projectkyss.net/ >
< infosei@seindesign.net >

ヴィジュアル、サウンド、テキスト、コードの間を彷徨っている、四国の個人事業主。科学技術や医療・福祉分野のXML案件の企画デザインに実績があり、コラボレーションユニットPROJECT KySS名義で、XML、RIA、.NETに関する書籍や記事、多数。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev
(Oct 2003-Sep 2011)

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■編集後記(6/13)

・三田紀房の漫画「砂の栄冠」を読む。相変わらず絵はヘタだけど、相変わらずおもしろ過ぎるストーリーである。今回は高校野球がテーマだ。汗と涙と友情とか、超人的選手が活躍するなどの絵空事ではない。さすがドラゴン桜・三田は違う。なにしろ、帯には「一千万円で甲子園を買え!」とあるのだから、大いに期待できる。主人公・七嶋は創立100周年の公立高野球部の新キャプテン。県大会決勝で初の甲子園行きを逃してしまった次の代となる。OBや父母会や同窓会は勝手でやかましいし、顧問は弱腰だし、監督は無能だし、予算も少ないし、実力があるのは彼だけだし......そんな「伝統しかない公立校」が、どうやって甲子園を目指すというのか。七嶋はファンの老人から、野球部のために使って欲しいと内緒で1000万円を託される。それを小出しで有効に使い、ブラックなキャプテンを目指す話らしい。選手の心理描写なども巧みで、ゲーム描写は緊張感の連続だが、やはりテーマは金だから予測出来ない展開だ。巻末コラム「甲子園研究所」が高校野球の真実を暴いていてスリリング。(柴田)
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・続き。テーブルごとにフルハップの職員さんが参加するので、講演を聞きたいという男性の要望はないのですか? と聞いてみた。以前あった交流会では、女性の経営者は少なく、男性の輪に参加できなかったため、敢えて女性交流会を設けたとのこと。今では女性だけずるい、という意見も出ているのだそう。よくある壁際の椅子はなし。足の不自由な人には、テーブルに椅子を別途用意。椅子を用意したら皆が座ってしまって交流が滞るからとか。なだ万のお膳が人数分用意されているのは、料理をとるために並び、時間切れになるのを避けるため。列のピークを分散させるのが目的。最初にもらった名札の中に手荷物札が入っていて、交流会会場に入ったら、その手荷物札をくくりつけて会場後部にあるテーブルに置くようになっていた。名刺交換だけが目的の交流会を避けたかったそうで、お開き後に名刺交換したのは、うちのテーブルだけ。つくテーブルが決まっているのは、人数の偏りをなくすのとともに、どこに行こうかと迷わせないため。歴史を重ね、試行錯誤されているのだそうだ。会場を出る時には、紙袋に入った記念写真(数時間前に撮影)と小さな花束のお土産をもらう。体験セミナーのキット類は可愛いビニール袋に名前シールつき(同じ袋なので)。当選案内状からはじまり、至れり尽くせりのとても気持ちいい交流会。うちのテーブルの人たちは駅のホームまで一緒で、会話が弾み、楽しかった。また参加してみたいけれど、当たるのかなぁ。/cronと言えばログ取得だったなぁ。一定期間ごとにサーバのアクセスログをまとめる。(hammer.mule)