[3075] ショールーム巡りの愉悦

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《「アジア独自のCG表現」を積極的に評価》

■買物王子の家づくり[10]
 ショールーム巡りの愉悦
 石原 強

■ショート・ストーリーのKUNI[98]
 こぶ
 ヤマシタクニコ

■公募案内
 ASIAGRAPH 2011年度 CGアートギャラリー公募展示部門 募集中



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■買物王子の家づくり[10]
ショールーム巡りの愉悦

石原 強
< http://bn.dgcr.com/archives/20110630140300.html >
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3回の打ち合わせで、家の間取りが徐々に固まってきました。「こちらで決めておくことはありますか?」と聞くと、フルヤさんからは「どんな設備を入れたいのかを検討して欲しい」と言われました。そこで設備機器メーカーのショールームを見学してみることにしました。

●設備はできるだけシンプルに

この打ち合わせの少し前に、OZONE住まいづくりセミナー「予算オーバーしない家づくり」に参加しました。家を建てるときに予算オーバーする原因の一つとして、設備工事費をあげていました。設計をしている時に人気の設備をどんどん取り入れてしまうと、あっという間に予算オーバーしてしまう。

きちんと作られた家は、手入れさえすれば30年以上持つのだから、10年〜15年程度で寿命がくる設備は、交換時にグレードの高いものにしてもいい。後から取り付けられるものならば、お金に余裕ができたときに検討してもいい。設備を入れるために、家の躯体工事費を下げるのは本末転倒である。確かにそうだと、納得したものの、必要な設備は沢山あるので悩ましい。

住宅の機器ってピンキリなんだけど、こだわりはじめると上のグレードのものが欲しくなります。ユニットバスはメーカーの定価だと100〜200万円もします。クルマも買えてしまうお値段。システムキッチンも同じくらいです。トイレだってハイグレードのものなら30万円くらい。洗面所の蛇口だって海外の高級品は10万円以上するものもあります。

実際、工務店から仕入れると割引になるので、そのままの金額ではないのですが、思ったよりもずっと高い。こんな高い買い物をまとめてすることなんて滅多にないことなので、こだわって選びたいけど時間も限られます。

とにかく、良いモノを選ぶには足を使って見て回るのがイチバン。ネットで検索してみると、新宿にキッチン、バス・トイレ、家具など、沢山のショールームが集まっていました。住所に休業日、営業時間など、いちいちメーカーサイトをチェックするのも面倒と思っていたら、便利なマップを見つけました。

「新宿住まいのショールーム会GUIDE MAP」
< http://www.sumai-showroom.com/ >
新宿駅西口とその周辺にある23のショールームがわかりやすく紹介されています。マップのPDFをダウンロードしてiPhoneに入れ、いつでも確認できるようにしました。それを持って今日はバスルーム、次はキッチンなど、テーマを決めて週末にショールームを巡りました。

●風呂は実際に入ってみなければわからない

日本を代表する水回りの専門メーカーが二社。
TOTO < http://www.toto.co.jp/ >
INAX < http://inax.lixil.co.jp/ >

一階に設置するバスルームを比較するために、両社の新宿ショールームを往復します。実はトイレを見に来て以来二度目です。前回は、INAXのショールームは震災の影響で、ユニットバスのコーナーが閉鎖されていました。

両社ともカタログは既にもらっていて、家でおおまかなグレードや金額感は予習済み。実際の見た目や使い勝手を確認するのが目的です。プランに入るユニットバスは、1坪タイプの「1616(160×160cm)」という一戸建てでは標準的なサイズです。

僕は今のマンションの小さい浴槽で足が伸ばせないのが不満。新しい家では、のびのびと足を伸ばしてお風呂に入りたい。妻はあまり風呂にこだわりはなく、「掃除がしやすければ、なんでもいい」と言ってます。だからミストサウナとかジェットバスとか、そういう贅沢なものは考えていません。価格にも影響するからデザインも機能も、なるべく削ぎ落としてシンプルなものがいい。

見学にきたものの、外から眺めているだけでは、よくわからない。係の人に聞くと、靴を脱げば浴槽に入ってもよいということ。そこで片っ端から浴槽に入ってみました。浴槽の幅、深さ、形状でかなり感じが違う。感覚的にしっくりこないもの、落ち着くものもの差はなんだろう。今までお風呂を入り比べたことなどなかったので、新鮮な驚きです。

浴槽の形状は、おおまかに二種類、四角いものと楕円のものがあります。見た目では、シンプルな四角くて底が平らなものがいいと思っていました。でも実際に入ってみると、丸みのあるほうが、背中で寄りかかったときに包まれる感じがして気持ちよい。

底の部分が平らだと、座って足を伸ばせるもののぴったりして窮屈。少し段差がついている、と深い方から斜め上に向かって足を伸ばすので、足が浴槽でつっかえない。ちょっと広く感じます。お風呂が暑いと浴槽の縁に座ったりすることも多いので、半身浴ができるのも良い。

浴室は洗面とあわせてタイルばりにしたい。ユニットバスだと、全面が専用のパネルでデザインは自由になりません。タイルばりもできるけど、オプションになって値段も高くなります。もちろん、在来工法で作れば完璧だけどさらに費用がかかりそう。

オカザキさんからは、デザインと価格を両立するなら、「ハーフバスルーム」という製品があると聞いていました。
< http://www.toto.co.jp/products/tnm/products/bathtub/PYP1600-JK-SN1/ >

防水が重要な浴槽と床の部分だけがユニットになっていて、壁や天井部分は自由にデザインできるのです。TOTOのショールームには展示がありました。
< http://www.toto.co.jp/products/tnm/setplan/04.htm >

これならデザインしたバスルームが実現できそう。この浴槽にも入って座り心地を確認、見た目もシンプルでちょうどいい感じです。

さらにユニットバスでは選べないシャワーの水栓も自由です。海外の水回り製品を扱う「セラトレーディング」のショールームを見ると、日本製のものより、海外のものが圧倒的にデザインがいい。
< http://www.cera.co.jp/ >

気になるのは、普段使っているシャワー水栓と、温度調節とお湯の出るつまみの位置が逆なこと。日本車と外車のウインカーの操作レバーの違いみたいなもので、最初は戸惑うかもしれない。このあたりは価格見合いで考えることにします。

●電気だけに頼らず、昔ながらのガスがいい

オール電気にするか、ガスを入れるかは、大きな分れ道。オール電化は、安全だし電気代も安くなると聞いて、妻は迷っている様子です。とはいえ震災以降、停電を考えると電気だけというのも不安です。

僕はガス床暖房にも惹かれていました。実家がガスの床暖房を入れていて、暖かいと聞いていたからです。ランニングコストが安いことにも魅力を感じます。ネットの掲示板でも、電気式の床暖房は初期は安いけど、ランニングコストが高いという評価が多い。せっかく入れても、妻が「電気代がもったいない」と使わせないだろうと思う。

新宿パークタワーにある「東京ガス新宿ショールーム」を見学。
< http://home.tokyo-gas.co.jp/showroom/tss/f_index.html >

大型のクーラーで冬の外気温での室内をシミュレーションした体験ルームがあります。片方の部屋はエアコン、もう片方がガス床暖房です。室内の温度分布で足もとから暖かいのがわかる。しかし、比較するエアコンがちょっと旧型なのはご愛嬌か。

料理をするなら、昔ながらの中華鍋も土鍋も使えるガスがいい。というのが夫婦の共通見解です。同じ建物内のリビングセンターOZONE 7階にも「暖炉とコンロ」という体験型のガス機器のショールームがあります。ガス床暖房のダイニングに、火力の強いガスコンロの入ったキッチンが体験できます。「子供のいる家庭では、IHのほうが安全と言われるけど、鍋は熱くなるので火傷の事故はある。炎が直に見える方がかえって手を出さない」とのこと。

最新のガスコンロでは、グリルに専用のダッチオーブンを入れて料理ができるということで、実際に作った料理をいただきました。「新しくするなら、これ使いたい」と妻は気に入った様子。ガスを入れることで合意しました。

このショールームの床に使われているフローリングが、6階にある「マルホン」のもの。
< http://www.mokuzai.com/ >

フローリングは、床の生活で寝転がったりするから、なるべく自然な素材がいい。無垢材のものにしたいと考えていました。合板のフローリングとは見た目も手触りも違います。

無垢のフローリングを使いたいけど、床暖房を入れるつもり。と相談しました。「無垢材のフローリングは、いくら乾燥させているとはいえ、空気中の水分を吸ったり出したりして変形する。床暖房を使うと、熱で急激に乾燥して変形するために、隙間が大きくあいたり、反ってしまう可能性もある」という説明を受けました。

「それじゃあ、あこがれの無垢フローリングは使えないの?」と聞くと、床暖房に対応できるフローリングを案内してくれました。床暖房対応のフローリングは、熱で変形するのを抑えるために、先に熱処理をして強く乾燥させて形状を安定させているのだという。部屋のイメージを伝えて、いくつかサンプルをいただきました。

●照明は部屋を明るくするためだけじゃない

照明については、家の明かるさは重要だけど、それ以外にはあまり気を配っていませんでした。今の家は、各部屋の天井にシーリングライトが一つずつ付いています。夫婦二人の時に使っていた間接光のスタンドなどは子供に蹴飛ばされるので、すべて片付けてしまいました。ムードは出ないけど、困ったこともありません。

フルヤさんからは、ラフなプランが出ていましたが、どのように詰めていくべきかわからない。汐留にある「パナソニックリビングショールーム東京」に行くと、まさにありとあらゆる形状の明かりが並んでいました。
< http://panasonic.co.jp/showroom/tokyo/ >

見慣れた天井につけるシーリングライト、ぶら下がったペンダントライト、壁にとりつけるブラケットライト。向きを変えられるスポットライト、天井に埋め込むダウンライト。シンプルな形から、和風、洋風の装飾的なものまで、ほんとうに沢山ある。器具の形はわかっても照明は効果はなかなかイメージしにくい。どこから手をつけたらいいのかもわからない。

そこで、図面をもとに照明プランを作成する「明かりプラン」を申し込みました。簡単なアンケートと、間取り図をみながらヒアリングを受けます。各部屋は、どんな用途に使うのか、インテリアはどんなイメージなのかなど。そのあと、ショールームの中の体験ルームを案内していただきました。

吹き抜けのあるリビング、ダイニングキッチン、寝室など、実際の部屋を想定して、複数の照明器具が取り付けられています。説明を受けながら、実際の部屋を想像して好みの照明を選びます。

同じ形の照明でも、一般的な蛍光灯と最近話題のLEDのライトを比較しました。蛍光灯は陰影が弱くふんわり全体があかるくなり、LEDはシャープで陰影がはっきるするということを知りました。寿命や消費電力といった性能ではなく、適材適所の使い分けが大事になってくるということ。また、手元を照らすような直接光と、壁を照らす間接光の組み合わせなど、実際に目で見て確認すると、イメージがわいてきます。

重要なところを、一通りチェックして一時間程度。プランと見積を無料で作成してくれます。到着までに一週間くらいかかるとのことでしたが、三日後に届きました。器具の写真付きでわかりやすい。でも見積はちょっと高い。できるだけ無駄を省こうと思うけど、手を入れると、バランスが崩れそうで迷ってしまいます。

OZONE住まいづくりセミナー「照明器具の選び方」にも参加してみた。明るいところから暗いところにいくと目が慣れるのに時間がかかる。玄関が明るいと部屋は暗く見えてしまう。暗い玄関から明るい部屋に行くように、暗い寝室へは、少し暗い廊下を通って行くとよい。

部屋の役割を考えて必要な明るさに変えたほうがいい。部屋全体を明るくする必要はない。本来、明るいと目が疲れる。暗い方が落ち着く。部分照明で壁が明るくすれば部屋が広く見える。ワット数は小さくても明暗にメリハリをつければ、明るく感じて快適な空間になる。

なるほど、暗くしたほうがいいとは思わなかったので、考え方を変えなければなりません。再度、作成してもらったプランを見直して、できるだけ必要最低限に絞ることにしました。照明で、部屋をどんな風に変化させようかと、想像するのが楽しくなりました。

●見て触って楽しい体験、でも家族はついてこない

実際に見てみると、カタログの写真とは違って見えることが多い、思ったより大きかったり小さかったり。値段が高いものでも、意外と安っぽい感じのもの、価格以上に見えるもの。見た目は気に入っても触ってみると戸惑ったり。やはり毎日使うものだから、シンプルかつ感覚に合うものにしたい。

ショールームからの帰りは、いつも鞄がカタログでずっしり重くなります。大きめのトートバックを持っているのに、入りきらなくて紙袋をもらうこともしばしば。家はカタログの山ができました。カタログを眺めて気になることがあると、二度三度と同じショールームに足を運んで、さらに吟味します。

週末出かけようとすると、妻は「また行くの?」とあきれた様子。しまいには「最後に決めるときだけ確認すればいいよ、もちろん予算内でね」とついてこなくなってしまいました。でも、僕にとって西新宿は家づくりのテーマパーク、ショールームはアトラクション。何度行っても新しい発見があって楽しめる空間でした。

【いしはら・つよし】tsuyoshi@muddler.jp
暑い日が続きますね。暖房器具のことを書いていると、汗が出てきます。7月1日からは、オフィスも節電で、エアコンの設定温度が上がります。つらい夏になりそうですが、ビールは、いつもより美味しく飲めるかな。
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■ショート・ストーリーのKUNI[98]
こぶ

ヤマシタクニコ
< http://bn.dgcr.com/archives/20110630140200.html >
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ある朝、歯を磨こうとして歯ブラシを手にしたとき、私は右手のひらに違和感を覚えた。手を開いてみるとちいさな突起ができている。直径はせいぜい2ミリ程度。小さな「こぶ」、いや、「いぼ」といったほうがいいか。でも、さわってみると硬くて自分の体の一部とは思えない。別に痛くもかゆくもないが、なんだか不思議だ。いつからあったのだろう。前の日は気づかなかった。

私は妻に聞いてみる。
「こんなのができた」
妻は軽く驚き
「あんたにもできたんだ」
「ていうと」

「おとなりのマツムラさんのご主人も、お向かいのヨコタさんのご主人もできたらしいの。最近、多いんだって。あんたにはできないかと思ってたけどできたんだ」
「うん、まあね」

「ヨコタさんのご主人のは首のところにできて、青いんだって」
「青い?」
「うん。こぶというより青い玉がくっついたみたいで、なんだかきれいなの」
「ほんとかい」
「マツムラさんとこは、珊瑚色の小さいのが二の腕にいくつも並んでいるんだって」
「へえ」
「でも、あんたのはふつうのいぼみたいね」

私は若干気を悪くした。ヨコタさんは一流大学出でスーツが似合うエリートサラリーマンだ。マツムラさんもIT企業に勤めていて、収入もたいしたものらしい。そういう人にはそういう人らしいこぶができるのか。おもしろくない。

私の「ふつうのいぼみたいな」こぶはだんだん増えてきた。一週間後には二個に、二週間後には四個になっていた。手のひらをひろげると中心部より少し上に四個が並んでいる。特に美しくも醜くもない。地味で印象が薄い。没個性。われながら否定的な形容しか思いつかないが、まあそんなものだ。

「ねえねえ」
「なんだい」
「ヨコタさんのご主人のこぶなんだけど」
「うん」

「どんどん大きくなって、直径3センチくらいになってたんだけど。ぽろりととれたんだって」
「え、とれたんだ」
「うん。それがとってもきれいなまんまるの玉で、いい香りがするの。フルーツみたいな」
「まさか」
「ほんとよ。あたし、見たんだから」
「え、こぶを」

「うん。みんなで行って見せてもらったの。だってこの界隈の女たちの間で評判なんだもん。そしたらリビングの棚に置いてあってさ。透明でつやつやしてて、宝石か何かみたいだった。すっかりインテリアの一部になってたわ」
「ほんとかい」
「マツムラさんとこも、珊瑚色のがどんどん増えて、いまにも取れそうなんだって。楽しみだわ」
「信じられないな」

「中には食用になるようなこぶがどんどんできる人もいるらしいわ。テレビでやってたけど」
「食用?」
「ええ。いまどきの『こぶ』はたいてい何かの用途があるようだって、コメンテイターが言ってたわ。でも、あんたのは何にもならないようね」
私はますます気を悪くした。

よその亭主のこぶのことは正直どうでもいい(こともない)が、妻はそれ以来何かというと私をいじめる。
「人生ってどこまでも差がついてまわるものなのね」とか
「あたしも若いころから運がないとは思ってたけど、ここまでとは」とか
「こぶをつくるのも才能の一種なのかしら」とか。

私はそれで、妻に秘密で20年来つきあっている女友達のところに行って慰めてもらおうとするが、彼女も私の手のひらを見るや「あんたらしいわ」と言う。これでは妻と同じだ。

私の手のひらのこぶは少しずつ変形してきた。数はさらにふえて、いまでは9つにもなっていたが、それがくっつきつつあった。9つの小さなこぶの一体化が始まっていたのだ。妻はそれを見るたび「きもっ」と言う。

ある日、私は妻がしくしく泣いている声で目を覚ました。妻は台所の椅子に座って泣いていた。
「どうしたんだ」
妻は背を向けたまま「こっちを見ないで」と言った。
「なんで」
「罰が当たったみたい」
「罰が?」
「あたしの顔に、変なものが生えてきたの」

妻はなおも顔をそむけようとしたが、私は強引に引き寄せた。妻のほほ一面に、ヘアブラシの毛ほどの太さで長さ1センチくらいの突起物が発生していた。

「かみそりでそろうとしてもそれないの。つるつるすべるばかりで。はさみで切ろうとしたらすごく痛かった」
「ばかだな。そんなことしたら大けがになるよ」
「でも、どうしたらいいの。こんな顔でどこへもいけないし」

確かに、妻のほほの「こぶ」は醜いというほどでもないが美しくもなく、「ふつうのいぼの変形みたいな」ものだった。積極的に見せるべきものでもないような気がする。それに、これに何かの用途があるとも思えないではないか。

次の瞬間、私は自分でも思ってもいなかったことを言っていた。
「ぼくがとってあげるよ」

私の右手のひらの突起物はいまではすっかり一体化した上に扁平になり、小さな弓形のナイフみたいになっていた。そのナイフを妻のほほの上にあててそっと動かしてみると、ヘアブラシの毛ほどの突起物はぽろりと落ちた。あまりに手応えがないので驚いたくらいだ。

私はそのまま手のひらのナイフを妻のほほの上で動かし続けた。ぽろり。ぽろり。あっというまに妻の顔は元通りになった。妻はぼうぜんとして足元にたまった突起物の小さな堆積を見つめた。私も自分の取った行動が自分で理解できず、しげしげと手のひらを見ると、ナイフ形のこぶはしゅるしゅるとしぼんで、やがて何の痕跡もなくなったのだった。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/ >
< http://yamashitakuniko.posterous.com/ >

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■公募案内
ASIAGRAPH 2011年度 CGアートギャラリー公募展示部門 募集中
< http://www.asiagraph.jp/invite/index.html >
< http://bn.dgcr.com/archives/20110630140100.html >
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ASIAGRAPHでは、優秀なCG作家と作品が国を越えて交流し、新たな創造と産業がアジアから生れ出ることを目指し、作品展示の場として「CGアートギャラリー」を開催して参りました。今年度も、以下五部門の公募展示を行います。

第一部門 CGアート作品公募部門「CGアートギャラリー」アジア地域で出生、居住もしくは国籍を保有する者・団体。プロ、アマ、学生不問。CGが主要な表現手法となっているオリジナルのアート作品。(静止画のみ)。(株)虎の穴による「虎穴賞」を新設。「萌え」をテーマとした静止画作品を募集します。

第二部門 動画(アニメーション)作品公募部門「CGアニメーションシアター」
アジア地域で出生、居住もしくは国籍を保有する者・団体。プロ、アマ、学生不問。オリジナルのCGアニメーション作品。(ただし、実写編集中心の映像作品は対象外)

第三部門 学生(25歳以下)アニメーション作品公募部門
日本に在住、もしくは日本国籍を保有する学生及び卒業生で、応募時の年齢が25歳以下の者。(大学院、大学、専門学校生が主な対象。高校生以下も応募可)オリジナルのCGアニメーション作品。(ただし、実写編集中心の映像作品は対象外)

第四部門 こどもCGコンテスト部門
2011年度の第四部門 こどもCGコンテスト部門は、3DCG AWARDSと一体のこども向けCGコンテストになりました。詳しくは以下からご確認下さい。
< http://www.3dcgawards.com/2011/seishiga_jr.html >

特別公募部門 ロックマンアワード2011
(株)カプコンのゲーム「ロックマン(英語名:MEGAMAN)」をテーマにCG作品を募集。ロックマンアワード2011部門については、専用の応募要項をご確認下さい。

ASIAGRAPHの作品公募部門は、従来のコンペティションとは異なり「アジア独自のCG表現」を積極的に評価します。ただしこれはモチーフやテーマが「アジア的」なものを指しているのではなく、既存のアートや映像産業の評価対象にはならないような表現でも「独創的」で「視覚的な美しさ」を備えているならば積極的に評価する、ということを意味します。

応募期間:2011年5月16日(月)〜7月15日(金)
課題:自由
応募料:無料
入選:ASIAGRAPH CGアートギャラリーにて、作品が展示・上映されます。

応募方法:それぞれの応募部門ページから、Web上で応募手続きを行っていただきます。その後画面の指示に従い、作品や提出資料のアップロードや送付作業をお願いします。

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■編集後記(6/30)

・浅田次郎「一刀斎夢録」下巻を読む(文藝春秋、2011)。斎藤一と少年隊士であった市村鉄之助の、その後の因縁話(つまり生死の哲学)が主題であり、浅田次郎らしい結末が読ませるが、わたしが熱中したテーマは「西南の役の謎」である。浅田は斎藤に「西南の役は西郷と大久保が仕組んだ猿芝居だと確信している」と語らせている。西郷と大久保は盟友どころか骨肉の仲、とうてい征韓論ごときの賛否によって袂を分つはずはない。二人きりで台本を設え、幾年がかりの大芝居を打ったのである、と。当時の国家的な大問題は、不平士族をどうしたら鎮められるか、徴兵令でかきあつめた百姓ばかりの軍隊をどうしたら強兵化、近代化できるのかのふたつであった。征韓論はその解決方法と思えるが、どう考えてもお粗末。むしろそれを契機として西郷が下野し叛乱を起こし、大久保がそれを討伐することによって、一挙に二つの難題を解決するという絵図を描いたのではないか。薩摩一国を滅ぼして日本一国を立つるという大計略。西郷征伐の名を借りた軍事大演習。しかも芝居がうまく運ぶように、役者をていねいに振り分けてもいる。「日本を西洋の手に渡さぬ尊王攘夷の総仕上げがあの戦いだ」と斎藤は言う。なんという魅力的な解釈だ。国家のグランドデザインを描ける人がかつて確かにいたのだ。ひるがえって、日本の現状は、日本を中国の手に渡そうとする者は民主党をはじめいくらでもいるが、日本国のあるべき姿をデザインし、その実現ために身命を惜しまずという政治家が殆どいないのが悲しい。あ、あの政商が週刊誌の記事になったな。(柴田)
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→アマゾンで見る(レビュー5件)

・iPhoneアプリ「ストIV VOLT」が出た。ついにネット対戦できるように。キャラはバルログ、バイソン、コーディ。/今年に入ってから紙モノのデザインやDTPが増えた。そして日本語でのデザインって面白いなぁと思った。日本語って縦書きと横書きがあって、同じページ内に、方向の違う見出しを混在させても成立するから。英文でも縦書きっぽくするデザインはあるが、普段見慣れないために横書きじゃないとなぁと思ってしまう。英文だけの方がまとまって、並べるだけでもそれなりにきれいには見える。日本語でのデザインって面白いし、難しいよね。/ウィンナーではシャウエッセンが好き。なのだが、たまたまセールしていた香薫を食べてみて、こっちの方が好みだと知った。リピート決定。(hammer.mule)
< http://itunes.apple.com/jp/app/id432849022?mt=8 >
ストIV VOLT
< http://www.primaham.co.jp/products/kobetsu/kawskn.htm >
香薫 あらびきポーク(巾着タイプ)