[3083] ワタクシは「ググれタス」と呼ぶことにする

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《本はその本を読むだろう人に全然届いていない》

■アナログステージ[58]
 ワタクシは「ググれタス」と呼ぶことにする
 べちおサマンサ

■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[10]
 この連載をほかのサイトでも公開する理由
 沢辺 均



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■アナログステージ[58]
ワタクシは「ググれタス」と呼ぶことにする

べちおサマンサ
< https://bn.dgcr.com/archives/20110712140200.html
>
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コンニチハ、すでに猛暑です。今回は、颯爽と現れたGoogleの新しいサービス、Google+(ぐーぐるぷらす)のネタでございます。幸いにも、サービスがリリースされてすぐに、優しいフォロワーさんから招待していただけたので、いつになるか分からない、もしくは永遠に届かないだろうGoogleからの招待を待たずに進入に成功。うっしし。

Posterousの時もそうでしたが、Google+の呼びかたをどうするか! ということで、ワタクシは「ググれタス」と呼ぶことにしました。「普通にグーグルプラスでいいじゃね?」と仰るかたもいらっしゃるかと存じますが、はい、その通りです、グーグルプラスでもいいですよね。

TwitterでもFacebookでも、チラチラとGoogle+の話題があがってきておりますが、すでにGoogle+を弄り倒されている読者さまも多いかと存じます。ワタクシ、友達が少ないのでアレなんですが、Google+は「友達」が多いに越したことがないサービス。

間違いなくFacebookを意識しているUIは、好き好みが分かれるところですが、ワタクシ個人としては、Facebookより簡潔に仕上がっており、Googleらしい『簡素で投げやりチック』なUI。投げやりといっても、ナビゲーションが上手に作られているので、迷子になることもない。

ワタクシは未だに、FacebookのUIというか、何か馴染めないものがあって放置が続いている状態ですが、Google+はTwitterと同様に、「遊具がたくさんあって遊べる公園」になると信じたい。「なぜ信じたい???」その理由は後々で。

いま現在、Googleからリリースされているサービスの殆どを、Google+で集約できることが、Google+のセールスポイントになっているはずだが、PicasaやReader、Bloggerなど、Google産(といってもGoogleが産み親じゃないけど)のアプリ連携が、まだ一方通行状態になっている。

現状だと、Picasa→BUZZ Blogger→BUZZ Reader→BUZZ その他→BUZZ といった具合に、Twitterチックな使い方ができているBUZZと比べると、Google+→Picasa Google+→外部 という感じに、スタートがGoogle+になりそうな気配がプンプン。

それだと、せっかくの魅力も半減どころか、「うわ、ぐーぐるさんみたいなおっきな会社も、F/Bのサル真似しちゃうの?」なーんて言われかねないので、「おいおいおい、こんなにいっぱいサービスしてくれちゃって、どうすればいいんだい? いったい、なにから始めたらいいんだい?」くらいの太っ腹を希望。それより、PicasaとBloggerの名称が変わるんだっけか。

・Google、Picasa と Blogger をまもなく改名?:Engadget 日本版
< http://japanese.engadget.com/2011/07/06/google-picasa-blogger/
>

もしかすると、このまま一方通行のままなのかもしれないが、どうせならば、Googleの持っている巨大なサービスを、あらゆる方向からGoogle+に括れる使い方ができると便利なのになぁ。なんか、BUZZのときの手抜きっぷりを感じてしまうので、せめて、BUZZ→Google+くらいは開通してほしい。

しかし! 先にも書いたように、出し逃げというか、リリースしたらほったらかしにするのが得意なGoogle。リリースと同時に開発熱が冷めてしまって、「+(プラス)? あー、あったね、そんなの、アッハハハハハー」とならないことを祈るばかりですが、すでにその匂いを感じ始めているのは、ここだけの内緒話。

●入れておくと便利なアドオン

せっかくなので、ググれタスを便利に機能的に使えるアドオンを紹介。ChromeWeb Storeを覗いてみると、まだ連携アドオンは少ないですが、入れておいて邪魔にならないものを数点ばかり。

・Extended Share for Google Plus:(TwitterやFacebookにポスト)
< http://bit.ly/lYid6i
> ←長いので短縮してあります

・Google Plus Nick:(GoogleIDを好きなユーザネームに短縮できるサービス。ユーザネームは早いもの勝ち。いまがチャンス)
< http://gplus.to/
>

・G Plus Plus:(ワンクリックでGoogle+を呼び出し)
< http://bit.ly/lcNSEW
> ← 長いので短縮してあります。

Google+を使っていて感じたことは、当たり前の話しですが、ブラウザはChromeを利用するのが一番便利。これからChrome Web Storeで、関連アドオンもどんどん増えていくだろうし、ほかブラウザよりも、Google+を愉しむインフラが整うのは早いことでしょう。といいながら、Firefoxのアドオンのほうが充実したりして......。

●線譜がiPhoneシェルカバーとTシャツになって登場

「線譜」という作品を、精力的に生み出しているアーティスト、武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)氏の作品が、iPhoneのシェルカバーやTシャツになって登場しました。グッズストアのオープンが、ちょうど7月6日配信の『武&山根の展覧会レビュー』直後だったこともあり、氏がデジクリで宣伝するタイミングをすっかり逃し、さぞかし悔やんでいる姿が想像つく。

ということで、デジクリきってのいいヒト! かどうかは知りませんが、武さんファンのワタクシが、代わりに宣伝しまっせー! あ、武さん、申し訳ないから、宣伝マージンは10%でいいですよ、なんちて。

・武盾一郎 オリジナルグッズストア
< http://www.upsold.com/dshop/original/take_junichiro/
>

商品を一覧してみると、おや? と気づいたアナタは目が鋭い。iPhoneシェルケースのタイトルが、「線譜」ではなく「銭譜」になっているが、これはウケを狙ったわけではないそうだ。ワタクシ的には、あまりにも嵌りすぎて大ウケな間違いなわけだが、実際は本当に間違えて登録してしまったらしい。

「気に入ったらぜひ買ってください! それから『銭譜』ではなくて『線譜』です、間違えて入力してしまた、しかもここだけ直せないんです、恥ずかしい!」という氏からのコメントですが、気にしないで、ぜひ、お買い物してくださいです。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋
< http://bachio.posterous.com/
> ←更新したのです
< http://twitter.com/bachiosamansa
> ←フォローしても役に立ちません
< http://gplus.to/bachio
> ←Google+ お気軽にドゾー

○ググれタスのほうはTwitterみたいに、ふざけた内容はなしでいこうかと/あっちもこっちもネタばかり書いてると、本当に気の毒なアタマの持ち主だと思われちゃう/ググれタスを使い始めて改めて感じたのは、情報スピードの速さと正確さ。ねじ曲がった記事をのさのさと書いている新聞が勝てるわけない/シレっと梅雨明け。暑い日が続きますが、読者の皆様、お体ご自愛ください。イヌも熱中症になったり、脱水症状起こしたりが多いので、お散歩は夕方のアスファルトの熱が冷めてから、ぜひ。

○記憶に残っている2週間の出来事→今年も平塚七夕祭りに行ってきました。規模縮小や時間短縮した中での開催でも、すごいヒト、人。皆さんのお願い事を盗み読みしてみると、家族、友人、恋人など、身近な大切な人と過ごせる願い事が、とても多く目につきました→結局、今季もまた管理職続投。なんだかなぁ。

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■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[10]
この連載をほかのサイトでも公開する理由

沢辺 均
< https://bn.dgcr.com/archives/20110712140100.html
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この連載もやっと10回。柴田編集長から声をかけてもらい書き始めたのが2011年1月11日(火)。月に二回掲載で、はやくも半年がたとうというわけだ(一回休載したけどね)。

この連載は、デジクリ発行と同時に、我がポット出版のサイトの「ポットの日誌」コーナーに毎回掲載している。また、仲俣暁生さん編集長の「マガジン航」にも掲載してもらっている。つまり、3カ所で掲載しているわけだ。

デジクリはボクの場合(もちろん)ノーギャラ。いやあ、まったく問題ないんですよ。たしか柴田編集長から声をかけてもらった最初のメールに「ノーギャラです(きっぱり)。」みたいな一文があったと思う。依頼時にちゃんと条件を書く柴田編集長はエライ!!!!

横道にそれるけど、原稿依頼で条件提示してくるのは半分くらいじゃないかな?講演依頼だとたぶん8割くらいは条件提示がない。

で、さらに柴田編集長のエライところ。ボクがおそるおそる自社サイトに掲載したいとお願いメールを送ったら、速攻で、もちろんオッケーって返事が帰ってきた。ノーギャラで独占使用権を主張するキはない、ってことなんだろうな。

そのときにボクは「連載を掲載した時点で、そのひとつ前のを当方でも公開したい」ってお願いをしたはず。一定期間デジクリだけで読める状態をつくっておかないと、柴田編集長に怒られるかな? って思ったもんで。

ところが、デジクリへの掲載と同時に公開していいって。エライ・エライ!!さらにさらに「マガジン航」< http://www.dotbook.jp/magazine-k/
>での掲載もOKだって。エライ・エライ・エライ!!

また横道にそれる。先週あった東京国際ブックフェアのイベントのひとつ「本の学校 出版産業シンポジウム2011 in 東京」の分科会(電子図書館の現状と出版産業のこれから)のパネリストに呼んでもらった時のことだ。

記録集を出版するんで承諾してくれって紙をだしてサインを求められた。カンタンな文書なんだけど、そのなに[排他的利用]みたいなことが書かれてたんだな。印税(謝礼?)は本2冊で。

もちろん本2冊の謝礼は全然かまわない。だけど、ほとんどノーギャラで[排他的利用]まで求めるのはどういう神経なんだ? ボクがそこで発言したことを、自分でテープ起して利用したとして、一体その記録集の売上げがどのくらい下がる。イヤー、これ何にも考えてないヤツがつくったとしか思えない。

そんでもって、ボクにサインを求めたヤツ(って知り合いなんだけどね)も、なにを言われているの理解できていない様子。柴田編集長の爪のあかでも煎じて飲ませたい。

いや、こんなことを書こうと思ったわけではない。なぜ、このデジクリ連載をポット出版サイトとマガジン航に掲載したいのかって話だ。

ボクはせっかく苦手な文章を書くんだから、できるだけ多くの人が読む可能性を増やしたいのだ。

文章ってのは、恐ろしく人の目に"触れていない"と思っているんだ。いや、ボクの文章だけじゃなくて、もっといい文章も、だ。それが惜しい。

ポット出版の本で『石塚さん、書店営業にきました。』って本がある。タイトルどおり、出版社の営業がいかにして書店に食い込むのかって本。
< http://www.pot.co.jp/books/isbn978-4-7808-0113-2.html
>

スゲー狭いでしょ、ターゲットが。出版物は年間8万点の新刊。営業が一人で担当するのが年10冊平均(沢辺試算)だから8,000人。そんな小さな市場で、3,000部近くが売れた。もう、買うような人はだいたい買ってるんだろうなって思っていたら、一昨年(2009年)の東京国際ブックフェアで100冊近くも売れたことがあった。本は、その本を読むだろう人に全然届いていないんだって思った。

これは本に限らずサイトの文章も同じなのだと思う。デジクリを読んでいる人と、ポット出版サイトをちょっと見に来る人、マガジン航を見に行く人って、重なっていない人のほうが多いだろう。だから、複数の場所で読めるようにしたほうが、読む人が増えてくれるって考えたわけだ。

ここからちょっと本の話に寄る。既刊本を売ることこそ出版社の使命だ、みたいな言い方がよくされる。半分はそのとおりだけど、でもよっぽどの本じゃなければ、ただ増刷・増刷の繰り返しだけで買われることはないとおもう。

化粧直ししないと、売れるキッカケにならない。たとえば、『星の王子様』の著作権が切れたときに、いくつもの『星の王子様』が発行されたし、一定の注目も集めた。太宰治の『人間失格』に、イケメンの写真かなにかのカバーをつけ直して注目を集めてたこともある。

ポット出版だって『劇画家畜人ヤプー【復刻版】』は1万にはまだ届かないけど、復刊したことでそれなりにもう一度注目を集めることができたんだと思う。
< http://www.pot.co.jp/books/isbn978-4-7808-0143-9.html
>

これらの本は「化粧直し」したってことで、注目を集めた。それがなければ、そうした注目は集められなかったのだ。本(=文章)はまだまだ読む可能性を持っている人に知られていないんだ。

電子書籍の時代、つまり、読むことができる文字数が、とてつもなく増える時代に、改めて出版の意味を考えると、見る場所を増やしたり、化粧直ししたりすること、そうすることの意味のあるものを探し出すことに、それがあるのだと思うのだ。

◇ポットの日誌「ポット出版社長・沢辺均の日記」
ノゾイてみてください。
< http://bit.ly/qZj4Op
>

【沢辺 均/ポット出版代表】twitterは @sawabekin
< http://www.pot.co.jp/
>(問合せフォームあります)

ポット出版(出版業)とスタジオ・ポット(デザイン/編集制作請負)をやってます。版元ドットコム(書籍データ発信の出版社団体)の一員。NPOげんきな図書館(公共図書館運営受託)に参加。おやじバンドでギター(年とってから始めた)。日本語書籍の全文検索一部表示のジャパニーズ・ブックダムが当面の目標。

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■編集後記(7/12)

・杉田望「無限大経営」を読む(幻冬舎メディアコンサルティング発行、2011)。経済小説なんて普段まったく興味がないジャンルなのだが、新聞広告に惹かれた。「奈落の底にはさらなる地獄 "クッソ!絶対に負けやしないぜ" 六十過ぎの起業家が三度目の挑戦」「実在する経営者の挫折と成功を描いた圧倒的なリアリティ!(中略)バブルに浮かれ有頂天のとき、事態は暗転。同業者の裏切り、妻の死、そして借金に追われる日々。そこで菱木が見た、商売の光明とは?」。わたしは想像する。破天荒で鮮やかな起死回生の痛快逆転劇であろうと。しかも非合法な。タイトルからいって怪しいもの。ところが違った。技術開発を武器に20代で起業し、大成功をおさめるものの、70億円もの負債を抱えるに至り、その窮地をいかに脱し、会社を建て直したのかという、実在する経営者・菱木貞夫(染めQテクノロジィ会長)の不屈の一代記であった。予想ははずれたが、内容はそれなりに面白い。それにしても、この人、根っからの楽天主義者で脇が甘過ぎるのではと思う。あとから知ったが、この本は一般の書籍ではなく、幻冬舎メディアコンサルティングの提供するブランド強化ソリューションから生まれた、ブランディング書籍なのだ。同社がブランド強化を望む「染めQ」から受注し、経済小説で知られる杉田望が取材・執筆し製品化、幻冬舎から発売したということなのだろう。幻冬舎は本当に商売うまいなあ。ところで気になる「無限大経営」とはどんな素晴らしい概念なのか。「あなたの考え方って無限大ね。ゼロからの無限大経営......」「無限大経営か。悪くないな。それってほめ言葉と受け止めていいのか」「また、その気になるんだから、あなたって」という夫婦の会話、325ページうちわずか3行にしか登場しない。ほとんど、いやまったく無意味。「ベンチャー・スピリットを奮い立たせる」と惹句にあったが、それならなおのこと、こういうタイトル詐欺みたいなことしてはいかんな。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434499583X/dgcrcom-22/
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・Google+のご招待ありがとうございます! でもまだ入れてない〜。武さんのグッズ。気になるなる。/創刊時から排他的利用の制限はやっていないし、ノーギャラも同じ。うーん、だからいつまでたっても部活なんだな(汗)。寄付をお願いしたいけれど、今は東日本大震災があって、そうは言ってられない。お願いです。このメルマガをお知り合いにご紹介してくださいませ。それが執筆者含めた我々への糧になります。/仕事が重なっていて、生活がぐちゃぐちゃである。大変だが仕事があるのはありがたいことである。来月になれば楽になるのだのだのだ。で、睡眠時間バラバラ。食事は出前だったり、冷凍食品だったり、お弁当だったり、外食だったり。近くに飲食店が多くて助かる。朝、パンがないことに気づく。生協をお休みしていて、常備していた一ヶ月以上保存できるパンすらない。お店開いてないよ、どうしよう、このあたりで一番早くに開くスーパーはと考えた後、コンビ二の存在を思い出した。コンビニで買うぐらいならスーパーで買うぜ、とお財布に優しい考えを持つ。価格が高いのはもちろんだが、余計な物までつい買ってしまうんだよな〜。行くのはチケット発券か、帰宅途中の通りすがり(疲れててスーパーに寄りたくない時)ぐらいで頭の中になかった。外にはほとんど人がおらず、犬の散歩かランニングの人ぐらい。車も通らないので車道の真ん中を歩いてみたり。朝はまだ涼しいわぁなんて考えつつコンビ二到着。食品が奥にあるのは罠だよねぇと、目的地に向かいつつ棚をチラ見。充電器の進化を知ったり、日頃行くお店にはない商品を見つけたり。食パンのみと決めていたのに、雑誌や野菜と昼食をも買いそうになる。家のがあるじゃないかと心に言い聞かせて、雑誌とパンをレジに(罠大好き)。店員さん同士が恋バナしていたよ。支払いを済ませてレジを離れようとしたら、スピードくじの箱を差し出された。SOY JOYが当たる。これって空くじなし? 早起きは三文の得ってことかしら。(hammer.mule)