装飾山イバラ道[81]いろいろなものをはかりたい ─その2─/武田瑛夢

投稿:  著者:  読了時間:6分(本文:約2,500文字)


私の以前のコラム「いろいろなものをはかりたい」で、スーパーで買い物をする時にカニの重さが簡単に量れる腕時計式のハカリがあったら良いのにと書いた。今思えば、なんてノンキで幸せな買い物の悩みだろう。少しでも重くて大きなカニやメロンが欲しい、なんてことに注意を向けられていたのだ。結局、この夏のメロンは例年通りに、目で見て両手で持って重いのを探しているけれど......。

・[73]いろいろなものをはかりたい
< http://bn.dgcr.com/archives/20110301140200.html >

そんな今、スーパーで私が最も測りたいのは放射線の量だ。残念ながら震災後は、主婦がガイガーカウンターを持って出歩く時代が来てしまった。嘘みたいな現実だ。だが私はまだガイガーカウンターは持っていない。だから、それほど敏感で厳しく放射線のことを考えている方でもないのかもしれない。

日本のどこにいても、取り込む放射性物質の量を少なくする努力だけはした方がいいと思っている。放射線の専門家が「実際にどれだけ危険なのかわからない」と言うのは正直だろうし真実なんだろうけれど、だからこそ怖いのだ。



●気にしている人がいることを無視しない

女性ってその時々の立場や生き方で、所属とか分類がスッパリ分かれがちだと思っている。最近はこの放射線についての考え方も「どっち寄りか」を分けるポイントになってきているようだ。気にしないのが一番かもしれないけれど、気にしている人がいることを無視しないのも大切だと思う。人間のセンサーはひとつとして同じものがないからこそ役に立つ。

私の場合は、スーパーで野菜を買う時は産地表示をしっかり確かめたり、独自に検査しているという食材通販店に届けてもらったりもしているけれど、基本的にはそんなに信じていない。安全基準に自信のある店をいくつも探して、あちこちで買う。結局はリスクを分散して、だいたい大丈夫なように注意するしかないと思うのだ。自炊は気をつけるけれど、外食する時は食材のことはなるべく気にせずに楽しむ。

●慣れるとおいしい輸入食材

もともと、ハードロックカフェやアウトバックなどのアメリカの肉料理が好きだったけれど、震災後はまた違う意味でオージービーフやアメリカビーフを求めるようになった。国産の検査基準などが当初からもっとしっかりしていれば安心して選ぶのだけれど、食べた後から汚染があったと知るのは辛い。ならば、できるだけ避けようとするのも防衛本能だと思う。

海外通販のことを書くたびに、円高の恩恵について触れているけれど、輸入食材はますます安くなっている。パッケージを見るだけでは買う勇気がないパスタや缶詰なども、レビューで人気なものだけに手を出せば失敗しないだろうと思う。山積みでたくさん仕入れているものは人気があるので、お得でおいしいに違いない。

輸入食材の意見交換のWEBなどを見ていると、汚染に厳しく注意している人のコメントは参考になる。ちょっとオーバーめに注意している人の意見も、耳にいれても損はない。聞いた後で自分で考えればいいのだ。

●お米の国

震災後の4月に、うちで買った福島の阿武隈高原のお米には、美しい田んぼの写真入りのものが一袋ある。このままでは鮮度が落ちてまずくなってしまうのに、もったいなくて食べられない。夏の間に大切にいただこうと思う。

お米は昨年度産のものが品切れになってきているとニュースになっていた。実際にうちの近所ではまだ品切れしていないし、不思議だった。WEBで調べたら、新米をあきらめて古米を備蓄している人は、そのために冷蔵庫を買い足しているケースもあるらしく、ますます驚く。これは、過去のお米で起きた産地偽装や表示とは違うブレンド米を売っていた事件の不信感のせいらしい。過去に嘘があったのに、今年から嘘をなくせるものだろうかという不安。

お米の場合、外国産は農薬などの基準が違うから選び方もむずかしいという。テレビで見た、アメリカなどの広大な耕作地にヘリコプターで農薬をまいているシーンを思い出す。タイ米もたまにはいいけれど、カレーには合っても梅干しには合わない気がする。主食は食べる量が多いからたいへんだ。

こういうことって、希望の光とあきらめの波が寄せては返すように交互に訪れる。もうホトホト疲れちゃってる人も多いと思う。パーンと投げ出したいところをフッと我に返って、ほどほどに楽しく料理をしよう。

例えば最近よくあるうちの献立。イタリア産パスタにオージービーフ、ドイツのパンにフランスのワイン。国内自給率は限りなくゼロの夕食。でも次の朝はコシヒカリのおかゆに紀州の梅干しで日本を楽しむ。

何をそんなに恐れているかって、専門家もわからない「何か」だ。私がわかるはずがない。たぶん後々になってわかる「自分のポカ」や「誰かの偽装」、「国の怠慢」に備えるしかないのかもしれない。エラーは起こることを前提に、注意を怠らずあきらめないで食材の買い物をしたい。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」を見た(以下ネタバレを含むので注意)。ハリポタは何回か映画館で見て、最近のはDVDを借りて登場人物とストーリーを勉強してから最終回を楽しんだ。死の秘宝のストーリーに入ってくると、画面全体や主人公たちがどうしても暗いムードで重々しい。でも、それぞれの役割が結びついてハリーを助けていくのが良かった。途中でボロ泣きしてしまった。3Dで見たけれど、空間の広がりがダイナミックになっていたくらいの効果かな。

「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」はIMAXで見たけれど、3Dがすごい。中盤まではド迫力。それぞれのキャラの登場のさせ方もおしゃれで、ファンが喜びそうで楽しめた。でも、金属がぶつかる衝撃音や立体効果にだんだんと慣れてしまって、戦いがクライマックスへと盛り上がっていくのに驚かなくなってしまった。3D効果を使う映画のもったいないところかもしれない。