[3102] 書き下ろしのプレッシャーの中で

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《第1回 ヒマ潰しあいほんあぷり展》

■アナログステージ[60]
 祝☆連載60回──無方向性コラムを振り返る
 べちおサマンサ

■デジアナ逆十字固め...[118]
 書き下ろしのプレッシャーの中で
 上原ゼンジ



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■アナログステージ[60]
祝☆連載60回──無方向性コラムを振り返る

べちおサマンサ
< http://bn.dgcr.com/archives/20110830140200.html >
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(注:今回もいつものアレですので、あまり真剣にならずにお読みください)

2008年10月7日(火)14:00に配信された、日刊デジタルクリエイターズの2509号。アナログステージの記念すべきデビュー号だ。デビューから早や三年を迎え、デジクリ初となる「無方向性コラム」という、べちおサマンサ本人にしか浸透していないジャンルを確立させた功績は大きい。

あるときは、中原中也とはまったくかけ離れてしまっている詩人のようなコラムを綴り、あるときは、プログラマらしかぬ、的外れな電脳コラムを綴り、あるときは、華麗な自作自演のチャットを展開させるなど、デジクリ内での、活動フィールドの幅広さには驚かされるばかりです。

そのアナログステージも、今回で連載60回を達成いたしました! これもひとえに、不特定多数の読者様のおかげだと感謝しております。ナノテクノロジーという、謂わば、技術の最先端界隈で、日夜開発作業をされ、いつも多忙なべちおさん。今回は、未来の日本技術を背負っている彼に、アナログステージという世界を語っていただきました。

──べちおさん、連載60回、本当におめでとうございます! 60回を迎え、心境はいかがでしょう

べちお:ありがとうございます、そうですか、もう60回ですか......。これから町田(東京)の串焼き屋さんに呑みにいくので、早く行きたい気分です。

──まずは、べちおさんをご存知ではない読者様に、簡単にデジクリデビューまでの道のりを説明していただけますか

べちお:元々は、デジクリの創刊号からの読者でファンだったんですよ。当時、『笑わない魚』を連載されていた、永吉克之さんとお知り合いになり、その後、デジクリで執筆されている方々と知り合いになり、よく酒を一緒に呑むようになったんです。

mixiという、いまはなSNSの日記で、デジクリを真似た『アナログクリエイターズ』という日記というかコラムを書いていたら、『Otakuワールドへようこそ!』を執筆されているG/Hさん(昼間からセーラー服・仮名)が、柴田編集長に紹介してくださったんです。

本来なら、『デジクリトーク』というスペースで、オーディション的に掲載されてから連載になるようなんですが、ボクの場合はいきなり連載でした(笑)。配信された日は、デジクリ繋がりでお知り合いになったかたも多かったので、皆さんビックリしてましたねぇ、「えええええ! べちおさん??」って。

──デジクリで連載するようになってから、なにか変化というものはありましたか? 

べちお:生活に目立つような変化というものはないですけど、交友関係は格段に広がりましたね。自分が持ち合わせていないカラーや、ひとつのモノに対する考えかた、本職のほうでは絶対に出てこない着眼点など、クリエイター特有の感性というか、ものの捉えかたにインスピレーションが刺激されます。

デジクリに寄稿するようになってからは、雑誌を含めて、あまり本を読まなくなったかもしれないです。嵌ってしまうと、その世界観に感化されやすいタイプなので、こうして書き手側でいるうちは、周りに影響されないで、自分の文体を大切にしていきたいかなぁ......と。

あ、書くことに関してド素人のままですが、柴田編集長に鍛えていただいているので、技術仕様書などのドキュメント作成文は上手くなってきてます(笑)

──連載当初から、「読む文章ではなく、目で聞ける文章」というコンセプトで書かれておりますが、具体的にどのようなことなんでしょうか

べちお:新聞など、きちんと正確に伝えなくてはいけない情報など、いやでも堅苦しくなる文面は、その筋にお任せするのが一番なんです。普段の会話で、新聞記事や、本に綴られているような喋り方ってしませんでしょ? 『読む文章ではなく、目で聞ける文章』の理想は、横で喋っているような、そんなニュアンスで捉えていただけると嬉しい。

──最近、なにか興味を持ったこととかありますか

べちお:先日、ヘア&メイクをやっている友人と酒を呑んだんです。バリバリ第一線で活躍しており、もう20年くらいの付き合いになるんですが、常にモノを観察し、自分の中で消化させて作品にしている。サロンワーク(美容室)ではないので、日常のヘアスタイルやメイクと、まったく異なる世界なんですが、酒を呑んでいる最中に、グラスの周りに付着している水滴をみるなり、「中に入っているビールのグラデーションの上から、透明感を持った別の色(水滴のこと)が重なっているでしょ? ベースの色が見えて、尚且つ、その上から別の色をのせるメイクってできないかな」といい始めまして。それからはブツブツ言いながら自分の世界ですよ(笑)

実際には、メイクも絵と同じで、色を重ねていくものだから、彼が言っていることは不可能に近いことなんですが、「おや?」っと思わせることはできるんじゃないの? って、そんな話を延々と...。

──なんだか奥が深いような......

べちお:「頭の中のイメージを形にできる」ということは、きちんと基礎基本が出来上がっていないと、イメージを形にしていくのは難しいんですよね。基礎として完成に近い状態、もしくは完成させから作ってから、イメージ通りに壊していく。そして、本当の完成が待っていると。ボクも、それに近い匂いをもった文章が書けるといいんですけどねぇ。

──最後に、読者様にひとことお願いします

いつも読んでいただいて、ありがとうございます。愉しみながら100回を目指しますので、応援、よろしくお願いします☆

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋
< http://bachio.posterous.com/ > ←更新してないんです
< http://twitter.com/bachiosamansa > ←フォローしても役に立ちません
< http://gplus.to/bachio > ←Google+ お気軽にドゾー

○夏休みいかがでしたでしょうか。例年通り、オイラは汗水垂らしながら仕事してました/漫画「深夜食堂」の作者、安部夜郎のデビュー作にあたる、「山本耳かき店」を読む。デビューと同時にその「世界観」を描いていることにも驚いたと同時に、深夜食堂から流れているので、安心感があったり/著者のあとがきを読んで、編集部と作家のパイプラインは大切なライフラインであることを再認識/月曜から出張ラッシュのスタートです。9月は殆ど横浜に居ないのだ/ん? 今回は後記が長いぞw

○記憶に残っているデジクリ夏休み中の出来事→雷雨の中、家族総出で、長者ヶ崎(葉山)に海水浴を愉しんでいるヒトたちを観にいってきました。が、雷雨の中、海水浴を愉しんでいるヒトは殆どおりませんでした→カミさんとムスメがサマソニ出撃。出演メンバーを知っていたらオイラも観戦に行きたかった...。幕張メッセまでお迎えに行ったら、ラストの花火が打ち上がり始めて、車の窓越しから見る花火は、とても綺麗に映った→数年ぶりに鎌倉散策。デジイチギャルがたくさん。

○第1回 ヒマ潰しあいほんあぷり展── 後記の新企画。ほかのデジクリライターさんがやってないので、ちょっとした空き時間や退屈凌ぎになるアプリをちょこちょこと紹介。あくまでもヒマ潰しのお供なので、基本、無料アプリ。オイラの性格上、有料だとやり込みが始まり、ヒマ潰しどころか、メシも喰わないでやりそうなので除外。

今回は紹介するのはコインプッシャー系。ゲーセンで多種多様なプッシャーがあるけど、アプリだと基本に忠実な(所謂、シングルプッシャー)プッシャーが殆ど。プッシャー系では命といえる、コインの動作を重点に、コインの滑り(動作)具合や、課金しなくても、そこそこコイン持ちが良いのをセレクト。

紙が風に舞っているようなコインの動きや、ボーリングのレーン上でゲームやっているような、明らかにアルゴリズムが悪いのは問題外。ただ、電池喰いなので、移動中に遊ぶのはご注意。

・Coin Push - iBear Story
< http://bit.ly/mV12ps > ←長いので短縮してます

──コインの滑り良好。取得アイテム別にステージが切り替わったりするのは、ほかプッシャーと似通っているけど、コイン持ちが抜群。プライズの用途がイマイチ不明。シンプルなだけに、長く遊んでいても飽きがこない。

・Dungeons and Coin
< http://bit.ly/aBNA4g > ←長いので短縮してます

──コインの滑り良好。シェイクすると台バン(機械を叩いたり、揺らす)できる。短いフィールドで、バッサバッサとコインが降ってくるので、コイン持ちが素晴らしい。素晴らしいのはいいけど、取得コインのカウントが明らかにおかしい。ゲーム性が強く、飽きがこない。ただ、コインが厚めなのが気になるのと、アイテムの使い道がまったく分からないのが多すぎる。ジャックポットが未だに吐き出しされないのが謎。レビューに攻略法が書いてあるので参考にドゾ。

・パワーオブコイン
< http://bit.ly/p59ouu > ←長いので短縮してます

──コインの滑りは良好だけど、フィールドが狭いのと、やけに大きい横穴にバカバカ吸い込みで、コイン持ちは上の2つと比べると悪いほうだが、イベント発声で大量のコインをGET可能。連続して出現するアイテム撃ち落しで、大量のコインを消費したりするので、発射は控えめに。

あっぷるゲーセンで、オンライン協力タイプのマスプッシャー(多人数で1台のプッシャーを攻略していくやつ)がリリースされると面白そうなんだけどなぁ。プログレッシブジャックポット機能つけて、コインの雨を堪能できる......とか。これだと課金しちゃいそうだけど。

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■デジアナ逆十字固め...[118]
書き下ろしのプレッシャーの中で

上原ゼンジ
< http://bn.dgcr.com/archives/20110830140100.html >
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前回デジクリに原稿を書いてから、随分と間が空いてしまった。ずーっと書き下ろしの本の原稿を書いているのだが、なかなか終わらない。私は同時にいろんなことができない性質なので、私の回りではいろんなことが停滞してしまっている。まあ、原稿書きの仕事は今までにいっぱいやってきたけど、この「書き下ろし」のプレッシャーというのは、けっこう強いんだな。

元々は自分でやりたいと思って出した企画なのだが、いざ始めてみるとなかなか捗らず、気ばかりが焦る。企画が通り打ち合わせをし、さあてやるぞ! と思った翌日に大地震が起きた。原発のことも気にかかるし、気もそぞろ。原稿を書かなきゃと思いつつ、いろんなサイトで情報集めをしてしまう。やらなきゃ、やらなきゃ、やらなきゃ、という気持ちばかりがどんどん空回りする。

私の社会人としての始まりは編集者だった。編集者として、書き下ろしの本の原稿取り立て人もしていた。雑誌連載をまとめる場合なら、時が立てば少しずつ原稿が溜まり、やがて一冊の本になる。しかし、書き下ろしの場合は何年もかかる場合がある。何年も刊行予告の広告ばかり打っている本もあった。そう言えば、いまだに出ていない本もあるなあ。

知り合いの作家も皆、書き下ろしだけは嫌だと言っていた。つい引き受けてしまった書き下ろしの本だけが出ず、コツコツ書いた連載だけが、どんどん書き下ろしを追い越していってしまう。書き下ろしだってコツコツ書いていけば、やがては一冊の本になるはずだが、どうしても日々の細々とした仕事が優先されてしまい、書き下ろしは後回しになる。

だから、世の中には作家に原稿を少しずつ書かせるための雑誌が存在する。雑誌の売れ行きはいまいちだけど、掲載されているテキストが一冊にまとまり、書籍が売れればそれでよしとする考え方だ。だから、雑誌を持たず、書籍だけでやっているような出版社というのは、なかなかキツイ。書き下ろしで書いて貰うか、広報誌などのように、書籍と連動していない原稿を見つけてくるしかないからだ。

まあ、最近はメルマガとかブログなんかもあるから、それも書籍化するための重要なメディアになっている。私の初めての著作も、このデジクリでの連載をまとめて貰ったんだった。あの時は後で本にしやすいように、最初から構成も考えて書き始めたんだった。賢かったなあ......。

しかし、今回はこんなに苦しんでいる。書き下ろしじゃなく、またデジクリで連載させて貰ってから一冊にまとめればよかった。なーんていう後悔をしてもしょうがないんだけどさ。それに大変な仕事ではあったが、ようやくゴールも見えてきた。本の中身は「レタッチとカラーマネージメント」です。詳しい内容に関してはまた、本が出てから......。

●「ARTALK2」に参加します!

9月の2日から三日間、「デザイン・フェスタ・ギャラリー原宿」で行われる「ARTALK2」というイベントに参加する。デザイン・フェスタ・ギャラリーは、小さなギャラリースペースの集合体だが、私もその中に一部屋を借り、写真と機材の展示をさせてもらう。

ネタとしては、宙玉レンズ、万華鏡写真、手ブレ増幅装置、蛇腹レンズ、電動ドリルドライバーカメラ等々、私のテキストを読んでいただいている人にとってはお馴染みのもの。それに今回は、太陽画という新しいシリーズの写真も少し展示する。

これは日光写真をデジカメでやってみるというコンセプトで、日光写真の感光紙をデジカメに置き換えるとどうなるか? ということをやっている。つまり太陽があり、オブジェクトがあり、そのオブジェクトを透過した光を紙ではなく、デジカメの撮像素子が記録するという方法だ。

まだ始めたばかりだから、点数はあんまりないんだけど、もう見せちゃう。普通はある程度写真が溜まってからバーンと発表するというのが正当なんだろうけど、撮ったらもうすぐに見せちゃう。でも、デジクリでの連載というのは、そういう発想から形になるまでの過程を公開してきたわけだから、別にいつもやってることと変わりはないか。

以前と比べると最近は、撮ったら「見て、見て!」という気持ちが強くなってきた。写真を撮り始めた頃というのは、そんなに人に見せたいという気持ちも強くなかった。撮ることは撮るけど、それを写真展などで人に見せたいという欲望があまりなかった。写真をやるために会社まで辞めたのに、ただ撮ってるだけじゃあ意味はないのだが。初めの頃は自分で気に入った写真が撮れていなかったということだろう。

今日撮影したのは、ホオズキとミニシービスケット。ミニシービスケットというのは、スカシカシパンの仲間の海の生物のこと。そのホオズキとミニシービスケットを太陽画の手法で撮影した。ブログの方にアップしたんだけど、こんなことを始めました。そして興味を持っていただいたら、「ARTALK2」にも足をお運びください。三日間とも会場にいるつもりなので、聞きたいことなどあれば、ぜひおいでください。

< http://zenji.jugem.jp/?eid=65 >

【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com
・上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/ >

・Soratama - 宙玉レンズの専門サイト
< http://www.soratama.org/ >

・上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
< https://www.facebook.com/zenlabo >

・Twitter
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■編集後記(8/30)

・民主党の新代表は野田佳彦財務相に決まった。民主党政権である限り、誰がなっても未曾有の国難克服は不可能だと思うが、わずかに希望が持てる人物が選ばれたと思う。この人をいいかもと感じたのは、終戦の日の記者会見で、いわゆるA級戦犯について、すでに法的に名誉が回復されており、戦争犯罪人ではないとの考えは変わらない、A級戦犯合祀を理由に首相が靖国参拝を行わないという考え方は「論理が破綻している」と強調したことだ。事実を言っただけなのだが、そう言わない政治家が多いのだから悲しい。国内法上は戦犯は存在しない、これが日本政府の本来の公式な立場である。また、集団的自衛権行使を肯定し、外国人参政権付与に反対し、中国と距離をおいているところもナイス。ところが、復興財源のための臨時増税、社会保障改革のための消費増税、TPP参加に積極的であることが大問題である。こんな景気が悪い中で大増税に走れば、日本経済は壊滅に向かうこと必定である。増税は仕方ないのではないかと思っている物わかりのいい人よ、あなたは物わかりの悪い人、騙されやすい人である。それにしても、この財務相は歴史的な円安に対して「注意深く推移を見守る」としか言わない人なんだよな。ああ心配だ。2年前の今日、政権交代が決まった。こんな最低な日本になってしまった記念日である。(柴田)

・連載60回おめでとうございます。いつも執筆ありがとうございます!/大地震の後、仕事が手につかなかったことを思い出した。/いまメインで使っているモニタは、ナナオのColorEdge CG243W。Adobe RGBカバー率98%。キャリブレーションもたまにやっている。自分にとっては高い買い物だったが、ちょっと前まではパソコンやモニタはもっと高かったんだし(ほんと高かったなぁ)、仕事で毎日使うものだからと購入。すると不思議なもので、DTPのお仕事が連なってやってきた。そしてもうちょっと早くに買っておけばと後悔した。キャリブレーションをし、Adobeのソフトウェア類で、Adobe RGBにして制作する。印刷物は、たいていPDF/X-1aやPDF/X-4で入稿するのだが、お客さんに厳密な色合いを求められるようなものでなければ、色校だって必要ないぐらい印象違わずに出来上がる。印刷時のインクや紙によって変わってくるから、絶対とは言えないんだけど。Webサイト制作だと逆に良くないのかもと思ったことがある。自分が見えているようには、きっと大多数の人は見られないから。もったいないなぁ、こんなに色鮮やかなのに。以前、ゼンジさんの原稿で、ブラウザでカラーマネージメントできることを教えてもらってから、プロファイルを埋め込んでみたりもする。表現力の良いモニタが大多数を占め、すべてのブラウザがカラマネ対応する時代はもうすぐ?(hammer.mule)
< http://www.eizo.co.jp/products/discontinued/ce/cg243w/ >  CG243W
< http://bn.dgcr.com/archives/20080619140400.html >
WEBのカラーマネージメント/上原ゼンジ
< http://www.zenji.info/cn16/pg136.html >  鮮やかなグリーン
< http://www.zenji.info/cn16/pg208.html >
Adobe RGBやProPhoto RGBのがとてもきれい
< http://pixiv.cc/yam/archives/3725863.html >  ブラウザでもカラマネ