[3130] 「Stay hungry, Stay foolish」の謎

投稿:  著者:  読了時間:24分(本文:約11,500文字)


《なぜか猿サイドで観ちゃったけど》

■ユーレカの日々
 「Stay hungry, Stay foolish」の謎
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[274]
 iModela発表、ジョブズ死去
 吉井 宏

■セミナー案内
 CSS Nite in OSAKA, Vol.27 presented by リクルートエージェント
 「インターフェイスをデザインしましょう」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ユーレカの日々[05]
「Stay hungry, Stay foolish」の謎

まつむらまきお
< http://bn.dgcr.com/archives/20111012140300.html >
───────────────────────────────────
ジョブズが死んだ。

たくさんの報道がなされ、アップルストアの前には供花の山ができ、たくさんのコメントやツイートが世界中を駆けまわった。

ぼく自身も、もう20年もApple製品を使い続けているし、Appleという会社は数少ない信頼できるヤツだと思っている。絵を仕事にできたのもAppleという会社のおかげだ。

今回のジョブズの報道で、多く紹介されたのが「Stay hungry, Stay foolish.」という言葉だ。この言葉はデジクリの読者であればご存知だと思うが、05年のスタンフォード大学卒業式スピーチの結びの言葉だ。
< http://video.google.com/videoplay?docid=9132783120748987670 >

6年前のスピーチで当時も話題になったが、ジョブズの思想を紹介する意味で、多くの追悼記事でこの言葉が引用された。

この演説では、「関係ないと思っている体験でも、いつか他のものと結びつき新しい結果を生み出す」「敗北は人を鍛え、成長させ、愛は人を救う」「毎日、人生の最後の日だと思って悔いなく生きる」の三点について述べられ、最後に「Stay hungry, Stay foolish.」を三度繰り返し、スピーチを結んでいる。

とても素晴らしいスピーチだが、あらためてこのスピーチを見ると、最後の「Stay hungry, Stay foolish.」はかなり唐突で、先の三つの話とどう結びついているのか、この演説からだけではわからない。

大学をやめたことや、会社を追い出されたことが「愚かなこと」なのか? それをしろと言ってるのか? ジョブズは「Stay hungry, Stay foolish.」そのように生きたいと言う。まるで謎掛けのように、この言葉が投げかけられる。

日本でもCM展開されたAppleの「Think different」キャンペーン。「クレイジーな人たちがいる。反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。」というあのCMと、この言葉はたしかに似ている。ニュアンスはたしかに同じ気がするが、どうも違和感があるのだ。

あらためてビデオを見なおしてみると、「Stay hungry, Stay foolish.」はジョブズ自身の言葉ではなく、ジョブズが影響を受けたという雑誌「Whole Earth Catalog」最終号に載ったメッセージを引用し、そのように生きたい、ということを言っている。報道でよく見かけた「ハングリーであれ、愚かであれ」という翻訳だと、ジョブズが我々にそう言っているように思えるが、全然違うじゃないか。

そこでまずはその紹介されている雑誌「Whole Earth Catalog」について調べてみた。60年代後半から年一冊というスタイルで発行されていた、ヒッピーカルチャーの雑誌だ。ヒッピー思想に基づき、そのライフスタイルに必要な情報、放浪や精神世界、農業、建築(フラードームなど)、コミュニティの作り方、またメディアやコンピュータなどの情報をまとめた、まさにヒッピーのガイドブックのような本だったという。

こちらのサイトで本の内容も閲覧できる。
< http://www.wholeearth.com/index.php >

日本には「地球の歩き方」という、若者向けの旅行ガイドシリーズがあるが、雰囲気としては、あれをもっと骨太でオールジャンルにしたような感じだったんじゃないだろうか。もしくは、昔大阪で発行されていた「ぷがじゃ」とか。実用情報中心でありつつ、ヒッピーカルチャーとはなにか? というマニュアルにもなっていたように思える。

ヒッピーカルチャーはベトナム戦争への反戦運動が発端であり、基本は「反体制」「自然」「平和」「自由」だ。体制に反旗を翻し、大学を捨て、仕事を捨て、本を捨て、街を出て、自然と共に自由に生きるという思想だ。大人たちは顔をしかめ、苦々しく思う。そういう存在だ。

ということは、「Stay hungry, Stay foolish.」はヒッピーカルチャーのことを言ってるのは確かだ。ジョブズは若いころヒッピーカルチャーに傾倒していたのは有名な話だ。しかし、じゃあなぜ、なぜ「Be hungry...」ではなく、「Stay」なんだろう?

同じ命令形で使う動詞でも、Stayはその状態を保つ、という意味合いであり、日本語に訳すと「ハングリーで居続けろ、愚かで在り続けよ」ということになる。ジョブズがヒッピーの精神のように生きたいというのであれば、StayじゃなくてBeじゃないのか?

この言葉はこの本のサブタイトルとかではなく「最終号の裏表紙(最後のページ)」に載っていた言葉だという。調べてみると最終号が出たのは1974年。ぼくが中学一年の時で、日本ではフォークブームまっさかりだが、アメリカではヒッピーカルチャーがすっかり下火になってきた時期だという。10年間続いたベトナム戦争が終わる1年前だ。

ここまで調べて、ようやくわかった。

つまり、この時期、「もうこんなバカな生活はやめて、大人になるよ」といって多くのヒッピーが会社や学校や組織に戻っていったのだ。もしくは発行人もなんらかの事情で続けることができなくなったのだ。その最終号に記されているということは、つまり、自分たちも含め去りゆくヒッピーたちに「これで終わるけど、ヒッピーであったことを忘れるな」というメッセージ、雑誌の遺言なのだ。

ジョブズもまた、その去っていった一人だった。ヒッピーから足を洗って、ビジネスという現実の世界へ足を踏み出そうとしていた時期だ。大学を中退しアルバイトでしのいでいたジョブズがATARI社に採用された年だ。

ジョブズのやってきたことは、まさに反体制だ。ヒッピーの魂だ。IBMに戦いを挑み、マイクロソフトを馬鹿にし、日本製パソコンをクソだと言い、常に本流を否定して「そうじゃないもの」を提示してきた人だ。スーツでなく、ジーンズで新製品の発表をした。ビジネスリーダーではなく、キャンプ村のリーダーのように話した。

だが、ジョブズは成功した。数多くの挫折の果てに、この10年間華々しい成功を収めてきた。スピーチがされた05年はiPhone登場以前、iPodが空前の大ヒットとなり、Macもまた安定した評価を得た時代だ。もう反抗児ではなくなったジョブズなのだ。

そんな自分自身に、ヒッピーであることを忘れるな、と言い続けているのがこのスピーチの背景だ。「うぬぼれるな、初心忘れるべからず」というような単純な意味もあるだろうが、ヒッピーの考え方とジョブズの人生から、よりジョブズのメッセージを理解できるような気がする。

先に釈明しておくが、ここからはさらに僕の勝手な解釈であり、ジョブズは違うというかもしれない。僕個人がヒッピー発ジョブズ経由の「Stay hungry, Stay foolish.」をどう考えるか、という話だ。

ジョブズはまず、常識や、あたりまえや、しがらみや、体制といったものを否定する。スタートが現状の否定だ。ヒッピーもここからスタートだ。

現状の否定と書くと、現実に絶望しているネガティブシンキングに聞こえるが、そうではない。ヒッピーの現状否定はあくまでも反体制。「本来はこの世界はもっと素晴らしいはずだ、もっとよくなるはずだ」(自分にとってなのか、世界にとってなのかはいざしらず)ということが基本にある。

ネット上にはあの製品はつまらない、あの会社はオワタ、あの政治家はクソだ、なんて言葉が溢れているが、多くは無責任な愚痴であり、ヒッピーが衰退していったのも、多くのヒッピーがこのレベルだったからだろう。

また否定のレベルは全否定でなくてはならない。日本の工場の現場などでは「改善提案運動」という問題点を洗い出し、効率化に役立てる運動があるが、もっと根本から否定するのがヒッピーだ。

現状を否定した以上、その理由を論理的に証明しなくてはならない。なぜそれがダメなのか、なぜそれがつまらないのか。

簡単なようで、これがなかなか難しい。なぜなら、世の中の常識、当たり前、システムというのは、人を考えさせないために存在しているからだ。たとえば、自動車は日本では左を走る、と決まっている。常識であり、ルールだ。おかげで道に出たときにまわりを判断しながら右を走ればいいのか左を走ればいいのか、いちいち考えなくてすむ。

大学に入ったらそのコースを卒業する。大人になったら就職する。日本は原発でやっていく。ナチスは世界を征服する。決めたらもうあとは考えない。いちいち考えていたら大変だから。盲目的に従うのはとても楽だ。支配する側もされる側もとても楽。ディスクドライブにはイジェクトボタンが必要。コンピュータ操作にはマニュアルが必要。決めてあれば、考えなくて済む。気にする必要はない。それぞれ、それに従う努力をするだけいい。

だから、それを否定する理由を説明するには、その常識やシステムやルールがなぜ、存在しているのかという根源から考え、知る必要がある。なぜ、いつからそれが常識になった? だれがそのルールを、何のために作った? 世の中の当たり前の理由を考えるのだ。

皆がずっとそうしている、常識やルールというのは、淘汰されて自然と残っている、とりあえずはうまくいっているシステムだ。たとえばハリウッド映画がワンパターンなのは、それが見ている人に快感を与えるからだ。淘汰されてきたワンパターンのレベルは実はものすごく高い。相当手強い。自分が否定しようとしているものの理由を知ること。バックボーンを知ること。これがなければ次の過程である解決策、代案を出すことができない。

さて、次の段階は、その理由が現在も通用するのかを検証し、その上で解決策を提示することだ。今もその常識は意味があるのか? 先に述べたように、ルールや常識は便利な反面、思考停止のリスクを伴っている。多くのルールが形骸化しているのに、そのまま放置されている。他にもっといい手はないのか?見落としているものはないのか? あらゆるパターンにあたり、組み合わせを試し、検証しまくるのだ。

なんとかその解決策を見つけたとしよう。もしくはその正当性に納得したとしよう。それを喜んでそのまま実行するのはまだまだ凡人だ。本物のヒッピーであるジョブズは、そんなところで止まらない。

その自分がひねりだした解決策や納得した理由を容赦なく否定する。否定し、その理由をまた必死で考え、代案を必死でひねり出すのだ。なぜなら否定することがヒッピーの信条だから。

これを最低三回繰り返す。三回というのはまつむら基準で、ジョブズはひょっとしたら20回だったのかもしれない。

自分の考えであっても、一度で納得、鵜呑みすることでは、常識を無条件に受け入れるのと同じことになる。近視的なビジョンにすぎない。三回以上繰り返すことで、よりよい解決策、よりよい長期のビジョン、より本質的な真理に近づける。

これを実行するときにもうひとつ重要なのは、「自分の心の直感」だ。これは言い換えれば「普通の感覚」「子どものような素直な感覚」ということだ。

「これ、使いにくいなぁ。」「なんでこんなところに柵があるんだ?」というのが普通の感覚。それに「しょうがないなぁ」とか「ああ、間違えちゃった。俺ってダメポ」といいながらほとんどの人は自分を合わせてしまう。その方が考えなくていいから。みんながやってることに従うのが楽だから。普通の感覚、自分の心の直感の方に蓋をしてしまうのだ。

最初違和感を憶えても、皆すぐに忘れてしまう。慣れてしまえばとりあえず問題はない。これでは思考停止だ。常に自分の「これ、なんか気にくわない」「これ、なんか好き」という直感を忘れてはいけない。これはヒッピーの自然主義や、感覚主義とも共通する。

たとえば、同じ結果を得られる二つの方法があったとする。技術者、経営者的には、より安く安定した方法を重視するが、ジョブズはその過程の質、操作や行動、体験を重視する。なぜなら、人が機械やルールやシステムにあわせるのは間違いであり、操作・行動する人の感覚を信じているからだ。

さらにある程度成功を収めると、人は保守的になる。だが、ジョブズはそれもよしとしない。ビジネスで成功する前からよしとしなかった。iMacのデザインにしろ、OSにしろ、ハードやインターフェイスにしろ、自分が世に出した製品を常に否定し、疑い、次の案を提示し続けた。人気のあるデザインや互換性を切り捨て、非難を受けても次に進んだ。

こういったジョブズのやり方はほんと、めんどくさい。周りから見れば、バカで迷惑なことだ。決まったとおりにやってくれれば、うまくいくのに。今うまく行ってるのに。またあいつ、みんなと違うことやってる。困ったやつだ。だが、このやり方こそが、世の中を本当に良くしてゆく唯一の方法だと信じ、ひとつひとつ実践し、そしてそれが真実だと確信したのがジョブズの生き方であり、このスピーチの結びの言葉の意味なのだ。

ジョブズは天才と言われるが、本当は「直感的にひらめく」天才ではなかったのではないか。最初から人とは違う理想のビジョンなど持っていなかったのではないか。ヒッピーカルチャーに触発され、とにかく疑い、子どものような普通の感覚を信じ、徹底的に考えた人ではなかったのか。

目の前にある、だれかが作ってくれた当たり前の安全で楽な道を否定し、わざわざ藪の中へ入っていくこと。そちらにこそ、世界をよくする新しいアイデアがあると信じること。人に期待するな。疑ってかかれ。ねだるな。工夫しろ。頭を使え。自分の手と足で生きろ。

Macと出会い、人生が変わったという人は多い。僕自身、Macと出会わなければ、違う人生、違う仕事をしていたと思う。しかし、それは表面的なこと、結果にすぎない。

ジョブズが、MacやiPhoneという素敵なガジェットに込めてぼくらに渡したバトンは、ヒッピーの魂だ。ぼくらがすべきことは、サンタクロースが死んだと残念がることでも、救世主が死んだと途方に暮れることでもないはずだ。ジョブズがヒッピーから学んだことを、またぼくらなりにジョブズから学ぶことだ。

ジョブズは死んだ。ジョブズの死を悲しんだり失望している暇はない。
ジョブズがしたように、ぼくらもこの偉大なる先達から学ぼう。

「Stay hungry, Stay foolish.」

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
< twitter:http://www.twitter.com/makio_matsumura >
< http://www.makion.net/ > < mailto:makio@makion.net >

ここ数年、細々と描いていた創作マンガをまとめた自費出版本「ビスキィの冒険」を作りました。夏のコミティアではおかげさまで好評を得、3時間で完売。10月16日の関西コミティア(N-25)及び、10月30日の東京コミティア(A24)にて販売します。よろしく!
< http://www.makion.net/makionlog/item_411.html >

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■グラフィック薄氷大魔王[274]
iModela発表、ジョブズ死去

吉井 宏
< http://bn.dgcr.com/archives/20111012140200.html >
───────────────────────────────────

●ローランドDGのiModela、ついに正式発表!

しばらく前から小出しに情報が出てた、ローランドDGの超小型切削マシン「iModela」が正式発表。小さい! 安い! 今まで一番小さくて安かったMDX-15の3分の1以下の値段! なんか、作例がそそられる〜。僕が「使え」って言われてるみたいで。

iModela iM-01 < http://goo.gl/BJFNF >

3DCGや3D-CADのデータから立体を切削・彫刻するマシンです。木や樹脂などを高速回転する刃物(エンドミル)で削り出します。切削できる形状に制限が多かったり、刃物と平行になる付近では精度が甘くなる欠点はありますが、そのまま原型として使えるくらい精度が高い工作が行えます。

(僕が今まで3D出力してきたもののほとんどは「積層式」と呼ばれるマシンで、こちらは樹脂や粉などを積み上げて形を作ります。積層式はどんな形状でも手軽に出力できるのが利点ですが、かなり高価なマシンでないと等高線状のスジスジが出ます。安い製品も出始めてますが、それでも個人が趣味で買えるようなものじゃないです)

iModelaの最大加工エリアはかなり小さく、名刺のプラスチックケース程度。作れるのは大きめの携帯電話ストラップくらいかなあ。小さい部品の組み合わせや裏表貼り合わせ前提なら、小型のフィギュア程度は作れるだろうけど。宝飾関係の専門学校で、生徒一人に一台みたいに普及すると面白いかも。

専用ケースでコンパクトにしまえるのはいいんだけど、集合住宅で使うには音がやかましいんだろうな〜。前述のMDX-15はものすごくやかましいそうです。騒音対策として、冷蔵庫かクーラーボックスの中に丸ごと入れて切削するといいかもです。「防音ボックス」で検索すると、自作記事や発電機用の製品みたいのがいろいろ出てきます。中にはクーラーボックスを改造したものもあるし。

あと、エンドミルのコストがどのくらいか? 一本数千円〜数万円のエンドミルがポキポキ折れるって話も。

それはそうとしても、初めて家庭用インクジェットプリンタが出てきたときくらいのインパクト! ほしいに決まってんじゃん! でもこんなのがあったら、またシリコン型でレジンキャスト複製とかやりたくなるに決まってる。ちゃんとした作業場所が確保できるまで立体制作は休止中なのです。普段なら飛びつくところですが......とりあえず忘れることにしよう。

●ジョブズは僕のヒーローだった

ショックだ......。
せめてドーナツ型の巨大新社屋が出来上がるまでは生きてろよと思ったが......。

すげーヤツだったな......。特に、やりたいことを実現する意志の強さ。
意志で世界は変えられる。変えたよヤツは、マジで......。

チャレンジャーとして、これ以上ない完璧な人生だったろうな。若くして大成功、自分の会社を追われても理想を追い続け、Appleに復帰してからは怒濤の快進撃、iMac、iPad、iPhone、自身の一番の功績になるだろうと自負するiPadを出し、世界一の大企業に上り詰め、チャレンジャーとしての立場を終えた瞬間の死去。スゴスギル。ちょっと短すぎたけど、普通の人の100年分でも足りない人生を生きたに違いない。

Apple復帰以来ずっと、ジョブズは僕のヒーローだった。っていうかまあ、普通に大ファンなんですけど、生で見たのはフラワーパワーiMacが発表されたマックワールドエキスポ東京の基調講演の一度きりなのが残念。まさにロックスターのようだった。3DCGをやってる僕としては、Pixerを世界一のアニメーションスタジオに辛抱強く育て上げただけでもスーパーヒーロー。

ジョブズ自身のほしいものや、あーだこーだブチ切れつつどうにか合格ラインに達したものが最終的にApple製品としてリリースされてたわけで。すぐ万人に理解されなくとも、ジョブズ一人の中でちゃんと首尾一貫してる製品だった。そして時代が追いついたとき、なるほどジョブズが言ってたのは本当だったとわかる。これが普通のメーカーみたいに複数人の意見の妥協になってしまうと......。

不安なのは、「ジョブズだったらこう考えるだろう」的な盲信と誤解の上に製品が作られること。そういった製品にはいちゃもんがつけやすい。いくら突飛でも、「ジョブズが認めた製品ならしょうがないか、あるいは、きっと凄いんだろう」がなくなるから。開発にジョブズの息のかかった製品が出尽くす数年後以降、しばらくは「ジョブズもどき、ジョブズまがい」のApple製品が出ちゃうんだろうな。

過剰にジョブズの考えを踏襲する姿勢から卒業してはじめて、Appleは普通の企業になれるかも。ドーナツUFO社屋ができてからが試練だぞ......。

ジョブズがいなくなっても世界は続く。とりあえず、僕も今できることをやらなきゃね。ハングリーであろう。バカであろう。ってか。

「クレイジーな人たちがいる」ジョブズは確かに人類を前進させた
< >

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

「猿の惑星 創世記」観た。何が面白かったかって、これ、「猿の惑星」の設定を借りた、痛快きわまりない下剋上! 反乱! スパルタカス! 下に見られていた者がウラミハラサデオクベキカ! やったれー、やっつけろー、ぶっ壊せー、行け行けーイテマエ−!! 的な。シーザー、めちゃくちゃカッコイイ! っていうか、なぜか猿サイドで観ちゃったけど、有色人種の日本人的には猿を応援しちゃうのかな。欧米人に恐れられる日本人に戻らなければ。あと、笑福亭鶴瓶に似たチンパンが出てくるので要注目。

・iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV >
・「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb >

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■セミナー案内
CSS Nite in OSAKA, Vol.27 presented by リクルートエージェント
「インターフェイスをデザインしましょう」
< http://osaka.cssnite.jp/vol27/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20111012140100.html >
───────────────────────────────────
機能やコンセプトを考慮し、ケースに応じて、気持ちよく使えるものを設計(デザイン)する。そのためには、「デザイナー」はもちろん、開発者や企画者など、制作に関わるすべてのメンバーが意識的に取り組む必要があります。

今回の講師は矢野りんさんを秋葉秀樹がお迎えし、2人のデザイナーと、来場される皆さんで一緒に、ワークショップも交えながらインターフェイスデザインについて考える会にしました。デザイナー、エンジニア、ディレクター、プランナーなど、職種に関係なく、みんなで一緒に「デザイン」しましょう!(サイトより)

・画面設計とスタイリングという仕事の違いについて
・インターフェースには種類がある
・Webページにはない「モードの切り替え」という考え方って?
・利用者の視点と作り手側の都合ってどう違うの?

日時:2011年11月26日(土)13:00〜16:00(懇親会あり)
会場:リクルートエージェント大阪支社(大阪府大阪市北区角田町8-1 梅田阪急ビル31階)
< http://www.r-agent.co.jp/map/osaka.html >
参加費:一般4,000円(早期申込10/31まで3,000円)、学生3,000円
受付開始:10月14日(金)
講師:矢野りん(rockrin')、秋葉秀樹(合同会社かぷっと)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(10/12)

・アップハンドルの方がツーリングに向いている点とは、まずドロップハンドルと比較して上体が起きている状態になるので、呼吸が数段にしやすいということ。そして、視界が広がりツーリングが楽しいということ。もちろん安全面からも利点がある。ここ数10年、いわゆるママチャリで買い物や散歩に出る。とても楽チンだが、重過ぎるのが難点だ。大学を卒業してからも10年間くらい、ドロップハンドルのランドナーに乗り続けた。後にフレームの色を塗りかえ、フラットハンドルでスポルティーフを気取っていたが、いまひとつ快適さに欠けて、いつのまにか廃車していた。いま思うと、ランドナーのフレームにフラットハンドルをつけたからバランスが悪かったのだ。その後買ったクロスバイクはフラットハンドルで、やはり前傾姿勢のスポーツ車だった。これも乗り心地が気に入らず、いまは屋外自転車置き場で朽ち続けている。アップハンドルの軽いツーリング車が一番快適なはずだが、そういうタイプの自転車は実在しない。記念誌に「ドロップハンドルは身体に悪い」説を投じた人は、理想的なツーリング車を自ら製作中だ。レースをやっている人以外、ドロップハンドルの自転車には乗らない時代がきっと来ると思う。そして「昔は格好つけてドロップハンドルの自転車に乗っていたが、本当は快適とはほど遠かったんだよね。ばかだったなあ」と言うだろう。(柴田)

・まつむらさんのを読んで。一本の良い映画を観た後みたいだ。感想が出てこない。/iModela。吉井さんのためのものだと、私も思いましたっ。/誘われて、近所のスーパー銭湯に。行くのは初めて。裸の付き合いって照れくさいよ〜。入ってみてびっくり。広いわ、豪華だわ、綺麗だわで。ロッカーのカギはシリコン製の腕輪に収納。バーコードがついていて、館内での飲食はバーコードでピッ。ふかふかバスタオルや厚手の館内着。洗い場には資生堂椿シャンプー&コンディショナー。露天になっている温泉に入り、ミストサウナや通常サウナ、薬湯やらを堪能。さっぱりした後に、別フロアにある岩盤浴へ。皆とてものんびりゆったりしたムード。漫画や雑誌が豊富にあって、場所によっては、読みながら寝転べる。遠赤外線+アロマミストでじわっと汗が滲み、次にヒマラヤ岩塩のドームで汗だらだら。眠くなってくるのだが、寝てしまって水分補給を怠ったら、大変なことになるのではと危惧するぐらいの汗。サウナのむっとした熱気が苦手でも、この岩盤浴なら大丈夫。館内にあるすべての石やお部屋を体験するぞとばかり、瑪瑙やトルマリン、ゲルマニウムや何やらの石の上に寝転がる。もちろんネットからは遮断。時間感覚がなくなる。お風呂とサウナで3時間ぐらいかなぁと予想していたのに、食事を挟んで、結局7時間は館内に。休日に家のベッドで寝ていてもとれない疲れがとれ、体がとても軽い。いつもなら疲れて何もしたくなくなる、そんなタイミングで、もうひとつ何か余分にできちゃう勢い。プラシーボ効果かと思いきや、翌朝、いつもなら息切れする場所より、遠くまで走ってもしんどくない。何この軽さ。タフな人、行動的な人って、こうやって回復していってるのかも〜。そしてもうひとつ。体脂肪率が約1%減。1時間ウォーキングしても横ばいだったのに......。スーパー銭湯に、はまってしまいそうです。(hammer.mule)