ところのほんとのところ[64]「Eyemazing」と「Zoom」/所幸則 Tokoro Yukinori

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「Eyemazing」という雑誌がある。オランダのファインアートフォトマガジンである。はっきりとカメラ雑誌ではないといいきれる。アートに特化した写真雑誌は「Eyemazing」と、イタリアの「Zoom」しか[ところ]は知らない。

カメラメーカーの広告はまず載っていない。そこが純粋なアート誌の出発点だと思う。カメラメーカーの広告に頼った出版だと、どうしてもクライアントの要望が出てくるし、方向性まで偏ってくるからだ。

先月、facebookでヌード作品を一点アップしてみた。「Eyemazing」の編集長はfacebookのフレンドなので、それを見てメッセージを送ってきた。もっとこのシリーズを見せてくれないかという内容だった。送ってみたところ、来年の春の号で特集をしないか? というメッセージが返って来た。[ところ]はとてもうれしかった。ただ、ちょっと気になっていることがあった。

2008年の冬、パリフォトに行く直前に、もうひとつのアートフォトマガジンの「Zoom」の編集長に、"渋谷1セコンド"シリーズを送っておいた。ところが、パリに着いたとき、東京で明後日会おうという連絡が来た。まったくの入れ違いで、それぞれが極東の日本と欧州のイタリアに向かっていたのだ。

「Zoom」では新生・所幸則の特集を組むということで、話は進んでいた。その次の日に、パリフォトでたまたま「Eyemazing」の編集長に会い、次の号での特集の約束をした。しかし、そのことで「Zoom」の編集長が怒ってしまい、「Zoom」での2回目の所幸則特集はなくなってしまった。




[ところ]は、日本国内で競合するカメラ・写真雑誌で同時に特集というのは、仁義に反するということは学んでいた。しかし、オランダとイタリアでは国も違えば地理的にも随分離れているから、競合なんてないと思っていたのだ。だがユーロ圏では完全に競合誌だった。......難しい。今回の件もとても悩ましい。

2006年夏、今のような時間という概念を取り入れたコンセプトの作品ではない時代の集大成の作品集を送っておいたら、「Zoom」は4ページにわたって紹介してくれた。だから、「Zoom」には「Eyemazing」に渡すのとは別のシリーズ作品を提案して送ってみようと思ってはいる。

最近【ところ】が決心したことがある。語学、特に英語をなんとかして習得しようと思っている。稚拙でもいいから自分の言葉で、作品についてコミュニケーションを持ちたいという思いがすごく強くなってきた。この歳で英語が話せるようになるのか不安だらけである。

読者のみなさんは、あれだけ海外に行ってるんだから[ところ]は英語を話せるに決まっていると思われるかもしれない。実は度胸とジェスチャーだけでここまでやってきた。まったくいばれることではないけれど。

やはり、本人が語るのと代理の人が語るのでは伝わり方も違うはずだ。これから日本の国力も落ちて行くと考えると、ますます英語や中国語は必要になるだろう。みなさんもそう思われませんか。

・ニコニコミュニティ「写真家の異常な愛情」
10月16日(日)には20時から、一級建築士石丸彰子さんと「アートと建築との関わり」等をテーマにお話します。音声画像がちゃんと出るよう気をつけます! 東京フォトや東京画プロジェクトへの思いなども語ります。
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【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >