ところのほんとのところ[67]故郷で感じた確かな手応え
── 所幸則 Tokoro Yukinori ──

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今年の夏、友人と車で撮影旅行に行った時に印象に残ったことのひとつが、瀬戸内海気候というか、瀬戸内地方の柔らかい風景だった。

最近、香川県の高松市にある[ところ]の実家に頻繁に帰っている。両親がずいぶん歳をとってきたからだ。そして、何度も帰るうちに、今まで高松という街を被写体として考えたこともなかったけれど、一度じっくり取り組んでみたいと思うようになった。

新幹線でさっと行ってさっと帰るだけでは、あまり風景を見る暇もないような気がしていたので、なにかいい手はないか[ところ]はいつも思案していた。

先日たまたま広島に行く用事があったので、その帰りに高松に寄るいいルートがないものか考えてみた。バスという方法はないか? 広島からバスに乗って高松に行ければ、ゆっくり風景が観察できるからいいのではないだろうか。調べてみると、なんとまあ都合のいいバスがあった。




しかも、一週間前から予約するとなんと2,000円で、広島から高松の[ところ]の実家(高松の栗林公園の隣)のすぐ側にも停車するバスが見つかった。ちなみにJR新幹線で広島から高松に向かうと、途中海を渡るのにマリンライナーに乗るから合計7,000円近くかかる。

時間は倍近くかかったけれど、ゆっくり道中の風景も見られたし、このバスルートを選んで正解だった。高松の郊外って今はこういう感じなんだなあと、感慨深く見ながら乗っていて、途中我慢できなくて何度もシャッターも切った。

おかげで[ところ]は撮影のポイントもいくつか見つけられたし、手応えも得た。高校を卒業して32年、ゆっくりこの街を見ることも殆どなかったけれど、今見てみると、とても暖かいものを感じた。

20代、30代の[ところ]も、少しはこのあたりを車で走ってはいたが、その頃は自分が運転していたから周囲をちゃんと見ていなかった。だから、この街にあまり興味を持てなかったのだと思う。年齢を重ねないとわからない、故郷のやわらかさ、美しさというものがあるのだろか。

バスからはなんとなく目印になるようなものを撮っておき、次の日に地元の友人に見せて連れて行ってもらった。東京都内とはずいぶん違い車道も歩道も広いので、止める場所に困ることもなくとても快適に撮影できた。

地元の人は[ところ]が撮ったこれらの風景を見たら、どういう反応をするだろうか。そして東京の人はどう思うのだろう。かなり興味が出てきた[ところ]だった。週末にはサイトに何枚かアップしてみよう。

多様な表現に驚く演劇「日本の問題」が11月27日から下北沢ではじまる。
[ところ]も関心があり過ぎて写真で協力もしている。ぜひ見てください。
< http://nipponnomondai.net/
>

・ニコニコミュニティ「写真家の異常な愛情」
< http://com.nicovideo.jp/community/co60744
>

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
>
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/
>