[3168] 2012年の平行世界を語る(笑)

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《失敗をおそれず突っ走るようになりたいもんだなあ》

■武&山根の展覧会レビュー 特別編
 2012年の平行世界を語る(笑)
 武 盾一郎&山根康弘

■グラフィック薄氷大魔王[282]
 天才と子供はムチャする/人の仕事部屋が気になる
 吉井 宏



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■武&山根の展覧会レビュー 特別編
2012年の平行世界を語る(笑)

武 盾一郎&山根康弘
< https://bn.dgcr.com/archives/20111207140200.html
>
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山:こんちはー。すんません、寝てましたわ。

武:眠い。山根待ちで昼寝しそびれた。

山:僕は昨日もたらふく呑んでたもんでね〜。北千住で。焼き肉食って串揚げ食って友達の家でまた呑んで。

武:豪勢だのう!


山:あんだけ呑んで食ってした割には安かったぞ。4,000円。

武:いいなぁ〜。ちっ、酒でも呑むか。。

山:なんやねんそれ。まあ僕も呑んでるけどな。珍しくビール。大量にあるw

武:なにぃ! けど正確にはビールじゃないだろ、それwww


山:ビールです。『一番搾り』と『プレミアムモルツ』。カードのポイントがやたらとたまってたんで、全部ビールに交換したったわ!

武:まじかよ! ぐぬう。。よっしゃ酒持ってきたった! 『杜氏一心』(北関酒造株式会社)一升980円の純米酒! カインズで売ってた。
参照< http://maruto.at.webry.info/200801/article_18.html
>

山:980円の純米酒...

武:ところで山根はもう呑んでるのですか?


山:え? だから呑んでますよ、ビール。2本目。

武:『一番搾り』ですか?

山:そうですが。

武:おっ!こっちは『杜氏一心』。「一」が共通の「一繋がり」ってことで、乾杯!


山:ぜんぜんわからん。

武:こまけーこたー気にしなくていーんだよ。ゴクッ、ゴクッ、くぅ〜。

山:...さて、今日は何を話すのか。

武:去年の12月は1年を振り返るチャットしてるね。
『「ありがとう」の数だけ「終わり」がある──2010年を振り返って』
< https://bn.dgcr.com/archives/20101208140200.html
>
では2011年。今年を「漢字」で表すと何か?


山:えー、おもろないやん。

武:じゃあ「英語」で表すと何か? 単語でも文章でもいいよ。

山:なんも思いつかん。

武:あ! じゃあさ、今年2011年を「擬音」で表そう!

山:うーん、ちゃうな。


武:なぞかけ行く? 「2011年とかけて、なんととく?」

山:考えれないw

武:えっと、じゃあこれだ!2011年を「数字」で表すとどう?

山:「2011」


武:すげえ!!おれもそう!

山:やろw

武:わかったよ、もう。今年は振り返らない!

山:わはは。


武:そういえば去年末の『武と山根のシンポジウム』で来年(2011年)の抱負を語ってなかったっけ。おおこれだ。
『武と山根のシンポジウム [22_2011年の抱負を語る2010.12.26]』
<
>


山:おお。こんなんあんのかw GrowHairさんが忘れ物取りに戻ってきてるww
< https://bn.dgcr.com/archives/15_growhair/
>

武:アホだな俺たち。。たった54viewsなのが救いだw で、「山根は稼ぐ。俺は絵で稼ぐ。」と。今年、ようやく絵で稼げるようになってきたので抱負を実現してるんよ! 山根も今年はよーけ働いてるからのう。有言実行してるじゃん。

山:その割には金はないが。


武:手元にあるかどうかではない! 入って出たトラフィック量だよ!

山:まあね。

武:んでね、あのさ、「時間」って「未来から過去へ流れてる」って分る?

山:は?


●時間について


武:時間って過去から未来に進んでるように把握してるじゃん? けどね、時間てのは未来から来るんだよ、そして現在の自分にぶつかって、過去へ流れてくの。つまり主体はいつでも未来を向いていて、未来からの「時」の流れを受けてるんですよ。

山:ほう。未来から何がやってくるんですか。武さんとこには。


武:例えるとね、自分なんつーものは川に浮かぶ笹舟のようなもので川の流れのちょっとしたことで死にそうになったりもする。基本的に笹舟は「上流に向かって漕いでいて」それは生きてるってことなんすよ。

山:時間やとすると、上流って何になるんや?


武:漕ぐのを完全に止めると人は時に流され太平の大海原へ辿り着いて溶けていくんさよ。それが死。

山:でもそうすると、上でも下でもどっちでも良くはないのかね。

武:海の水が雲になって上流へと巡るからね。時間も廻る、最終的には上も下もない。


山:上は良くて、下は悪い、という漠然とした感覚ってあるよな。それは何故だ? 重力のせいなんか?

武:だけど重力は強い方が下になるじゃん。

山:なんかあるやん、イメージ。例えば天国は上で、地獄は下、みたいな。なぜ逆じゃないのか?


武:ああ。そういえば「時はくだって」っていうと未来へ行くよね。

山:「さかのぼる」と過去やね。

武:そうすると未来は下で地獄かw 俺が言ってるのは逆なんだな。まあ、時間って概念だからね。

山:なんやようわからんw


武:けど時間って存在してるようにも思えるんだよなあ。2011年とは何だったのか。

山:2011年はいろいろありすぎてまとめきらんなあ。

武:そだな。「ひとりひとりの胸の中に2011年ははち切れんばかりにある」ということで。では「2012年の平行世界を語ろう!」

山:何を言い出すねんw


●平行世界は存在する?


武:いやだって、もう平行世界・パラレルワールドはあるらしいからさ。

山:なにが。

武:あれじゃん。ニュートリノ飛ばしてみたらさ光より速かったってんでしょ?あれって、ニュートリノがいったん平行世界に行ってるから、こっちの世界で光りより速くなっちゃったんでしょ?
『【速報】 ニュートリノは異次元空間へ突入していた? この世界にパラレル
ワールドが存在する可能性!』< http://alfalfalfa.com/archives/4872154.html
>


山:あんまりわからんけど、、

武:俺もw

山:なんやねん! 話にならんやないかw

武:こまけーこたーどーでもいーんだよ。要するに「平行世界」っつーんがあるんさよ。


山:だからどうしろとw

武:「2012年の平行世界を語る」のよ。

山:具体的にどうやって?


武:「はい。では3問目。みなさん、ニュートリノになってください。いったん、平行世界に行って、つつーっと異次元を見てまわって、この世界に戻ってきたとします。そこでみなさん「平行世界から戻ったぞ!」と言ってください。あたしが「おっ、速かったねぇ。で、どうでした?」と返しますのでさらにひとこと。はい、ヤマーネさん速かった!」


山:何やねんこの大喜利ノリは! だからニュートリノのことよく知らんって言ってるやないか!

武:いやね、2012年の現実的な目標や抱負じゃなくて「平行世界」を言い合ってみようじゃないか、と。

山:だからどうやって話すっちゅうねん!


武:「現実としての2012年の俺」があるでしょ。

山:はい。

武:そして「平行世界としての2012年の俺」があるんですよ。

山:...で、それがどうしたw

武:それを語り合うのよ。

山:語り合えるか!!!

武:無理か?

山:あたりまえやろ!


武:山根も「2012年の平行世界の山根」になるんだよ。「2012年の平行世界の武と山根」が語り合うんだよ。

山:すみませ〜ん! ちょっと変な人がいますよ〜!!

武:だ・か・ら、ちゃんと「2012年の平行世界」に行ってみてだな、それをリアルに報告するんさよ。


山:。。。それはつまり、架空の物語ってことなんか??

武:俺ね、ものっそい金持ちで豪邸に暮らしてて、結婚して子どもがいるんだ。

山:完全な妄想やないか!! 「平行世界」でも何でもなくただの「妄想」!!

武:「平行世界」だっつーの!!!


山:何を考えてんねん、、、じゃあもう金持ちでもなんでもいいから話してくれ。その豪邸にディナーに呼ばれた僕、という設定でいこう。

武:では参りましょう!全米が泣いた!超スペクタクルファンタジー! 『2012年、武と山根の平行世界』。パチパチパチ!


●2012年、武と山根の平行世界

オープニング曲:The Twilight Zone Theme
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理論物理学者リサ・ランドール氏曰く「異次元は存在します。スライスしたパンの一つが私たちの住む3次元で、他のパンすなわち他の3次元が存在する可能性もあるのです」。ようこそ「平行世界」へ。あなたは自分という認識を持ったまま、まったく別の世界に来ました。山根康弘は武盾一郎に、確かに呼ばれていました、そして確かに武盾一郎の家の前に来たのです。そのはずなのですが見覚えのない場所に唐突に立っている。そんな感触なのです。それが「平行世界」、さあ「2012年、武と山根の平行世界」へどうぞ。


山:ピンポーン「こんばんは〜。」

武:メイド「盾一郎さま、盾一郎さま。お城の外にみすぼらしいなりのカマキリに似た東洋人が来ておりますの」

山:誰が東洋人やねん! あ、僕か。

武:「お? 東洋人か。久しぶりだな、通したまえ」執事ロボット「べっちー」がかぼちゃの馬車で門まで迎えに行きました。


山:お城に住んでんのか!「おー、武さん。すごいとこ住んでんなー」

武:執事ロボットべっちー「マレ人ヨ、主ハ許可ヲシタ。乗リタマエ。」かぼちゃの扉を開けて山根を乗せると馬車は浮遊するように動き出しました。光速とも時速7キロともつかないスピードで13分くらい、城の前にやってきました。

山:なんや、まだ会ってなかったんか!「広いな〜。どこやねんここは。」


武:高さ5mほどの扉が開き、眩いばかりの城の中には両側に41人くらいのメイドがいっせいに頭を下げました。「おいでませ、東洋人のおきゃくさま」山根は案内されるがままに奥の方へ行くと螺旋階段から降りて来る武盾一郎と目が合ったのです。「おお! なんと!山根ではないか!!」

山:なんと! やあるかい!


武:「みなのもの出迎え!コートを脱がして差し上げ! 暖かいタオルを持ってこい!」

山:「うわ、なんやねん、いやいや、いいですいいです。自分でやりますから」


武:「丁重にもてなせ!」厳しい表情で命令調に叫ぶやいなや、「いや、もうよい。さがれ! 私たちだけにしてくれたまえ!」武は山根の元へと走り、山根を見つめるとその瞳を潤ませるのでした。「ああ、久しぶりじゃないか。驚いたかも知れないが、普段通りでいいよ」


山:なんやねんこのストーリーは!!「いや、驚くも何もどうしたん?こんなとこに住んで。何があったんや?」

武:「まあ経緯はこれからゆっくり話すよ。さあ、こっちに」螺旋階段を登り切ると長い廊下が続いています。するとふっと沸き上がるように二人の人影が立っていました。「紹介するよ、妻のビヨンセ。そして娘のロシアンレッドだ」


山:「ビ、ビヨンセさんですか...、ど、どうも。ロシアンレッドって...、あ、こんばんは。」

武:「私はちょっとこの東洋人と二人きりで話しをしたいので、きみたちはそのまま気にしないでパーティを楽しんでなさい。困った時は執事ロボットべっちーに」


山:ちょっと待て、ロボットの名前「べっちー」やったんか!!
< https://bn.dgcr.com/archives/34_/
>
「ほら、武さんの好きな菊水のふなぐち買ってきたで。3本。」

武:「おお!ふなぐちか! 200mlで10万円以下のお酒は313年ぶりだ。ありが
とう!」

山:「...え、いつも何呑んでんの?」


武:「ああ、惑星『ケプラー22b』の氷からお酒を造ってるんでね、ちょっと大変なんだよ」
< http://sankei.jp.msn.com/science/news/111206/scn11120611170002-n1.htm
>

山:「そうなんや...、いやー、知らんことが多いなあ、僕は。まあいいや、飯食べようや。なんかないの?」


武:「惑星『ケプラー22b』の氷には地球外菌類がいてな、とある温度でお酒のような状態になるんだよ。肴はスカイフィッシュの佃煮がある。それから、いい部屋があるんだ。そこで呑もう。さあ」

山:「なんでもいいから早く食べようや。もう腹へって。あ、トイレどこ?」


武:「この城には部屋が113あってトイレは311ある。「素数」だ。これからいく部屋にもトイレはあるから安心なさい」

山:「あ、そうなんですか...。しかしまあ、なんでこんなとこ住んでんの? えらい変わったなあ、武さんも」


武:「ああ、私が変わったのではなく、世界が変わったのだ。たまたまなんだよ。人生なんてそんなものだとは思わぬかね。ふっ。さあ、着いた。ここがぜひ山根を招待したかった部屋だよ!」

山:「ど、どんな部屋なんや」


武:「ドアを開けるよ。ほら!」ドアを開けると、そこに広がってるのはまさに早稲田にある山根のアパートの部屋だった。

山:なんやねんそれw


武:「これはね、今の山根の部屋の物質情報を素粒子レベルでスキャンし、情報転送してリアルタイムで再構築してるんだよ! ホコリや細菌まで全く今の日本の山根の部屋と同じなのさ!」

山:「え!日本とちゃうかったんか!」

武:「ああ、『日本』という概念はここにはない」


山:「そんなとこまできて自分の部屋っていうのもなあ、、まあ落ち着くっちゃ落ち着くけど。。」

武:「リアルタイムで転送されてるので、今現在の山根の部屋なのさ」

山:「どこでもええわ、飯食お、飯」


武:「はは、それなら、家出る時に山根ん家にあった食べ物を思い出してごらん、そこにあるよw まあ、けど、このスカイフィッシュもおいしいから食べてよ」

山:「あ、冷蔵庫にキムチあるわ。これでええわ。はい、じゃあ乾杯!」

武:「おお、ケプラー22bの酒を注ぐよ! 乾杯!」


山:「しかしなあ、最近どうしてんの?」

武:「そうだね。まず、「最近」という時間の概念がここにはないんだ。まずはこの感触から説明しないとならないな」

山:「ああ、めんどくささは変わってないのかww ええわええわ、呑も呑も」


武:「そうだね、ごくごく。。。おっと、ドアの方から音がするぞ、誰も来ないようにと言っていたはずなのに。てことはリアルタイムで山根の部屋に誰かが入ろうとしてるのか」

山:「おいおい、誰やねん」

武:「ガチャガチャと音がするね、合鍵を持ってるのか?」『カチャッ』「おっ、鍵があいたぞ! 誰だ?」

山:「あ、武さんや。べろべろで『杜氏一心』持ってきてるわwww」

(完)

エンディング曲:Portsmouth Sinfonia : "Also sprach Zarathustra
(ツァラトゥストラはかく語りき)"<
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エンドロール:

武盾一郎
山根康弘

出演 
武盾一郎
山根康弘

演出
武盾一郎
山根康弘

プロデュース
日刊デジタルクリエイターズ

【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/来年2012年もよろしくお願いします!】
take.junichiro@gmail.com
twitter < http://twitter.com/Take_J
>
武盾一郎の報告書 Take Junichiro report.
< http://d.hatena.ne.jp/Take_J/
>
Take Junichiro Art works
< http://take-junichiro.tumblr.com/
>

【山根康弘(やまね やすひろ)/お手数おかけします!】
yamane@swamp-publication.com
SWAMP-PUBLICATION
< http://swamp-publication.com/
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■グラフィック薄氷大魔王[282]
天才と子供はムチャする/人の仕事部屋が気になる

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20111207140100.html
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●天才と子供はムチャする

しばらく前に話題になっていた「子供の絵を大人のアーティストがビジュアル化」と、似たコンセプトのいくつかのリンク。

< http://labaq.com/archives/51429370.html
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< http://labaq.com/archives/51703149.html
>
< http://labaq.com/archives/51694035.html
>
< http://goo.gl/53gvx
>

子供の絵とかアウトサイダーアートって、「常識をわきまえた大人のアーチスト」にはぜったい描けない予想外の形や色の面白さ。常識とか経験を踏まえて作ると普通のものしか出来ないけど、子供や天才って「普通はそっちには行かない」とか「その組み合わせは失敗する」ってこと関係なしに突っ走るから、ぶっ飛んだものを作ることがある。

だって「そりゃムリだ、面白くないよ」って方向を突き進むと労力が無駄になるってこと知ってるからそっちには行かないだもん。それを知らなかったりぜんぜん気にしない子供や天才は、躊躇しない。

こう行けばぜったい面白くなると読めているか、挑戦して失敗すること自体が楽しいか、結果を本当に気にしない性格なのか、どれかでしょう。少なくとも、失敗をおそれず突っ走るようになりたいもんだなあと。

そういったぶっ飛んだ作品、参考に出来たらすごいパワーアップできるぞ!ってむやみにワクワクさせられるところが面白い。かといって、異常者を気取った似非アウトサイダーアートはヤダけど。

スティーブ・ジョブズを評する話で「ジョブズには1000マイル先の水平線が見えていた。しかし彼にはそこに到達するまでに通らなければならない道の詳細は見えていなかった。それが彼の天才性であり落ち度でもあった。-- ジェイ・エリオット」ってのがあるけど、そういうものかも。あと、関係ないように見える点と点を結びつけるって話も。

あ、そっか。だから「Stay foolish(バカであれ)」か。

●人の仕事部屋が気になる

ミュージシャンの自宅スタジオを写真で紹介するムック「プライベートスタジオBOOK 2012」を買ってきた。2010年版は持ってるけど2011も出てたの知らなかった。
< http://www.sounddesigner.jp/PSDB/index.shtml
>

楽器や機材やどーのこーのより、有名ミュージシャンというプロ仕事人の仕事場を見るのが好きなのです。デザイナーとかイラストレーターの仕事場特集みたいな雑誌やムックも必ず買って来ちゃう。「○○のアトリエ」とかのシリーズも全部持ってる。

ミュージシャンのプライベートスタジオ写真を見ながら、自分の仕事場を妄想するわけです。机や機材をどう置こうかな、壁に何の絵貼ろうかなとか。床は絵具まみれのほうがカッコイイなとか、配線ケーブルは電源以外ゼロにしたいとか。おしゃれとかじゃなく、「ここが発信地だ!」的クリエイティブ空間。

よく海外ミュージシャンがスタジオを真っ赤にペンキで塗ってるのがカッコイイなあと思うけど、赤にこだわってる人を身近に知ってるのでやめとく。やるなら黄色かな。

ミュージシャンと僕みたいなグラフィック系の仕事って、根本から違うんだなあと思った。作りながら確認してる音楽って「空気」なので見えないけど、グラフィックは画面に映ってるものがすべて。音楽ソフトをいじるには画面が必要だけど、画面に映ってるのは最終作品じゃなくてソフトの操作画面。

プリントしたら外に出せるけど、確認や展示用以外では画面の外に出す必要ない。音は常に外に出てる。あ、ヘッドホンではちがうか。グラフィックのヘッドホンに相当するヘッドマウントディスプレイは制作には一般的じゃないな。

あと、音楽って楽器が必要。必要な数だけの楽器が物理的に存在しなくちゃならない。グラフィックは絵具だの道具だの、楽器にくらべりゃたいした場所とらないな。

僕的には「ノートパソコン自体が仕事場のすべて」という形にしたいと思ってきた。機材を最小限にして「画面内がスタジオだもんね」的に開き直りたい。でも、ちゃんとしたCGスタジオなどのそびえ立つラックマウントの機材とうねる極太ケーブルを見る機会があったりして、無理に最小限にする必要もないかななどと最近は思い始めてます。

プライベートスタジオBOOKの「フィギュア作家・原型師」バージョンは見てみたいな!

余談。20数年前に実家の自分の部屋(半和室)が突然イヤになって、畳をはずして大工さんに床板を貼ってもらってフローリングにした。壁には自分でベニヤ板を貼り付け、黒に近い焦げ茶色に塗った。そしたらビックリした。いくら照明を明るくしても部屋が真っ暗! 壁の色って重要だなと思いました。しかたなく、壁を真っ白に塗り替え、天井も明るいグレーに塗った。今もそのままになってる。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

「おっしゃー! 午前中にひとつ仕事を片付けたたぞ!」の罠。9〜12時に集中して仕事を完成させ「オレってすげ〜な、やる時はちゃんとやるんだぜ!」。昼食後に机に戻ってネット見たりしてすぐ2時くらい。完成した仕事を見直すとちょっと修正したい箇所を発見。それを終わらせて時計を見ると3時。なに〜!結局2倍の時間がかかってるじゃん! というアレ。

●iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV
>
●「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb
>

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■編集後記(12/07)

・ドイツ政府は2011年6月6日、2022年までにドイツにある17基すべての原子力発電所を廃止する一連の法案を閣議で了承した。代替えエネルギー調達については、風力発電の大幅拡大、送電網の拡充、天然ガスによる火力発電増などクリーンなエネルギー生産を目指すとしている。ドイツの脱原発政策は場当たり的なものではなく、前政権で決まっていたことだったが、メルケル政権は原発の稼働を平均で12年間延長すると決定を覆した。そこへ3.11が起こり、野党が猛反攻、世論が一挙に脱原発に走り始めたためメルケルは方針を一転、再び脱原発に舵を切り直したのだ。ドイツは本当に脱原発できるのか、やるならやってみろ、きっと挫折するぞと他人事のように揶揄する人が多い(わたしもそうだった)。フランスから電力を輸入しているくせに脱原発とはずるいと言う人もいる(わたしも)が、実際はドイツからフランスへの電力輸出量の方が多く、フランスに依存していない。ドイツの原子力エネルギーは2割強、そして1割強をロシアからの天然ガス輸入に依存しているが、石炭や褐炭が豊富で4割強、それにクリーンな再生エネルギー(太陽光、水力、バイオマス、風力)2割弱があり、電力の6割を自給自足できるという。やると決めたからにはやりぬく自信と根性、真に実力のある国ドイツならきっと完遂できるだろう。周辺国の非難や中傷に動じるほどドイツはヤワではない。といったことをドイツ在住のジャーナリスト、クライン孝子著「なぜドイツは脱原発、世界は増原発なのか。迷走する日本の原発の謎」(海竜社、2011)を読んで知った。編集が雑でいまいち整理されていないが、考えさせられるところは多かった。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475931203X/dgcrcom-22/
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→アマゾンで見る(レビュー1件)

・ケプラー22bは600光年......。/「All Aboard!」が意外だった。/罠に何度はまったことか。/Googleの広告表示設定にある「ウェブ上の広告」で、ブラウジングから推定されている自分の属性がわかるのだが、私は25〜34歳の男性なのだそうだ。これでも最近は、女性向けデザインのためのブラウズが増えたし、宝塚歌劇のサイトなんかも見るから、女性判定だと思っていたが。カテゴリはアート、インターネットにコンピュータ。かろうじて住居・庭が食い込んでいる。色気のなさはGoogleにも見抜かれていたか......。/ちょっと前にも書いたが、お客さんの言うところの「可愛い」がよくわからなくなってる。ブサかわいい、キモかわいい、はなんとなくわかるが、本来の意味の可愛いは、甘め要素が強化されていっている気がする。世の中にこんなにピンクってあった? 印刷物とか。意識しすぎて多く見えるだけ? インクや印刷性能があがったとかそういうもの? これは知り合いも同じ感想を持っていた。最近のデザインの傾向の話をしていてふと思ったのが、プリクラ。プリクラ手帳を作っていた世代と、それ以前の世代だと全然違うんだろうなと。自分の顔のまわりに星やハートマーク、花を飛ばし、ピンクやオレンジで飾る。メールでもデコる。それで感性を磨いてきているわけで、シックやゴージャス、ナチュラルで育った世代とは違って当たり前だろう。なので、その人がどのような雑誌が好きなのか、ネイルや服装、髪型、化粧、持ち物で、傾向を判断したりする。「可愛い」や「ゴージャス」が全然違うものを指すんだもの。お客さんの「ゴージャスなデザインがいいの」は真に受けないようにしている。こんなサイトが好き、ゴージャスなのにして、というのに、ご本人のネイルに花やレース模様が飛んでいて、甘めピンクだと、ゴージャスって本来こういうものなんですけどね......と作りつつ、頭の中でご本人情報と喧嘩して、全然仕上がらなかったりする。だって出しても通らないのがわかってるもん。(hammer.mule)
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