講師だって、最初は初心者だもの[番外]2012年はコレに注力します! 〜2011年のWeb業界総括を踏まえて〜
── 森 和恵 ──

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こんにちは。森和恵です。もう師走ですね。みなさんの今年はいかがでしたか?...と年末は一年を振り返る時期ですね。忙しい時期ですが、これも大切なことです。今回は、Web業界の2011年のトピックスと、来年に向けての話を私の目線でお話します。

●スマートフォンやタブレット対応

今年は、スマートフォンの普及が更に加速した年でした。「スマートフォン=iPhone」だったのが、いつの間にかAndroidの方がOSのシェアが上回ってしまいました。これまで一社独占だったのが、間口が広がったことで更に伸びたのだと思います。
< http://www.impressrd.jp/news/111108/kwp2012
>

タブレット端末も多数発売され、徐々にユーザー数が増えています。日本での普及はまだ少ないですが、「メールやネットが使えればいい...」というライトユーザーのなかには、パソコンの代わりにする人も増えているそうです。
< http://japan.zdnet.com/mobile/analysis/35005617/
>
< http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110722/278565/
>

じっさい、電車やカフェなどの日常シーンでも、スマートフォンやタブレットを利用する人を頻繁に見かけるようになり、調査結果を裏付けているように思えます。

また、今年のWeb系セミナーの傾向や人気度合いから、制作者側もスマートフォンやタブレット対応のWebサイト制作技術への関心が高いと感じられました。恐らく、これらの普及に伴って制作の現場でも対応が始まっているからなのでしょう。
< http://sp-web.jp/
>

今年は、スマートフォンやタブレット対応を「みんなと同じように、とりあえずやってみた」という初期段階でしたが、来年はもっと実用的・戦略的なサイトが出てくるのでは? と予想しています。単にパソコンのサイトの置き換えではなく、機器の特性や利用シーンに合わせたコンテンツの見せ方を考える段階がくると感じました。

種類も出揃い、ユーザー数も増えて、スマートフォンやタブレットは「使える」ツールに成熟しました。次はコンテンツを提供する側が、「どう使うと役立つか、楽しいか」の定番ルールを決める番なのかなと思います。




●HTML5とCSS3をいつ導入するか?

今年は、書店に行くとHTML5やCSS3の新刊がずらっと並んでいましたね。W3Cの仕様策定もある程度固まり、各社ブラウザの対応も整ってきたことで、実践段階に入った技術だと広く認識されつつあるのでしょう。
< http://kachibito.net/web-design/5-html5-gallery.html
>

しかし、新しいことだけに誤解も多くて「どう使うのが正しいのか?」がいまひとつハッキリしないなと思っている人も多いのではないでしょうか?

「HTML5やCSS3では○○ができます」という、ビジュアル面で派手な部分が目立ってしまい、その本質やなぜ新しくこれらが生まれることになったのか...という基本概念がなおざりにされていたような気がしています。

景気も下向きのわりには仕事も忙しくてお金も時間も取れない中、「今すぐ必要な技術」でなければ身につける余裕がないから、もっと後でいいや...となってしまう人も多いと聞きます。

一通り勉強した立場からみると、これから数年を見据えると導入しておくべきなのに...と思うと、もったいないなぁと感じます。既存サイトの更新ならともかく、新規サイトを作る場合は特に。なぜなら、HTML5とCSS3の普及でマークアップの変革が確実にくると思うからです。古い手法でこれから先を続けるのがよいと思わないからです。

とりあえず、HTML5とCSS3を使う「必要性」「メリット」「デメリット」を明確にする必要があると思います。その上で自分はどうすべきか? を考えると、導入の方向性が見えてくるかもしれません。HTML5とCSS3は、けっして早すぎる技術ではないと思います(自戒もこめて)。

●FacebookなどのSNSの利用

mixi〜Twitter〜Facebookと、ここ数年のSNS利用も飛躍的に増えています。利用者数も利用時間も多くなりましたね。
< http://www.netratings.co.jp/news_release/2011/11/sns-report-Oct-2011.html
>

どのSNSもそれなりに利用しましたが、どれが良い悪いというより、自分の回りの人たちがどこに集まるのかによって、利用頻度が変わっていったような気がします。特に今年はFacebookの利用が増えて、プライベートも仕事もなくてはならないツールとなりました。

利用の増加にともなって、企業の集客ツールとしての側面も強くなりました。各SNSの企業アカウントや企業ページはもちろん、自社ページへのSNSボタンの設置も増えてきています。

増えた反面、ユーザーとのコミュニケーションの失敗や、うまくプロモーションに結びついていない例も聞くようになりました。例えば、「親しみを出すためにフレンドリーにつぶやいていたことが、企業としては非常識とクレームが来た」「自社ページにつけた〈いいね!ボタン〉が0件のまま...」「プロモーションをしてみたけど応募がほとんどない」などなど。

SNSマーケティングも「とりあえずやってみた」から、ユーザー動向を確認し、どのSNSに注力するか? 何時どんな手段やルールで使うか? など、戦略が必要な時期にきたのではないかと思います。

●2012年はコレに注力します

スマートフォン&タブレット対策も、HTML5&CSS3導入も、SNS対策も...これまで新しい、流行とされていたことが「あたり前」になるのが来年からではないかと思います。目先の新しさだけではなく、実践・戦略的に使っていかないといけないんだろうなと痛感しました(今まではどちらかというと使われてた、振り回されてた観がありましたよね)。

個人的なことですが、来年からぼつぼつと自主開催的なセミナーを計画中です。また、自身の「教える」というコンテンツをいろんな形で提供しようとも思っています。そんなサービスを提供するサイトを新しく立ち上げる予定ですが、その制作や運営でこれらの技術を実践・戦略的に使って体感してみようと思います(依頼された制作案件じゃないので、好き放題実験できますしね)。

そのノウハウをまとめ、また「教える」ことで、広くみなさんに提供できればと思っています。「これを知りたいんです」的なセミナーネタがありましたら、ぜひ下記からご意見ください。
< http://bit.ly/gIHFfu
>

...ということで、今年のデジクリ登壇は終わりです。
さて、次回は、Facebookの話など。新しいタイムラインや秋に導入された新機能などをまとめてみたいと思います。
ではまた来年。よい年の瀬をお過ごしください。(^θ^)

※記事へのご意見・ご要望は下記より受付ま〜す。お手柔らかに。
< http://bit.ly/gIHFfu
>

【 森和恵 r360studio 〜 Web系インストラクター 〜 】
< site: http://r360studio.com
>
< twitter: http://twitter.com/r360studio
>
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< サイト制作の教科書 r360study: http://www.facebook.com/r360study
>

利益追求...も、Webサイト運営の重要な役割ですが、方法が明確ではなく、簡単にテクニックが身につくものではありません(私もそうですが、制作側の立場だとなおさら)。2月4日、大阪で開催される「Webの運営とマネタイズ」セミナーでは、そこのところを現場のプロに教えてもらうチャンスです。私も参加するのが楽しみです。
< http://kokucheese.com/event/index/22747/
>