[3181] 藝術に何を求めるか──【没後150年 歌川国芳展】を観て

投稿:  著者:  読了時間:29分(本文:約14,100文字)


《過去を切り捨て未来志向(笑)な僕》

■武&山根の展覧会レビュー
 藝術に何を求めるか──【没後150年 歌川国芳展】を観て
 武 盾一郎&山根康弘

■グラフィック薄氷大魔王[285]
 カセットテープのデジタル化第二弾!
 吉井 宏



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■武&山根の展覧会レビュー
藝術に何を求めるか──【没後150年 歌川国芳展】を観て

武 盾一郎&山根康弘
< http://bn.dgcr.com/archives/20120111140200.html >
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武:2012年、明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願い申し上げます!!

山:おめでとうございます〜。いやー始まりましたねえ、2012年。始まるもんなんですねえ。


武:では、2012年を振り返って一文字で表してみるとなんですかねえ。

山:そうやな、、って終わってんのか!

武:俺は「明」! 「2012年はとーっても明るい1年でした!」(と年末になって言えるように、みたいな!)

山:頑張って下さい。


武:なんじゃその冷めた目線の言い方は。あ、そうそう!

山:なんですの。

武:実は今、izwx inc.< http://izwx.biz/ >のバックアップを受けて、プロジェクトをこっそりと立ち上げております!

Take with you project 武盾一郎があなたのおともをします!プロジェクト
< http://live-painting.info/?page_id=4 >

僕は基本的にドローイング制作者なのですが、こちらでは展示や作品販売や制作依頼とはちょっと違い、「武盾一郎との時間を売る」プロジェクトです。『Take with you project』自体が無形の時空間藝術作品です。プロジェクトのお約束は以下の2点です。
1)ともに時間を過ごす
2)一時間単位で時間を買って頂く
アーティスト武盾一郎とともに過ごしたい「時間」がございましたら、ぜひお買い上げください!」


山:うーん、、、なんで武さんに金払わなあかんねん。損した気分になるやないか! 金取るんじゃなくて、むしろあげたら?「お供させて下さい!お金払うので!プロジェクト」。

武:それ、ちょっと面白いけどな。面白いんだけど「お金を頂く」ところがポイントなんですよ。


山:お金に換えるんなら、それなりの何かが必要やないですか。ドローイングならわかるけど。

武:そう、「武盾一郎の存在を時間で買って頂く」わけです。

山:需要はない。


武:普通に考えたらね。「武盾一郎と共に居ることに価値を見出して下さい」価値を見出せたあなたに価値が生じているのです。てことなんですよ。

山:...しかも1時間5,000円なんや! そんだけ稼ごうと思ったらその能力とか仕組みとかがいるんとちゃうんか。


武:その「能力」や「価値」を俺に見出せるかどうかはあなたしだい。なんですよ。

山:騙された気分だww

武:うん。それは身内意識だからだよ。


山:そうかあ? 騙すんならもっときっちり騙してくれんと。言ってる意味、というか突きたいところはなんとなく解るけど、それやったらメタ化しないとしょうがなくないか? そうなると全部仕込みで、そういうパフォーマンスということかもしれんけど。それかもう、素できっちりそうなるか。


武:パフォーマンスって基本的に無料だと思ってるじゃないですか。基本路線は「時間を買っていただく」ことなんだけど、今この瞬間でもWEBでは呼びかけてるワケなので、無料のパフォーマンスをやってるんですよ。ディティールはまだ検討の余地はあるけど、未完のやわい状態のままスタート出来るのがWEBなので、動きながら直してくの。


山:でもそんなん言い出したらね、例えば武さんと飲みに行って、僕が多く払ったとするやん。そうすると実際にそれは武さんに払ってることにもなるやろ。時間に対して。そういうことって日常的に行なわれている訳で。

武:そうね。それを作品として呼びかけてる訳ですよ。その「悦び」を山根から解き放してあげる、とw


山:何が「悦び」やねん! それをあえてこういう形で行なうには、なんかしら別の側面からのアプローチが必要になるでしょ。

武:あれだろ、ちょっと悔しいんだろw 「武さんを買ってるのは僕だけの既得権やのに!」てw わかるよわかるよw


山:気持ち悪いわ!!

武:そんなにすねなくてもよいぞ。

山:何言ってんねん。物言いが悪いのは気持ち悪い、と。

武:「行為のフレーミング」ってことなんですよ。


山:フレーミングになってないやん。気持ちを言ってるだけ、としか聞こえないんよな。そんなの誰だってやってるわけで、、そうすると武さんの言う藝術とは何なのか、お金とは何なのか。となる。浅い。薄っぺらい!


武:うすっぺらくていいんですよ「そんなの誰だってやってるじゃん!」て思わせたらひとつ前進なんす。誰だってやってるのに(やってるからこそ)わざわざフレーミングしない行為、それをフレーミングしてみせてるってことだから。


山:でもこういうのって、うーん、って唸らせないとしょうがなくないか?

武:そうね。「藝術とはなにか?」と「お金とはなにか?」を接続させる論考をちゃんと書く必要はあると思ってます。浅くてうすっぺらく見えるけどこれ案外難解。それはこれからおいおい。
  というわけで『Take with you project 武盾一郎があなたのおともをします!プロジェクト』をどうぞよろしくお願いします!!
  申込相談はこちらです!< http://live-painting.info/?page_id=13 >


山:頑張って下さい。

武:なにその冷ったいエール!

山:さて、本題に入らなくては。今回は国芳です!

【没後150年 歌川国芳展】< http://kuniyoshi.exhn.jp/ >
「2011年は国芳の没後150年にあたります。本展はこれを記念し、国芳の代表的な作品はもちろん、これまで未紹介であった傑作、新発見の優品の数々を含む約420点を展観し、国芳の多様な画業をふりかえり、新たにその全貌を明らかにしようとするものです。」

●【没後150年 歌川国芳展/森アーツセンターギャラリー】


武:年明け早々ギロッポン。つか、俺もうすんげえカタルシス得ちゃって賢者モードだわ。。国芳さんはこれね。いやあ混んでたねえ。
< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%8C%E5%B7%9D%E5%9B%BD%E8%8A%B3 >


山:あ、こんなブログがあった。これでええやん。全部これでわかります!
< http://21stcenturyxxxman.blog40.fc2.com/blog-entry-920.html >

武:おお、これはいいレビュー。みなさんこちらを参照して下さい!

山:みなさんが読んでる間、僕は呑んでます。今日は発泡酒。あー、仕事したー。


武:こらー、なにマターリしてるんじゃい! 今回観た結論を言うとさ、浮世絵って展示されたの観なくてもいいんかも。ウェブ上でさ、パソコンでもモバイルでもスマホでもさ、モニタで見ればいいんさよ。そういう現代的な視覚性質を持ってるのが浮世絵だって。


山:確かにね、パソコンで観るのは悪くはない。図録だと印刷の質が気になってしょうがないけど、モニタだとそんなに気にならないんだな。でもやっぱ、実物の版画はいいもんやけどなw


武:でね、この展示って現代で言ってみればさ、少年ジャンプやら漫画雑誌とか広告とか、いろんな印刷物のカラーページを切りとって展示してるようなものでしょう? 1,500円は高いな。ほとんどが宣伝費と人件費だろうけど。没後150年にかけて150円! とかやればいいのに。もっと混むかww

山:150円やったらそりゃええわな。


武:あれかな、100年後には鳥山明の雑誌巻頭カラーページとか展示されててさ、エリートが腕組んで片手で眼鏡の縁なんかいじりながら女の子に講釈たれたりするんかな。

山:漫画家なら生原稿やろw

●浮世絵の原画は?


武:浮世絵なら肉筆画でしょうよ!

山:そんなこともないやろ。だって実際すごいで、彫師も刷師も。印刷って言っても版画やからね。今の印刷が悪いってことはないけど。

武:まあね。ところで浮世絵の「原画」ってないんか?


山:浮世絵の原画は「版下絵」と呼ぶんやね。版木に張り付けて彫るから、なくなってしまう。ここにちゃんと流れが書いてる。きっちり注文制作なんやな。
『浮世絵のできるまで』< http://www.ne.jp/asahi/kaki/hp/uk_doc01.htm >
『浮世絵の下絵(版下絵)』< http://ukiyoe.wafusozai.com/archives/23 >


武:「浮世絵には、大きく分けて一枚ものの肉筆浮世絵と、木版画による浮世絵版画とがあります」ああ、そうなんか! 肉筆画って原画ではなくて別物の肉筆浮世絵をさすのか。てことは原案やラフがあるんじゃね?
「肉筆浮世絵」
< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%89%E7%AD%86%E6%B5%AE%E4%B8%96%E7%B5%B5 >


山:そういうのはあるかもね。帳面に描いてるようなやつとか。河鍋暁斎のときになかったっけ? 肉筆浮世絵の下絵のような。
< http://bn.dgcr.com/archives/20110420140100.html >

武:切り貼りしてあった薄い紙はあったよね。

●浮世絵のざっくりとした系譜


山:だいたい浮世絵ってなんなんや?
「浮世絵」< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E4%B8%96%E7%B5%B5 >

武:「『浮世』という言葉には『現代風』という意味もあり、」というのが面白いね、電気ブランの電気っていう意味に近いというかw

山:狩野派や土佐派のような御用絵師とは違う、ってことがポイントなんかな。


武:葛飾北斎が1760年で、

山:写楽は1763年ぐらいの生れらしいから、国芳より時代が少し前なんやな。国芳が1798年。
< http://bn.dgcr.com/archives/20110518140200.html >


武:歌川広重は国芳とタメ。国芳の弟子の河鍋暁斎が1831年、

山:月岡芳年は1839年。芳年も国芳の弟子筋。

「浮世絵師一覧」
< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E4%B8%96%E7%B5%B5%E5%B8%AB%E4%B8%80%E8%A6%A7 >
ありすぎてよくわからんw なるほど。竹下夢二も浮世絵の系譜になるのか。


武:浮世絵って今はないのかな? 現代だと江戸時代の時の浮世絵と意味合いが違っちゃうような気がするけど。

山:あるやろ。今でも絵師も彫り師も刷り師もいる。でも何描いてんのかな?『なんと「歌川国政」の名を継承する浮世絵師が現代にいた!』
< http://ruri.crara.cc/archives/5135/ >
  こんな人もいるんやねw


武:『煙草と悪魔』ふむー。これは意外な展開www
< http://www.kunimasa.jp/g_02.html >

山:じゃああの人はどうなるんやろ。こんなの描いてる人いるやん。

武:丸尾末広?

山:ちゃうw あ、天明屋尚だ。
< http://www.google.co.jp/search?q=%E5%A4%A9%E6%98%8E%E5%B1%8B%E5%B0%9A&safe=off&tbm=isch&source=univ >


武:ある意味、現代の「浮世絵」かも、現代風だしね。グロ系スタイリッシュてのかなこういうの。

山:スタイリッシュか?

武:ある俗っぽさってスタイリッシュに見えるじゃないですか。


●破綻してない歌川国芳の絵


山:で、展示に戻る。

武:ほい。色とか凄い鮮やかだったけどねえ。手工業の製品てのはねえ、版画の木とか良かったねえ。

山:図版でみるとのっぺりした紺でも、実物見るとやっぱり何とも言えないいい色やったりするし。


武:うん。多少色褪せてあれだもんね。当時はどうだったんだろうとか。色とかグラデーションとか構図とか目を奪われるよね。ホントに楽しかったっすからね。空いてたら一日中見てたかったよ。

山:なんやろね、見とれるよな。


武:個人的には『金魚に目高』天保3年(1842)が最も印象に残りました。人物よりも風景や動物や妖怪や平面遊びの方が面白い印象だったかな。

山:そうそう。武者絵もいいねんけどね。妖怪、動物とかいいよな。


武:人体だと、どうデザイン的に配置構成するか、なんだよね。「人間とは何か?」みたいな問いかけはないよね。天才「イラスト・デザイン・クリエイター」なんかな。


山:そのものの本質、とかより、そのキャラクターを引き立てる為に、鯨とか化け物とかと戦ってることにする訳でしょ。キャラクター作りが、人物にしても動物にしても妖怪にしてもすごくうまい。それは見てて楽しい。

武:エンターテイメントだね。


山:でもやっぱり僕は今回の展示を見て、北斎とか芳年の方が断然好きなんやな、と思ったんですよ。なんやろ、破綻がない、とでも言うのか。

武:「破綻がない」か。なるほど。

山:安心してみれるって、それはそれでもちろんすごいことなんだけど、見ててどっか逆につまらなくなってしまう、というか。

武:ふむふむ。


山:ドキッとしない、というかね。何これ? とかがない。そりゃ武蔵が鯨と戦ってたらありえないしおもろいねんけど、、

武:まあ浮世絵は総じてそういうところあるけど。

山:でも北斎が描く動物とか、なんか気持ち悪いやつとかあるよな。なんでこうなる。。。みたいな。


武:「形式」として人間が切り取られてるってのはあるんじゃないかなあ。例えば、歌舞伎とか能とか、日本の表現っていったん形式化させるじゃないですか。その形式化された素材の配置や配色の面白さを楽しむってかね。


山:まあ芳年の残酷絵とかも形式ではあるか。

武:そうね。北斎はちょっと形式を超えてるのかなw

山:北斎は特別、って言ってしまえば、そりゃそう思ってしまうねんけど。


●「感覚を楽しませる」と「心を揺さぶる」


武:「感覚を楽しませる」てのと「心を揺さぶる」てのは違うよね。

山:そうやね。うーん、芳年はやっぱり形式だけなのか。いや、そんなこともないような気がするねんけど。。。


武:絵に何を求めるか、「藝術」的なものを期待すると、「心を揺さぶられたい」よね。自分の価値観や美意識や視点を揺さぶられたい。芳年は形式を踏みつつもそこからグロテスクな人間の本性が飛び出して来る感じはあるよね。


山:残酷絵って、気持ち悪いもの見たさ、とかちょっと野次馬根性的なとこもあるのかもしれんけど、人殺しちゃうんだ、、、というようなのを見せられると、いいとか悪いとかは別にして、揺さぶられる、のかな。


武:なるほど。「暴力」という根源性に触れてるか、てのがあるかな? 北斎も暴力あるよね。国芳はない感じする。

山:国芳も残酷絵的なものもあるんやろうけど、きっちりお芝居になってるというか。


武:そうね。やっぱり安心してられるよね。暴力って安心しないからね。それでいて(だからこそ)人間を興奮させるし。善悪を超えた根源として暴力ってしょうもなくあって、そこを表しちゃうかどうか、なんかな?


山:技術の安心感でもって、さらにグッと心臓をつかまれたら、やっぱりびっくりするからねえ。国芳の絵も好きで知ってたから、今回観に行ったらもっと興奮するのかなって思っててんけど、意外と普通やったw すごいうまいし気持ちいいし、全然いいねんけど。なんやろ、趣味なんかなあ。


武:山根がまだ若くて血気盛んなんだよ。俺も30代まではそういうショックを受けるような作品が好みだったよ。40歳越えてくるとね、生命力が弱まるのか、グッと心臓をつかまれちゃうと具合悪くなるんですよ。なので優しくて心地良いヌクヌクもふもふしてるのが好きになっていくんすよね。


山:そうかなあ。例えばね、昔やったら絵を見るとき、自分の絵に取り入れることが出来ないかとか、どうやって描いたらこう見えるのかとか、どうしても自分の制作と重ねてみてた。けど、今はそういう見方をほとんどしなくなったので、ほんとに何感じるか、というのが重要になった、のかな。技法を見ることが嫌いになった訳ではないけど。


●今とさほど変わらない当時の生活


武:なるほど、作者の個と自分が戦う見方から解放されたということね、それはそれで良いことだよ。俺はね、この人は何歳で芸風が固まってきたとか、結婚したとか、子どもできたとか、どういう生活だったのかが気になるな。

山:何を気にするw


武:例えば書簡が展示されてじゃないですか。支援者というかパトロンというか、太田や八十吉さんという方に手紙を出してるんだけど、内容は「頼まれてる絵は仕込み中でまだ仕上がってませんごめんなさい」的なことを書いてるっていうね。ああ、俺も全く同じだ、同じことをしてるんだ、人と人の営みって何も変わってないんだなあって思うんですよwww

山:武さんはすぐに自分の状況と照らし合わすからね〜。


武:43歳で長女が産まれるんかな。身を固める年齢がその辺りなんだってちょっと嬉しくなるんですよ。きっと国芳は「さあ、これからやってくぞ!」て決意新たにしたんだろうね。そんな矢先、国芳45歳の時、天保改革で役者絵、遊女芸者風俗絵が禁止される。ああ、なるほど人生ってそうだよなあ! って思うんですよ。で、その表現弾圧によって国芳は動物や妖怪といった新しい表現を切り拓いて行く訳でしょ。そういうのを見てね、ああ、苦境がまた芸の幅を広げたりするんだなあと感心したりするわけですわw


山:感心したからと言って、武さんが身を固められるわけではないけどなw むしろそう言う見方の方が若い印象あるけど。僕としては。

武:そういうところに興味が行くようになるんさよね。


山:まあ武さんのことはわからんがw、浮世絵師ってがっつり商売やし、状況的にどういうニーズがあるかとか、こういうの描いてよ、じゃなきゃ今売れねーよ、とかもあったわけやろ。北斎だって名前売れたからってずっと食えてたんじゃないみたいやし。今の美術界もそうなんやろうけど。


●美術界と藝術の違い


武:「今の美術界」、かあ。「商売」と切り離すことを「藝術」としたからね。

山:どういう意味?


武:アートには非商売という理想が付き纏っていて、それを最も強く押し出してた有名人が作品を売らなかった岡本太郎でしょ。「藝術は金儲けではない」この思想は今でも藝術を考える上で極めて重要なんですよね。ただ当時の藝術家って圧倒的に権威ある家柄の人だけがなれた訳で金儲けを考えなくても生きていけたんでしょう。現在だとエリートが利権を発動させて新自由主義的リアルゲームで勝利して行くか、そうでなければ反新自由主義・反グローバリゼーションを掲げた反拝金だけどアカデミズム権威主義アートか、どっちかって傾向はあるんじゃないかな、で、たとえ作家がそのどっちでもないと言い張ったとしても芸大東大中心の中央集権的差別構造に回収されるようになってるんじゃないかな、今の美術界て。江戸時代の浮世絵にはそういう藝術観はなかったろうからね。


山:うーん、最近そんなことまったく考えなかったせいか、食えなきゃしょうがないやん、と普通に思うようにはなってるな。

武:どう生きていこうとしてるのか。てのも含めてアートだというところがあるからね。


山:でもそれだって、アートに限らんやろうに。藝術だけが生きることを取扱うってことではないし。

武:そうすね。どんな仕事もどう生きるか(死ぬか)だからね。まあ自分が絵を描いてるから視覚藝術の話しか出来ないんだけどさ。


山:どんな職業でも、職業でなくてもいいけど、自分がやってるとこから考える、ってのはあるわな。私はこういう仕事を、生き方をしています。と。で、こうしている私からみると、こうです! と。

武:それは面白いね。個体の動きからものを言って、贈与の交換が出来るといいよね。


【没後150年 歌川国芳展/森アーツセンターギャラリー】
< http://kuniyoshi.exhn.jp/ >
会期:2011年12月17日(土)〜2012年2月12日(日)計57日間
前期:2011年12月17日(土)〜2012年1月17日(火)
後期:2012年1月19日(木)〜2月12日(日)
※会期中、展示替えを行います。
開館時間:月・水〜日曜日 午前10時〜午後8時
火曜日 午前10時〜午後5時(いずれも最終入館時間は閉館30分前まで)
休館日:2012年1月18日(水)※作品展示替えの為
入館料:一般1,500円、学生(高校・大学生)1,200円、子供(4歳〜中学生)
500円 展望台・森美術館とのセット:一般2,500円、学生(高校・大学生)
2,000円、子供(4歳〜中学生)800円

【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/ぜひともこの私をお買い上げください!】
『Take with you project 武盾一郎があなたのおともをします!プロジェクト』
< http://live-painting.info/ >
古着に線譜を描いてます!「キリエクロ」< http://www.kiriekuro.jp/ >
Twitter < http://twitter.com/Take_J >
Facebookページ < http://www.facebook.com/junichiro.take >
武盾一郎の報告書 < http://d.hatena.ne.jp/Take_J/ >
Take Junichiro Art works < http://take-junichiro.tumblr.com/ >
take.junichiro@gmail.com

【山根康弘(やまね やすひろ)/今年は飲む時ちゃんと食べる!】
yamane@swamp-publication.com
SWAMP-PUBLICATION
< http://swamp-publication.com/ >

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■グラフィック薄氷大魔王[285]
カセットテープのデジタル化第二弾!

吉井 宏
< http://bn.dgcr.com/archives/20120111140100.html >
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●貴重なカセットテープ

昨年秋にカセットテープのデジタル化をやってましたが、正月に帰省した際に実家にあったカセットテープの山を全部東京に送り、デジタル化第二弾をやってるところです。主にたけしなどのオールナイトニッポンを録音したテープやテレビを録音したテープだけど、ラベルをちゃんと書いてないもんだから、いろんなテープが混じってて何が入ってるかわからない「宝の山」兼「ゴミの山」。

こういった昔のモノはエイヤッと全部捨てちゃうのが正解なんだろうけど、大切な録音も混じってたりするから思い切れない。そのへん、なんで始めたかの話はこちらで↓
< http://bn.dgcr.com/archives/20111005140100.html >

今回、作業を始めて2本目に処理したたけしのオールナイトのB面におもしろいものが入ってた。ラジカセでピンポン録音で多重録音してる途中段階のYMO「中国女」! それの完成バージョンは以前デジタル化したけど、途中段階が残ってたとは! こういうものが入ってるからテープは捨てられない。

別のテープのA面は、YMOの79年ニューヨークボトムラインでのライブのエアチェック。これだけでもけっこう貴重なんだけど、B面が81年のYMO出演したミュージックフェア! 目玉は「恋人よ我に帰れ」テクノポップバージョン。CD「UC YMO」に収録されてるものはミックスがちょっと違ったり、間奏でフェードアウトするけど、この録音では2コーラス目とエンディングがあるのでした。

続いて「Que」の演奏。オリジナルとベースパターンがちがう。「ドドドッドードド」ではなく「ドッドッドードド」。当時からこちらのほうが気に入ってた。その次に入ってたのが、坂本龍一作曲の朝7時「NHKニュースワイド」のオープニング! オレってサスガ! ちゃんと録音したんだなあ。

自分で多重録音したYMOの「Ballet」も入ってた。こちらもまだ4chマルチトラックデッキを持ってない頃でピンポン録音によるもの。テストでやってみたものだけど、やったことすらまったく記憶になかった。まだいろいろ出てきそう。

ところで「カセットテープにラベルがなくて中身がわからない」って件。もともとテキトーにしかラベルを書かなかったし、後になって「ペーパーセメント」というデザイン作業に使う糊でラベルを貼ったんですよ。ところが、ペーパーセメントは10年くらいたつとボロボロ剥がれてしまい、ラベルが何の役にも立たないという。。。MDのラベルもそれで全滅。たぶんスプレーのりのほうが耐久性あるかも。

探したら、ニコニコ動画に上記ミュージックフェアYMO出演の映像がありました。このように、過去にみんなが録音・録画してたものがアーカイブされていくといいな。個人でテープを持ってる必要がなくなる。

「恋人よ我に帰れ」 < http://www.nicovideo.jp/watch/sm10784480 >
「QUE」 < http://www.nicovideo.jp/watch/sm3709384 >

●歴史に参加したかった!

あるテープの最後に、83年の8月放送のNHK「YOU」のオープニングとエンディングをテレビから録音したものが入ってた。「次週はアニメ特集。ゲストは手塚治虫と富野由悠季」って、すごい回だ! 29年前の来週のテレビを見逃してクヤシイってのもアレだけど、当然ながら録画も録音もしてない。とTwitterに書いたら、「その次回のYOUに出演しました!」と砂パフォーマーの飯面雅子さんから返信があってビックリ。アマチュアのアーティストとして出演したらしい。

なんか定期的に書いてる気もするけど、80年代前半の東京文化に単にあこがれるしかしょうがなかった僕としては、上京してから知り合った人たちがその時代にちゃんと活躍してたことを聞くと、も〜うらやましくて死にそう。「YOUに出てた」もそうだし「ピテカントロプスに出てた(S・T氏)」「戸川純と共演してた(K・A氏)」などなど。すごいなあ! みんな歴史の一部として活動してたんだなあ。

あと、ビートたけしのオールナイトニッポンで「松尾伴内の弟子入り事件」ってあるわけです。松尾憲造(本名)と同世代としては、すごい勇気のあるやつがいるなと感心した。僕もイケるかも! と。やはり83年頃か、近くのスーパーにたけしのオールナイトにいつも出てた片岡鶴太郎が営業で来てて、いやがられつつ無理矢理サインもらったあと、駅のホームまで着いてったことがある。このままくっついて行けばビートたけしのいる世界に繋がれるかもしれない!

もしも実行してたら今頃どうなってたか。学校を出てすぐ上京してればいろんなことに関われた可能性はあるだろうけど、まあ、回り道した後の上京で結果的には悪くなかったとは思いますけどね。

「何か新しい時代の黎明期」って意味では、幸運にもPainterやデジタルグラフィックの黎明期にいろいろやれたわけだし。まあ、過去の歴史に参加できなかったことを嘆くより、今、歴史を作るほうがいいよね。とかなんとか。

●作りたいフィギュアの原点

干支のフィギュアを毎年作るのっていいかもなあ。去年がウサギ、今年がドラゴン、来年はヘビ、と延々続いて楽しそうだ。っていうか、ニュースとかで見る干支の郷土玩具の職人さんが、机に何百個も並べて色を塗ってる風景。昔からアレにすごいあこがれてる。フィギュア作るのって結局あの作業をやりたいんだよなー。ほれ、ダルマ作ってるのとほぼ同じ風景でしょ! ↓
< http://twitpic.com/81i63h >

郷土玩具職人の制作風景に加え、飛行機のツルツル高級ソリッドモデルが僕がやってみたいフィギュアの原点。実はソフビ自体にはものすごい強い思い入れがあるわけじゃないのです。置物っていうかインテリアっていうか、そっちへちょっと踏み込んだフィギュア。って、僕がそう思ってるだけで実際には需要も市場もないだろうけど。何屋さんで売るんだ?

まあ散々書いてきたように、数年前に夢中になって作ったり売ったりしてました。ワンダーフェスティバルはおととし仲間に入れてもらってちょっとだけ売りましたが、ちょっと場違いすぎ。どちらかというとデザフェスなんだろうけど。理想的には自分のショールームとネット通販なんでしょうね。売るのは作ること以上にエネルギーが必要。売るあてもなく作るわけにも行かないし、作業場所の問題もあって制作中断中。どうにかしたい。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

年賀状用のタツノオトシゴ「リーフィーシードラゴン」
< http://www.yoshii.com/dgcr/yoshii-2012.jpg >

Twitterとかで昔のカセットテープの中身について話題にしはじめると、当然ながら昔話大会になってしまう。過去を切り捨て未来志向(笑)な僕としては不本意だったりするけど、楽しいから困っちゃう。自分の土台になってるものの再確認も大切だよね、ってことにしておこう。

TED「目標は人に言わずにおこう」と岡田斗司夫氏の「まだやり残してると思ってるうちにヤメて、次の新しいコトに」ってのに感銘を受けたんだけど、なぜか次第に「目標のことは考えない」「やみくもにどれかヤメる」にすり替わってきて、非常にヤバい状態。ちゃんとやろう!
< http://goo.gl/LTiQp >
< http://blog.freeex.jp/archives/51303573.html >

・iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV >
・「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb >

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■編集後記(01/11)

・三が日は駅伝三昧。加えてDVD「風が強く吹いている」を見る。ありえない、無茶な設定だ、そんなうまくいくわけねえだろう、と突っ込みながら楽しく読んだ三浦しをんの小説の映画化だ。小説も映画もやっぱり同じ感想で、ほとんど素人集団がわずかな期間の鍛錬で予選会を突破、箱根駅伝に出場なんて、これはファンタジーの世界だ。とは思いつつ、かなり熱中して見られたから満足できた(あざといゴールのシーンは別にして)。顔がわかったのは津川雅彦ぐらいで、あとは知らない俳優ばかりだが、10人のキャラクターのはまり具合はナイス。名前だけ知っていた小出恵介は声がいい。みごとに役になりきっている。素晴らしい役者だと思う。これからは贔屓にしよう。林遣都、俳優というよりアスリートだ。彼の走りはじつに美しい。本物だ。でも、この映画の一番の見所は予選会、箱根駅伝の完璧な再現だ。コースや沿道の観客など、どう見ても本物映像を利用したシーンがあるように思える規模だが、実際はすべて地方ロケで、3万人のエキストラを動員したものと聞く。空撮もある。画像処理もある。走りを捉えるリアルな映像はみごとなものだ。この映画を見ると無性に走りたくなるが、当然無理だからまねごともしない。夜の犬の散歩のとき、北朝鮮軍事パレードの軍人の統制された動きをまねてみた。まったくできない。ブザマである。誰にも見られなくてよかった。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003187GDM/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで見る(レビュー27件)
< >
北朝鮮の軍事パレード

・途中段階のYMO「中国女」ですって!/宝塚歌劇でロバート・キャパのお話が上演される。宝塚なので恋愛比率は高そう。配役表には、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ゲルダ・タロー、パブロ・ピカソ、シモン・グットマン、セシル・ビートン、デヴィッド・シーモア、ピーター・アダムスらの名前があがっている。演出の原田諒氏の作品は、シャルル・トレネの若い頃、ニジンスキーの生涯、そして今回のキャパの生涯と実在の人物を描くものが続いている。/ガトーフェスタハラダの「グーテ・デ・ロワ・プレミアム」が美味しい。ラスク+チョコ。ホワイトチョコの「ホワイトラスク」も美味しいよ〜。百貨店の閉店間際だと並ばず買えることがあって、並ぶのが嫌いなので、買える時に買っちゃおうと散財。スーパーの安売り情報で買うものが決まる、つまりスーパーの思い通りに行動しているのと、ちょっと重なっている気もしたり。(hammer.mule)
< http://kageki.hankyu.co.jp/revue/index.html >
宝塚と東京で
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シャルル・トレネでJe Chante
< http://www.gateaufesta-harada.com/shopping/items/list?cllid=09 >
プレミアム
< http://www.saikano-hoseki.jp/ >
「彩果の宝石」のゼリーも美味しい